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FIT2022_levii

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株式会社レヴィ

October 05, 2022
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  1. ◯三浦 政司 JAXA宇宙科学研究所 南部陽介,山舖智也 株式会社レヴィ 第21回情報科学技術フォーラム 2022.9.13 しなやかな問題解決を実現するための 対話型モデリング手法「システミング」の提案

  2. 発表概要 • システムズアプローチに基づいた対話型モデリングのための フレームワーク「システミング」を提案している。 • システミングを用いることで、多様な立場や専門性を持つ人々による 良い上流設計が可能となり、目的と解を同時に探索するようなしなやかな 問題解決ができるようになる。 • システミングを効果的に実践するためのツールも開発しており、

    実務における実践例を合わせて紹介する。
  3. 発表の流れ • 背景・目的 • 課題とアプローチ • 提案:システミング • 実践例の紹介 •

    まとめ
  4. 背景・目的

  5. Volatility 変動性 V U C A Uncertainty 不確実性 Complexity 複雑性

    Ambiguity 曖昧性
  6. システム工学 複雑さに対処するためのベストプラクティスを体系化したもの 例えば… プロセスの規定 設計情報の体系化と管理 ゲートによる不確実性の排除

  7. Copyright levii Inc. All rights reserved. クラスI :完全情報記述問題 • 目的及び環境に対する情報が観測者にとって既知であり、問題を完全に記述できる。

    • 制御理論や待ち行列理論などの工学的設計問題なと クラスII :不完全環境情報問題 • 目的に関する情報は既知であるが、環境に関する情報は観測・予測できず、 問題を完全には記述できない。 • 社会を含めた環境に適応しての解探索が中心課題になる。 クラスIII:不完全目的情報問題 • 周囲環境(制約条件)ばかりでなく、目的に関する情報も観測者には予測で きず、問題を完全に記述できない。 • 目的を決めることと、問題の解の探索が同時に行われる。 出典:井上 雅裕, 陳 新開, 長谷川 浩志「システム工学—問題発見・解決の方法」 システム工学が扱う問題が変化している
  8. Copyright levii Inc. All rights reserved. クラスI :完全情報記述問題 • 目的及び環境に対する情報が観測者にとって既知であり、問題を完全に記述できる。

    • 制御理論や待ち行列理論などの工学的設計問題なと クラスII :不完全環境情報問題 • 目的に関する情報は既知であるが、環境に関する情報は観測・予測できず、 問題を完全には記述できない。 • 社会を含めた環境に適応しての解探索が中心課題になる。 クラスIII:不完全目的情報問題 • 周囲環境(制約条件)ばかりでなく、目的に関する情報も観測者には予測で きず、問題を完全に記述できない。 • 目的を決めることと、問題の解の探索が同時に行われる。 出典:井上 雅裕, 陳 新開, 長谷川 浩志「システム工学—問題発見・解決の方法」 システム工学が扱う問題が変化している ここが様々な場面で 増えてきている ⇨クラスⅢ問題が  普遍化してきている
  9. 例えば:気候変動 • 特定の国、特定の組織、特定の専門分野では解決できない問題    • 多数の要因や利害が複雑に絡まり、共通の理解を得ることが難しい 

  10. 例えば:人口減少・高齢化 鳥取県南部町 地域の人々自身が 問題解決に参加する必要がある

  11. 例えば:デジタルトランスフォーメーション DX推進担当者 • 業務についてよく知っている • 課題を感じている • 課題感を文面にするのが難しい • システムについて

    よく知っている • 業務について何も 知らない • 組織の戦略に 沿ってDXを取りまと めている • 業務や課題について 知らないこともある 設計者・実装者 実務担当者
  12. 「普遍化するクラスⅢ問題」に対処するために (1) 目的探索と解探索を同時に進めるしなやかさ ⇨ 拠り所となる「良い上流設計」が重要 ⇨ 上流設計:なんのために、どのような解決策をつくるのか?     について合意を得るプロセス (2)

    普遍化に追いつくための大衆化 ⇨ システム工学の専門家に限らず、様々な立場の人が複雑な問題解決に 取り組めるようになる = だれでも「良い上流設計」ができる
  13. 本発表における「上流設計」 要求とアーキテクチャについて 関係者間の合意を得るプロセス ビジネス分析 プロセス 利害関係者要求 定義プロセス アーキテクチャ 定義プロセス 設計定義プロセス

    システム分析 プロセス 実装プロセス 統合プロセス 検証プロセス 移行プロセス 妥当性確認 プロセス 運用プロセス 保守プロセス 保守プロセス 要求定義プロセス ISO/IEEE 15288:2015 p17-Fig.4で定義されている システムライフサイクルプロセスのうち技術プロセスを抜粋 上流設計 なんのために、どのような解決策を つくるのか?について合意を得るプロセス
  14. 目指していること 要求とアーキテクチャについて合意する上流設計を システム工学の専門家に頼らずに誰でも上手に実践できるようになることで、 目的と解の同時探索によるしなやかな問題解決が可能となる世界 <上流設計> なんのために、どんなものを? ・要求(目的) ・アーキテクチャ(解の基本構造) <解探索> 合意している/変更があっても認識がずれない

  15. (「良い上流設計の大衆化」に向けた) 課題とアプローチ

  16. Copyright levii Inc. All rights reserved. 上流設計の難しさ ▪ ただ合意すればよいというものではなく「よい合意」を目指す必要がある ▪

    よくない合意の例 ◦ あとから「やっぱり違った」 ◦ 実は納得していなかった、強制的な合意 ◦ 漏れがあった、見逃していた ◦ 粗すぎるところで合意していた(したつもりになっていた) ◦ … ▪ よくない合意が起きる原因 = 合意の難しさ ✖ 合意の対象についてよく分からないまま合意してしまう ✖ 適切でない抽象度で合意してしまう ✖ …
  17. 機能 物理 運用 抽象度高 抽象度低 抽象度が高過ぎるとこ ろで合意しても、 認識がずれる 抽象度が低すぎると 合意がとれない

    合意の難しさ:「ちょうどいい」が分からない どのような視点で理解・共有すればよいか?
  18. 機能 物理 運用 抽象度高 抽象度低 どのような視点が必要か? どの抽象度で表現するか? 探索する必要がある! 合意の難しさ:「ちょうどいい」が分からない

  19. 機能 物理 運用 抽象度高 抽象度低 専門家は「ちょうどいい」を知っている •該当分野の経験が豊富な人 •システム工学の専門家は ちょうどいい抽象度と 必要十分な視点を知っている

    (or 見つけだすスキルがある) ココが大衆化の壁
  20. 問い 専門家でなくても/新しいことに領域に踏み出す場合でも、 「ちょうどいい視点」と「ちょうどいい抽象度」を見つけ出し、 参加者たちが問題状況や対象を適切に理解し、 良い合意を形成するためにはどうしたらよいか?

  21. アプローチ:対話型モデリング 1. 視点をわける 2. システムモデルで対話する 3. 視点をつなげる 運用 フロー 機能

    構造 運用フローを実現する のに必要十分な機能が 挙げられているか? (整合性観点)
  22. 1. 視点をわける 2. システムモデルで対話する 3. 視点をつなげる 運用 フロー 機能 構造

    運用フローを実現する のに必要十分な機能が 挙げられているか? (整合性観点) モデルを描くための前提 モデルを描きながら対話することで 合意できる(ちょうどいい) 要求・アーキテクチャを探す モデルを描きながら対話 するときの注意点 アプローチ:対話型モデリング
  23. 提案:システミング

  24. システミング® • 誰でも対話型モデリングを上手に実践できることを目指して 構築したシステムデザインのためのフレームワーク • 基本的な考え方をまとめたガイドブックを配布中 株式会社レヴィのWebサイトにてガイドブックを無料配布中:levii.co.jp

  25. Copyright levii Inc. All rights reserved. システミングの構成

  26. Copyright levii Inc. All rights reserved. システミングの構成

  27. Copyright levii Inc. All rights reserved. 視点をわける • 複雑なシステムの全体をそのまま考えたり理解したりすることは困難 •

    対象をモデルで表現するためには「視点をわける」ことが必要 • 視点をわける = 視点を決める × 複数の視点から見る
  28. Copyright levii Inc. All rights reserved. 視点をつなげる • 視点間で整合性・一貫性・対応関係があるように表現することは困難 ◦

    対象や状況が複雑な場合は特に難しい ◦ 視点に応じて描く人・考える人が変わる場合も難しい ◦ 一度違う視点から考えてみることではじめて分かることや気づくこともある • それぞれの視点から描いたシステムの姿の間に ◦ 整合性があるかどうかを確認しながら進めていく ◦ 整合性があるように修正しながら進めていく  ことが重要
  29. Copyright levii Inc. All rights reserved. ビュー システム • 「視点をわける」「視点をつなげる」の「視点」を具体的に定義

    • システムの姿をモデルで表現するときの、システムの切り取り方、枠 • 目的・関心・抽象度・範囲を決めるとビューが決まる システム ビュー • 目的 • 関心 • 抽象度 • 範囲 で決まる モデル
  30. Copyright levii Inc. All rights reserved. ビューモデル システム • 視点の地図

    • ビューと整合性リンク(ビュー間をつないだリンク)から構成される図
  31. Copyright levii Inc. All rights reserved. ビューモデル 整合性リンク:つながりをチェックできるよ!という印 (チェックするべき!)

  32. Copyright levii Inc. All rights reserved. ソフトウェア設計のビューモデルの例 システムの中を見る システムを外から見る コンテキスト

    ユースケース 業務フロー 画面レイアウト 概念モデル クラス図 ソースコード
  33. Copyright levii Inc. All rights reserved. 電子回路設計のビューモデルの例 システムの中を見る システムを外から見る コンテキスト

    回路 ブロック 回路図 運用 シナリオ 機能フロー 要求・制約
  34. Copyright levii Inc. All rights reserved. システムの外と中(と境界) 目的 課題 システム

    システムを外から見る システムを使うのは誰か? どのように使われるのか? どのような価値があるのか? などに関心を持つビュー システムの中を見る システムの具体的な姿は? どんな部品や材料から? どんな構造、組み合わせ? どんなデータやプログラム? などに関心を持つビュー • システムを最も大きく切り取る、2つの基本的なビュー: 「システムを外から見る」「システムの中を見る」 • システムデザインで扱うビューは、2つの基本的なビューに含まれるか 境界上に配置される。 境界 ユーザーと システムの 相互作用 に関心 SKIP
  35. Copyright levii Inc. All rights reserved. システムの外と中(と境界) SKIP

  36. Copyright levii Inc. All rights reserved. 整合性リンク コンテキストビュー 業務フロービュー どんなステークホルダがい

    て、それぞれにどんな価値 を提供するのか? 誰がどのような流れで そのシステムを利用する のか? 整合性をチェック • コンテキストと業務フロー で登場人物が一致している か? • その業務フローで、 求められる価値を実現でき るか? SKIP
  37. Copyright levii Inc. All rights reserved. 整合性リンクと整合性観点 コンテキスト 業務フロー 機能

    リスト 回路 ブロック • コンテキストに登場するステークホルダが 業務フローの主語になっているか? • 業務フローに沿って一通り活動すると、コン テキストで描かれた相互作用(価値)を実現 することができるか? • 回路ブロックで示された回路要素と構成で、 機能を全て実現することができるか? ビュー ビュー <共通> • 使用している言葉があっているか? • 対応を考えたときに、足りない要素や余計な 要素はないか? SKIP
  38. Copyright levii Inc. All rights reserved. システミングの構成

  39. システミングを効果的に実践できるツール:Balus® • オンラインで対話しながら協働的にモデリング • 簡単な操作で素早くビュー(視点)と システムモデルを作成 • ビューやモデルを手軽に再利用 • 適度な形式ルールによる柔軟なモデリング

    • 豊富なコミュニケーション機能
  40. 実践例

  41. Web公開版では省略 https://levii.co.jp/works/ をご覧下さい

  42. まとめ

  43. まとめ 課題 「ちょうどいい視点」と「ちょうどいい抽象度」を見つけ出し、 参加者たちが問題状況や対象を適切に理解し、良い合意を形成 するためにはどうしたらよいか? 提案 • 対話型モデリングで「ちょうどいい」を探しながら合意形成する • 対話型モデリングのためのフレームワーク「システミング」

    • 対話型モデリングのためのツール「Balus」 今後は • 実践結果をフィードバックし、フレームワークやツールをより洗練させる • 宇宙システム、組織システム、事業システムなど様々なドメインへの適用 目的 誰もが良い上流設計によってしなやかな問題解決ができるようになる
  44. お気軽にお声がけ下さい ▪https://levii.co.jp/ にて各種資料配布中 株式会社レヴィ ▪SNS、メールニュースなどで情報発信中 https://levii.co.jp/mailnews/ 
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