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静岡県3都市の道路ネットワーク比較分析
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mopinfish
March 02, 2026
Research
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静岡県3都市の道路ネットワーク比較分析
焼津・静岡・浜松の道路ネットワークを数値指標で比較しました。一番"歩き回りやすい"のは焼津駅前、一番"遠回り"が多いのは静岡市の海沿い。道路の構造から防災と観光の課題が見えてきました。
mopinfish
March 02, 2026
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Transcript
道路の"かたち"で街がわかる 静岡県3都市の道路ネットワーク比較 焼津市 ・ 静岡市 ・ 浜松市 グラフ理論による道路ネットワーク構造の定量比較 2026年3月
道の形は街ごとに違う? 2 / 12 同じ静岡県内でも、歴史や地形が異なれば道路の形も違うはず。 3つの街の道路ネットワークを数値で比べてみました。 焼津市 漁港の街 駿河湾に面した漁港都市。 旧来の漁村集落に由来する
細い路地が残る。 静岡市 城下町 駿府城の城下町を起源とす る 県庁所在地。格子状の 市街地と広大な山間部。 浜松市 工業都市 政令指定都市。近代的な 格子状街路を基盤とする 遠州灘沿いの工業都市。
3つの物差しで道路を測る 3 / 12 回遊性 ぐるぐる歩ける? 道路がループを どれだけ形成しているか。 多いほど迷い歩きを 楽しめる。
アクセス性 どこでも行ける? 交差点の密度や ネットワーク上の到達しや すさ。 高いほど移動の 選択肢が多い。 迂回性 遠回りする? 最短経路が直線距離の 何倍になるか。 低いほど効率的に 移動できる。 ※ 劉(2016)の3観点に基づく道路ネットワーク評価フレームワーク
小さな焼津市が一番"つながっている" 市全域の道路ネットワーク比較 4 / 12 コンパクトな焼津市が回遊性・アクセス性 で 3市中トップ。 広大な山間部を含む静岡市・浜松市は 市全域でみると数値が低くなる。
注目ポイント 焼津市の交差点密度は静岡市の約5倍 静岡市は迂回性が最も高い(山間部の影響) 市域面積: 焼津70km² vs 静岡1,412km² vs 浜松 1,558km²
海沿いの方が道が充実していた 沿岸部 vs 内陸部の比較(仮説を覆す結果) 5 / 12 当初の仮説: 「沿岸部は回遊性が低く、迂回性が高い」 実際の結果:
3市すべてで沿岸部の回遊性が内陸部より 高い! なぜ? 沿岸平野部に市街地が集中 → 格子状の道路網が発達 内陸の山間部は谷筋に沿った一本道(樹枝状)が多 い 浜松市では沿岸部の交差点密度が内陸部の4.6倍
3市の沿岸部ネットワーク 海岸線から2km以内の道路ネットワーク地図 6 / 12 焼津市 回遊性 最高 (0.286) 静岡市
迂回性 最高 (1.306) 浜松市 迂回性 最低 (1.118)
静岡市の海沿いは"遠回り"が最も多い 防災上の懸念 7 / 12 静岡市沿岸部の迂回率: 1.306 最短経路でも直線距離の約1.3倍を迂回する 。 津波避難時に距離が延びるリスク。
原因: 日本平・有度山の丘陵地 清水区と駿河区の間に位置する丘陵地が道路ネット ワークを 南北に分断している。 3市の沿岸部 迂回率の比較: 浜松市: 1.118(最も低い = 直線的) 焼津市: 1.199 静岡市: 1.306(最も高い = 遠回り)
焼津駅が一番"歩き回りやすい" 駅周辺800mの歩行者ネットワーク比較 8 / 12 焼津駅 alpha = 0.330 静岡駅
alpha = 0.308 浜松駅 alpha = 0.247 意外にも地方都市の焼津駅が最高の回遊性。 旧漁村集落の細かい路地が、歩行者にとって多様なルート選択を可能にしている。 浜松駅は交差点密度こそ最高だが、大きな街区が回遊性を下げている。
古い路地が街の回遊性を高める 細街路効果: walk と drive の差 9 / 12 歩行者用の細い道(路地・小路)を加えると
回遊性はどう変わる? walk(歩行者)と drive(自動車)のネットワーク の差で "細街路効果"を測定。 焼津駅 alpha差分: +0.013 路地が循環路を形成 → 回遊性UP 静岡駅 alpha差分: -0.005 ほぼ中立 城下町の横丁が 一部寄与 浜松駅 alpha差分: -0.029 行き止まりの路地が多い → 回遊性DOWN alpha差分 = walk時のalpha_index − drive時のalpha_index。プラスは細街路が循環路を形成していることを示す。
3都市の個性 ネットワーク特性プロファイル 10 / 12 焼津市 — コンパクト高回遊型 小さな市域に道が密集。路地が 回遊性を高め、迂回も少ない。
静岡市 — 広域高迂回型 城下町の中心部は歩きやすいが、 広大な山間部が市全域の数値を下げる。 沿岸部の遠回りに防災上の課題。 浜松市 — 近代格子・大街区型 交差点は密だが大きな街区で 回遊性は低い。 沿岸部は直線的で避難に有利。
まとめ — 4つの発見 11 / 12 1 沿岸部は意外と"つながっている" 3市すべてで沿岸部の回遊性が内陸部より高い。沿岸平野部に市街地が集中しているため。 2
静岡市の海沿いは"遠回り"が多い 日本平・有度山の丘陵地が道路を分断。迂回率1.306は3市の沿岸部で最も高く、津波避難時の懸念。 3 焼津駅は"歩き回りやすさ"No.1 旧漁村の路地が循環路を形成し、回遊性指標は3駅中トップ。地方都市の隠れた資産。 4 古い路地こそ街の宝 焼津は細街路が回遊性を高め、浜松は行き止まりが増える。道路の"質"は都市の歴史で決まる。
ご清聴ありがとうございました 道路の"かたち"で街がわかる 静岡県3都市の道路ネットワーク比較 データ: OpenStreetMap / 分析: OSMnx + NetworkX