Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
GBSP Presentation SocSys2017
Search
m-miura.jp
March 04, 2017
Education
0
780
GBSP Presentation SocSys2017
https://r.m-miura.jp/gbsp/
m-miura.jp
March 04, 2017
Tweet
Share
More Decks by m-miura.jp
See All by m-miura.jp
20230323TechDLT
miure
0
69
20230615tdm
miure
0
330
20230525TechDLT-vol11
miure
0
95
20230413JSASS
miure
0
570
20230126TechDLT-vol7
miure
0
170
2022510TechDLT-vol6
miure
0
200
20220120modelinglt_miure
miure
1
770
20220114STCP
miure
0
51
20211211TDM-LT3
miure
0
130
Other Decks in Education
See All in Education
Gaps in Therapy in IBD - IBDInnovate 2025 CCF
higgi13425
0
510
Data Physicalisation - Lecture 9 - Next Generation User Interfaces (4018166FNR)
signer
PRO
0
460
2025.05.10 技術書とVoicyとわたし #RPALT
kaitou
1
240
Dashboards - Lecture 11 - Information Visualisation (4019538FNR)
signer
PRO
1
2.1k
情報科学類で学べる専門科目38選
momeemt
0
370
SARA Annual Report 2024-25
sara2023
1
190
自己紹介 / who-am-i
yasulab
PRO
3
5.3k
2025年度春学期 統計学 第2回 統計資料の収集と読み方(講義後配付用) (2025. 4. 17)
akiraasano
PRO
0
120
より良い学振申請書(DC)を作ろう 2025
luiyoshida
1
3.3k
アウトプット0のエンジニアが半年でアウトプットしまくった話 With JAWS-UG
masakiokuda
2
350
2025年度春学期 統計学 第12回 分布の平均を推測する ー 区間推定 (2025. 6. 26)
akiraasano
PRO
0
140
AIの時代こそ、考える知的学習術
yum3
2
180
Featured
See All Featured
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
[RailsConf 2023 Opening Keynote] The Magic of Rails
eileencodes
29
9.6k
Building an army of robots
kneath
306
45k
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
667
120k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
173
14k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
50
5.5k
Making Projects Easy
brettharned
117
6.3k
Building Adaptive Systems
keathley
43
2.7k
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
507
140k
Scaling GitHub
holman
461
140k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
273
40k
The Illustrated Children's Guide to Kubernetes
chrisshort
48
50k
Transcript
Game-Based Situation Prototyping による協働型モデリングの提案 ⿃取⼤学⼯学研究科機械宇宙⼯学専攻 三浦 政司 ⿃取⼤学産学・地域連携推進機構 前波 晴彦
2017.03.04. SocSys12@Guam
発表概要 「⼀緒にゲームをつくる」ことを通して ⾮専⾨家らと協⼒しながらエージェント モデリングを⾏うプロセスを提案・試⾏
これまでの取り組み 提案⼿法を実践 基礎的なプロセスと ツールの整理 ⼿法としての位置づ けの整理 本⽇の発表内容 ⽬的とアプローチ 提案︓GBSP 実践例×4
まとめと課題
⽬的︓ABM/MASに関して… より幅広い分野における社会応⽤の実現 細分化・具体化されたニーズ(特定の地 域・組織・環境など)への対応 妥当性・有⽤性が⾼く,効率的なモデリン グ⼿法の実現
本研究のアプローチ 研究者(私) 異分野専⾨家 実務家 当事者(⾮専⾨家) 異なる専⾨性を持つ研究者との連携 実務家・当事者(⾮専⾨家)との連携
対話を通して経験値・暗黙知を抽出
提案︓⼀緒にゲームをつくる 実務家(例︓教師) 研究者 アルゴリズム化 されたモデル 経験によって 得られたモデル ゲームをつくる ≒ ABMを⾏う
ゲーム︓現実とモデルの間 現実の⾏動 ⾏動モデル ゲーム (ループ+プレイヤーの意思) ↓
ゲーム ≒ エージェントモデル 参考画像︓宇宙開発体験ゲーム※発表者らが開発中 ゲーム エージェントは与えられたルールに 従って⾏動する エージェントは⼈や組織など,意思決
定主体のモデル エージェント同⼠が相互作⽤する エージェントと環境が相互作⽤する エージェントや環境が持つパラメータ が変化する ルールに従って進⾏していく プレイヤーは状況に応じて意思決定する プレイヤー同⼠が相互作⽤する プレイヤーとゲームシステムが相互作⽤ する プレイヤーやゲームシステムが持つリ ソース(パラメータ)が変化する エージェントベースモデル
提案⼿法︓GBSP ① ② ③④ Game-Based Situation Prototyping ゲームデザインにおけるペーパープロト の⼿法を応⽤ ①②
簡易材料をつかって状況を可視化 ③④ ゲームルールを構築してテストプレイ
GBSPの具体的な⼿順 ① 着⽬する現象の舞台となる環境と,登場するエージェントを 紙,スチレンボード,ポーントークン,チップトークンなど をつかって机上に配置する ② エージェントや環境が持つパラメータを,チップトークンや ブロックトークンなどを使って配置し,相互作⽤やパラメー タ変化移動についてカード等を⽤いて記述する ③
ボードゲームを想定して,⾏動や処理の順序,意思決定が必 要な箇所とタイミングなどを確認し,ルール化・⼿順化する ④ 組み⽴てたルールと⼿順に従って簡易的なゲームプレイを⾏ い,細部を確認・修正していく ① ② ③④
(ペーパー)プロトタイピング 宇宙開発を題材としたボードゲーム(開発中) Images from: http://gnarlyroot.com/
プロトタイピングツール カード 付箋 シール ダイス W/Bシート 各種トークン︓ポーン,チップ, ブロック,etc
期待される効果① 「ゲームをつくろう」という形をとることで ⾮専⾨家,実務家,異分野の専⾨家らと 協働でモデリングを⾏うことができる 複合的な観点からのモデリング 暗黙知・経験知の活⽤ 細分化・具体化されたニーズへの対応
⾮専⾨家や初学者でもモデリングを ⾏うことができる 教育への活⽤ より幅広い分野への応⽤
期待される効果② アウトプットがゲーム(のプロトタイプ)で あることによって 試⾏,確認(おさらい)が的確にできる 別の時間,メンバー,場所においてモデ リング結果を再現できる シミュレーションコーディングまたはフ ローチャート記述等への接続性が⾼い
提案⼿法の位置づけ① 利害関係者を集めて対話・議論しながら 定性モデルを構築するプロセス グループ・モデル・ビルディング(Vennix1996) コンパニオン・モデリング(Étienne2014) 提案⼿法(GBSP)の特徴 ゲームデザインプロセスに着⽬
ペーパープロトタイピングによって可視化 しながら議論
提案⼿法の位置づけ② ゲーミング・ シミュレーション GBSP 総説記事︓⽯⽥2007 実践例︓Bousquet2002, ⿃居2004
MAゲーミング(菱⼭2014) ゲームのロールプレイ性 に着⽬ ゲームの⼿続き的な側⾯ に着⽬ ステークホルダはゲーム プレイヤとして参加 ステークホルダはゲームの 作り⼿として参加 ステークホルダが参加する 前の段階で,ルールやメカ ニクスが構築されている ステークホルダと⼀緒に ルールやメカニクスを構築 →⽬的設定や課題抽出から 協働で
試⾏実践 ①学際研究のチームビルディング ②協働学習おける情報交換プロセス (⿃取⼤学 教育センター 桐⼭准教授との協⼒) ③⽣態系サービスおよび関連税の設計 (⻑崎⼤学 環境科学部 太⽥准教授との協⼒)
④ABMを扱う初年次向け教養科⽬
実践例① 学際研究チームの形成
実践例① 学際研究チームの形成
実践例① 学際研究チームの形成 部局 研究課題 研究者 CD
実践例② 協働学習における情報交換
実践例② 協働学習における情報交換 表現空間(近いほどレポート内容を理解しやすい) 学習者の情報交換ネットワーク
実践例③ ⽣態系サービスと環境税
実践例③ ⽣態系サービスと環境税 上流域(⽣態系) 下流域(受益者居住地)
実践例④教育への導⼊ 教養ゼミ「現代社会をシミュレーションする」 対象︓全学共通,1〜2年⽣ H28受講⽣︓⼯×4,医×3,地域×3 (1年⽣) 単位数︓90分 ×
16コマ,2単位 受講⽣グループがABM/MASに取り組むPBL形式
授業の流れ Week Activities 1 ガイダンス 2 議論①︓複雑系とは何か︖ 3 MASチュートリアル① 4
議論②︓様々な創発現象 5 MASチュートリアル② 6 議論③︓MASの意義 7 MASチュートリアル③ 8 テーマ設定 9~15 グループ活動によるMAS構築 16 プレゼンテーション ここにGBSP
活動の様⼦(1) アイデア出し(ブレスト) アイデアスケッチ ▪どんな社会現象をモデリングしてみたいか︖
活動の様⼦(2)
活動の様⼦(3)
※紹介︓対話型システムモデリングツール 三浦政司, 南部陽介, 「協働型システムモデリングツールを⽤いたシステム設計に関す る実践教育」 , 平成28年度⼯学教育研究講演会講演論⽂集, pp.162-163, 2016
成果物(受講⽣によるMAS) サークルの勧誘 遊園地の⾏列 合戦
GBSP導⼊による効果 曖昧な議論とモデル記述 場合分けの漏れ 相互作⽤に⽬が向かない フローチャートの記述に ⼿こずる
コーディングをはじめて からの⼿戻り H25, H26の授業 H28の授業(with GBSP) GBSPで確認しながら 場合分け漏れ少なく 相互作⽤を意識 フローチャートの 記述がスムーズに コーディング段階か らの⼿戻り少なく
取り組み内容まとめ ゲームデザインにおけるペーパープロ トタイピングのプロセスに着⽬し,独 ⾃の協働型モデリング⼿法であるGBSP を提案した 様々な研究テーマや授業を通して試⾏ を繰り返し,GBSPの基本的なプロセス とツールセットを構築した
今後の課題・取り組み 効果の評価 ⼿順のプロトコル化,マニュアル化 地域課題などを対象とした実践 – 対象現象のステークホルダと協働モデリング ※本研究は中⼭隼雄科学技術⽂化財団による研究助
成を頂いています.ここに記して謝意を⽰します.