本発表は、デジタルアーカイブ(DA)における「インデックス」の役割を、利用主体の関心という観点から再検討するものである。従来の主題索引は、利用主体の関心を制度化・客観化したものとして機能してきたが、生成AIによる対話型検索の普及は、個別的で文脈依存的な関心を直接的に探索の起点とする可能性を開いている。本発表では、言語人類学における指標性と投錨の概念を手がかりに、〈個別の関心〉と〈制度化された主観性〉という二つのレイヤーへの投錨を組み込んだ「主体投錨型インデックス」という設計指針を提案する。主観と客観の二項対立を超え、利用主体と資料との関係を動的に生成・更新していくインデキシングの可能性を理論的に検討する。