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宇宙・地球のオープンデータでハッカソン

 宇宙・地球のオープンデータでハッカソン

第24回KYOTOオープンサイエンス・ミートアップ
日時:2018年10月31日(水) 19:00-20:30
スピーカー:河村聡人さん(京都大学理学研究科)

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Transcript

  1. 河村 聡人 / Akito D. Kawamura @aDAVISk アメリカ生まれ、京都育ち 北嵯峨高校⇒アラバマ州立大学ハンツビル校 (学士、修士)

    ⇒京都大学 (博士課程) 専門:太陽物理学、太陽圏物理学 キーワード:ボイジャー、太陽活動、シミュレーション、 歴史的資料による天文学、宇宙政策 (統計学、経済学)、アウトリーチ D’s Space Lab:NT京都2017、NT金沢2018 Space Apps Challenge: 2016年から参加。日本の運営者グループの翻訳担当。 2017年は大阪会場にてチームFavor For Fire Fightersで会場の最優秀賞に。 今日は先日の2018年大阪会場を中心にお話します。 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk
  2. 目次 1. NASA Space Apps Challengeについて 2. 成果物の紹介 3. オープンデータとハッカソンの相性

    4. アウトリーチとしてのハッカソンの魅力 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk
  3. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk SpaceApps Challenge: NASAの全世界同時ハッカソン

    • ハッカソン (Hackathon = Hack + marathon) • NASAからチャレンジ(お題) が発表 • (オープンデータを使った) アプリ開発で解決 • 第7回の2018年は10月19-21日 (2017年までは4月開催) • 運営・資金繰りは各会場任せ。非営利で。 • 各会場から最大2チームがグローバル審査へ。 2018年日本 (6会場 : 92名? 34チーム) 東京 : 39名? 14チーム 大阪 : 24名? 7チーム 宇部 : 5名? 3チーム 会津 : 6名? 2チーム 神戸 : 2名? 2チーム 豊橋 : 16名? 6チーム 2012 東京 2013 東京 2014 東京 2015 東京、会津、福井、山口、肝付 2016 東京、会津、福井、つくば、 相模原、宇部、熊本(震災で中止) 2017 東京、大阪、宇部、熊本、 つくば、会津 1. NASA Space Apps Challengeについて
  4. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 運 営 運

    営 運 営 運 営 運 営 運 営 SpaceApps Challenge 運営概要: 日本会場は個別運営&運営協力グループ NASA オープンデータ 東 京 大 阪 宇 部 神 戸 豊 橋 会 津 登録 (個人・チーム・会場) Local Awardの報告 ルール チャレンジ(お題) Global Award審査 利用 NASA その他 【運営】SpaceApps Japan in Facebook(情報・ノウハウ共有、 人員融通、チャレンジ翻訳) … シ カ ゴ パ リ カ イ ロ (2017年) 69カ国 187会場 約25,000人 spaceappschallenge.org … 1. NASA Space Apps Challengeについて
  5. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 今年のお題(チャレンジ): テーマ「宇宙と地球」 6カテゴリー、20チャレンジ

    1. NASA Space Apps Challengeについて ロケット、 センサー 地球、 可視化、 文系寄り 地球、 小惑星、 災害 地球、 可視化、 社会問題 地球・極域、 可視化、 環境問題 宇宙、 探査
  6. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 今年のお題(チャレンジ): テーマ「宇宙と地球」 6カテゴリー、20チャレンジ

    1. NASA Space Apps Challengeについて ロケット、 センサー 地球、 可視化、 文系寄り Artify the Earth Use NASA Earth imagery data to create 1) an art piece, or 2) a tool that allows the imagery to be manipulated to create unique pieces of art. NASAの地球画像データを使用して、1)美術作品、または2) 画像を操作して独自の芸術作品を作成できるツールを作成しま す。 Do YOU Know When the Next Rocket Launch Is? Create a tool to track international rocket launch information. 国際ロケット打上げ情報を追跡するためのツールを作成しま す。
  7. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 今年のお題(チャレンジ): テーマ「宇宙と地球」 6カテゴリー、20チャレンジ

    1. NASA Space Apps Challengeについて 地球・極域、 可視化、 環境問題 宇宙、 探査 Polar Opposites Design a data analysis and/or visualization tool to show the spatial and temporal changes in Arctic and Antarctic ice to a general audience. 北極および南極の氷の空間的および時間的変化を一般の視聴者 に示すために、データ分析および/または可視化ツールを設計 してください。 On the Shoulders of Giants Create a game using images from the Hubble Space Telescope as integral components! ハッブル宇宙望遠鏡の画像を不可欠な要素として使用する ゲームを作成してください!
  8. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk ハッカソン=ハック+マラソン 短期集中でアイデア出しからプロトタイプまで •

    アイデア出し(アイデアソン) – インプット(講演) – アイデアの短期でのブラッシュアップ(描く、共有する) – チームビルディング • ハック – アイデアソンの結果を具体化(プロトタイプ制作) – プレゼンテーションの準備も • 発表 – スライドによるプレゼンテーション – タッチ&トライ 4時間 24時間 2時間 1. NASA Space Apps Challengeについて
  9. 目次 1. NASA Space Apps Challengeについて 2. 成果物の紹介 3. オープンデータとハッカソンの相性

    4. アウトリーチとしてのハッカソンの魅力 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk
  10. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 大阪2018優秀賞:LOST ICE 極域の環境をアイスバーに

    https://2018.spaceappschallenge.org/c hallenges/icy-glare/recycle-polar- opposites/teams/lost-ice/project 2. 成果物の紹介
  11. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 大阪2018最優秀賞:Team Debris T-shirt

    手描きの絵から星座を探し、共有するアプリ 2. 成果物の紹介 https://2018.spaceappschallenge.org/challenges/universe-beauty-and-wonder/shoulders- giants/teams/team-debris-t-shirt/project
  12. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 大阪2018最優秀賞:Team Debris T-shirt

    手描きの絵から星座を探し、共有するアプリ 2. 成果物の紹介 svs.gsfc.nasa.gov
  13. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 東京2018:wear E arth

    地球観測データをTシャツに gibs.earthdata.nasa.gov https://2018.spaceappschallenge. org/challenges/help-others- discover-earth/artify- earth/teams/latlatlonglab/project 2. 成果物の紹介
  14. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 大阪2017最優秀賞:Favor For Fire

    Fighters (F4) 発展途上国の森林火災対応を助けるアプリ 2. 成果物の紹介 https://2017.spaceappschallenge.org/challenges/warning-danger-ahead/and-you-can-help-fight-fires/teams/f4- favor-4-fire-fighters/project
  15. 目次 1. NASA Space Apps Challengeについて 2. 成果物の紹介 3. オープンデータとハッカソンの相性

    4. アウトリーチとしてのハッカソンの魅力 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 注意:特にここからは個人的な見解です。 観測者効果が大いにあります。
  16. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 使いやすかった/勧めやすかったデータ 3. オープンデータとハッカソンの相性

    海氷のデータ • 毎日の面積(CSVファイル)、範囲(画像) • FTPサーバー 0 5 10 15 20 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 南極の海氷面積(10^6 km^2) https://nsidc.org/data/g02135?fbclid=IwAR0gaH8wEC2gWh- y7jSgZ3vCdGWh1Jiz0Otnjaq7QgDFRY0j8j3vZAF1zlE
  17. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 頑張れば使えそうだったデータ 3. オープンデータとハッカソンの相性

    地球全球の風予報のデータ • 高さ毎の風のベクトル成分等(grbファイル) • FTPサーバー等 https://www.ncdc.noaa.gov/data-access/model-data/model- datasets/global-forcast-system-gfs 表示用プログラム https://earth.nullschool.net/ F4では100%の実装には 至らなかった
  18. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 使えるかなと思ったけど使えなかったプラットフォーム 3. オープンデータとハッカソンの相性

    Google Earth Engine https://earthengine.google.com/ • 地球観測データをJavaScriptで叩けるWebインターフェイス 胆振地震の地滑りを見ようとしたけど、よくわからん。(SentinelのChrのdiff.)
  19. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk ハッカソンでは使う気すら起こらなかったデータ 3. オープンデータとハッカソンの相性

    Solar Dynamic Observatoryの元データ http://jsoc.stanford.edu/ • 太陽の観測データ (FITSファイル) • Webサイトでのクエリ、IDLとPython向けにはAPIあり ちょっと頑張れば太陽フレアの動画とかも作れるんですが、 ダウンロードしないといけないデータ量や前処理を考えると 一般向けとしてはおススメできない。
  20. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 教育目的なら勧めるデータ 3. オープンデータとハッカソンの相性

    Solar Dynamic Observatoryの画像・動画 https://sdo.gsfc.nasa.gov/data/aiahmi/ • 太陽の観測データ (処理済みの画像・動画) • Webサイトでのクエリ
  21. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk データの扱いやすさに依存する開発環境 3. オープンデータとハッカソンの相性

    理解しやすい。情報量が少ない。 理解しにくい。情報量が多い。 アクセスが難しい アクセスが簡単 物理量等のデータプロダクト (更新されるCSVファイル等) 観測の元データ (APIあり) 観測の元データ (プラットフォーム) 処理済み画像 (まとめサイト) 処理済み画像 (FTPサーバー等) 処理済み動画 (まとめサイト) 観測の元データ、モデル (FTPサーバー等) 観測の元データ (個別サイト) 処理済み画像 (個別サイト)
  22. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk データの扱いやすさに依存する開発環境 3. オープンデータとハッカソンの相性

    理解しやすい。情報量が少ない。 理解しにくい。情報量が多い。 アクセスが難しい アクセスが簡単 物理量等のデータプロダクト (更新されるCSVファイル等) 観測の元データ (個別サイト) 観測の元データ (APIあり) 観測の元データ (プラットフォーム) 処理済み画像 (まとめサイト) 処理済み画像 (FTPサーバー等) ハッカソン向け 処理済み動画 (まとめサイト) 素材・教材向け 玄人・専門家向け 観測の元データ、モデル (FTPサーバー等) 処理済み画像 (個別サイト)
  23. 目次 1. NASA Space Apps Challengeについて 2. 成果物の紹介 3. オープンデータとハッカソンの相性

    4. アウトリーチとしてのハッカソンの魅力 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk
  24. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 共同作業での密なコミュニケーション 事例:Favor For

    Fire Fighters (F4) [大阪2017] 4. アウトリーチとしてのハッカソンの魅力 Gyro Kano Hsl Seki Akito D. Kawamura Yu Okumura 知識提供 (データベース)、 コンセプトデザイン モチベーション、 プレゼンテーション Web環境設定、アプリ開発 データベース解析、 アプリ開発 F4のメンバー
  25. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 目的がある=データを受け取る準備が出来ている 事例:LOST ICE

    [大阪2018] 4. アウトリーチとしてのハッカソンの魅力 明確なアイデアだったので、 アイデアソンの最後の 発表時点で検索開始 すぐに見つかったので、 グループが出来たタイミングで共有 無事組み込まれました。 “NASAのオープンデータ、 「こんなのもあるの???」ってびっくりするものばかり” https://www.agex.co.jp/blog/direction/380/?fbclid=IwAR0FMbb3Z2KmXlAwkrXUwEI8Xy4uVyWQA_kcqFWFsdPd-4ST9uk-91uRcJk
  26. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 最後に:SpaceApps最大の障壁⇒心理的バリア 4. アウトリーチとしてのハッカソンの魅力

    ハッカソン ⇒ 最前線の技術屋があつまるところでしょ?自分は、、、 NASAのイベント ⇒ あのNASAの!?レベル高そう。自分は、、、 ⇒ 英語はダメなんです。 対策として、オーガナイザーの顔が見える、翻訳がある (Google先生)、 過去の面白そうな雰囲気を見せる、etc この心理的な障壁を下げることが参加者を増やす鍵。
  27. 2018/10/31 – オープンサイエンスミートアップ at MTRL KYOTO @aDAVISk 4. アウトリーチとしてのハッカソンの魅力 <参考資料>

    Space Apps Challenge 2018年:https://2018.spaceappschallenge.org/ 2017年:https://2017.spaceappschallenge.org/ SpaceApps Japanブログ:http://blog.spaceapps.jp/ togetter 2018年 大阪:https://togetter.com/li/1279612 2017年 大阪:https://togetter.com/li/1106196 東京:https://togetter.com/li/1106676