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AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化

AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化

少数精鋭のNSEにおいて、協業パートナー様のお力を借りてプロダクト開発を進めることは大変重要です。我々の心構えとして「協業」ではなく、共に価値を創出していく意味で「共創」を意識していますが、開発中には認識齟齬があったり、他のプロダクトでの過去トラをどう反映していくか?AWSの使い方がパートナーやプロダクトによってマチマチなことが多々あります。CDKのモジュール化を通じて開発を効率化し、ガバナンスも統制できた事例をご紹介します。

luton.mr

August 21, 2023
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  1. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 © NTT SMILE ENERGY. All rights reserved 
 AWS CDKモジュール化による パートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 株式会社NTTスマイルエナジー 迎 諒(Ryo MUKAI)
  2. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 会社概要 (2022年10月1日時点) 社名 株式会社NTTスマイルエナジー 設立 2011年6月1日 所在地 大阪府大阪市中央区北浜2丁目6-18 淀屋橋 スクエア4階 代表取締役 社長 武馬 雄一郎 資本金 1億円(NTTアノードエナジー, オムロンソー シアルソリューションズ, NTT西日本) 従業員数 125名 事業内容 太陽光設備の遠隔監視装置(エコめがね) の販売、 再生可能エネルギー発電事業 等 企業理念 CORPORATE PHILOSOPHY 我々は、通信・制御技術を用いて、 エネルギーを持続可能でインタラクティブなものへと 変革します。 そのことによって、 世界中の人々が、笑顔で安心して暮らせる より良い社会をつくりあげていきます。
  3. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 WHOIS 名前: 迎 諒(Ryo MUKAI)     ※生まれも育ちも生粋の日本人。3代連続漢字2文字 所属: NTTスマイルエナジー 事業開発部 肩書: ミュージシャン兼エンジニア     本職:トランペット奏者(1996〜)     本業:インフラエンジニア(2016〜) ▼所属団体
  4. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 1. 設計は文化や流派に依存するので、ガバナンスを統一するには 「仕組みづくり」がとっても重要 2. モジュール化により、「勝手に」ガバナンスが統一される 3. 仕組みは、周知と啓蒙を地道にやる必要があるが「共創」の意 識を常に持つ(主従関係は無い) 4. 開発パートナーは共にプロダクトを創るチームの一員という意識 と行動を 5. CDKはいいぞ! 今日持ち帰ってほしいこと
  5. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 1. なぜIaCにCDKを選択したのか? 2. モジュール化の取組み 3. 開発はどう変わったか? 4. 内製にもすぐ対応できた話 5. まとめ 本日のアジェンダ
  6. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 1. なぜIaCにCDKを選択したのか? 2. モジュール化の取組み 3. 開発はどう変わったか? 4. 内製にもすぐ対応できた話 5. まとめ 本日のアジェンダ
  7. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 選択肢はこの3つ なぜIaCにCDKを選択したのか? Cloud Formation CDK Terraform  ※IaC = Infrastructure as Code, インフラをコードで管理する仕組み
  8. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 Cloud Formation / Terraformは 記述量が多い のが辛かった なぜIaCにCDKを選択したのか? Cloud Formation CDK Terraform
  9. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 CDKが記述量問題は解決してくれることを知っているので採用 なぜIaCにCDKを選択したのか? Cloud Formation CDK Terraform ※ちなみに、迎はv0.8.0(最初のパブリックリリース)からの利用者               → CDK贔屓な部分は大いにあります
  10. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 CDKが記述量問題は解決してくれることを知っているので採用 なぜIaCにCDKを選択したのか? Cloud Formation CDK Terraform ※ちなみに、迎はv0.8.0(最初のパブリックリリース)からの利用者               → CDK贔屓な部分は大いにあります 古参ユーザだから使えるってだけでしょ? ベンダさんに開発を委託しているNSEではハードル高くない? うちはもともとCloud Formationが主流だし。
  11. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 1. なぜIaCにCDKを選択したのか? 2. モジュール化の取組み 3. 開発はどう変わったか? 4. 内製にもすぐ対応できた話 5. まとめ 本日のアジェンダ
  12. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 1. なぜIaCにCDKを選択したのか? 2. モジュール化の取組み 3. 開発はどう変わったか? 4. 内製にもすぐ対応できた話 5. まとめ 本日のアジェンダ の前に、その前提となるNSEの現状と課題についてお話します
  13. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 NSEの現状 サービスA サービスB サービスC NSE NSE NSE パートナーA 社 パートナーB 社 パートナーC 社 ワンチーム ワンチーム ワンチーム サービス単位でNSE+パートナーでワンチームとなり開発
  14. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 本番アカウント NSEが抱える課題(インフラエンジニア視点) dev-XXX prd-XXX 本番アカウントに 開発用リソースが存在 …していたりしなかったり Application: serviceA Category: prd Name: serviceA-prd-XXX Application: serviceB Category: Name: prd-serviceB-XXX タグがあったりなかったり 命名規則がバラバラだったり アーキテクチャが システムによってバラバラ
  15. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 本番アカウント NSEが抱える課題(インフラエンジニア視点) dev-XXX prd-XXX 本番アカウントに 開発用リソースが存在 …していたりしなかったり Application: serviceA Category: prd Name: serviceA-prd-XXX Application: serviceB Category: Name: prd-serviceB-XXX タグがあったりなかったり 命名規則がバラバラだったり アーキテクチャが システムによってバラバラ つまり、インフラのガバナンスがとれていない状態
  16. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 課題解決のための取組み AWS利用のための 各種ガイドラインを制定 (基本設計書、サービス利用のベスト プラクティス、セキュリティ等) 「共創」を意識し、随時レビュー参画 改善策を自分で手を動かして例示
  17. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 課題解決のための取組み AWS利用のための 各種ガイドラインを制定 (基本設計書、サービス利用のベスト プラクティス、セキュリティ等) 「共創」を意識し、随時レビュー参画 改善策を自分で手を動かして例示 ここまでしなくても、「勝手に」ガバナンスが統一される ことを目的に、モジュール化する!これが大義名分
  18. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 1. なぜIaCにCDKを選択したのか? 2. モジュール化の取組み 3. 開発はどう変わったか? 4. 内製にもすぐ対応できた話 5. まとめ 本日のアジェンダ
  19. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 モジュール化の取組み AWSサービス毎に、モジュール+構成図+ドキュメントを作成 モジュール用ソースコード モジュールと1:1対応の構成図 ドキュメント(docstringで生成) 前述した「各種ガイドライン」を全網羅 → 勝手にガバナンス統一
  20. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 1. なぜIaCにCDKを選択したのか? 2. モジュール化の取組み 3. 開発はどう変わったか? 4. 内製にもすぐ対応できた話 5. まとめ 本日のアジェンダ
  21. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 開発はどう変わったか? Before After コード量 7467行(cdk.out内のCfnテンプレート) 1192行 実装工数 約3ヶ月(同規模システムの開発時実績 ) 約1.5ヶ月 設計品質 各種テストで不具合抽出 →要件定義まで手戻りが波及することも →リリース後に初めて分かる不具合も 設計段階で品質向上の取組み (後述)を「追加」 →手戻り無し、ガイドラインに沿った環境 →リリース後インフラ起因のトラブル0継続 開発コストが下がり、アプリ実装に注力+品質向上まで! コード量85%削減、実装工数半減、設計品質向上
  22. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 品質向上の取組み? 自動車業界を中心に利用されているDRBFMをアレンジして活用 サービスリリース(2023/03)後インフラ起因のトラブル0を継続中 ※DRBFM = Design Review Based on Failure Mode
  23. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 1. なぜIaCにCDKを選択したのか? 2. モジュール化の取組み 3. 開発はどう変わったか? 4. 内製にもすぐ対応できた話 5. まとめ 本日のアジェンダ
  24. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 内製にもすぐ対応できた話 2Week予定の作業を時期途中からNSEで巻取り、1Weekで実装完了 ベンダさん むかい アプリ設計に時間がかかって いて、なかなかインフラ環境 構築に手が出せません!! よーし、じゃあいっちょ 僕がやってみますかぁ! 5/31 着手 6/6 完了 参考)コード量  Cfn→CDK: 14,706行→982行 (約94%削減!!)
  25. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 内製にもすぐ対応できた話 NSE すごいんだけど、モジュール作った本人だし、 CDK歴長いから当然早いよね。私達にはとてもできない かなぁ…… まぁまぁ、そう言わずに笑 勉強会もやるので、一緒に出来るようになりましょ! なんならモブプロで一緒につくろうよ むかい
  26. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 内製にもすぐ対応できた話 NSE すごいんだけど、モジュール作った本人だし、 CDK歴長いから当然早いよね。私達にはとてもできない かなぁ…… まぁまぁ、そう言わずに笑 勉強会もやるので、一緒に出来るようになりましょ! なんならモブプロで一緒につくろうよ 効果はあったけど、まだまだ周知・啓蒙活動は必要です あくまで「共創」を意識、主従関係は存在しない むかい
  27. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 1. なぜIaCにCDKを選択したのか? 2. モジュール化の取組み 3. 開発はどう変わったか? 4. 内製にもすぐ対応できた話 5. まとめ 本日のアジェンダ
  28. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 まとめ • 共創体制だからこそ文化や流派に依存しない仕組みづくりが大事 • 副次効果として、我々のレビュー工数低減があった • インフラを内製しても、うまくPJは回ることが分かった ◦ ベンダさんとの共創を強く意識、発注者-受注者の関係ではない ◦ パラメータ調整段階までは内製→以降はベンダさん、という住み分けも • コードの記述量が減ったことで、品質向上の取組みにも注力可能 • 社内やベンダさんへの地道な周知・啓蒙活動が必要なのは事実 ◦ 逆に言えば、これに注力することが重要という学び ◦ docstringをより分かりやすく+ハンズオン勉強会の開催
  29. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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  30. Cloud Operator Days Tokyo 2023 / AWS CDKモジュール化によるパートナー共創体制でのAWSインフラ開発効率化 / Ryo

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 ご清聴ありがとうございました