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ESG x スタートアップ レポート:国内スタートアップの現状と取り組みの要諦

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September 09, 2022

ESG x スタートアップ レポート:国内スタートアップの現状と取り組みの要諦

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September 09, 2022
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    ESG x スタートアップ レポート 2022.9 協賛 (五十音順) 国内スタートアップの現状と、国内外の先進事例に 基づいたESGへの取り組み意義/方法
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    レポート 目的 調査 方法 調査 期間 • 国内スタートアップのESGへの取り組み状況・課題を可視化 • 先進事例も踏まえた、ESGへの取り組み意義/方法を具体化 • 国内スタートアップ50社に対するアンケート調査の実施・回答分析 • 国内外のESGにおける先進企業10社へのインタビュー • 文献調査、BCGグローバルの知見 アンケート調査への回答/インタビュー: 2022年6月~7月 1. ESGの現状 • ESGをめぐる世界・日本の状況 • 国内スタートアップのESGへの取り組みの現状 • (アンケート調査結果) 2. ESGへの取り組みの意義/方法 • ESGに取り組む意義 • ESGへの取り組みの7つの要諦 • 具体的なアクションまとめ レポート 構成 協賛 (五十音順) 著者 ESG x スタートアップ レポート概要
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    ESG (環境・社会・ガバナンス) への関心が世界的に高まる中、日本においても 大企業ではESGを重視する価値観が定着しつつある。一方、スタートアップは下記の 理由からESGとどのように向き合うべきか苦慮している • ESGへの取り組みが事業にどう貢献するかが不明確なため、優先順位が下がり、 経営資源を配分できない • ESGは難しいというイメージがあり、やるべきと思いつつも実施に踏み切れない しかし、成功している一部のスタートアップは、持続的な成長を担保するための手段の 1つとして ESGに関連する取り組みを実施している。また、会社の規模・ステージに かかわらず、早期にかつ「自分ごと」として取り組みを開始している傾向がある 本レポートではスタートアップのESGへの取り組みに関する以下の内容をまとめた 1章では、 国内スタートアップ50社へのアンケート調査を基に、「E・S・G各々の取り組み 実態」「ESGのボトルネック」「ESGの事業への実質的な貢献」等、ESGの現状を定量的 に整理 • 主な回答企業は、ミドルステージ (シリーズB調達済み/予定) 以降の企業 2章では、国内外の先進的なスタートアップ10社へのインタビューを基に、 スタートアップが「ESGに取り組む意義」および「ESGの7つの要諦」をまとめた 本レポートをシード/アーリーステージから上場前後にわたる幅広いステージのスタート アップの経営層、ESG担当者の方々にお読みいただき、ESGへの取り組み、ひいては 持続的な成長の実現に向けてご活用いだければ幸いである 序文
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    エグゼクティブサマリー (1/2) 国内スタートアップのESGへの取り組みの現状 アーリーステージ: シリーズB以前 レイターステージ: シリーズC以降 注1. DEI = ダイバーシティ、エクイティ & インクルージョン • ESGへの取り組みは、「社会におけるESG重視の気運の高まり」や「投資家や従業員の要望」により促進 • ESGに取り組む目的は主に、「ブランディング」「自社サービス・プロダクトの購入・利用促進」「自社へのロイヤリティ・リテンション 向上」「戦略作り」の4つ • ESGに取り組んだスタートアップのほとんどは事業への実質的な貢献を実感しており、特に「人材の採用・定着」への貢献を 実感しているスタートアップが多い • ESGへの取り組みの主なボトルネックは、「リソース不足」と「知識不足」 等 • DEI*1: DEIの取り組みは企業によりバラツキが存在するが、多くの企業で「女性の従業員数」に比べ、「女性の管理職数」は 極端に少ない傾向 • タレントエンゲージメント: 多くの企業に「リモートワークへの対応」や「育児休暇」などの制度がある • 環境系/製造系スタートアップ以外は、「GHG排出量の測定や削減への取り組み」はまだ限定的 • 現状は社内外を問わず、「女性・外国人取締役の登用」は限定的 • 内部告発への取り組みは、ステージによる違いが大きく、レイターステージではほとんどの企業で「内部告発のプロセス」が存在 し、実際に過半数で「内部告発に活用」されている • データプライバシーへの取り組みに関しては、 ステージによる相違が大きく、アーリーステージでも一定の取り組みはされている が、レイターステージのスタートアップでは取り組みがより徹底される傾向 全体 E 環境 Environmental S 社会 Social ガバナンス Governance
  5. 4 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    1 2 3 4 5 6 7 ESGを目的化せず、経営層・従業員が「自分ごと化」 して、自社の事業戦略の一環として取り組む 自分達が大切にしたい価値観を「社員の評価/ 採用要件」につなげて、社員全員に浸透させる 企業のステージや市場変化に応じて、 ガバナンスを変化・進化させる より多くの優秀な人材を採用・定着させるため、 多様な人材が能力を最大限発揮できる環境を作る スピード感を担保しながらも、自社の成長にともない 発生/増加するリスクに対応する仕組みを作る 現状を定量的に把握して、他社比較も含めた分析 を行うことで、自社の課題を明らかにする リソース/知識がなくても、経営のコミットメントのもと 「自分達が今できること」から取り組む 企業の 方向性を 決める 組織を 作る・ 成長させる 効率的に 運用・ リスク管理 する 1 2 3 4 戦略策定 カルチャー 構築 組織構築 (経営体制) 組織構築 (人材育成・ 定着) 5 6 7 リスクマネジメント 現状見える化 ボトルネックの解消 ESGへの取り組みの要諦 エグゼクティブサマリー (2/2) ESGへの取り組みの7つの要諦
  6. 5 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    本レポートの内容 ESGの現状 • ESGに対する世界・日本の状況 • 国内スタートアップのESGへの取り組みの現状 • (アンケート調査結果) 1 2 ESGへの取り組み意義/方法 5 • ESGに取り組む意義 • ESGへの取り組みの7つの要諦 • 具体的なアクションまとめ Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.
  7. 6 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGの現状 1 6 • ESGに対する世界・日本の状況 • 国内スタートアップのESGへの取り組みの現状 • (アンケート調査結果) Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved. 2 ESGへの取り組み意義/方法 • ESGに取り組む意義 • ESGへの取り組みの7つの要諦 • 具体的なアクションまとめ 本レポートの内容
  8. 7 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGをめぐる世界・日本の状況 1 ESGの現状 国や地域によりESGへの取り組みには温度差がある。特に欧州では投資家 (機関投資家、 ベンチャーキャピタル等) や消費者からのESG関連の要求の高まりにともない (スタートアップ を含め) 企業における重要性が増している 日本は欧州に比べESGへの取り組みが遅れていたが、最近は規制強化・個人の関心の 高まりにより、特に大企業を中心にESGに積極的に取り組む企業が増えてきている 世界の現状 スタートアップはESGへの社会的な関心・要請の高まりを感じつつも、経営資源が限られる 中、ESGへの取り組みの優先度・進め方に苦慮している状態 ESGとは 企業の事業活動におけるさまざまな要素をEnvironmental (環境)、Social (社会)、 Governance (ガバナンス) の3つの視点で整理することで、企業が持続的に成長するための 戦略フレームワーク 日本の現状 国内スタート アップの現状
  9. 8 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    国内スタートアップのESGへの取り組みの現状 (1/2) 1 • ESGへの取り組みは、「社会におけるESG重視の気運の高まり」や「投資家や従業員の要望」により促進 – ESGへの取り組みのきっかけ・要因 (Top3) は、68%が「社会におけるESG重視の気運の高まり」、 50%が「投資家からの要請」、24%が「従業員からの要請」と回答 • ESGに取り組む目的は主に、「ブランディング」「自社サービス・プロダクトの購入・利用促進」「自社への ロイヤリティ・リテンション向上」「戦略作り」の4つ – 72%がESGに取り組む最大の目的として、上記の4つのいずれかを回答 • ESGに取り組んだスタートアップのほとんどは事業への実質的な貢献を実感しており、特に「人材の採用・ 定着」への貢献を実感しているスタートアップが多い – 93%が「ESGへの取り組みにより自社の事業運営・業績への実質的な貢献につながった要素」を1つ以上 選択 – 上記の設問に対して、46%が「従業員の定着化・採用促進」をTop3の要素として選択 • ESGへの取り組みの主なボトルネックは、「リソース不足」と「知識不足」 等 – 42%が「ESGにリソースを配分する余裕がない」を、16%が「ESGへの知識の不足」を最大のボトルネックと 回答 ESGの現状 アーリーステージ: シリーズB以前 レイターステージ: シリーズC以降 全体
  10. 9 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    国内スタートアップのESGへの取り組みの現状 (2/2) 1 • DEI*1: DEIへの取り組みは企業によりバラツキが存在するが、多くの企業で「女性の従業員数」に比べ、 「女性の管理職数」は極端に少ない傾向 – 42%がDEIに取り組んでいない一方、32%が従業員の偏見の最小化に向けた研修を実施 – 78%で女性社員比率は2割以上だが、女性管理職比率が2割以上の企業は26%にとどまる • タレントエンゲージメント: 多くの企業で「リモートワークへの対応」や「育児休暇」などの制度がある – 88%が「社員のリモートワークポリシーの設定」に取り組み、86%が「社員の育児休暇制度」があると回答 • 現状は社内外を問わず、「女性・外国人取締役の登用」は限定的 – (社内/社外取締役含めて) 50%で女性の取締役がおらず、88%で外国国籍者の取締役がいない • 内部告発への取り組みは、ステージによる違いが大きく、レイターステージではほとんどの企業で「内部告発のプロセス」が存在 し、実際に過半数で「内部告発に活用」されている – レイターステージは、97%が「内部告発の仕組み/プロセスがある」と回答し、53%が「実際に活用実績もあり」と回答 • データプライバシーへの取り組みに関しては、ステージによる相違が大きく、アーリーステージでも一定の取り組みはされているが、 レイターステージのスタートアップでは取り組みがより徹底される傾向 – レイターステージの97%が「プライバシーへのコンプライアンスを維持」「従業員が利用する情報端末のセキュリティ 管理」を実施 – 64%がデータ・プライバシー・インシデント追跡システムを導入しており、導入企業の53%が実際にインシデントを測定 ESGの現状 注1. DEI = ダイバーシティ、エクイティ & インクルージョン • 環境系/製造系スタートアップ以外は、「GHG排出量の測定や削減への取り組み」はまだ限定的 – 74%がGHGの排出量を未算定、64%が排出量削減への取り組みなし アーリーステージ: シリーズB以前 レイターステージ: シリーズC以降 Social Governance 環境 Environmental 社会 ガバナンス
  11. 10 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    アンケート回答企業概要: 会社概要 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 未調達・ preシリーズ A調達 済み/決定 シリーズA 調達済み/ 決定 シリーズB 調達済み/ 決定 24% シリーズC 調達済み/ 決定 上場企業 4% 8% 38% 26% (社数%) 2社 4社 12社 19社 13社 企業数 計: 50社 正社員 その他の従業員 (社数%) 4% 10% 22% 32% 20% 6% 2% 4% 201~ 300 0~10 11~30 31~50 500 以上 51~ 100 101~ 200 301~ 500 28% 32% 24% 6% 6% 2% 2% 0~10 11~30 301~ 500 31~50 101~ 200 51~ 100 201~ 300 ステージ 従業員数 (2021年末) (人) (人) (社数%) 1 ESGの現状 アンケート調査: 全体 レイターステージ アーリーステージ
  12. 11 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みは、「社会的なESGへの気運の高まり」が追い風となり、 さらに「投資家や従業員からの要望・要請」により促進されている 40% 14% 12% 10% 28% 36% 18% 14% 16% 10% 12% 18% ESGの 必要性・ 有効性を 示した 調査・事例 24% 2% 海外市場 への展開/検討 50% 社会的なESG への気運の 高まり 事故・問題等の インシデント の発生 投資家 からの要請 取引先企業 からの要請 6% 4% 従業員 からの要望 6% 6% 4% 取り組みなし 消費者の ニーズ・意見 16% その他 Top 1 Top 2&3 68% 20% 16% 12% 10% 4% ESGへの取り組みを始める・加速するきっかけとなった要因・出来事を選択してください (最も当てはまる選択肢を最大3つまで順番にランクしてください) アンケート調査: 全体 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 1 ESGの現状
  13. 12 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGに取り組む目的は主に、「ブランディング」「自社サービス・プロダクトの購入・利用促進」 「自社へのロイヤリティ・リテンション向上」「戦略作り」の4つ 20% 24% 14% 14% 8% 6% 6% 28% 18% 20% 16% 24% 20% 16% 12% 14% 20% 2% 自社への 関心度・ 志望度向上 自社への ロイヤリティ・ リテンション (従業員の 定着率) 向上 ブランディング 48% 自社サービス・ プロダクトの 購入・ 利用促進 2% モチベーション・ 業務効率性 向上 戦略作り・ 方向性の 明確化・ 可視化 2% 4% 融資・出資 条件 のクリア等 リスク マネジメント促進 イノベーション 向上 その他 Top 1 Top 2&3 42% 34% 30% 26% 22% 20% 20% 8% ESGに取り組む目的・狙いを選択してください (最も当てはまる目的を最大3つまで順番にランクしてください) Top1に選ばれた上位4つの合計72% アンケート調査: 全体 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 1 ESGの現状
  14. 13 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGに取り組んだスタートアップのうち、93%が、ESGへの取り組みにより、自社の事業運営・ 業績への実質的な貢献を実感 取り組みあり: 45社 実質的な貢献を実感: 42社 93% (42/45社) が実質的 な貢献を 実感 ESGへの取り組みにより自社の事業運営・業績への実質的な貢献につながった要素を選択してください (最も当てはまる選択肢を最大3つまで順番にランクしてください) 20% 24% 10% 8% 12% 6% 6% 10% 26% 10% 20% 20% 12% 14% 消費者からの 自社サービス・ プロダクトの 購入/利用促進 46% 自社のリスク回避・ 被害の最小化 従業員の 定着化・ 採用促進 取引先企業 からの自社 サービス・ プロダクトの購入/ 利用促進 投資家からの 投資許諾・ 評価額の向上 従業員の 部門を超えた コミュニケー ションの促進 4% 2% その他 取り組んだが実 質的な貢献なし 4% 6% 20% 取り組みなし Top 1 Top 2&3 34% 30% 28% 24% 6% 14% アンケート調査: 全体 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 1 ESGの現状
  15. 14 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの主なボトルネックとして、リソース不足、社内での取り組み実施の合意 形成が困難であることが挙げられる 2% 2% 42% 16% 6% 6% 6% 6% 14% ESGへの 取り組み のメリットが 自社の観点から 見えない・ 感じられない ESGに取り組ん でも、 各ステーク ホルダーに 理解されない その他 ESGにリソースを 配分する 余裕がない ESGへの 取り組み のなかで 優先順位が 決められない ESGへの 知識の不足 ステークホルダー によってESGへ の要求内容が バラバラで対応 が難しい 社内でESGの 重要度の認識 が人により バラバラで、 取り組み実施の 合意形成が 難しい 優先的に 取り組むべき 課題に対する 具体的な アプローチが 分からない ボトルネックなし 0% ESGへの取り組みを阻害するボトルネックはなんですか (最も当てはまる選択肢を最大3つまで順番にランクしてください) Top1 ESGに取り組みたい 取り組むことを決める 優先順位をつける 何をやるか 決める ESGに取り組む 意義が少ない さまざまな制約により 実際に取り組みを開始するのが難しい 何に/何から取り組めば 良いか分からない 具体的な方法 が分からない ボトル ネック アンケート調査: 全体 (ボトルネック) 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 1 ESGの現状
  16. 15 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    現状はスタートアップの温室効果ガスの排出量算出や削減への取り組みは限定的 74% 4% 20% 2% 0% 80% 40% Level 2: 自社の直接 の排出分 (スコープ1) のみ算定 Level 3: 自社使用の 電気・熱・ 蒸気の使用に ともなう排出分 (スコープ2) まで算定 Level 1: 自社の直接 の排出分 (スコープ1) の算定なし Level 4: 取引先の自社に 関連する事業 活動による間接 排出分 (スコープ 3) まで算定 64% 24% 6% 6% 0% 40% 80% Level 4: 目標設定もした 上、排出量削減 の取り組み・効果 測定を実施し、 改善施策を実施 Level 3: 排出量削減への 取り組み・ 効果測定を実施 Level 2: 排出量削減への 取り組みは実施 しているが、効果 は未測定 Level 1: 特に取り組みなし 温室効果ガスの排出量算定・削減に取り組みレベルが高い企業の特徴 • 事業内容に環境系ビジネスが含まれる企業 • サプライチェーンの上流・下流から環境対応の要請を受けやすい企業 温室効果ガスの排出量算定への取り組みレベル 温室効果ガスの排出量削減への取り組みレベル アンケート調査: 環境 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 1 ESGの現状
  17. 16 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    42%の企業がDEIに未着手だが、 32%の企業が従業員の偏見を取り除くための トレーニングに投資 42% 32% 26% 22% 14% 4% 10% 多様性・公平性・ インクルージョン (DEI) ポリシーに顧客や パートナー企業を 含めている DEIについて学ぶ 機会への (管理職・ 経営軸の) 参加 取り組みなし 多様性・公平性・ インクルージョン (DEI) ポリシーの設定 従業員の偏見・ バイアス等をなくすための トレーニングや リソースに投資 従業員数、ビジネスに 適したダイバーシティ 目標を設定 (例: 女性や 外国人の登用数等) その他 社員の多様性・公平性・インクルージョン (DEI) への取り組みの有無を選択してください (複数選択可) 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 アンケート調査: 社会 1 ESGの現状
  18. 17 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    女性社員比率が2割以上の企業が全体の78%を占めているが、 女性管理職が2割以上は26%、女性CXOが2割以上は18%にとどまる 78% 26% 18% 22% 74% 82% 一般社員 女性比率 2割以下 管理職 CXO 女性比率 2割以上 18% 82% 92% 92% 外国人比率 2割以上 外国人比率 2割以下 一般社員 管理職 8% 8% CXO 社数 (%) 社数 (%) 各階層に占める女性従業員の比率 (参考) 各階層に占める外国国籍者の比率 女性社員が2割以上の 企業が全体の約8割 女性管理職/CXOが2割以上 の企業は全体の2割前後 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 アンケート調査: 社会 1 ESGの現状
  19. 18 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    88%が「社員のリモートワークポリシーの設定」に、86%が「社員の育児休暇制度」に取り組み 98% 88% 86% 68% 66% 66% 62% 58% 52% 46% 44% 42% 16% 8% 社員の リモート ワーク ポリシー の設定 特定休暇 の取り組み (例: 生理休暇) 勤怠管理 システムの 導入 コーチング・ メンター シップ等の キャリア サポート 社員の 育児 休暇制度¹ 男性社員 の育児 休暇の 取得実績 仕事と 育児の 両立を 可能に するサポート 女性社員 の育児 休暇の 取得実績 従業員の メンタル ヘルスの サポート 従業員 エンゲージ メント サーベイ (有りの 場合、 導入 ツール名 の記入) 仕事と 介護の 両立を 可能にする サポート 従業員の 安全第一 (災害が おこった 場合等) の 防災 マニュアル等 の作成 取引先の 選定 ポリシーの 有無 取り組み なし その他 0% 0% 御社でのタレントエンゲージメントのための方針やプロセスの有無を選択してください (複数選択可) 注: n = 50 1. 法定の育児休業制度の運用実績があるケースを含む 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 アンケート調査: 社会 1 ESGの現状
  20. 19 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    社内外を問わず、女性・外国国籍者の取締役への登用は限定的 女性社内外取締役登用の有無 外国国籍者社内外取締役登用の有無 女性取締役の登用あり 50% 外国国籍取締役の登用あり 12% 10% 14% 26% 50% 女性社内・ 社外取締役 両方なし 女性社内・ 社外取締役 両方あり 女性社内 取締役のみ あり 女性社外 取締役のみ あり 6% 2% 4% 88% 外国国籍社内 取締役のみ あり 外国国籍社内・ 社外取締役 両方あり 外国国籍社外 取締役のみ あり 外国国籍社内・ 社外取締役 両方なし 女性社内取締役の登用あり 24% 外国国籍社内取締役の登用あり 8% 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 アンケート調査: ガバナンス 1 ESGの現状
  21. 20 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ステージにより、内部告発の取り組みのレベルに大きな差があり、 レイターステージでは97%が内部告発の仕組みがあり、53%で内部告発の実績あり 50% 33% 17% 0% 30% 60% Level 2: 内部告発の仕組み/ プロセスはあるが、 実際の活用実績なし Level 3: 内部告発の仕組み/ プロセスがあり、実際 に活用実績もあり Level 1: 内部告発の 仕組み/プロセスなし 60% 30% 0% 53% Level 2: 内部告発の仕組み/ プロセスはあるが、 実際の活用実績なし Level 1: 内部告発の 仕組み/プロセスなし 44% Level 3: 内部告発の仕組み/ プロセスがあり、実際 に活用実績もあり 3% 内部通報の仕組み・プロセスの取り組みレベルを選択してください (最も当てはまる回答を1つ選択) アーリーステージ (n=18) レイターステージ (n=32) 内部告発の仕組みあり 50% 内部告発の仕組みあり 97% 内部告発の 実績あり 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 アンケート調査: ガバナンス 1 ESGの現状 アーリーステージ: シリーズB以前 レイターステージ: シリーズC以降
  22. 21 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    レイターステージは、データセキュリティ・プライバシーに積極的に取り組んでおり、97%が「プライ バシーへのコンプライアンスを維持」「従業員が利用する情報端末のセキュリティ管理」を実施 61% 56% 67% 56% 39% 44% 22% 33% 22% 100% 0% 0% 0% 97% 97% 88% 84% 75% 72% 66% 56% 41% 3% 0% 100% セキュリティ ハンドブック の作成 自社開発 コードに対する 脆弱性診断 ツールの 導入/利用 データ管理 方針の設定 プライバシー (関連規制、 個人情報 保護法、 PIPL等) へ のコンプライ アンス (法令遵守) を維持 自社情報 アクセスへの 2段階 認証の設定 従業員が 利用する 情報端末の セキュリティ管理 データ管理 責任者の設置 プライバシー マーク/ISMSの 取得 第三者による セキュリティ 診断/システム 監査の実施 その他 取り組み なし 0% レイターステージ (n=32) アーリーステージ (n=18) データセキュリティ・プライバシーの取り組み内容を教えてください (複数選択可) アーリーステージ: シリーズB以前 レイターステージ: シリーズC以降 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 アンケート調査: ガバナンス/ソーシャル 1 ESGの現状
  23. 22 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    64%の調査対象 スタートアップが、データ・ プライバシー・インシデント 追跡システムを導入して おり、導入企業の53%が 実際にインシデントを測定 64% 36% ある ない 100% データ・プライバシー関連のインシデント数 を計測する方法・ツールの有無 データ・プライバシー関連のインシデント数を計測する方法・ツールの有無 および2021年のインシデント数 2021年のインシデント数 (個人情報取り扱いにおける事故数) 0インシデント: 14社 1~2インシデント: 12社 3~4インシデント: 3社 5以上のインシデント: 2社 インシデントの追跡は 実施せず: 1社 (17社/32社) 導入企業の 53% 注: n = 50 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」 アンケート調査: ガバナンス/ソーシャル 1 ESGの現状
  24. 23 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    本レポートの内容 ESGの現状 • ESGに対する世界・日本の状況 • 国内スタートアップのESGへの取り組みの現状 • (アンケート調査結果) 1 2 ESGへの取り組み意義/方法 23 • ESGに取り組む意義 • ESGへの取り組みの7つの要諦 • 具体的なアクションまとめ Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.
  25. 24 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    資金調達 (短中期的な) 売上向上 (中長期的な) 持続的成長担保 ESGへの取り組み意義 国内スタートアップがESGに取り組むことによる事業への実質的な貢献は3つに分類できる ESGへの取り組み意義/方法 2 今後 (予測) 消費者のESGへの意識および大手企業への 社会的/規制等の要請の高まりによって、より 幅広い業界でESGの重要性が高まる可能性 海外同様、VCの投資要件にESGの要素が 取り入れられるようになり、上場前の資金調達 も含めてESGの重要性がより高まる可能性 現状 ESG関連事業/製造業系スタートアップには、 顧客のニーズ・取引先からの要請に答えるため E (環境) ・S (社会)を中心とした取り組みが 貢献 上場前後のスタートアップには、上場準備/ 機関投資家からの要望への対応に、 G (ガバナンス) を中心とした取り組みが貢献 幅広いステージ/業界のスタートアップには、 S (社会)、G (ガバナンス) を中心とした 取り組みが持続的成長を阻害するリスク要因 の回避に貢献 海外では、スタートアップの規模 (資金調達 額) が拡大傾向であり、国内でも持続的成長 のため、ESGの重要性がより強まる可能性 持続的成長の阻害要因は次ページに記載 2 1 大企業との取引要件や消費者の選好への 対応 (B2C) VCからの資金調達、上場要件達成、 上場後の投資家へのアピール 事業を継続的に成長させるための、 組織・戦略作り 3
  26. 25 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    (参考) スタートアップの持続的成長の阻害要因/リスク 大企業とは異なるスタートアップならではの「持続的成長」のリスク・困難さが存在 • 一部の人材に機能 (特に財務/人事) が集中し、小さい組織内でも聖域化・属人化して、 コンプライアンス違反や不正を防げない/気付けない • 設立当初は、自然に社内で共有できていたカルチャーが、組織が大きくなると (50~100人程度) 崩れはじめ、 組織としての強度・純度が下がる • ステージ/市場環境変化に合わせた、組織体制/取締役会の構成の切り替えができず、 組織/役員の構成/能力が、あるべき要件から乖離する • スタートアップ間でも人材獲得競争が加速する中で、組織を継続的、安定的に成長させるために必要な 人材の定着・採用ができない/質が犠牲になる • 組織の拡大とコロナでのリモートワークが増えた結果として、部署を超えた従業員間のコミュニケーションが減り、 情報の透明性・連携が減少する • 事業が安定化した後に、人材・組織が既存事業の運営に最適な形に固定化することで、 組織の創造性・新規性が停滞する • これまで順調だった事業が、市場/競合環境の急激な変化により突然に危機に瀕した時に、組織も瓦解して、 危機を乗り切れない 2 A B C D E F G 先進的なスタートアップはESG (特にS/G) の取り組みを通して、上記のリスクを回避し、持続的成長を実現 ESGへの取り組み意義/方法
  27. 26 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    1 2 3 4 5 6 7 ESGを目的化せず、経営層・従業員が「自分ごと化」 して、自社の事業戦略の一環として取り組む 自分達が大切にしたい価値観を「社員の評価/ 採用要件」につなげて、社員全員に浸透させる 企業のステージや市場変化に応じて、 ガバナンスを変化・進化させる より多くの優秀な人材を採用・定着させるため、 多様な人材が能力を最大限発揮できる環境を作る スピード感を担保しながらも、自社の成長にともない 発生/増加するリスクに対応する仕組みを作る 現状を定量的に把握して、他社比較も含めた分析 を行うことで、自社の課題を明らかにする リソース/知識がなくても、経営のコミットメントのもと 「自分達が今できること」から取り組む 企業の 方向性を 決める 組織を 作る・ 成長させる 効率的に 運用・ リスク管理 する 1 2 3 4 戦略策定 カルチャー 構築 組織構築 (経営体制) 組織構築 (人材育成・ 定着) 5 6 7 リスクマネジメント 現状見える化 ボトルネックの解消 ESGへの取り組みの要諦 再掲 2 ESGへの取り組み意義/方法 ESGへの取り組みの7つの要諦 (1/2) 国内外の先進事例に基づいた、ESGへの取り組みを持続的成長へとつなげるための要諦
  28. 27 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの7つの要諦 (2/2) 国内外の先進事例に基づいた、ESGへの取り組みを持続的成長へとつなげるための要諦 企業の 方向性を 決める 組織を 作る・ 成長させる 効率的に 運用・ リスク管理 する 上記の要諦は、特にミドルステージ以降で重要度が上がってくるが、アーリーステージ以前の企業にとっても 大切な内容かつ将来ミドルステージに移行することを見据えて、理解・準備しておくことが肝要 ESGへの取り組みの要諦 企業のステージや市場変化に応じて、ガバナンスを変化・進化させる • 組織・環境の変化により人材/組織要件も変わるため、最適なガバナンスを整える 自分達が大切にしたい価値観を「社員の評価/採用要件」につなげて、社員全員に浸透させる • 従業員目線で言語化し、社員全員が理解・暗唱できるレベルまで浸透させる より多くの優秀な人材を採用・定着させるため、多様な人材が能力を最大限発揮できる環境を作る • 外国国籍のエンジニアが働きやすい環境作りや、女性が不利益を受けずに働ける環境を作る スピード感を担保しながらも、自社の成長にともない発生/増加するリスクに対応する仕組みを作る • 知識の形式知化や、不正ができない/不正が早期に発見される仕組みを作る 現状を定量的に把握して、他社比較も含めた分析を行うことで、自社の課題を明らかにする • 自社の課題に関する社内の共通認識を作り、定量的な議論により必要な取り組みについて合意する リソース/知識がなくても、経営のコミットメントのもと「自分達が今できること」から取り組む • 経営層の支援のもと、ボランティアベースのチームで興味・課題意識のあるテーマから取り組む ESGを目的化せず、経営層・従業員が「自分ごと化」して、自社の事業戦略の一環として取り組む • 持続的成長への取り組み具体化のため、経営視点でESGの考え方を活用する 取り組み目的 6 1 7 戦略策定 3 組織構築 (経営体制) 4 組織構築 (人材育成・定着) 5 リスクマネジメント 現状見える化 ボトルネックの解消 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved. 2 カルチャー構築 2 ESGへの取り組み意義/方法
  29. 28 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (1/7): 戦略策定 ESGを目的化せず、経営層・従業員が「自分ごと化」して、自社の事業戦略の一環として取り組む 戦略策定 • 組織・事業進化の ため、ESGを1つの 観点として活用 (例: MPower ESG Playbookおよび 本資料参照) • 自社がESGに取り 組む意義を経営層が 自分の言葉で理解・ 具体化する まずは、ESGの枠組みとは切り離して、自社の事業/プロダクト/組織に必要な「自分ごと」の活動として取り組む • " 紙を大量に使用する印刷業者として、大企業と取引を成立させるために、顧客の環境要件を考慮した対応のきっかけになった" (ラクスル) • " ビジョンを起点にアクセシビリティについて考え、視覚に障がいのあるエンジニアも開発に参画し、継続してその向上に取り組んでいる" (freee) • " 地域との強いリレーション構築が必要なビジネスの展開にあたって、教育分野等で地域活性化に取り組んだ" (EC系スタートアップ: 日本) • " 商品販促のメールに自社のESG活動を掲載したら通常よりも開封率が向上し、商品の売上につながった" (化粧品系スタートアップ: 米国) 経営層が自社の事業が "ESG" という枠組みにどう結び付くのかを理解しコミットすることで、取り組みを加速化する • " 初期段階は、COOがESGに関連した取り組み全般を担当し、ESGとしてではなく、経営アジェンダとして対応した" (EC系スタートアップ: 日本) • " 経営層の深い納得感がなければ、そもそもESGをこれからどうする、戦略にどう結び付けるかが具体化されない" (Money Forward) • " CEOのコミットにより、ESGへの中長期的な貢献と、短期的な収支にトレードオフが発生したときの判断をしている" (Contentsquare: 仏) • " ESGは短期的なROIでの効果測定が難しく、CEOの戦略的な判断の基で予算/リソースを確保する必要がある" (物流系スタートアップ: 韓国) 先進事例 • ESGに取り組んだ企業の93%が「ESGへの取り組みにより自社の事業運営・業績への実質的な貢献につながった要素」を1つ以上回答 例: 46%が「従業員の定着化・採用促進」に、34%が「取引先企業からの自社サービス・プロダクトの購入/利用促進」につながったと回答 アンケート調査結果 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」; 国内外先進企業へのインタビュー; エキスパートインタビュー 1 具体的なアクション案 2 ESGへの取り組み意義/方法
  30. 29 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (2/7): カルチャー構築 自分達が大切にしたい価値観を「社員の評価/採用要件」につなげて、社員全員に浸透させる カルチャー構築 • 企業理念等に従業 員目線での価値観 (人事評価・採用に 直結できる内容) を 記載 • 自社が大切にする 価値観に基づき、 人事評価・採用の 基準を策定/見直し • 自社の価値観を社員 が目にする機会を 増やす (例: あらゆる 場所に貼る・社内 メルマガ・社員表彰・ Slackのスタンプ 等) 社員に大切にして欲しいこと/やって欲しいことを、自社の理念としてまとめ、社員の評価/採用要件につなげる • " 従業員目線で言語化したValueに基づき採用要件を作成し、入社後もValueに沿って業務に取り組むことを推奨" (EC系スタートアップ: 日本) • " 「User Focus, Technology Driven, Fairness」といった行動指針 (Value) や「Speed, Pride, Teamwork, Respect, Fun」という全員が 大切にする文化(Culture)をグループ社員で共有" (Money Forward) • " 全てのステークホルダーの視点を包括したPurposeをより具体化することが、全員が同じ方向を向くために役立だった" (Kickstarter: 米国) 自社の価値観は簡単に覚えられる内容/分量にした上で、社員の目に触れる機会を増やして、社員全員が理解・暗唱できる まで浸透させる • " 自主性を重んじる社風がある一方で、全社イベント (オンライン含む) を積極的に行い、全員で価値観を共有する場を設けている" (freee) • " 社内にValueを掲載したり、会議室や表彰の名前にValueを使用したりすることで、社員へ浸透させてきた" (EC系スタートアップ: 日本) • " 社員が覚えやすくるため、長さと数を絞り込み、トイレ含めさまざまな場所に貼付している" (B2Cサービス系スタートアップ: 日本) 先進事例 • 46%がESGへの取り組みにより実貢献につながった要素のTop3に「従業員の定着化・採用促進」を選択し、20%がTopの要素として選択 • 52%がESGへの取り組みにおける重要課題のTop3に「タレントエンゲージメント」を選択し、10%がTopの課題として選択 アンケート調査結果 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」; 国内外先進企業へのインタビュー; エキスパートインタビュー 2 具体的なアクション案 2 ESGへの取り組み意義/方法
  31. 30 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (3/7): 組織構築 (経営体制) 企業のステージや市場変化に応じて、ガバナンスを変化・進化させる 組織構築 (経営体制) • CEO/COO/CHRO等 の経営層がスタート アップとしての各 ステージに必要な 要件・組織設計を 中長期的な視点で 検討・準備 • 市場環境/技術 トレンド/事業戦略を 踏まえて自社に 足りない要素を 洗い出し、必要な 人材を採用 • (上場前後) 機関 投資家からの要請や 上場要件を満たす ために取締役構成を 見直し 上場を意識する前から、市場変化/会社のステージに合わせて経営体制を見直し • " スタートアップとして各ステージに必要な組織設計を理解しているCOOの存在が、組織の安定的な成長につながった" (EC系スタートアップ: 日本) • " 海外事業やWeb3等の新規事業を強化するために、分野に知見のある人材が取締役に参画した" (B2Cサービス系スタートアップ: 日本) • " 上場の予定の有無に関わらず、CSO (最高戦略責任者) の設置や技術進化に合わせて経営体制を進化させている" (Kickstarter: 米) 上場前後のタイミングでは、投資家からの要請への対応や上場後の新たな組織作りのため、取締役会の構成を見直し • " 上場後は、機関投資家からの要請に応じて、取締役会の人員構成も多様性 (性別、国籍) を意識している" (EC系スタートアップ: 日本) • " 上場等会社として新たなフェーズに移行するタイミングで優秀な人材を採用し、フェーズに合わせた経営体制を構築した" (freee) 先進事例 • アーリーステージは56%が「リスクマネジメント促進」をコーポレートガバナンスの主な目的と選択しているが、レイターステージは34%が「戦略作り・ 方向性明確化」も重視 アンケート調査結果 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」; 国内外先進企業へのインタビュー; エキスパートインタビュー 3 具体的なアクション案 2 ESGへの取り組み意義/方法
  32. 31 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (4/7): 組織構築 (人材育成・定着) より多くの優秀な人材を採用・定着させるため、多様な人材が能力を最大限発揮できる環境を作る 組織構築 (人材育成・定着) • 多様な人材が活躍で きる環境かを測るKPI を設定し、改善の 担当者/部署を 決める • 経営層がDEIの必要 性やアンコンシャス・ バイアスに関する知識 を書籍・webベースで 学ぶ • 全社員向けに定期的 にアンコンシャス・ バイアス研修を実施 先進事例 • 78%で「女性社員比率が2割以上」だが、「女性管理職比率が2割以上」の企業は26%にとどまる • 32%が「従業員の偏見・バイアス等をなくすためのトレーニングやリソースに投資」と回答 • DEI取り組みの目的として、62%が「従業員定着率の向上」、46%が「人材の自社への志望度向上」と回答 アンケート調査結果 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」; 国内外先進企業へのインタビュー; エキスパートインタビュー; 文献調査; 日経ビジネスオンライン、 「御立尚資の帰ってきた『経営レンズ箱』: イノベーションに寄与する多様性の要素とは?」 (2017年8月7日) 4 具体的なアクション案 優秀な人材を一人でも多く採用するため、多様な人材が働ける環境をつくることで、人材プールを広げる • " サステナブルに成長するためには人材プールは広い方が良いし、仮に体力が強い人しか働けない会社は組織としていびつだと感じる" (freee) • " 国内のエンジニアが枯渇しているため、海外の優秀なエンジニア採用できるよう社内の言語・文化環境を整備した" (EC系スタートアップ: 日本) 人材が自社に定着化するため、社員が自身の能力を最大限発揮しながら活躍できる環境を作る • " メンバーが他者の視点を理解するためのアンコンシャス・バイアス研修 等、全社的なDEI研修を実施している" (freee) • " 女性視点を活かし、社内のパラレルワーク推進等の働き方改革を実現するために、女性が社長に就任" (Webサービススタートアップ: 日本) • " HRは「DEIのコンセプトと価値を理解している従業員の割合」等のDEI関連のKPIを管轄し賞与に反映される" (Vestiaire Collective: 仏) 加えて、人材が多様化することが、組織の創造性や幅広い顧客層のニーズ理解にも貢献している • " 産業、出身国、キャリアパス、そして性別の多様性が高ければ、イノベーションにプラスになっている" (BCG御立尚資) • " 各国・地域の顧客ニーズを理解するために多様な国出身およびジェンダーの社員を採用するように努力している" (Vestiaire Collective: 仏) 2 ESGへの取り組み意義/方法
  33. 32 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (5/7): リスクマネジメント スピード感を担保しながらも、自社の成長にともない発生/増加するリスクに対応する仕組みを作る リスクマネジメント • 「何が許されて、何が 許されないのか」を クリアにするハラスメン ト防止研修を実施 • 内部・外部の通報 窓口を構築し、通報 者保護ルールを周知 する (研修等に組み 込む) • ドキュメント作成 ツールを活用し、社内 の知見/マニュアルを ドキュメンテーション 不正をできる限り防ぐための対策をしつつ、不正が起きる前提で、それらを早期発見・対処できる仕組みを作る • " 上場の2~3年前から不正を通報するコンタクト先を設け、上場の要件であるリスクマネジメントへ早期から対応" (EC系スタートアップ: 日本) • " パワーハラスメント防止法に先駆け、秘密性と独立性を担保したハラスメント相談室を設置" (B2Bサービス系スタートアップ: 日本) • " 社内のハラスメントを常に録音して検知するサービスを導入し、内部通報よりも確実に問題を検知" (B2Bシステム系スタートアップ: 英) 知識を個人に貯めるのではなく、会社として形式知化し、誰もがアクセスできる状態にする • " 個人しか知らない情報をなくすことを徹底し、Notion1) 等で知識/ベストプラクティスを共有している" (B2Cサービス系スタートアップ: 日本) • " 会社としてのDEIの取り組み方等について、経営層から社員に階層的に知見を共有する体制を構築" (Vestiaire Collective: 仏) • " e-learningのプラットフォームを活用/日々進化させ、いつでも社員が知見を共有/学習できる仕組みを構築" (Vestiaire Collective: 仏) 先進事例 • 64%が「データ・プライバシー関連のインシデント数の計測ツールを導入」しており、うち、53%が「個人情報取り扱いにおけるインシデント」を経験 • 80%で「内部通報の仕組み/プロセス」が存在し、うち、約半数が実際に「内部通報の仕組みを活用」した実績あり • レイターステージの97%が「プライバシーへのコンプライアンスを維持」「従業員が利用する情報端末のセキュリティ管理」を実施 アンケート調査結果 1. 情報管理ツール 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」; 国内外先進企業へのインタビュー; エキスパートインタビュー; webリサーチ 5 具体的なアクション案 2 ESGへの取り組み意義/方法
  34. 33 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (6/7): 現状見える化 現状を定量的に把握して、他社比較も含めた分析を行うことで、自社の課題を明らかにする 現状見える化 • 全従業員が回答する エンゲージメントサーベ イを定期的に実施、 結果を社員に説明/ 共有 • データを時系列変化 や性別等でのさまざま な視点で分析し、 課題を特定した上で PDCAを回す • 自社の目指すべき 水準のベンチマークと なる他社を参考に、 自社の取り組みを 検討する サーベイ等で自社の現状・課題を明らかにし、自社にとって必要な取り組みを具体化する • " ピープル・サーベイの結果を、既存の人事改革制度と結び付け、自社の掲げる課題を定量的に可視化している" (ラクスル) • " 自社オリジナルのピープル・サーベイを年次、月次および隔週で実施し、スタッフの現状を理解し、施策を調整している" (freee) • " 2ヶ月に1回ピープル・サーベイを実施し、社員は調査参加率、役員はサーベイ結果が各自の賞与に直結している" (Vestiaire Collective: 仏) 先進的な他社の取り組みを参考にして、自社の取り組みレベル/目指す水準感を明らかにする • " 社外取締役の指摘等を踏まえ、取り組み状況やESGスコアの状況を把握するため他社との情報交換を実施。まず目指すべきゴールを明確化 した" (Money Forward) • " リクルート等の大企業や、事業内容・規模が同様の企業を中心にESGに関連した取り組みをベンチマークすることで、自社が次に取り組みむべき 内容や目指すべきレベル感を特定した" (freee) • " OKR (Objective Key Results) を活用し、定量および定性的なKPIで自社が目指すレベルを明確化した" (EC系スタートアップ: 日本) 先進事例 • アーリーステージの33%、レイターステージの63%が「従業員エンゲージメントサーベイ」を実施 • 44%が投資家に対し、「ESGを進める中でのKPI設定・モニタリング方法の支援」を求めている アンケート調査結果 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」; 国内外先進企業へのインタビュー; エキスパートインタビュー 6 具体的なアクション案 2 ESGへの取り組み意義/方法
  35. 34 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (7/7): ボトルネックの解消 リソース/知識がなくても、経営のコミットメントのもと「自分達が今できること」から取り組む ボトルネックの解消 • 課題点等への理解を 深めるため、経営層 が他社との研究会や 情報交換会に参加 • 経営層が旗振り役と なって社内でESGに 興味のある有志で、 部署横断の兼任 チーム組成 • 初期の取り組みは リーンに始め、完璧 でなくとも取り組みの 内容をアウトプット化 し、社内外に発信 当初は、経営層の支援のもと、ボランティアベースのチームで「自分達が今できること」から取り組む • " CSOが、3人のボランティアチームのサポートを受けながら、ESG活動の旗振り役・責任者として活動" (Kickstarter: 米) • " ESGに関心のあるメンバーが自発的にDEI等への取り組みを始めて、会社も承認・推奨してきた" (freee) 上場後は、これまで社内でESGとは関係なく行ってきた取り組みを、ESGの文脈で再整理して開示する • " 新規でESG関連の取り組みを開始するのではなく、まずは以前からの取り組みをESGのフレームに結び付けて整理・開示した" (Money Forward) • " 上場後に、投資家からの要請もあり、これまでの社内の取り組みをESGの枠組みで再整理した" (freee) ESGの専門知識がなくても、外部の情報や機関を活用して取り組みを進める • " 当初はオンラインの情報や書籍等アクセシブルなものを活用し、ESGの基礎を学習しながら取り組んだ" (EC系スタートアップ: 日本) • " ESGの知見不足を解消し、今後の取り組みを加速するために、 CSOが外部機関と連携・リレーション構築している" (Kickstarter: 米) • " 上場後に、具体的にどの取り組みから着手すべきかを、ESGに知見のある外部機関に相談した" (freee) 先進事例 • ESGへの取り組みを阻害する最大のボトルネックとして、42%が「リソース不足」、16%が「ESGへの知識不足」と回答 アンケート調査結果 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2022)」; 国内外先進企業へのインタビュー; エキスパートインタビュー 7 具体的なアクション案 2 ESGへの取り組み意義/方法
  36. 35 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    具体的なアクションまとめ 具体的なアクション候補リスト (緑字: アーリーステージから取り組むべきこと) • 組織・事業進化のため、ESGを1つの観点として活用 (例: MPower ESG Playbookおよび本資料参照) • 自社がESGに取り組む意義を経営層が自分の言葉で理解・具体化する • 「何が許されて、何が許されないのか」をクリアにするハラスメント防止研修を実施 • 内部・外部の通報窓口を構築し、通報者保護ルールを周知する (研修等に組み込む) • ドキュメント作成ツールを活用し、社内の知見/マニュアルをドキュメンテーション • 課題点等への理解を深めるため、経営層が他社との研究会や情報交換会に参加 • 経営層が旗振り役となって社内でESGに興味のある有志で、部署横断の兼任チーム組成 • 初期の取り組みはリーンに始め、 完璧でなくとも取り組みの内容をアウトプット化し、社内外に発信 • 多様な人材が活躍できる環境かを測るKPIを設定し、改善の担当者/部署を決める • 経営層がDEIの必要性やアンコンシャス・バイアスに関する知識を書籍・webベースで学ぶ • 全社員向けに定期的にアンコンシャス・バイアス研修を実施 取り組み目的 • 全従業員が回答するエンゲージメントサーベイを定期的に実施、結果を社員に説明/共有 • データを時系列変化や性別等でのさまざまな視点で分析し、課題を特定した上でPDCAを回す • 自社の目指すべき水準のベンチマークとなる他社を参考に、自社の取り組みを検討する • 企業理念等に従業員目線での価値観 (人事評価・採用に直結できる内容) を記載 • 自社の大切にする価値観に基づき、人事評価・採用の基準を策定/見直し • 自社の価値観を社員が目にする機会を増やす (例: あらゆる場所に貼る・社内メルマガ・社員表彰・ ・Slackのスタンプ 等) • CEO/COO/CHRO等の経営層がスタートアップとしての各ステージに必要な要件・組織設計を中長期的な視点で検討・準備 • 市場環境/技術トレンド/事業戦略を踏まえて自社に足りない要素を洗い出し、必要な人材を採用 • (上場前後) 機関投資家からの要請や上場要件を満たすために取締役構成を見直し 2 3 4 5 6 1 7 戦略策定 カルチャー構築 組織構築 (経営体制) 組織構築 (人材育成・定着) リスクマネジメント 現状見える化 ボトルネックの 解消方法 2 ESGへの取り組み意義/方法
  37. 36 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    取り組みを進める上で MPower ESG Playbook を活用下さい MPower HP https://www.mpower-partners.com/blog_jp_category/playbook/ https://mpower-partners.notion.site/mpower-partners/EN- MPower-Startup-ESG-Playbook-e6af70b0c18a4f93b6fbee62a9d6cdb2 MPower Notion JP EN https://mpower-partners.notion.site/mpower-partners/JP-MPower- Startup-ESG-Playbook-40a2c7e005bc43cf8cb25237de05dc5f
  38. 37 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    アンケート調査にご回答 いただいた企業 (30社) アガサ株式会社 アクシスルートホールディングス株式会社 アスエネ株式会社 アルー株式会社 オンサイト株式会社 五常・アンド・カンパニー株式会社 スター・マイカ・ホールディングス株式会社 株式会社センシンロボティクス 株式会社マンガボックス 株式会社ミツモア メディフォン株式会社 株式会社ユーグレナ ユニファ株式会社 株式会社CureApp 株式会社enechain ※社名公開の許可を いただいた会社のみ記載 ※20社が社名非公開を希望 ※五十音順>アルファベット順 1 2 3 4 5 6 7 8 9 16 17 18 19 20 ENECHANGE株式会社 freee株式会社 (フリー株式会社) 株式会社HashPort 株式会社JEPLAN 株式会社Luup 株式会社RABO 株式会社Rehab for JAPAN 株式会社Ridge-i SHE株式会社 株式会社souco Spiber株式会社 TechMagic株式会社 Wovn Technologies株式会社 XTalent株式会社 株式会社Yuimedi 10 11 13 12 14 15 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
  39. 38 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    株式会社マネーフォワード ラクスル株式会社 Contentsquare freee株式会社 (フリー株式会社) Kickstarter Vestiaire Collective 1 2 3 4 5 6 インタビューにご協力 いただいた企業 (6社) ※社名公開の許可を いただいた企業のみ記載 ※4社が社名非公開を希望 ※五十音順>アルファベット順
  40. 39 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    連絡先 マネージング・ディレクター & パートナー 栗原 勝芳 [email protected] マネージング・ディレクター & パートナー 折茂 美保 [email protected] ゼネラル・パートナー 村上 由美子 [email protected] プリンシパル 佐久間 優奈 [email protected]
  41. 40 Copyright © 2022 by MPower Partners. All rights reserved.

    © MPower Partners. 2022. All Rights Reserved. This report was created based on joint research and study by MPower Partners and Boston Consulting Group (BCG). This document has been prepared in good faith on the basis of information available at the date of publication without any independent verification. MPower and BCG do not guarantee or make any representation or warranty as to the accuracy, reliability, completeness, or currency of the information in this document nor its usefulness in achieving any purpose. Readers are responsible for assessing the relevance and accuracy of the content of this document. It is unreasonable for any party to rely on this document for any purpose and MPower and BCG will not be liable for any loss, damage, cost, or expense incurred or arising by reason of any person using or relying on information in this document. To the fullest extent permitted by law (and except to the extent otherwise agreed in a signed writing by MPower and BCG), MPower and BCG shall have no liability whatsoever to any party, and any person using this document hereby waives any rights and claims it may have at any time against MPower and BCG with regard to the document. Receipt and review of this document shall be deemed agreement with and consideration for the foregoing. This document is based on a primary qualitative and quantitative research executed jointly by MPower and BCG. MPower and BCG do not provide legal, accounting, or tax advice. Readers are responsible for obtaining independent advice concerning these matters. This advice may affect the guidance in the document. Further, MPower and BCG have made no undertaking to update the document after the date hereof, notwithstanding that such information may become outdated or inaccurate. MPower and BCG do not provide fairness opinions or valuations of market transactions, and this document should not be relied on or construed as such. Further, any evaluations, projected market information, and conclusions contained in this document are based upon standard valuation methodologies, are not definitive forecasts, and are not guaranteed by MPower or BCG. MPower and BCG have used data from various sources and assumptions provided to MPower and BCG from other sources. MPower and BCG have not independently verified the data and assumptions from these sources used in these analyses. Changes in the underlying data or operating assumptions will clearly impact the analyses and conclusions. This document is not intended to make or influence any recommendation and should not be construed as such by the reader or any other entity. This document does not purport to represent the views of the companies mentioned in the document. Reference herein to any specific commercial product, process, or service by trade name, trademark, manufacturer, or otherwise, does not necessarily constitute or imply its endorsement, recommendation, or favoring by MPower or BCG. Apart from any use as permitted under the Copyright Act of Japan, no part may be reproduced in any form. Disclaimer