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ESG x VC レポート:VC・スタートアップのESGへの 取り組み状況を踏まえたVCにおけ...

ESG x VC レポート:VC・スタートアップのESGへの 取り組み状況を踏まえたVCにおけるESGの戦略的要諦・アクション

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July 16, 2024
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  1. 0 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESG x VC レポート VC・スタートアップのESGへの 取り組み状況を踏まえた VCにおけるESGの戦略的要諦・アクション 2024.4 協賛 (五十音順)
  2. 1 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESG x VCレポート概要 • VCの投資判断における、ESGへの取り組みの現状を可視化する • VCの投資判断における、ESGへの取り組みの戦略的要諦を具体化する 目的 構成 • 国内VC22社に対するアンケート調査の実施・ 回答分析 • ESG実装で先行する国内外VC4社のインタビュー • 国内外VCについての各種公開情報 • BCGグローバルエキスパートのインタビュー 調査 方法 2024年2月~3月 調査 期間 主体: 協賛 (五十音順): Copyright © 2024 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状 • 国内VCの投資判断プロセスにおける ESGの検討状況 • (アンケート調査結果) 1 VCにおけるESGへの取り組みの意義・方法 • ESGに取り組む意義 • ESGへの取り組みの戦略的要諦 • 具体的なアクションまとめ • ESG実装で先行するVCのケーススタディ 2
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    序文 Copyright © 2024 MPowerとボストン コンサルティング グループ (BCG) は2022年秋に、関心が高まるESG (環境・社会・ガバナンス) に対する スタートアップの取り組みに関して提言をまとめ、レポートとして発表した その後1年半の間、ESG重視の流れは国内外問わず継続しており、スタートアップと共にエコシステムを形成するベンチャー キャピタル (VC) においても正しく現状を把握し、取り組みを加速させる必要性が増している 一方、ESGを投資プロセスに実装するためのフレームワークがないことやリソース不足がボトルネックとなり、どのようにESGへ取り 組むか苦慮しているVCは多い このような状況でも、国内外で先行する一部のVCは、投資先並びにファンドの中長期的にわたる持続的成長を担保するた めの戦略の一環としてESGを位置づけ、積極的な取り組みを見せている 本レポートでは、VCのESG実装の一助となるよう以下の内容をまとめた 1章では、 国内VC22社へのアンケート調査を基に、「E・S・G各要素の投資判断における検討実態」「ESG検討のボトルネッ ク」「ESGの投資判断・事業運営におけるメリット」等、VCのESGに対する取り組みの現状を定量的に整理した 2章では、国内外で先行するVC4社へのインタビュー、ESGトレンド・国内外VC各社に関する各種公開情報、国内スタート アップ50社へのアンケート調査を基に、「VCがESGに取り組む意義」「ESGの戦略的要諦」「具体的アクション」をまとめた 本レポートを幅広い事業セクター・成長ステージに投資するVC、スタートアップ、リミテッド・パートナー (LP)/投資家の方々に お読みいただき、今後のESGへの取り組み、ひいては持続的な成長の実現に向けてご活用いただければ幸いである
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    社会におけるESG重視の機運の高まりへの対応、また投資先の成長ポテンシャルの判断のため、大半の国内VCは投資プロセス上で何らか のESG要素を考慮している。本調査結果からも91%のVCが何らかのESG要素を考慮し、特に82%がデューデリジェンス (DD) フェーズで考慮 していることが分かった それに加えて、ESG要素を考慮したVC20社の95%が投資判断・事業運営への貢献を実感しているため、ESGに取り組む戦略的なインパク トは十分に大きいと言える VCの投資判断における"E"、 "S"、 "G"それぞれの重要度は異なる • Environment: 過半数のVCは投資検討先のGHG排出量算定・削減を考慮しておらず、特定のケース以外では重要度が低いと 言える • Social: 約半数のVCが投資先のDEI1やタレントエンゲージメントの取り組みを重視している。Governanceとも関わるデータプライバシー に関する規制の順守は約8割のVCが考慮 • Governance: アーリーステージの投資先を検討するVCの約半数が独立取締役の設置を、レイターステージではこれに加え、 取締役の着任・退任状況を考慮。ESGに対するオーナーシップは経営層が持っているケースが大半と判明 スタートアップの取り組みとVCの投資先に対する期待値の間には大きなギャップはほぼなかったが、一点だけ浮かび上がったのが取締役・リー ダーシップや管理職における多様性 (特にジェンダー) に関するギャップであった。回答したVCの約5割が組織の多様性を考慮しており、「取 締役・リーダーシップ」や「管理職」の性別・ジェンダーの多様性を求めていると回答。しかし、スタートアップのうち女性幹部 (CXO) 比率が2 割以上の企業は18%にとどまる 今後ESGを投資判断プロセスに取り込む際の主なボトルネックとして「フレームワークの欠如」や「リソース不足」が挙がった。 さらに、今後の投資判断への取り込み加速に向けて、過半数のVCが具体的なガイダンスを必要としていると回答 エグゼクティブサマリー (1/2) 1. ダイバーシティ・エクイティ & インクルージョン
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    国内外でESG情報開示の規制化が進む中、日本でも大企業を中心に非財務情報の開示が義務付けられ、その一部には取引先の状況 報告も含まれる。今後も世の中の変化に沿って、ESGの観点で重視すべき要素も変わることが予測される。例えば、AI導入のリスク管理に 関わる専門性の向上等が挙げられる。VC・スタートアップエコシステムの中長期的にわたる持続的成長を担保する観点からもESGはさらに 重要性を増すだろう 国内外VCの先行事例に基づき、ESGへの取り組みを持続的成長へつなげるための7つの要諦について以下、考察した: • 将来志向でESGを活用するために、投資理念と整合する"マテリアリティ" (優先すべき重要課題) を策定・実装する • 投資チームを巻き込むために、経営層が取り組みを投資チームと共有し、投資チームのエンゲージメントを高める • バイアスを排除し、機会損失を防止するために、多様性豊かな投資チームを組成する • 人材・知見を拡充するために、分業体制の構築と外部専門家の活用を進める • 投資先へESGを浸透させるために、投資先を初期段階から啓蒙する • 投資プロセス全体の包括性を向上させるために、投資先の評価・モニタリングにESG指標を活用する • LP等のステークホルダーを惹きつけるために、ステークホルダーの目線から情報発信する ESGを投資判断プロセスにうまく組み込んでいるVCは以下のポイントを押さえている: • 限られたリソースの中で、自社にとって最も大切な要素にフォーカスし、投資プロセスを最適な形にする (例: Shizen Capitalはガバナンスを重視。投資プロセス全体にガバナンスへの取り組みやコミットメント等を組み込んだ) • 担当者だけの努力ではなく、社員全体を巻き込んでESGカルチャーを発展させることで、取り組みの持続性を高める (例: AntlerはESGへの取り組みに投資チームも巻き込み、VC全体にESGを重視するカルチャーを根付かせた) VCごとにニーズは異なるため、自社にとって無理のない範囲でESGをより適切な投資判断につなげていただきたい エグゼクティブサマリー (2/2) 1 2 3 4 5 6 7
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    本レポートの 内容 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状 • 国内VCの投資判断プロセスにおける ESGの検討状況 • (アンケート調査結果) VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 • ESGに取り組む意義 • ESGへの取り組みの戦略的要諦 • 具体的なアクションまとめ • ESG実装で先行するVCのケーススタディ 2
  7. Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved. 6

    本レポートの 内容 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状 • 国内VCの投資判断プロセスにおける ESGの検討状況 • (アンケート調査結果) VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 • ESGに取り組む意義 • ESGへの取り組みの戦略的要諦 • 具体的なアクションまとめ • ESG実装で先行するVCのケーススタディ 2
  8. 7 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    国内VCの投資判断プロセスにおけるESGの検討状況 (1/2) • 回答済みVCの大半は投資プロセス上で何らかのESG要素を考慮 – 91%は何らかのESG要素を考慮、特に82%がDDフェーズで考慮 • 回答済みVCの大半は社会におけるESG重視の機運の高まりが追い風となってESGを投資判断に統合 – 80%が「社会的なESG重視の機運の高まり」を選択 • VCの目的・狙いは主に社会へのポジティブ・インパクト創出と投資先の成長性の判断という攻めの要素 – 80%が「投資先の成長性の判断」、 70%が「社会へのポジティブ・インパクトの創出」を選択 • 投資判断に役立つ要素は主にG (ガバナンス) とS (ソーシャル) – 60%が「コーポレートガバナンス」、55%が「社員のDEI」、50%が「タレントエンゲージメント」を選択 • ESGを投資判断に取り込んだVC20社の大半が投資判断・事業運営への貢献を実感しており、 特に投資検討先の将来性・成長性の判断への貢献を大半が実感 – 95%が貢献ありと回答、特に80%が「投資検討先の将来性・成長性のより良い判断」を選択 • 投資判断に取り込む上での最大のボトルネックはフレームワークの欠如とリソース不足 – 35%が「全投資家の中で統一されたフレームワークがない」、 30%が「ESGへのリソース配分の余裕がない」を選択 • 投資判断への取り込み加速に向けて、過半数は具体的なガイダンスを求めている – 50%が「取り込み方法の具体的ガイダンス」を重要視 全体 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  9. 8 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    国内VCの投資判断プロセスにおけるESGの検討状況 (2/2) • VCの過半数は投資検討先のGHG排出量算定・削減を考慮しておらず、考慮するVCは直接排出量のみを重視 – 排出量算定は78%が「考慮なし」、22%が「投資先の排出分のみ算定」、排出量削減は72%が「考慮なし」を選択 • 投資検討先の排出削減活動の中では、自社開発製品・サービス起点の取り組みが最も重視されている – 28%が「自社開発製品・サービスが他社のGHG排出量削減」を重視すると選択 • アーリーステージを投資先に含むVCの約半数が独立取締役の設置を考慮、レイターステージではこれに加え、約半数が取締役の着 任/退任状況を考慮 – アーリーステージでは50%が「独立取締役の数・割合」、レイタ―ステージでは60%が「独立取締役の数・割合」 「過去2年間の 着任/退任」を考慮 • 約半数が投資検討先企業の企業行動規範と情報管理方針を考慮しているが、VCチーム内部での基準より寛容な水準 – 44%が「情報管理方針の設定・体制」、39%が「企業行動規範の設定」を考慮 • 大半はマネジメント層がESGの取り組みに関するオーナーシップを持つ – 85%が「GP (ジェネラル・パートナー)・リーダーシップ」を選択 • 約6割は投資先の組織の多様性を考慮しており、考慮するVCは主に経営層の性別・ジェンダーに注目 – 56%が多様性を考慮しており、56%が多様性を求める役職を「取締役・リーダーシップチーム」、50%が「管理職」と回答 – 56%が求める多様性の種類を「性別・ジェンダー」と回答 • 約半数は投資先のDEI、タレントエンゲージメントの取り組みを考慮しているが、VCチーム内部での基準より寛容な水準 – アーリーステージでは50%、レイターステージでは40%がDEIの取り組みを考慮、また全体の61%がタレントエンゲージメントを考慮 • 大半はプライバシーに関する規制の順守、約半数はデータ管理ポリシーの設定を考慮 – 78%が「プライバシーに関する規制の順守」、44%が「データ管理ポリシーの設定」を考慮 ガバナンス G 社会 S 環境 E 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  10. 9 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    回答したVCの概要: 基礎情報 (社数%) ~2009年 2010~14年 2015~19年 2020年~ 18% 27% 50% 5% 設立年 アンケート調査: 全体 1億円未満 1億円以上 10億円未満 10億円以上 100億円未満 100億円以上 1,000億円未満 1,000億円以上 7% 13% 27% 47% 7% 回答社数: 22社 注: 設立年は回答した全VCが対象 (n=22)、運用資産は記載のあったVCが対象 (n=15) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 運用資産 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  11. 10 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    回答したVCの概要: 投資対象 注: 回答した全VCが対象 (n=22) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 (社数%) 20社 20社 12社 11社 0社 企業数 (社数%) 91% 91% 91% 82% 73% 73% 73% 73% 68% 68% 68% 64% 55% 55% 55% 27% ヘルスケアIT AI 情報技術・通信 SaaS 再生可能エネルギー・代替エネルギー 運輸・物流・自動車・輸送機器 サービス業 素材・化学・機械・電気機器 精密機器 エネルギー資源・鋼鉄・非鉄金属 食品・飲料 消費財・小売 電力・ガス・建設・不動産 銀行・金融 製薬 その他 成長ステージ 事業セクター アンケート調査: 全体 レイターステージ アーリーステージ シード・ プレシリーズA シリーズA シリーズB シリーズ C以降 上場企業 91% 91% 55% 50% 0% 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  12. 11 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGを考慮: 91% (20/22社) 回答したVCの91%は投資プロセスで何らかのESG要素を考慮し、中でもDDでは82%が考慮 貴社では、投資プロセスでESG要素をどのように考慮していますか アンケート調査: 全体 注: 回答した全VCが対象 (n=22) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 • 年に一度、投資先の事業がESGの観点から何らかのカテゴリーに 分類されうるかをチェック その他 • 今後ESGの観点で社会に貢献できる事業内容か検討 • 投資時に最低限の資金管理状況を確認 • ESGに関する企業のニーズを捉える事業領域に注目 スクリー ニング/ ソーシング • ESGへの貢献度合いを考慮しながらEXITに向け継続支援 • ガバナンス強化を目的に取締役会を設置して積極的なエンゲージ メントを実施 • 重大なESGリスクについてモニタリング • チェックシートを投資後のモニタリング/バリューアップで用いて、 継続的な支援を行う • 半期ごとにコンプライアンス、ガバナンス状況をチェックするアンケート 調査を実施 • 投資後にポリシーを導入 投資後の バリュー アップ • 「創業者/経営者のESGに対するマインドセットの確認」、「ESG デューデリジェンス」、「ESGに関する法的合意」といったアクションを 投資プロセスに統合 • 投資候補先の製品の環境負荷やネガティブ・インパクトを確認 • 投資先のESGに対するコミットメントを要求する契約を特約として 追加し、創業者に署名を要求 • ガバナンスの整備状況、および経営執行者と株主の意思の不整 合がないことを確認 デューデリ ジェンス (DD) 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状 スクリーニング /ソーシング デューデリ ジェンス (DD) 投資後の バリューアップ その他 考慮していない 59% 82% 50% 9% 9%
  13. 12 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGを投資判断に取り込んだきっかけ・出来事として、 80%が社会的なESGへの機運の高まりを挙げる 40% 40% 15% 40% 15% 30% 35% 社会的な ESGへの 機運の高まり 初期段階から ファンドの投資 戦略の一部だった LP等の投資 家からの要請 5% ESGを投資判断 プロセスに加える メリットを感じた から・成功事例 を知ったから 0% 5% 消費者の ニーズ・意見 0% 0% ESGへの理解が 深まったから 0% 0% 従業員からの 要望 0% 5% その他 Top 1 Top 2&3 80% 55% 45% 40% 5% 0% 0% 5% ESGを投資判断に取り込んだきっかけ・出来事を選択してください (最も当てはまる選択肢を最大3つまで順番にランクしてください) アンケート調査: 全体 注: ESG要素を考慮するVCが対象 (n=20) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  14. 13 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGを投資判断に取り込む目的・狙いは主に投資先の成長性の判断と社会へのポジティブ・ インパクト創出という攻めの要素 45% 30% 15% 35% 40% 45% 30% 10% (投資先の) ESG要素を基に投 資先企業の成長 への可能性を判 断するため (社会への) ​ポジティブ・イン パクトを企業と して高めるため 5% (LP等の投資 家の) 要求を 満たすため 5% (投資先の) ESG要素を基に リスクマネジメン ト・判断するため (自社の) ファンドのステーク ホルダーとの対話 を推進するため 0% 5% (政府等からの) 規制を満たすため 0% 5% (応募者向けの) 自社への関心度 ・志望度向上 0% 5% (自社の) ブランディング 0% 0% その他 Top 1 Top 2&3 80% 70% 50% 35% 25% 5% 5% 5% 0% ESGを投資判断に取り込む目的・狙いを選択してください (最も当てはまる目的を最大3つまで順番にランクしてください) アンケート調査: 全体 注: ESG要素を考慮するVCが対象 (n=20) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  15. 14 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGを投資判断に取り込んだ調査対象VCの95%が投資判断・事業運営への貢献を実感、 特に投資検討先の将来性・成長性を判断する際に役立ったと80%が実感 ESGへの取り組みにより自社の投資判断・事業運営への貢献につながった要素を選択してください (最も当てはまる選択肢を最大3つまで順番にランクしてください) 65% 20% 15% 15% 40% 20% 投資検討先の将 来性・成長性を より良く判断 5% 投資検討先のリスク回 避・被害の最小化 0% 従業員の定着 化・採用促進 5% 投資先より出資を してもらいたいファ ンドとして選ばれた 5% LP等の投資家から資 金が集めやすくなった 5% 0% その他 5% 0% 判断基準に取り込ん だが貢献なし Top 1 Top 2&3 80% 45% 20% 20% 25% 5% 5% アンケート調査: 全体 注: ESG要素を考慮するVCが対象 (n=20) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 取り組みあり: 20社 貢献を実感: 95% (19/20社) 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  16. 15 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGを投資判断に取り込む上での最大のボトルネックとして、 35%が統一されたフレームワークの欠如、30%がリソース不足を挙げた ESG要素を投資判断に取り込むにあたってのボトルネックは何ですか (最も当てはまる選択肢を最大3つまで順番にランクしてください) アンケート調査: 全体 注: ESG要素を考慮するVCが対象 (n=20) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 5% 5% 15% 15% 10% 5% 20% 5% 5% 10% 5% 15% 10% 20% 15% 15% 10% ESGに対する 理解・知識 が足りない 0% ESG基準を含め ると投資先候 補が激減する リターンとの明 確な相関関 係性が見え ない・感じら れない (メリッ トが見えない) ESGにリソー スを配分する 余裕がない データの不足 ESGに関するデ ータを得るための コストが高い (金 ・時間) 全投資家の 中で統一され たフレームワー クがない ESGを具体的に どう投資判断に 組み込むべき かが分からない その他 ボトルネックなし Top 1 Top 2&3 15% 5% 20% 30% 20% 25% 35% 20% 15% 20% 意義を感じる 投資判断への 取り込み方が分かる リソースが足りている 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  17. 16 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGの投資判断への取り込み加速に向けて、 50%のVCが具体的なガイダンスを必要としている ESGを投資判断に取り込むためにどのような要素が大事だと思いますか (最も当てはまる選択肢を最大3つまで順番にランクしてください) 15% 30% 10% 10% 25% 5% 10% 35% 15% 25% 20% 15% ESGをどう投資 判断に取り込む べきかの具体的 なガイダンス ESGを投資判断に 取り込んだファンド の成功実績 全投資家内で 統一された フレームワーク ESGが投資判 断にとって大切 な理由・説明 0% その他 他社ファンドを含め ベストプラクティス等 を共有できる場 0% ESG分析を実施でき る専門家 (の増加) 特にない Top 1 Top 2&3 50% 45% 35% 30% 25% 20% 10% 5% アンケート調査: 全体 注: ESG要素を考慮するVCが対象 (n=20) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  18. 17 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESG要素をDDで考慮するVCの7~8割はGHG (温室効果ガス) 排出量算定・削減を投資判 断の観点として考慮しておらず、考慮するVCでも投資検討先の直接排出量のみを重視 72% 28% 現時点では、投資 判断における企業 評価の観点として は考慮していない 排出量削減へ の取り組みは実 施しているが、 効果は未測定 目標設定もした上、 排出量削減への取 り組み・効果測定を 実施し、改善施策を 実施 排出量削減へ の取り組み・効 果測定を実施 0% 0% 投資先の温室効果ガスの排出量算定/削減への取り組みレベルについて、 実際の投資判断において、検討・考慮しているものを教えてください (複数回答可) 注: ESG要素をDDで考慮するVCが対象 (n=18) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 アンケート調査: 環境 78% 22% 11% 6% 現時点では、投資 判断における企業 評価の観点として は考慮していない 投資検討先の直 接排出分のみ算 定 (スコープ1) 投資検討先の電 気・熱・蒸気の使用 に伴う排出分までの 算定 (スコープ2) 取引先の事業活 動に関連する事 業活動からの間 接排出、または従 業員の出張や在 宅勤務に関連す る間接排出の算 定 (スコープ3) 排出量算定 排出量削減 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  19. 18 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESG要素をDDで考慮するVCの56%は組織の多様性を考慮しており、 考慮するVCは主に経営レベルの性別・ジェンダーに注目 投資先に対して多様性を求める役職、および多様性の種類について、 実際の投資判断において検討・考慮しているものを教えてください (複数回答可) 注: ESG要素をDDで考慮するVCが対象 (n=18) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 アンケート調査: 社会 多様性を求める役職 求める多様性の種類 56% 50% 28% 6% 44% 取締役・ リーダーシップ チーム 管理職 従業員 アドバイザー 考慮して いない 56% 39% 11% 22% 性別・ ジェンダー (女性の 割合/人数) 国籍・外国人 障害者 年齢 その他 0% 取り組みを検討・考慮: 56% 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  20. 19 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESG要素をDDで考慮するVCの61%は投資先のタレントエンゲージメントに関する取り組みを 考慮しているが、全般的にVCチーム内部の基準より寛容な水準にとどまる 投資先でのタレントエンゲージメントの方針やプロセスについて実際の投資判断において検討・考慮しているもの、 および貴社でのタレントエンゲージメントの方針やプロセスで実施している取り組みを教えてください (複数回答可) 注: 投資先への投資判断で検討・考慮する取り組みはESG要素をDDで考慮するVCが対象 (n=18)、VCチーム内部での取り組みはESG要素を考慮するVCが対象 (n=20) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 アンケート調査: 社会 28% 33% 33% 44% 28% 17% 39% 従業員の安 全ポリシー 従業員エン ゲージメント サーベイ 従業員のメンタ ルヘルスとウェル ネスのサポート ワークライフバ ランスに関す る取り組み 社員のリモート ワーク ポリシーの設定 その他 (自由回答) 考慮していない 55% 30% 75% 95% 75% 5% 従業員の安 全ポリシー 従業員エン ゲージメン トサーベイ 従業員のメ ンタルヘルス とウェルネス のサポート ワークライフバ ランスに関す る取り組み 社員のリモー トワークポリ シーの設定 その他 (自由回答) 取り組みなし 0% 取り組みを検討・考慮: 61% 投資先への投資判断で検討・考慮する取り組み (参考) VCチーム内部での取り組み 取り組みを実施: 100% 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  21. 20 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESG要素をDDで考慮するVCの83%は投資先のデータプライバシー・セキュリティーの取り組み を考慮、その中でもプライバシーに関する規制の順守とデータ管理ポリシーの設定を重視 78% 44% 17% 17% 11% 6% 17% プライバシーに関する規制 (関連法規、個人情報保 護法、PIPL等) の順守 データ管理ポリシーの 設定 データ管理責任者の 任命 自社情報アクセスへの 二段階認証の設定 第三者によるデータ セキュリティー監査 その他 (自由回答) 考慮していない 投資先のデータプライバシー・セキュリティーの取り組みについて、 実際の投資判断において検討・考慮しているものを教えてください (複数回答可) 注: ESG要素をDDで考慮するVCが対象 (n=18) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 アンケート調査: 社会 取り組み検討・考慮: 83% 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  22. 21 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    アーリーステージを投資先に含むVCの50%が独立取締役の設置を考慮しているのに加え、 レイタ―ステージを投資先に含むVCでは60%が近年の取締役の変化も考慮 33% 50% 44% 33% 投資先の取締役会の構成について、 実際の投資判断において検討・考慮しているものを教えてください (複数回答可) 注: ESG要素をDDで考慮するVCが対象 (n=18) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 アンケート調査: ガバナンス 60% 60% 30% 30% 過去2年間で取締役会に 着任/退任した取締役の数・割合 独立取締役の数・割合 多様性のある取締役の数・割合 (女性、外国人、障害者等) 現時点では、投資判断に おける企業評価の観点 としては考慮していない アーリーステージ: シリーズB以前 レイターステージ: シリーズC以降 取り組み検討・考慮: 67% 取り組み検討・考慮: 70% 投資先に アーリーステージ を含むVC (n=18) 投資先に レイタ―ステージ を含むVC (n=10) 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  23. 22 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGを投資判断に取り込んだ調査対象VCの85%で、 トップマネジメント層がESGの取り組みのオーナーシップを持っている 85% 30% 25% 15% 5% GP (ジェネラル・パートナー)・ リーダーシップ 管理職 ESG専門家・専門チーム 投資チーム (DD等を実施する従業員) その他 (自由回答) 誰も明確な オーナーシップを 持っていない 0% 貴社ではファンド内の活動に対し、ESGの取り組みのオーナーシップは誰が持っていますか (複数選択可) 注: ESG要素を考慮するVCが対象 (n=20) 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」 アンケート調査: ガバナンス いずれかの役職が明確なオーナーシップを有する: 95% 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状
  24. Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved. 23

    本レポートの 内容 1 VCにおけるESGへの取り組みの現状 • 国内VCの投資判断プロセスにおける ESGの検討状況 • (アンケート調査結果) VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 • ESGに取り組む意義 • ESGへの取り組みの戦略的要諦 • 具体的なアクションまとめ • ESG実装で先行するVCのケーススタディ 2
  25. 24 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGに取り組む意義 トレンド・現状の取り組みを踏まえ、さらなる取り組みによる持続的成長の担保が期待される • AIの普及やクライメートテック関連技術、それに 基づいた商品・サービスが普及する中、VC視点 でのマテリアリティ判断や専門性の重要度がより 高まる • 多様性を高めることで、新たな投資機会の見 落としが減少し、S (社会) に関する取り組みを 基に人材採用・リテンションの強化も進む • 情報開示に関する規制も強化され、VC・スター トアップ双方で、エコシステム全体を巻き込んだ 取り組みが加速化する • AIの導入が進む中、データプライバシー規制 順守に加え、倫理規範またはレスポンシブル・ テック・ポリシーの設定等の重要性が高まる • 海外進出を目指すスタートアップの場合、進出 先の国や地域のESG規制やポリシーを順守する 必要がある。EUのデータプライバシーに関する規 制 (GDPR) を筆頭に、ESGへの考え方や取り 組みの重要性はさらに高まる 次ページから戦略的要諦・具体的アクションを記載 • 投資先の経営層の多様性 (特にジェンダー) に 関する取り組みは、VCの期待値を下回っており 改善余地がある • 環境保護に関する取り組みは、サステナビリティ に関連が深いエネルギー・素材等の業界を除き、 VCの期待値・スタートアップの取り組みレベルが ともに低い • データプライバシー規制の順守はVCからの期待 値も高く、スタートアップ側では事業運営上のリ スク回避を意識した取り組みが進んでいる • 社外取締役の任用は、VCからの期待値は特に 高くないが、短期的な情報提供やネットワーク 共有の観点でも役立つため、スタートアップ側で 取り組みが進んでいる 現状 今後 (予測) 大企業を中心にESG情報の開示 が要請されている • 有価証券提出企業に非財 務情報の開示が義務付けら れており、その一部に取引先 の状況報告も含まれる • 企業の人的資本やサステナビ リティに関する情報の開示が 要請されている 日本国内以上に、透明性の高い ESG情報の開示が要請されている • EUは情報開示を義務付ける 規制を続々と拡充中 • 米でも企業・投資家向け ESG情報開示規制が法制化 間近 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2 直近のトレンド 短中期的な事業運営 中長期的にわたる持続的成長の担保
  26. 25 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    1 投資理念と整合する "マテリアリティ" の策定・実装 5 6 7 投資先への初期段階からの啓蒙 投資先の評価・モニタリングにおけるESG要素の活用 ステークホルダー目線での情報提供・発信 投資の 方向性を 決める 組織を 作る・ 成長 させる 効率的に 運用・ リスク 管理する 要諦 VCにおけるESGへの取り組みの戦略的要諦 (1/2) 国内外VCの先進事例に基づいた、ESGへの取り組みを持続的成長へつなげるための要諦 目的 1 将来志向のESG活用 2 3 4 投資 チームの 巻き込み バイアス 排除と 機会損失 の防止 人材・ 知見の 拡充 5 6 7 投資先へのESG浸透 投資プロセスの包括性向上 ステークホルダーの惹きつけ 投資チームへの取り組み共有によるエンゲージメント向上 多様性豊かな投資チームの組成 社内の分業体制構築と外部専門家の活用 2 3 4 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2
  27. 26 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    2 3 4 5 6 1 7 将来志向の投資戦略を備え、優秀で多様な人材を組織に集めることで、投資プロセスを包括的かつ透明性高く維持できる 投資チームへの取り組み共有によるエンゲージメント向上 • 投資チームを巻き込む場を作り、VCが大切にする価値観と投資チームの行動をアラインする 多様性豊かな投資チームの組成 • 業界内で不足している目線を補い、進化させるため、多様なバックグラウンドの人材を採用・育成する 社内の分業体制構築と外部専門家の活用 • 社内でESGの専門知識を集約・蓄積すると同時に、不足するリソースは外部から積極的に補完する 投資先への初期段階からの啓蒙 • 投資前/投資直後から、ESG要素を投資先のカルチャー・組織構築に組み込む 投資先の評価・モニタリングにおけるESG要素の活用 • 投資プロセス全般にわたり、投資先の成長性を定量・定性的に計測・伝達する ステークホルダー目線での情報提供・発信 • 起業家・LP・他VC等に対して、ESGの取り組み状況や知見を提供する 投資理念と整合する "マテリアリティ" の策定・実装 • ESGの枠組みにとらわれない形で、ESG関連の目標を言語化・定量化する 要諦 投資の方向性 を決める 組織を作る・ 成長させる 効率的に 運用・ リスク管理する 目的 投資チームの 巻き込み 投資先への ESG浸透 ステークホルダー の惹きつけ バイアス排除と 機会損失防止 人材・知見の 拡充 投資プロセスの 包括性向上 将来志向の ESG活用 VCにおけるESGへの取り組みの戦略的要諦 (2/2) 国内外VCの先進事例に基づいた、ESGへの取り組みを持続的成長へつなげるための要諦 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2
  28. 27 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (1/7): 将来志向のESG活用 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」; 国内外先進企業へのインタビュー; 各種公開情報 • VCの85%では、トップマネジメント層がESGへの取り組みのオーナーシップを持つ • ESGの投資判断への取り込み加速に向けて、VCの30%が「ESGが投資判断にとって大切な理由・説明」を重視 投資仮説や投資先企業の事業運営に役立てられるよう、目標を自社の言葉に落とし込む "ESGというより、VC全体の目線で投資先に必要な仕組み/要素 (社員のエンゲージメント等) を言語化・アラインする" (Antler) "VC・投資先にとってどの要素が本当に大切かつマテリアル (重要課題) なのかを判断している" (Shizen Capital) 責任感に基づいて迅速な行動に結びつけられるように、目標を厳選したKPI/OKRへ絞り込み、公表する "「女性起業家への投資割合を2割まで高める」という目標に絞り込み、対外的に宣言する" (ANRI) 目標をお題目で終わらせないために、委員会をマネジメントレベルが関与する組織として設置し、ESG関連の投資判断を全般的に主導する Sustainable Development委員会を新設し、全ての部門・子会社のESGへの取り組み・進捗状況をモニタリングする (Addor Capital) ESG経営委員会を設置し、ESG関連方針の監督・決定・継続的な改善を実施する (Posco Capital) • 従業員・投資先を巻き込み、1~2年後を見据えてVCにとってのESGの位置づけを自ら言語化する • ESG要素をVCとして大切にする厳選したKPI/OKRに落とし込み、対外的に宣言することで達成へのプレッシャーを高める • マネジメントが関与する正式な委員会を立ち上げ、定例のアジェンダにESG関連の投資判断を組み込む VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2 将来志向の ESG活用 先進 事例 具体的な アクション案 投資理念と整合する "マテリアリティ" の策定・実装 1 アンケート 調査結果
  29. 28 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (2/7): 投資チームの巻き込み 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」; 国内外先進企業へのインタビュー; 各種公開情報 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2 • VCの61%は投資先のタレントエンゲージメントの取り組みを考慮しているが、全般的にVC内より寛容な水準 • ESGを投資判断に取り込む目的・狙いは主に投資先の成長性の判断と社会へのポジティブ・インパクト創出という攻めの要素 投資先と密にコミュニケーションを交わす投資チームから、ESGに関する価値観・課題を吸い上げる "非財務の観点で投資チームが大切にしている要素を毎年吸い上げており、実際にこの取り組みがリテンションにつながっている" (Antler) 各投資家は半期に1度、投資先のESGに関するエンゲージメントの改善状況等をGPへ報告する (Inclusion Japan) ESGを自分ごと化する機会を提供し、価値観を浸透させる 「Corporate Volunteer Day」を設けることで、従業員が地域の生物多様性を支援する機会を提供する (Molten Ventures) チャリティー月間、チャリティ―休暇等を設けることで、従業員に社会に目を向ける機会を提供する (Qiming Venture Partners) 投資家へ金銭的なインセンティブを提供することで、VCの価値観と個人の行動をアラインする 投資家への報酬に、ESG原則・ポリシーへのコミットメントを加味する (Atomico) 投資家への報酬に、ESG要素の投資判断プロセスへの取り込み度合いを加味する (Northzone Ventures) 投資チームの 巻き込み 先進 事例 アンケート 調査結果 • 投資先と密にコミュニケーションを交わす投資チームと、ESGに関する課題を議論する場を定期的に設ける • 投資チーム向けの短期・長期研修のコンテンツに、ESGに関するVC全体の方針を組み込む 具体的な アクション案 投資チームへの取り組み共有による、エンゲージメント向上 2
  30. 29 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (3/7): バイアス排除と機会損失防止 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」; 国内外先進企業へのインタビュー; 各種公開情報 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2 • ESG要素をDDで考慮するVCの56%は組織の多様性を考慮しており、中でも考慮するVCは主に経営レベルの性別・ジェンダーに注目 • VC内の男女間賃金格差の確認・解消は、アーリーステージを投資先に含むVCの40%、レイターステージを投資先に含むVCの55%が実施 するにとどまる VC内に足りない視点は何かを把握するために、現状を定量化し、改善に向けて取り組む 従業員全体の女性比率50%を維持する (パートナーは43%、投資チームは47%、従業員は55%) (Northzone Ventures) D&I指標をHRがトラッキングし、採用活動で生かす (Molten Ventures) VC/スタートアップ業界におけるマイノリティの投資家/起業家に対して、情報・ネットワークへアクセスする機会を提供する "「自分を理解してくれる相手がいないVCには投資を依頼しづらい」と感じる起業家が数多くいる" (Shizen Capital) "投資をより多角的に行うため、追加投資の検討に女性投資家が新たに加わる場合には投資枠の2割を割り当てる" (Shizen Capital) 投資判断におけるバイアスを排除し、見落としていた機会を発掘する "男性をはじめとするマジョリティーが理解しづらい商品・サービスの独自性/優位性を理解するために、人材の多様性が重要だった" (Shizen Capital) アンコンシャスバイアスの自覚・防止に向けて年次のトレーニングを実施 (Balderton Capital) バイアス排除と 機会損失防止 先進 事例 アンケート 調査結果 • 労働条件の属性別格差を解消し、多様な人材が働きがいを感じられる環境を作るため、現状を分析・可視化する • 投資先やターゲット顧客が持つ視点のうち、VC内にはない視点を特定し、それを意識して採用活動を実施する • 経営陣も含めた全社員受講必須のアンコンシャスバイアス研修を作成・実施する 具体的な アクション案 多様性豊かな投資チームの組成 3
  31. 30 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (4/7): 人材・知見の拡充 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」; 国内外先進企業へのインタビュー; エキスパートインタビュー; 各種公開情報 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2 • ESGを投資判断に取り込むボトルネックとして、VCの30%が「ESGにリソースを配分する余裕がない」、20%が「ESGを具体的にどう判断 プロセスに組み込むべきかが分からない」、15%が「ESGに対する理解・知識が足りない」、20%が「データの不足」を選択 自社VCにとっての差別化・機会につなげられるESG要素について、投資判断に有効活用できる専門性を見極める "これからの世の中で環境に関する技術やクライメートテック等に対する専門性が重要になってきている" (ANRI) "ほぼ全ての投資家がテック企業に投資しているため、専門知識 (責任あるAI等) はますます重要になってきている" (BCGエキスパート) 社内にジェネラリストの投資家と分業したESG専門チームを設置し、知見を高度に集約する 社内のグリーン投資関連の専門チームが長期的な研究を進め、投資につなげている (Addor Capital) ESG関連のオペレーションとコミュニケーションの人員を分けることで、実務をよりスムーズに進めている (Envisioning Partners) 外部の団体・専門家と提携し、ESGの知見を十分な水準まで高める "ESGへの取り組みを始めた時に外部専門家や競合VCを含む投資家と対話することで、ESGに対する知識・取り組みへの理解を深めた" (Antler) DDの際、必要に応じて外部の専門家に依頼することで、ESGにフォーカスしたDDを追加で実施 (Atomico) 人材・知見の 拡充 先進 事例 アンケート 調査結果 • まずは投資チーム1~2人の業務時間の2~3割をESGに対する知識・取り組みへの理解を深めるために割いてもらう • 既存の外部リソース (VentureESG、ESG_VC等) をレバレッジすることで、専門チームへの知見の蓄積と、簡単な取り組みへの着手を 進める 具体的な アクション案 社内の分業体制構築と外部専門家の活用 4
  32. 31 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (5/7): 投資先へのESG浸透 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」; 国内外先進企業へのインタビュー; 各種公開情報 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2 • 91%は何らかのESG要素を考慮、特に82%がDDで考慮 • ESGを投資判断に取り込んだVCの95%が投資判断・事業運営への貢献を実感、特に投資検討先の将来性・成長性の判断への 貢献を80%が実感 起業家/起業家候補に対し、ESGの重要性・メリットを理解する機会を提供する "忙しい起業家にガバナンスの重要度やメリットを考えさせるにあたって、早い段階から様々なワークショップを開く" (ANRI) 投資先にサステナビリティの重要性を理解してもらい、有意義な議論をしてもらうワークショップを開催 (Wavemaker Partners) 契約段階/投資直後にVCのESG方針を提示することで、ESGに対する意識を高める "契約段階でガバナンス関連事項 (報告書作成や情報提供等) へのサインを求めている" (Shizen Capital) "契約書にて、VCのESG方針への同意を求めている。ただし事業内容を考慮するため、詳細なESG目標までは指定しない" (Antler) "投資直後からサステナビリティの評価項目を実態調査の際に提示し、将来必要な取り組みとして認識してもらう" (JAFCO) ガバナンス体制の構築を支援/要求する "18~24カ月以内の取締役会設置、もしくは非公式アドバイザリーの設置を求めている" (Shizen Capital) "スタートアップは初期段階では取締役会設置の意義を理解しづらいため、企業の成長や要件の変化に対応しやすい非公式アドバイザ リー委員会の設置を推奨している" (Antler) 投資先への ESG浸透 先進 事例 アンケート 調査結果 • 起業家候補を対象とした、VCのESG方針に基づいたテーマのイベント/勉強会を主催する • スクリーニング段階から、VCのESG目標を起業家に対し透明性が高い形で開示する • スクリーニング段階から、投資先の事業内容を踏まえたESGの重要性を起業家へ伝え、可能な範囲で同意してもらう 具体的な アクション案 初期段階からの投資先の啓蒙 5
  33. 32 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (6/7): 投資プロセスの包括性向上 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」; 国内外先進企業へのインタビュー; エキスパートインタビュー; 各種公開情報 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2 • ESGの投資判断への取り込み加速に向けて、VCの50%が「ESGをどう投資先判断基準に取り込むべきかの具体的ガイダンス」を重視 • ESGを投資判断に取り込んだVCの95%が投資判断・事業運営への貢献を実感、特に投資検討先の将来性・成長性の判断への 貢献を80%が実感 投資判断・バリューアップにおいて非財務の視点からの評価を意識しESG指標を活用する "長期的な海外事業展開の可能性も見据えて、言語・国籍を中心とした多様性も含めて確認する" (Shizen Capital) "データ収集のみならず投資先の行動変容も実現するため、独自に開発したメカニズムで投資先に最適化されたフィードバックを自動的に 提供" (Antler) 独自のESGフレームワークを用いて、スクリーニング・DDを中心とした投資先の評価と、VC全体の資産配分へ活用 (Sequoia Capital) 海外進出/取引継続の条件としてESG指標を提示する "スタートアップがヨーロッパへ進出する際、GDPRを順守しないことに伴ってリスクが浮上したことがあった" (Shizen Capital) "米国の大手小売企業は、取引先に対して環境面のスクリーニングを実施することがある" (BCGエキスパート) 売却時の企業価値担保に向けてESG指標を提示する "人材確保、EXITにおけるリスク低減の観点から、定期モニタリングにおいて、ハラスメントの実態や労務管理等の状況を積極的に拾いあげ るようにしている" (JAFCO) "スタートアップがEXITする際、ESGの取り組み状況を指標として提示するよう求められることがある" (BCGエキスパート) 投資プロセスの 包括性向上 先進 事例 アンケート 調査結果 • 投資開始時に、簡単なESGサーベイを実施し、ベースラインとしてのESG指標を記録する • 投資先に、ESG指標の定期的な報告を要求する • EXITを目指す際、ESG指標の経年変化と将来見立て・ストーリーを投資先と共にまとめ、買い手候補へ提供する 具体的な アクション案 投資先の評価・モニタリングにおけるESG要素の活用 6
  34. 33 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの取り組みの要諦 (7/7): ステークホルダーの惹きつけ VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2 • ESGを投資判断に取り込んだきっかけ・出来事として、VCの45%が「LP等の投資家からの要請」を選択 • ESGを投資判断に取り込む目的・狙いとして、VCの35%が「(LP等の投資家の)要求を満たすため」を選択 LP等の新規投資家の要請に応え、さらに潜在的なタレントからの印象を高めるため、ESGの成果やユニークな取り組みを発信する "「ESG and Sustainability Report」の一つのベネフィットは、新たなLP投資家を集め、投資してもらうことである" (Antler) "特に若い世代では、サスティナビリティを念頭においた当社のパーパス・理念に共感して応募してくださる方も多い" (JAFCO) DEIの取り組みの一つの成果として、認証基準「Diversity VC Standard Certification」の獲得を公表する (Northzone Ventures) 投資先のカーボンフットプリントを年次で推計し、相当する「カーボン料」をネットゼロを目指すファンドへ寄付したことを公表する (Northzone Ventures) 既存の投資先の支援、および新規起業家の発掘に向け、持続的な企業成長に役立つツール/ガイドラインを公開する "起業家によるベストプラクティスの理解・実装を支援する教育プラットフォーム「Antler Sustainability Toolkit」を公表する" (Antler) DEIに関するガイドブックを執筆・公開する (Atomico) ESGポリシーを投資先向けに「Sustainability Toolkit」としてテンプレート化し、共有する (Molten Ventures) ステークホルダー の惹きつけ 先進 事例 アンケート 調査結果 • VCのESGに対する取り組みや目標への進捗をWebサイト等に四半期/年次で公表する • ESG観点でのベストプラクティスや取り組みをレポートにまとめ、定期的に発信し、マーケティングや採用イベント等でプロモーションする 具体的な アクション案 ステークホルダー目線での情報提供・発信 7 出所: MPower・BCG「ESGへの取り組みに関するサーベイ (2024)」; 国内外先進企業へのインタビュー; 各種公開情報
  35. 34 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    具体的なアクションまとめ 具体的なアクション候補リスト 取り組み目的 投資チームの 巻き込み 投資先への ESG浸透 ステークホルダーの 惹きつけ 将来志向の ESG活用 バイアス排除と 機会損失防止 人材・知見の拡充 投資プロセスの 包括性向上 • 従業員・投資先を巻き込み、1~2年後を見据えてVCにとってのESGの位置づけを自ら言語化する • ESG要素をVCとして大切にする厳選したKPI/OKRに落とし込み、対外的に宣言することで達成へのプレッシャーを高める • マネジメントが関与する正式な委員会を立ち上げ、定例のアジェンダにESG関連の投資判断を組み込む • 投資先と密にコミュニケーションを交わす投資チームと、ESGに関する課題を議論する場を定期的に設ける • 投資チーム向けの短期・長期研修のコンテンツに、ESGに関するVC全体の方針を組み込む • 労働条件の属性別格差を解消し、多様な人材が働きがいを感じられる環境を作るため、現状を分析・可視化する • 投資先やターゲット顧客が持つ視点のうち、VC内にはない視点を特定し、それを意識して採用活動を実施する • 経営陣も含めた全社員受講必須のアンコンシャスバイアス研修を作成・実施する • 起業家候補を対象とした、VCのESG方針に基づいたテーマのイベント/勉強会を主催する • スクリーニング段階から、VCのESG目標を起業家に対し透明性が高い形で開示する • スクリーニング段階から、投資先の事業内容を踏まえたESGの重要性を起業家へ伝え、可能な範囲で同意してもらう • 投資開始時に、簡単なESGサーベイを実施し、ベースラインとしてのESG指標を記録する • 投資先に、ESG指標の定期的な報告を要求する • EXITを目指す際、ESG指標の経年変化と将来見立て・ストーリーを投資先と共にまとめ、買い手候補へ提供する • VCのESGに対する取り組みや目標への進捗をWebサイト等に四半期/年次で公表する • ESG観点でのベストプラクティスや取り組みをレポートにまとめ、定期的に発信し、マーケティングや採用イベント等で プロモーションする • まずは投資チーム1~2人の業務時間の2~3割をESGに対する知識・取り組みへの理解を深めるために割いてもらう • 既存の外部リソース (VentureESG、ESG_VC等) をレバレッジすることで、専門チームへの知見の蓄積と、 簡単な取り組みへの着手を進める 7 6 5 4 3 2 1 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2
  36. 35 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESG実装で先行するVCのケーススタディ: Shizen Capital と Antler グローバルVCとして、 世界6大陸のスタートアップへ投資 ESG全般に対して、経営層と現場両方を 巻き込むカルチャーでアプローチ 国内VCとして、主に国内スタートアップへ投資 ファンド運営上のコアとなるESG分野に集中 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2
  37. 36 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    Shizen Capital: 投資判断の要として、投資プロセス全体にガバナンスを組み込んだ 投資先が長期的に成長する上でのリスクを軽減するため、投資プロセス全体でガバナンスを重視 スクリーニング/ デューデリジェンス 投資判断 バリューアップ ガバナンスは全般的に必須の要件であり、無視できない - Shizen Capital, Managing Partner 取締役会・アドバイザリー委員会はリスク監視の観点だけでなく、 委員会メンバーを通じて投資先のネットワークを広げる意味でも有益 - Shizen Capital, Managing Partner 投資先が、提供された 資本をどのように活用す るべきか理解することを 期待 特にアーリーステージでは、 投資先のガバナンスの考 え方・慣行を十分に把 握し、初期段階から適 切な行動を促すことが 必要 創業者/経営層に、 正式な取締役会または非公式の アドバイザリー委員会を設置する 意思があるか確認する ガバナンスの有無、および創業者 が外部の声に耳を傾けられるか 確認する データプライバシーや財務ガバナン スに関する重大な侵害/違反が ないか確認する 法的契約にガバナンスの要件を 盛り込む • 財務/非財務情報を 月次/四半期毎に報告する • 投資後18~24カ月以内に 取締役会またはアドバイザ リー委員会を設置する • 投資先が重要な決定を行う 際に、VCと協議する 国内のデータプライバシー法への 準拠に加え、海外進出の可能性 を考慮して主な国際法 (EU一般 データ保護規則=GDPR等) への 準拠を目指す ワークショップを定期開催し、 投資先を早期から啓蒙する上で のガバナンスの重要性を議論する 誤った方向の取り組みを防ぐため、 定期的に財務レビュー等を行う 成長ステージ アーリーステージ (シードを含む) 事業セクター 情報技術・通信、SaaS、AI、 ヘルスケアIT、コンシューマー、 金融、再生可能エネルギー等 代表的な 投資先 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2 出所: Shizen Capitalへのインタビュー; Shizen Capital Webサイト; その他公開情報
  38. 37 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    学び Antler: 投資チームを徐々に巻き込み、VC全体にESGを重視するカルチャーを根付かせた 状況 アーリーステージ (シードを含む)、 レイターステージ 情報技術・通信、SaaS、AI、 ヘルスケアIT、バイオテクノロジー、 消費財、金融、物流、 再生可能エネルギー等 VC業界でESGについての議論が限定 的だったため、ビジネスの側面からESG を理解・明確化することが必要 コミットメントを確立し、 エンゲージメントを高めることが必要 ESGへの機運は高まっているが、 取り組みは正式な手続きを欠いた 場当たり的なものに留まる 適切な人員配置やコア業務への組み 込みがなければ、機運が薄れるリスク ESGが日常業務に組み込まれ、 競争優位の源泉と見なされつつある ESGに熱意を持つ投資家をハブとして、 ESGのカルチャーを拡大・安定させる 2017 2024 カルチャー形成の第一歩として、 ESGへの経営層の関与・賛同が重要 ESG専任の人材は、取り組みの主導、 投資業務へのESG要素の組み込みに とって重要 ESG要素が業務に定着すれば、 幅広いチームのフィードバックによって 投資プロセスを改善できる 先進的な 取り組み VCにとってのESGの意義・目的について 議論するため、経営層を巻き込み 国連責任投資原則 (PRI) への署名、 社内ESGポリシー策定・承認を通じ、 経営層がコミット VC内のリーダーシップチームを対象とし た社内のESG研修を実施 ESGの責任者を任命 ESGを日常業務に組み込むため、 投資評価の要素にESG原則を採用 • 投資メモにESGの評価を追加 • ESG×投資チームの協働により、 投資先の定期的な調査 "Health Check" を実施 全従業員向けの社内ESG研修とスキ ルアッププログラムを実施 (必須) 社内フォーラムにてESG要素を投資評 価に組み込むための考え方をシェアし、 ボトムアップのエンゲージメントを強化 ESGのエンゲージメントサーベイを開始 し、より多くの従業員の意見を把握 ESG投資のカルチャーを世界に発信し てもらうことを期待し、有志の投資家 15人に研修プログラム "Sustainability Heroes" を実施 成長ステージ 事業セクター 代表的な 投資先 VCにおけるESGへの取り組み意義/方法 2 出所: Antlerへのインタビュー; Antler Webサイト; その他公開情報 導入期 成長期 成熟期 ESGを投資業務の一部に組み込むため、コアな投資プロセス全体でESGを配慮した ESG研修にて従業員との接点を確保し、さらにグローバルなESGリーダーである "Sustainability Heroes" の育成に取り組んでいる - Antler, Head of ESG
  39. 38 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ESGへの理解を深め、取り組みを進める上で MPowerやAntlerによるESG/Sustainability Reportをご活用ください 2023 ESG and Impact Report 2022 Sustainability Report https://www.antler.co/esg-impact-report https://www.mpower-partners.com/blog-en/sustainability-report-2022/ EN https://www.mpower-partners.com/blog-jp/sustainability-report-2022/ JP
  40. 39 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    ご協力いただいた企業 (23社) ※社名公開のご許可をいただいた企業のみ記載 ※アルファベット順>五十音順 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 1 2 3 4 アンケートへ ご協力いただいた企業 (22社 ※8社が社名非公開をご希望) インタビューへ ご協力いただいた企業 (4社) Angel Bridge ANRI Beyond Next Ventures JAFCO MPower Partners Shizen Capital XTech Ventures インクルージョン・ジャパン ライフタイムベンチャーズ 慶応イノベーション・ イニシアティブ 新生インパクト投資 東京理科大学 イノベーション・キャピタル 東北大学 ベンチャーパートナーズ ANRI Antler JAFCO Shizen Capital 14 インキュベイトファンド
  41. 40 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    連絡先 マネージング・ディレクター & パートナー 栗原 勝芳 [email protected] マネージング・ディレクター & パートナー 折茂 美保 [email protected] ゼネラル・パートナー 村上 由美子 [email protected] プリンシパル 佐久間 優奈 [email protected]
  42. 41 Copyright © 2024 by MPower Partners. All rights reserved.

    © MPower Partners. 2024. All Rights Reserved. This report was created based on joint research and study by MPower Partners and Boston Consulting Group (BCG). This document has been prepared in good faith on the basis of information available at the date of publication without any independent verification. MPower and BCG do not guarantee or make any representation or warranty as to the accuracy, reliability, completeness, or currency of the information in this document nor its usefulness in achieving any purpose. Readers are responsible for assessing the relevance and accuracy of the content of this document. It is unreasonable for any party to rely on this document for any purpose and MPower and BCG will not be liable for any loss, damage, cost, or expense incurred or arising by reason of any person using or relying on information in this document. To the fullest extent permitted by law (and except to the extent otherwise agreed in a signed writing by MPower and BCG), MPower and BCG shall have no liability whatsoever to any party, and any person using this document hereby waives any rights and claims it may have at any time against MPower and BCG with regard to the document. Receipt and review of this document shall be deemed agreement with and consideration for the foregoing. This document is based on a primary qualitative and quantitative research executed jointly by MPower and BCG. MPower and BCG do not provide legal, accounting, or tax advice. Readers are responsible for obtaining independent advice concerning these matters. This advice may affect the guidance in the document. Further, MPower and BCG have made no undertaking to update the document after the date hereof, notwithstanding that such information may become outdated or inaccurate. MPower and BCG do not provide fairness opinions or valuations of market transactions, and this document should not be relied on or construed as such. Further, any evaluations, projected market information, and conclusions contained in this document are based upon standard valuation methodologies, are not definitive forecasts, and are not guaranteed by MPower or BCG. MPower and BCG have used data from various sources and assumptions provided to MPower and BCG from other sources. MPower and BCG have not independently verified the data and assumptions from these sources used in these analyses. Changes in the underlying data or operating assumptions will clearly impact the analyses and conclusions. This document is not intended to make or influence any recommendation and should not be construed as such by the reader or any other entity. This document does not purport to represent the views of the companies mentioned in the document. Reference herein to any specific commercial product, process, or service by trade name, trademark, manufacturer, or otherwise, does not necessarily constitute or imply its endorsement, recommendation, or favoring by MPower or BCG. Apart from any use as permitted under the Copyright Act of Japan, no part may be reproduced in any form.