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タスク管理するなら「完了」の定義から。「完了」の定義もチームビルディングから。 ~ Jira導入推進者が語る進捗管理のリアル~

MasateruIto
February 20, 2023

タスク管理するなら「完了」の定義から。「完了」の定義もチームビルディングから。 ~ Jira導入推進者が語る進捗管理のリアル~

2023/02/20に開催されたAgile Tech Expo mini #11にて登壇した資料です。

AtlassianのユーザコミュニティであるACE(Atlassian Community Event) Tokyo コミュニティリーダの伊藤です。

Jiraの導入・活用推進をしてきた経験から、Jiraのチケットの適切な粒度設定は、頻繁に話題になり、いろんな現場で課題になるものだと思っています。
そこに対して、一つの視点を提示するプレゼンをしました。

参考になれば幸いです。

MasateruIto

February 20, 2023
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Transcript

  1. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. 2 伊藤

    昌明 (ITO Masateru) 認定スクラムマスター、UXデザイナー ⚫ 2009年 野村総合研究所に入社 SI事業でWebアプリケーション構築に従事 ⚫ 2017年 Atlassian製品との出会い 部署内への導入推進を担当 それがきっかけでアジャイル・スクラムを学ぶ ⚫ 2020年 同社のbit Labsへ参画 社内のナレッジ流通促進、研修トレーナー等を担当 ⚫ 2021年 Atlassianユーザコミュニティ(ACE Tokyo)のリーダ就任
  2. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. このプレゼンでお伝えしたいこと 4

    チケットタスク管理では「完了」の定義が突き付けられる、と学びました
  3. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. 1 2

    3 アジェンダ 5 Jira導入推進で開催した社内勉強会 チケットタスク管理の基礎をカンバンから考えてみた 完了の定義とチームビルディングに関係はあるのか
  4. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. チームの課題を解決するためにJiraを活用しよう。そして、小さく始めよう。 9

    Jiraに出会い、期待が膨らむ!! ⚫ Jira素晴らしい!! チームの働き方が変わる!! けど、思い通りには進まない ⚫ 今までのやり方が良い ⚫ 使い方が難しい ⚫ チーム全員での行動にならない チームの困り事解決にJiraを使えるか? の視点 ⚫ 最も簡単な使い方から始める ⚫ リーダもメンバも巻き込んでチームの活動になる
  5. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. チームの課題を解決するためにJiraを活用しよう。そして、小さく始めよう。 10

    Jiraに出会い、期待が膨らむ!! ⚫ Jira素晴らしい!! チームの働き方が変わる!! けど、思い通りには進まない ⚫ 今までのやり方が良い ⚫ 使い方が難しい ⚫ チーム全員での行動にならない チームの困り事解決にJiraを使えるか? の視点 ⚫ 最も簡単な使い方から始める ⚫ リーダもメンバも巻き込んでチームの活動になる https://speakerdeck.com/masateruito/timufalsedong-kifang-woyoriliang- kusurutameni-jiragadekirukoto
  6. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. Copyright© Nomura

    Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. 11 2. チケットタスク管理の基礎をカンバンから考えてみた
  7. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. 次第に習熟し、チケットでタスクスケジュール管理をしたくなりました 12

    社内勉強会のテーマも徐々にレベルアップ 勉強会のテーマ Jiraチケット作成方法 Jiraのフィルタとダッシュボード ダッシュボードのガジェット カンバンボードの機能を学ぼう 事例共有:レビュー指摘管理 事例共有:顧客からの問い合わせ管理 エピックを学ぶ 事例共有:カンバンボードで問い合わせ対応見える化 カンバン仕事術を学ぼう スクラムを学ぼう Jira(チケット)タスクスケジュール管理を考える会 ★
  8. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. 次第に習熟し、チケットでタスクスケジュール管理をしたくなりました 13

    従来のスケジュール進捗管理とJiraがテーマに! <テーマのきっかけ> ⚫ 表計算ソフトでWBSを運用している ⚫ 毎月発生するような定常タスク ⚫ 「2月のタスクは進捗率6割まで進んでます」 ⚫ これをJiraで管理するにはどう運用するのが正解なの?? ⚫ 同じタスクを月毎に作成するのが良いの?? 粒度は?? 社内勉強会のテーマも徐々にレベルアップ 勉強会のテーマ Jiraチケット作成方法 Jiraのフィルタとダッシュボード ダッシュボードのガジェット カンバンボードの機能を学ぼう 事例共有:レビュー指摘管理 事例共有:顧客からの問い合わせ管理 エピックを学ぶ 事例共有:カンバンボードで問い合わせ対応見える化 カンバン仕事術を学ぼう スクラムを学ぼう Jira(チケット)タスクスケジュール管理を考える会 ★ 1月 2月 3月 XXXタスク 1月 90% XXXタスク 2月 30% XXXタスク 3月 0%
  9. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. Jiraでのタスク管理をカンバンの考え方からとらえてみるために、カンバンを学習 14

    ⚫ カンバンの3原則( カンバン仕事術 より) ⚫ ①見える化 ワークフローを見えるようにし、個々の作業状態が分かるようにする ⚫ ②WIPの制限 仕事ひとつひとつを早く終わらせることができるようになる ⚫ ③流れの管理 作業の流れを促していく 参考書籍)カンバン仕事術 未着手 進行中 確認中 完了 ワークフロー 優 先 順 位 WIP=3 WIP(Work in Progress / Process) 進行中のタスクの個数
  10. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. (再掲)次第に習熟し、チケットでタスクスケジュール管理をしたくなりました 15

    従来のスケジュール進捗管理とJiraがテーマに! <テーマのきっかけ> ⚫ 表計算ソフトでWBSを運用している ⚫ 毎月発生するような定常タスク ⚫ 「2月のタスクは進捗率6割まで進んでます」 ⚫ これをJiraで管理するにはどう運用するのが正解なの?? ⚫ 同じタスクを月毎に作成するのが良いの?? 粒度は?? 社内勉強会のテーマも徐々にレベルアップ 勉強会のテーマ Jiraチケット作成方法 Jiraのフィルタとダッシュボード ダッシュボードのガジェット カンバンボードの機能を学ぼう 事例共有:レビュー指摘管理 事例共有:顧客からの問い合わせ管理 エピックを学ぶ 事例共有:カンバンボードで問い合わせ対応見える化 カンバン仕事術を学ぼう スクラムを学ぼう Jira(チケット)タスクスケジュール管理を考える会 ★ 1月 2月 3月 XXXタスク 1月 90% XXXタスク 2月 30% XXXタスク 3月 0%
  11. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. ワークフローの視点でチケットの粒度を考えたら、「完了」の定義が重要だと気づいた 17

    期間の幅は大きすぎた 2月タスク=1チケット 分解できるはずのタスクが見えず、 ワークフローに乗らない いつまでも進行中のまま 未着手 進行中 確認中 完了 ワークフロー
  12. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. ワークフローの視点でチケットの粒度を考えたら、「完了」の定義が重要だと気づいた 18

    期間の幅は大きすぎた 2月タスク=1チケット 分解できるはずのタスクが見えず、 ワークフローに乗らない いつまでも進行中のまま 小さくすればいいわけでもない とにかく細かくする 見かけ上は完了までタスクが進むが、 意味を成す完了になっていない 未着手 進行中 確認中 完了 ワークフロー 未着手 進行中 確認中 完了 ワークフロー
  13. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. ワークフローの視点でチケットの粒度を考えたら、「完了」の定義が重要だと気づいた 19

    期間の幅は大きすぎた 2月タスク=1チケット 分解できるはずのタスクが見えず、 ワークフローに乗らない いつまでも進行中のまま 小さくすればいいわけでもない とにかく細かくする 見かけ上は完了までタスクが進むが、 意味を成す完了になっていない ワークフローと「完了」を考える 完了することで価値を提供できる単位 この作業のカタマリを完了させることが価値の 提供につながるもの ワークフローに沿って流れていく粒度 未着手 進行中 確認中 完了 ワークフロー 未着手 進行中 確認中 完了 ワークフロー 未着手 進行中 確認中 完了 ワークフロー
  14. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. ワークフローの視点でチケットの粒度を考えたら、「完了」の定義が重要だと気づいた 20

    期間の幅は大きすぎた 2月タスク=1チケット 分解できるはずのタスクが見えず、 ワークフローに乗らない いつまでも進行中のまま 小さくすればいいわけでもない とにかく細かくする 見かけ上は完了までタスクが進むが、 意味を成す完了になっていない ワークフローと「完了」を考える 完了することで価値を提供できる単位 この作業のカタマリを完了させることが価値の 提供につながるもの ワークフローに沿って流れていく粒度 未着手 進行中 確認中 完了 ワークフロー 未着手 進行中 確認中 完了 ワークフロー 未着手 進行中 確認中 完了 ワークフロー チケットタスク管理では、おのずと「完了」の定義が突き付けられているのかもしれないですね
  15. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. Copyright© Nomura

    Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. 21 3.完了の定義とチームビルディングに関係はあるのか
  16. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. 完了の定義はチームで作り上げるもの 22

    ⚫ スクラムガイド2020にて「完成の定義」として書かれているとおり、チームで作るものである 確約(コミットメント):完成の定義 完成の定義とは、プロダクトの品質基準を満たすインクリメントの状態を⽰した正式な記述である。 プロダクトバックログアイテムが完成の定義を満たしたときにインクリメントが誕⽣する。 完成の定義により、作業が完了してインクリメントの⼀部となったことが全員の共通認識となり、透 明性が⽣み出される。プロダクトバックログアイテムが完成の定義を満たしていない場合、リリースす ることはできない。ましてやスプリントレビューで提⽰することもできない。そうした場合、あとで検討 できるようにプロダクトバックログに戻しておく。 インクリメントの完成の定義が組織の標準の⼀部となっている場合、すべてのスクラムチームは最低 限それに従う必要がある。組織の標準になっていない場合、そのスクラムチームはプロダクトに適し た完成の定義を作成する必要がある。 開発者は完成の定義に準拠する必要がある。プロダクトに関わるスクラムチームが複数ある場合、共 通の完成の定義を作成して、それに準拠する必要がある。 (引用:スクラムガイド2020 https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf)
  17. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. チームで作るなら意見を言い合える関係が大事ですね 23

    ⚫ 完了を定義するためには、チームで認識を合わせておくことがいくつかある ⚫ このチームの役割や目標がチームの共通認識になっている ⚫ 仕事の特性を理解できている ⚫ etc… ⚫ 誰かが決める、ではなく、みんなで決める ⚫ チームで意見を言い合える関係 ⚫ 理解や知識の不足は補い合える関係 ⚫ etc… チームビルディングが必要ですね
  18. Copyright© Nomura Research Institute, Ltd. ALL rights reserved. このプレゼンでお伝えしたいこと 24

    チケットタスク管理では「完了」の定義が突き付けられる、と学びました & 「完了」をチームで定義するには、チームビルディングが大事になりそうです