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事業開発におけるDify活用事例

 事業開発におけるDify活用事例

エクスプラザさん・ピネアルさんに企画いただいたイベント
"【Biz×Dify Meetup】ノンエンジニアでもここまでできるDify実践"
https://explaza.connpass.com/event/370625/

イベントのLT登壇資料です。BPaaSにおけるAIエージェント開発の事例のご紹介です。

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KentaroFujii

October 21, 2025
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Transcript

  1. 2 登壇者 藤井 謙太郎 Fujii, Kentaro 株式会社kubell インキュベーションディビジョン R&Dユニット 新卒で富士通株式会社に入社。基幹システムやERP導入などのプログラマやプロジェクト管理

    を経験し、PwCコンサルティングで金融機関向け経営管理プロジェクトに従事。 Laboro.AIにてAIを活用したアプリ開発やAI受託開発、カメラやIoTなどを活用した事業開発お よび戦略策定コンサルティングを主導、執行役員に就任し全社売上責任を担当。 2024年4月株式会社kubell(旧 Chatwork株式会社)に入社、AI分野における新規事業の推進 とR&D領域を担当。 自然言語を用いたレコメンドや画像関連の新規事業、AIコンサルなどが得意 直近は経理業務とシステム経験からAIエージェントに注力 AIエージェントのエンジニア、AWS運用など何でも屋化が激しい最近 ふじい  けんたろう (@kentaro_fujii_)
  2. 3 事業概要 • 国内最大級のビジネスチャット「Chatwork」を展開。業界のパイオニアであり国内利用者数No.1*1、導入社数は93.5万社*2を突破 • 圧倒的な顧客基盤のあるプラットフォームを背景に、チャット経由で業務を請け負いDXを推進するBPaaSを展開  ビジネスチャット「Chatwork」 BPaaS (Business Process

    as a Service) • 国内利用者数No.1*1 有料ユーザーの97%が中小企業ユーザー • 日本の1/5を占める導入社数93.5万社以上*2 775万ユーザー • 全業界・全職種の方が日常的に使うプラットフォーム *1 Nielsen NetView 及びNielsen Mobile NetView Customized Report 2024年4月度調べ月次利用者(MAU:Monthly Active User)調査。 調査対象はChatwork、Microsoft Teams、Slack、LINE WORKS、Skypeを含む41サービスを株式会社kubellにて選定。 *2 2025年6月末時点 チャット経由で業務を請け負いDXを推進 業務代行 経理・総務・事務な ど幅広い業務に対応 人事・労務など専門 性の高い業務に対応 採用 経理・会計 労務 営業事務 AI・SaaSを徹底活用
  3. 5 チームでのDifyの主な利用内容 チームでは主にDifyを事業開発として活用 事業開発プロセス 採用プロセス • 用途:AIエージェント開発におけるモック版や プロセスの解像度を向上するために利用 • AIエージェントデザインの内容

    (試行錯誤を全てエンジニアに任せにしない) ◦ コンテキストエンジニアリング ◦ 各プロセスのプロンプト検証 ◦ ドメインエキスパートとの判断プロセス の会話 ◦ インプットとアウトプットの整理 • 開発プロセス工夫:DifyをバックエンドAPIと して利用することで開発プロセスを圧縮 (一時的な対応であり恒久利用はしません) • 用途:選考前の大量スカウトターゲットに 対し、複数の職種との合致性をランクづけ する判断を実施 • Difyを使う理由 ◦ 人の脳内で複数の判断基準を同時実行 が難しい ◦ 人の方が判断基準がぶれやすく、安定 したジャッジが難しい ◦ スプシエージェントとしてビズに使い やすい環境が可能 • 利活用の工夫: ◦ GASから実行できるようにしスプレッ ドシート上で業務拡張を可能にする 主な用途① 主な用途②
  4. 6 kubellにおけるDifyとn8nで感じるメリット kubellでは、用途に応じてDifyとn8nを使い分け 価格 ライセンス メリット カスタム した機能 使用した声 •

    ホスティングすれば制限付きで無償利用 • 商用利用可能(制限付き) • ホスティングすれば制限付きで無償利用 • 商用利用不可 • チャットボットやワークフロー:GPTs のような簡易チャットを簡単に作成 • LLM関連機能:RAGやワークフローノー ドなどシンプルでわかりやすい • 連携ツール:Chatworkノードがコミュニ ティにあり。グループウェアなど豊富 • セキュリティ:ワークスペースが個人ごとの ため、開発者でも他の人の内容を見れない • API起動:DifyワークフローをAPI実行。 同期と非同期で実行可能。 • メール配信:AWS SESなどでメール対応 • Webhook:Gmail起動やチャットから Webhook実行可能 • メール配信:AWS SESなどでメール対応 • ぱっと見ではわかりやすいUI。入力 フィールドや変数など、入出力で詰まり やすい。 • 全部英語であり日本人に慣れないUIにより敷 居が高い。一度、使うと直感的にワークフ ローを作ることができる。
  5. 7 事業開発での利用イメージ 解像度の向上 プロトタイプの段階的実装 経費精算、請求書発行など領 域で大まかなタスクを特定 データ化 チェック 仕訳作成 パターン分類

    パターン増 プロセス分解 思考過程 判断基準 なぜこうするのか? このケースは・・・ このケースは・・・ 例外エッジケース増加 対応可能なケース Phase1 Phase2 Phase3 分解したタスク別に確定領 域をDifyやn8n、Pythonな ど手早い手段で実装 部分的な実装やパターン 増によりPython実装で Agentに移行 1つの業務レベルの開発 他の業務との統合や拡張 複雑化など ドメインの理解度に応じた段階的な実装方法を実施
  6. 8 事業開発でなぜDifyを使用するのか? Dify 活用 Dify 未活用 業務向けAIエージェントは、変化可能性や判断に必要なインプットなどの解像度がポイント。 いきなりAIエージェントを開発せずに解像度を上げることが重要 とりあえず作る ヒアリング結果や過

    去データからプロト タイプを開発 試行錯誤を高速化・巻き込み化ができることでドメイン解像度が高まる まだ使われない まだ解像度が低く何か違う 声が出る 開発中に多くのケースや業 務変化でニーズが変わる 保守的な関係に悪化 MVPあるあるとはいえ要件明 確化の対策発生 ドメイン解像度が改善せずヒ アリングの質が低い 停滞 生産性が悪化し 関係者が疲弊 まず試してみる ヒアリング結果や 過去データからDify で素早くプロトタイ プ作成 すぐ改善できる 想定漏れや改善事項の発生 プロンプトやフローが見え るので会話しやすい 解像度が継続的に改善 試行錯誤を通じどう設計す るかの理解が深まる 理想はドメインエキスパート が自ら修正 円滑な設計 変化点や重要なニーズ がわかっているので 設計しやすい 作ったのに使われない を抑制
  7. 9 Difyによるワークフローを業務実装すると起きること STEP1 初期作成 STEP2 大きな改善 STEP3 運用 • いくつかの巨大プロンプトを 作成 (数千行のプロンプト) •

    ノックアウトレベルの違反へ の対応 • 非LLM処理に個別ノードを分 割(特に定量判定) • 60-70点くらいなのでいけて そう • ツール呼び出しやワークフ ロー分岐などの試行錯誤 • RAGなのかプロンプトイン プットなのか • LLMのノードごとに高速なモ デルに変更 • プロンプトの指示ミス改善 • SelfCorrectなど多層チェッ ク導入 • 80-90点に改善 • 業務や事業において変化があ る概念の分割や整理 • 根本的な高速化のニーズ • 精度とニーズ変化の戦い • 新たなモデルの出現による チューニング • 新たな属人化との戦い • 70-90点を行ったり来たり 初期のモックは単純スモール ワークフロー 改善のためにコンテキスト階層 に分割開始 メンテナンスの沼開始 エージェントノード使ってみる・RAGやってみる・Tool使用するなどやってみるが 答えなき改善が継続する
  8. 10 人による確認 Difyによるコンテキストエンジニアリングのコツ CursorやClaude Codeなどコーディングに強いAIエージェントを活用する 絶対に人だけでプロンプトを書かないこと・定期的な全体見直し(リファクタ)がキモ Cursor プロンプトエンジニア リング専用のルール 複数の階層型

    コンテキスト プロンプト ▪ ポイント1:人とAIとの協働による作成 • 人が要件の叩きを書く(箇条書きレベルからOK)。Cursor等でプロンプトルールに基づき生成 • 生成した内容を人が直し、コンテキストを追加 ◼ポイント2:定期的なリファクタ • 定期的にCursorに全体の圧縮をさせるなどでプロンプトのリファクタをする(暴走に注意) • 複数の階層型は、相互に矛盾が発生しやすいため、全体の整合性を一括チェック ◼ポイント3:人は、アウトプット評価と全体整合性に注力 • 人はアウトプットの評価に集中(LLMにも評価させる) • LLMは、間違った指示や日本語に忠実に反応するため、ミスしやすい人よりCursor等で作成 コンテキストの入れ込み 全体の指示