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サンタコンペの話をさくっと

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October 24, 2025

 サンタコンペの話をさくっと

2025/2/6のDeNA/Go AI技術共有会の発表資料です。

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October 24, 2025
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Transcript

  1. AI 3 ▪ 毎年恒例の最適化系 Kaggle コンペ ▪ 今年は参加チーム数 1514 と

    (謎の) 大盛り上がり ▪ 金メダルが 13 チームになったのは 2019 年以来 ▪ (メダル確定後時点で) 金圏に GM が 14 人いる、良コンペかな? サンタコンペ
  2. AI 4 ▪ 概要 ▪ 与えられた単語列を並び替えて Gemma 2 9B で計算した

    Perplexity を最小化してください ▪ Gemma が一番出力しそうな文を作れと言ってるのに近い ▪ 問題数 (単語列の種類) は 6 ▪ それぞれの Perplexity の平均が LB スコア ▪ 単語数はそれぞれ 10, 20, 20, 30, 50, 100 サンタコンペ今年のお題 ID0 ID5
  3. AI 5 ▪ 特徴 ▪ 9B model x 16bit float

    = 18GB の VRAM をロードだけで消費 ▪ 24GB 程度以上の GPU を使えないと土俵に上がれない ▪ スコア計算が重すぎる ▪ A100 使って 1 秒に (確か) 50 回くらいしか計算できない ▪ GPU 資源多く使える人は有利 ▪ C++ などの高速な言語を使う必要がない ▪ スコア計算がブラックボックスに近い ▪ 差分計算のような高速化テクニックを使う余地が少ない ▪ 解法の工夫の余地が限られる ▪ ある意味初心者向け サンタコンペ今年のお題
  4. AI 6 ▪ ID0 ▪ 長さ 10 の解は 10! =

    3628800 通りしかないので総当たりで最 適解が求まる ▪ ID0 以外 ▪ 総当たりは無理 ▪ ID5 は長さ 100 なので 100! = 93326215443944152681699238856266 7004907159682643816214685929638952175999932299156089414 6397615651828625369792082722375825118521091686400000000 0000000000000000 通りの解がある (本当は重複した単語があるのでもう少し少ない) ▪ 単語順が似ていればスコアも近いこと (近接最適性) を利用して、 スコア計算の対象を効率的に選択する 基本的な解法 (一般的な最適化の話)
  5. AI 7 ▪ ID0 以外 ▪ 単語順が似ていればスコアも近いこと (近接最適性) を利用して、 スコア計算の対象を効率的に選択する

    ▪ 例 (山登り法): 既知の最良の解から単語 1 つを別の箇所に移動させて、 スコアが良くなれば既知の最良の解を更新、これを繰り返す ▪ ただし、これだけでは簡単に局所解に嵌ってスコアを改善できなくなる 基本的な解法 (一般的な最適化の話)
  6. AI 8 ▪ さっきの山登り法を 3 段階くらい強化する ▪ 強化 1: Kick

    を導入する (反復局所探索法にする) ▪ 局所解に嵌って単語の移動くらいでは改善できなくなった時に、強 制的に単語列をランダムに変更する ▪ 強化 2: 山登りで DFS を行う ▪ 単語移動させてスコアが改善しなかったけどほとんど悪化もしな かった場合に、さらにその単語列の周りも再帰的に調べる ▪ 強化 3: 有望な単語列を小さい NN で判別しフィルタリングする ▪ どう見てもその単語順では改善しないだろ、というのを小さい NN で事前に予測し除外して Gemma に食わせる数を絞る 我々の解法 (本質的な部分の概要のみ)