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September 05, 2025

国際論文を出そう!ICRA / IROS / RA-L への論文投稿の心構えとノウハウ / RSJ2025 Luncheon Seminar

2025年9月5日
日本ロボット学会学術講演会
学術ランチョンセミナー

産業技術総合研究所
インテリジェントシステム研究部門
スマートモビリティ研究グループ
小出健司

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September 05, 2025
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Transcript

  1. 3 自己紹介 産業技術総合研究所 主任研究員 小出健司 豊橋技科大 → 伊・パドヴァ大学 → 産総研ポスドク

    → 産総研常勤 (現在34歳) 点群・画像処理(特に3D LiDAR SLAM) OSS公開 https://koide3.github.io/glim/ 今日は国際会議・論文誌への論文投稿(特に ICRA / IROS / RA-L)の心構えとノウハウを共有します
  2. 4 ICRA / IROS ってこんな国際会議です 論文発表(オーラル&ポスター発表2000件) ロボットコンペティション 展示&デモブース 超大御所が普通にポスターにいたりしてビビる↑ 慶応大M2

    永田君発表 @ ICRA2025 本当の意味での“最先端ロボット”が見られる (ここで初お披露目というのもままある) Quadruped Robot Challenge F1TENTH Future コンビニ
  3. 5 ICRA / IROS / RA-Lって何? ICRA : IEEE International

    Conference on Robotics and Automation (締切9月→開催5~6月) IROS : IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems(締切3月→開催10月) RA-L : IEEE Robotics and Automation Letters • ロボット分野における二大国際会議(多くのロボット研究者の主戦場、他には格調高めなRSS, CoRLなどもある) • 毎年、査読を潜り抜けた1,500 ~ 2,000件の研究発表が行われる • 論文発表と併設してロボットコンペや企業展示も行われる • IEEE RAS が発行するレター論文誌(最大8ページ) • 関連会議(ICRA/IROS/CASE/Humanoids, etc.)と連携しており 採択論文は会議で発表する権利が与えられる • ページ数も会議と変わらない&論文誌は業績的に嬉しいので とりあえずRA-Lに投稿→会議発表という流れが多い • ただし、査読は厳しめになる(より完成度が求められる) ※もともと他分野に比べて会議査読が厳しいのに業績に認められない状況を改善するため創設された ※通常の論文誌と異なり、会議投稿→発展版を論文誌投稿の流れ (“evolutionary paradigm”) は認められない Google Scholar Metrics @ Robotics ※論文誌・国際会議の被引用件数統計 (h5-index) でのランキング RA-L ICRA IROS
  4. 6 主著 共著 ICRA IROS 論文誌 (RA-L etc.) ICRA/IROS/RA-L etc.

    (学生主著本数) 2015~2018 × ×〇 〇 2019 〇 (RA-L) × 〇〇 2020 × 〇〇 〇 IROS, RA-L 2021 〇〇 〇 〇〇 ICRA, RA-L 2022 〇 〇 RA-L (1) 2023 〇 〇 × ICRA 2024 〇〇 - 〇 ICRA, AR (2) 2025 〇 - - ICRA x 3, RA-L, RAS (4) 2026 〇 - - ICRA x 3, IROS x N (3+?) 論文誌が間に合わず学位取得一年遅れ アカデミアでやっていけるだろうか… 修行としてICRA/IROSに五年出し続けよう! ICRA / IROS / RA-L 投稿経歴 ※予定 学生時代(左記+その他国際会議) 国際論文を出し続けられる自信は得た 主著投稿も続けるけれど、もう少し後進& 学生の研究を手助けしていこう 〇:採択 ×:不採択
  5. 8 今日の話:国際論文投稿について心構えとノウハウ Why When / Where What How : なぜ論文を投稿するのか

    : いつどこに論文を投稿するのか : どんな論文が採択されるのか : どうやって論文を執筆するのか +その他、ノウハウ
  6. 9 今日の話:国際論文投稿について心構えとノウハウ Why When / Where What How : なぜ論文を投稿するのか

    : いつどこに論文を投稿するのか : どんな論文が採択されるのか : どうやって論文を執筆するのか +その他、ノウハウ
  7. 10 Why : なぜ論文を投稿するのか 論文投稿の理由は人によって千差万別(「学位取得のため」も立派な理由の一つ) 個人的に職業研究者としては以下の理由で論文を出すことを心掛けている 1. アイデア・思想を世界に広めることができる • 自分の考えたアイデアを直接世界中の研究者に発信できる

    • 個人~少人数でできることとしては格段に大きな影響を持ちうる 2. 研究を進める糧になる • 第三者に読ませる文章にまとめることで研究の特色が整理できる • 査読や発表時の議論で客観的に研究の価値を評価してもらえる 3. 自分の価値を高める • 業績リストを通して何をどのくらいやったか、人と協力してきたかが見える • 第三者からの評価につながり、就職・転職・昇進に有利になる 正直なところ直接的な収入 になるというようなことはほぼない けれど、間接的でも自分の成長や利益になるので論文投稿する(共同研究とか昇進・昇給のタネには大いになる)
  8. 11 今日の話:国際論文投稿について心構えとノウハウ Why When / Where What How : なぜ論文を投稿するのか

    : いつどこに論文を投稿するのか : どんな論文が採択されるのか : どうやって論文を執筆するのか +その他、ノウハウ
  9. 12 When / Where : いつどこに論文を投稿するのか ありがちなパターン: これはバッドパターン • 研究が一段落することなどない

    • 論文に必要な作業(e.g., 評価実験)には永久に手がつかない まだ結果が出てない… もうちょっと研究を進めて 一段落したらどこかに論文を出そう 「もうちょっとなのにな~」と思いながらずっと論文が出せない
  10. 13 When / Where : いつどこに論文を投稿するのか まずいつ・どこに論文を投稿するか決める ※ 余談:「今回論文を出さないとならない」理由は逆に減り続ける(学位が取れた、昇進した、知名度が上がった)ので一生論文を出し続けるのは精神力が要る 先に投稿先を決めてしまって、後は決まった締め切りまでに何としても仕上げる

    長い時間かけてやった研究が良い研究とは限らない • 研究の進行具合・周辺状況は無視してまず投稿先を決めてしまう • 「今回は論文を出せない」理由は一生増えつづける※ • ネタがない、思う結果が出ていない • 他の共著が最近出た • 予算申請の締切が近い • 他の仕事 / 家庭が忙しい • …が、ほぼ必ず来年の自分は今年の自分より忙しい • 一度「今回は出さないでいいや」をやると、もう一生論文を出さなくなる
  11. 14 When / Where : いつどこに論文を投稿するのか 9月 10月 11月 12月

    1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 ICRA IROS 投稿締切 採択通知 開催 投稿締切 採択通知 開催 査読結果待ち 査読結果待ち 投稿先は ICRA / IROS が非常におすすめ! • Google Scholar @ Robotics 2位&7位 (h5-index) → 非常によく読まれる&引用される • 投稿締切~結果通知がちょうど半期ズレていて投稿サイクルを回しやすい • 不採択になっても、査読結果を基に改善して次のICRA/IROSにすぐ再投稿できる(公式も推奨※) 再投稿 不採択 再投稿 改善 不採択 改善 不採択の 場合 RA-Lもおすすめ! • 随時投稿可 / GS@Robotics 1位 / 投稿から4~6ヵ月で最終Decision / ICRA or IROS で発表可 ※RESUBMISSION OF PAPERS REJECTED FROM IROS 2025 (https://2026.ieee-icra.org/contribute/call-for-icra-2026-papers-now-accepting-submissions/)
  12. 15 今日の話:国際論文投稿について心構えとノウハウ Why When / Where What How : なぜ論文を投稿するのか

    : いつどこに論文を投稿するのか : どんな論文が採択されるのか : どうやって論文を執筆するのか +その他、ノウハウ
  13. 16 What : どんな論文が採択されるのか 投稿論文は査読で評価されて採択・不採択が決まる コミュニティに対するコントリビューション(貢献)があれば採択される • その論文が何らかの形で分野にとってプラスになるか(発表する価値があるか) • 分野内にその論文を読んで嬉しい人がいるか(少数でもいい)

    コントリビューションを測る指標 • 新規性:その論文が新しい考えを提供するか • 有用性:その論文の内容が何かの役に立つか • 再現性:その論文の主張が確かであるか 全てを同時に満たす必要はないが、 トータルで分野にプラスになるか考える
  14. 17 What : どんな論文が採択されるのか (1/2) (ベストペーパー)高信頼 Visual オドメトリ@ ICRA2024 新規性:★★★

    有用性:★★★ 再現性:★★★ → 文句なし! LiDAR・カメラキャリブレーション @ ICRA2023 新規性:★ 有用性:★★★ 再現性:★★ → 新規性はないけど便利! 使いやすいツールボックスとしてコード公開 新規性が薄くても、それを覆せるくらいの有用性があれば採択される
  15. 18 What : どんな論文が採択されるのか (2/2) SLAM評価のチュートリアル論文 @ IROS2018 新規性:なし 有用性:★★★

    再現性:??? → でも、コミュニティにとって有用 ロボットにグラフィティアートをさせる論文 @ ICRA2022 新規性:??? 有用性:??? 再現性:??? → でも、面白い! 研究を型にはめる必要はない、けれど誰にどうプラスになるかはちゃんと意識する
  16. 19 What : どんな論文が落ちるのか 新規性だけの論文 • やられていないことをやるだけでは採択の理由にならない • 新しさに加えて役に立つ必要がある 理解不能

    or 査読者の誤解で不採択になる場合がとても多い、本来採択されるべき研究が不採択になる 査読者は誤解できるところは全て誤解すると想定して執筆する(誤解させる文章を書いた著者の方が悪い※) 再現性のない論文 • 評価手順が明確に記述されていない、比較・Ablation実験などが無い • 本当に提案手法が良いものなのかがわからない 理解できない論文(これが特に多い) • 文章として成り立っていないレベルで英語が悪い(英語は別に上手でなくでもいい、が意味不明はダメ) • 説明不足で数式の導出が追えない論文 ※極論ではあるけれど、実際問題「査読者が誤解してる!」って言っても結果が覆ることはまずない
  17. 20 コントリビューションを補足する 新規性 • 関連研究をしっかりまとめて提案手法の違いを示す 有用性 • 広範囲の後続の研究開発に利用可能であることをアピールする • コードを整備&公開して誰でも使えるようにする

    再現性 • 比較実験などで既存手法への優位性を明確に示す • 提案機能の効果をAblation Studyできっちり検証する • データセット&コードを公開して再現できるようにする 査読者にコントリビューション要素を認めさせる方法(足りないコントリビューションを補足する) 新規性 < 有用性 < 再現性 の順でかさ増しが難しい 逆説的に、新規性が薄くても有用性・再現性をかさ増しすれば採択されうる
  18. 21 今日の話:国際論文投稿について心構えとノウハウ Why When / Where What How : なぜ論文を投稿するのか

    : いつどこに論文を投稿するのか : どんな論文が採択されるのか : どうやって論文を執筆するのか +その他、ノウハウ
  19. 22 考案:どんな研究をするか決める 実装:数式をコードに起こす 評価:必要な実験・評価を行う 執筆:第一稿を書き上げる 仕上:締切まで原稿の改善・修正を繰り返す How : どうやって論文を執筆するのか 研究開始から論文投稿までは大きく5つのステップ

    ここにかける時間は短ければ短いほど良い この段取りは最初に頭に描いておく ※研究の進め方は人によって千差万別なので参考程度に 研究の全体像が固まるまでは時間をかけて良い 締め切りまで残り時間全てを使って繰り返す • アイデア考案は時間がかかる、他の仕事をしつつ何がしたいか・何ができるか考える • 実装・実験・執筆に時間をかけがちだけど、本質的にはそこは研究ではない • やることを決めたら最短で第一稿をまとめる(この時点でクオリティは低くていい) • 改稿を重ねてクオリティを上げていく 論文の書き方:英語論文(松尾先生) https://ymatsuo.com/information/how-to-write-paper-en/
  20. 23 構想から執筆例 (ICRA2024:GPU + 変分推論 + ハッシュで自己位置推定) 2021年初頭:アイデアについて考え始める • GPUでモンテカルロ自己位置推定やりたいなあ…(これだけでは実際上苦しい)

    2023年6月:足りない要素を見つける(締切三ヵ月前) • 変分推論パーティクルフィルタをICRA2023で知る(もう一要素で行けそう…) 2023年6月 • 局所性鋭敏型ハッシュを横塚さん(先輩)の助言で思い出す(必要要素は揃った!) 2023年7月 2023年7月:全体構想(締切二ヵ月前) • 全体像を構想(他の仕事をしながら頭の中で組み立てる、あまり手は動かさない) 2023年8月:作業開始(締切一ヵ月前) • 実装 2023/8/15 ~ 2023/8/30 • 評価 2023/9/1 ~ 2023/9/6 • 執筆 2023/9/8 ~ 2023/9/11 • 校正 2023/9/12 ~ 2023/9/15 + 暇になったのでもう一本追加!(実装済みだったので実験と執筆のみ) • 投稿 2023/9/16 (2週間) (1週間) (4日間)
  21. 24 実装に取り掛かる段階で、ぼんやりこのくらい全体像を決める (ICRA2025) このキーワードは 入れよう 一枚目にこんな アピール図を置く 流れとアピールす る点を決める •

    おおよその流れ • 決め台詞 • 貢献点 タイトル 概要 イントロ 既存手法をこう カテゴリ分けする 関連文献 提案手法は こういう立ち位置 提案手法1 最初に概略説明と 全体図 提案手法2 構成要素を この順で 説明する 最後に実装詳細 とか説明する 実験1 : 機能検証 提案要素を 個別実験で 検証する こんな感じの 精度プロットを 置こう 有効性が強く 示せる状況での 実験をやる こういう図と 精度比較表を 置く 公開データセッ トで他手法と横 並び評価する 精度評価テーブ ルを置く 定性的な結果図 と処理速度解析 後で考える 実験2 : アピール 実験3 : 比較実験 結言 1 2 3 4 5 6 この論文は 必ず抑える あとはイメージ通りの形に迷わずまっすぐ進めていく
  22. 25 構想から執筆例 もちろん想定通りうまくいかない時もあるが、そういう時はアドリブで全体構想を再設計して乗り切る 2022/9/1:初期構想(締切二週間前 ← なんか他の仕事が忙しかった) • DirectとIndirectを組み合わせて、精度&収束性良い手法を作ろう 2022/9/4:実装開始(締切10日前) •

    Indirectが全く役に立たない…Directだけだと新規性無し…ヤバい!!! 2022/9/5:方針転換(締切9日前) • 画像ベース対応付けを入れて完全自動化&便利ツールボックスとして公開しよう! • 有用性で貢献は十分だろうから評価は最低限ざっくりで行こう! 2022/9/11:実装~評価完了(締切4日前) • 死ぬ気で実装&評価作業などは自動化 2022/9/15:執筆~投稿(締切当日) • 死ぬ気で執筆&改稿 • 投稿後は公開用コード&ドキュメント整備 ~ LiDAR-カメラキャリブレーション @ ICRA2023
  23. 26 査読結果 Editor While the paper largely leverages prior work

    on the theory side, developing this into an open-source tool that works and brings together various approaches is a non-trivial effort and contribution. This has the potential to be widely used in the robotics community. 概ね狙った通りの査読コメントをもらって無事採択 • コード公開はうまく使えば採択率UP(再現性・有用性UP)&引用件数UPにつながる • ただし、ちゃんと第三者に使えるようなコード品質&ドキュメントが必要 • 実装が得意ならやってもいい(が、お金儲け的にはマイナス)、ちゃんと周囲に許可取ってやろう Reviewer1 Some may argue that the novelty is low, it is essentially a collection of existing algorithms, but it has high utility. Reviewer2 The strength of this paper lies in solving a real-world problem with a focus on ease-of-use. Lowering the effort for calibration, especially in the case where re-calibration is needed is a great contribution to the robotics community. ・新規性は弱いけど、便利なツールボックスでコミュニティにプラスだね ・実験はもうちょいあった方が良いよね • 短期間でやった割にはよく使われている&引用されている:Github 1.1k stars、被引用108件
  24. 27 各セクションで気を付けること (1/2) 概要 • ここを読むだけで全体像、アピールポイント、結果がわかるように イントロ • 研究を行う理由をはっきりさせる、この論文がどういう風にコミュニティにプラスになるのか述べる •

    査読者目線だと、イントロまでで採択・不採択の初期判断がされるので、主張を簡潔かつ余すところなく伝える 関連研究 • 既存研究をただ述べるところではない、「自分の研究が世の研究の中でどういう立ち位置なのか」述べる • 既存研究をただ並べるのではなく、適度に分類しながら分野の潮流を説明する • 「先行研究はありません」は「自分の研究の位置づけに失敗しました」ということ → 当然ダメ 手法説明 • とにかくわかりやすく&誤解のないように&厳密に記述する • 同分野の研究者が読めば、同じシステムを再現できる程度の情報を記述する
  25. 28 各セクションで気を付けること (2/2) 実験 • 提案手法の良さをアピールできるように自由に構成していいが、王道は以下の三点セット  既存手法との横並び比較(公開データセットで定量評価)  提案手法の要素ごとの効果評価(Ablation

    Study、定量・定性評価)  提案手法の良さをアピールするデモ実験(とにかく派手な独自データで定量・定性評価) ディスカッション • 通常の手法提案論文なら実験内で結果説明するので分けなくてもいい • もっと踏み込んだポジション論文ならセクションを分けてしっかり議論する 結言 • ページ数もきついので正直いつもテキトウに書いている (このセクション要る???) • 執筆はとにかく手を止めないことが肝心 • 文章に迷ったら書くべきことを単語(キーワード)だけ置く or 箇条書きして次の箇所に取り掛かる • 手を止めずに、何度も原稿の最初から最後まで繰り返し往復して改善していく
  26. 29 今日の話:国際論文投稿について心構えとノウハウ Why When / Where What How : なぜ論文を投稿するのか

    : いつどこに論文を投稿するのか : どんな論文が採択されるのか : どうやって論文を執筆するのか +その他、ノウハウ
  27. 30 執筆TIPS (1/4) 補足動画 • できるだけつけた方がいい、動画の出来は採択率に結構影響ある(体感) • 論文原稿だけだと伝えにくい動作とかシステムとしての良さとかを伝えやすい • Adobe

    Premiereで編集している、無償も良いのがある (使ったことないけど Davinci Resolve, Filmora) • 補足動画がつけられない会議でもyoutubeリンクを置くとかできる 投稿規定(Call for Paper : CfP)の確認 • ページ数上限やその他の規定、意外とちょこちょこ変わっているので毎回確認する (ICRAは今年から8ページ上限&Double Anonymousに変更) • 規定を守れていないと投稿の数か月後に査読コメントすらないリジェクト通知が来てとても辛くなる (ページ数上限を超えて一敗した経験あり、本当につらい ) 補足ページ • 余力があれば作ると良い(定番テンプレは ”Academic Project Page Template” で検索) • ただし、査読者は原稿と補足動画以外は見る義務がないことを念頭に置く
  28. 31 執筆TIPS (2/4) 英文校正(エディテージ、フォルテ、エナゴなど) • 時間とお金があるならやった方がいいが、校正無しでも通るクオリティに仕上げてあるのが前提 • 英語の間違いを直してくれるだけで、研究のレベルを上げてくれるわけではない • 最近は生成AIがあるのでお金出してやるメリットは薄いかも

    • 大学からの補助とかあったりするので調べてみると吉(学生の頃使ってました) 金額感:8ページで 8 ~ 12万円くらい(納期で変わる) 納期感:1週間 ~ 2日間 ※サービスやらオプションやらでかなり変わるのでざっくり目安 RSJ会員サービス (https://www.rsj.or.jp/service/member/) • IROS論文投稿奨励金制度:毎年開催される国際会議IROSで初めての発表に挑戦される当学会の学生会員の皆様 を対象に、エディテージ(カクタス・コミュニケーションズ株式会社)のご利用で英語添削(もしくは英語翻 訳)済みの論文投稿に対して、当学会より1論文あたり1万円の奨励金を提供致します。 • 英語論文添削・翻訳等割引サービス:当学会個人会員は、英語論文添削・翻訳等の全ての論文投稿支援サービ スを12%割引で利用できます(エディテージ(カクタス・コミュニケーションズ株式会社)ご提供)。 注意:「校正間に合わないから投稿あきらめよう」はダメ!! 目的の主従が逆転している
  29. 32 執筆TIPS (3/4) 執筆ツール • pdflatex + latexmk で書く、図をPDFで用意すれば高速コンパイル できて作業効率がいい

    • WordはWordを使っているとバレないレベルの技量があるなら 使ってもいい(→ほぼ確実にバレるので使うな) • VSCode + LaTex Workshopがリアルタイム編集できて便利 ※あくまで小出の装備品紹介 いにしえの装備化しているかもなので詳しい人は最新ツールをどんどん使った方がいい VSCode + LaTex Workshop JabRef • 参考文献 (bibtex) をまとめて管理できる DOIから自動で文献情報入力できて便利 JabRef hunspell Hunspell • CUIスペルチェッカー • とりあえずこれかけてから他のもかける
  30. 33 執筆TIPS (4/4) 図 • 極力ベクタ形式で用意する(SVG & PDF) • 主に

    inkscape、draw.io (vscode integration)、gimp で編集 Photoshop とか Illustrator とか使える人はそっち使った方がいいかも 表 • おしゃれ & わかりやすくする • 余分な線を消す&booktabs.styを使う プロット • matplotlib + seaborn でプロット& SVG で保存 → inkscapeで PDF に変換 • inkscapeでレジェンド位置とか軸タイトルとか微調整できる ※データが変わるような編集は当然絶対ダメ!不正になる! • エクセルはエクセルとバレないレベルの技量があるなら… Better LaTeX Tables with Booktabs https://nhigham.com/2019/11/19/better-latex-tables-with-booktabs/ inkscape draw.io Before After ※あくまで小出の装備品紹介 いにしえの装備化しているかもなので詳しい人は最新ツールをどんどん使った方がいい
  31. 34 必読参考資料 Deep Paper Gestalt(論文は見た目が8割? ): https://arxiv.org/abs/1812.08775 論文の書き方:英語論文(松尾先生): https://ymatsuo.com/information/how-to-write-paper-en/ 数式の記述1:論文を書くにあたって(赤井先生):

    https://qiita.com/NaokiAkai/items/7c43b0e9ea31e53b59e6 数式の記述2:LaTeXにおける正しい論文の書き方(@birdwatcher): https://qiita.com/birdwatcher/items/5ec42b35d84d3ee2ffbb
  32. 35 通ったら 採択された若手・学生著者向けの賞に応募する • IEEE Robotics and Automation Society Japan

    Joint Chapter Young Award • SICE International Young Authors Award for IROS(賞金もある!) SNSなどで宣伝する • せっかく発表するからにはいろんな人の目に着くようにする 次の研究をしてHPを保つ用意(通ったらというか投稿した段階で) https://speakerdeck.com/tanichu/hp-hitto-point-bi-tou-pointo