Minitab によるXbar-R管理図

Transcript

1. 株式会社構造計画研究所 Minitabスタッフ Minitab による Xbar-R管理図 1
2. 概要： 管理図とは 工程における異常な変動パターンを検出するために設計された、特別な時系列プ ロットです。 時間経過に対する工程の安定性を調べます。安定した工程では起こらない特別な 原因に起因する異常を検出します。 2
3. 概要： 管理図の種類 管理図には様々な種類があります。データに応じてそれらを使い分けます。 • 計量データ（連続量のデータ）には… • Xbar-R管理図：サブグループがあり、その中のサンプルサイズが9未満のとき • Xbar-S管理図：サブグループがあり、その中のサンプルサイズが9以上のとき • I-MR管理図：サブグループがないとき • 計数データ（不良数や欠陥数のようなカウントデータ）には… • P管理図：不良（合格/不合格、良/不良など）の数をモニタリングするとき • U管理図：欠陥（1ユニットに含まれる欠陥）の数をモニタリングするとき 3
4. ストーリー ある自動車エンジン組立工場で生産されているカムシャフトは、設計仕様を満た すために600mm±2mmの長さであることが要求されています。 しかし、以前からカムシャフトの長さが仕様を満たさないことが問題とされてき ました。これにより、組立の適合性が悪く、廃棄率と再加工率が高くなっていま す。 そこで、Xbar-R管理図を使ってカムシャフトの長さをモニタリングします。 4
5. データの説明 試用版・サンプルデータ ダウンロード 以下のリンクからそれぞれダウンロードしてお試しください。 • Minitab 19 試用版 ダウンロード（Minitab社サイトに移動） • 長さ：カムシャフトの長さ • 日付：サンプリングした日付 5 • サンプルデータ
6. 操作 1. メニューから、統計 > 管理図 > 計量管理図 – サブグループ > Xbar-R を選択 6
7. 操作 2. 大きな枠内に ’長さ’ を入力し、サブ グループサイズに ’日付’ を入力 3. スケール ボタンをクリック 7
8. 操作 4. Xスケールの スタンプ をクリックし、 スタンプ列に ’日付’ を入力 5. OK をクリック 8
9. 操作 6. Xbar-Rオプションボタンをクリック 9
10. 操作 7. 検定タブを選択し、プルダウンメ ニューから、特別原因に対してすべて のテストを実施 を選択 8. 各画面でOKをクリック 10
11. 結果の解釈 まず、下のR管理図から見ます。R管理 図は、サブグループごとのR（範囲 = 最大値 – 最小値）をプロットしたグラ フです。 Rは、Xbar管理図の管理限界線（赤 線）の計算に使用されます。そもそもR が安定していなければ、Xbar管理図の 管理限界線が実際より広くなり、結果 として、正しく異常を検出できなくな る可能性があります。 11 R管理図
12. 結果の解釈 今回の場合、Rの時間推移は安定してい るため、Xbar管理図を調べることに問 題はありません。 12 R管理図
13. 結果の解釈 Xbar管理図は、サブグループごとに平 均値（Xbar）をプロットしたグラフで す。 Xbar管理図から6点の管理外れが確認 できます。この短い期間中にこれだけ の管理外れが発生することは異常です。 工程をばらつかせる特別原因がないか、 調査する必要があります。 13 Xbar管理図
14. まとめ 管理図による分析に従うと、このカムシャフトの製造工程には異常が発生してい る可能性があります。 異常が発生している日付やそれ以前について、現場のシフトや機械の設定を調査 し、工程をばらつかせる原因を取り除く必要があります。 14
15. 追加の考察 一見シンプルな統計ツールですが、サンプリングの仕方や手法の選択を間違える と、誤検知を増やすことがあります。 管理ツールとして導入するには、裏の理論も知っておく必要があるでしょう。 15
16. お問い合わせ 株式会社構造計画研究所 Minitabサポートスタッフ E-mail：minitabtech@kke.co.jp Webサイト：www.minitab-kke.com 16