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我々は雰囲気で仕事をしている / How can we do vibe coding as well

我々は雰囲気で仕事をしている / How can we do vibe coding as well

2025/8/23に開催された ゆるWeb勉強会@札幌 #30 で発表した内容です
Vibe Codingをしてみて気がついた、日本語による指示のしかたについてお話ししました。

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Naomi Yamasaki

August 23, 2025
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Transcript

  1. AWS SAMURAI 2015 JAWS-UGアーキテクチャ専門支部 JAWS-UG情シス支部 生活協同組合コープさっぽろ デジタル推進本部 システム企画部 インフラチーム 山﨑

    奈緒美 ご挨拶と自己紹介 大阪出身。 就職で上京し、ソフトハウスでインフラエンジニア 地図情報システム開発会社でひとり情シス 旅行会社の情シス部門でクラウド担当 2020年9月に東京から札幌へ移住し10月よりコープさっぽろへJOIN。 AWSのことならなんでも担当。 @nao_spon I ♡ Route53 IAM Organizations 夏はロードバイク、冬はスノボしてます。仲間募集中!
  2. AWS SAMURAI 2015 JAWS-UGアーキテクチャ専門支部 JAWS-UG情シス支部 生活協同組合コープさっぽろ デジタル推進本部 システム企画部 インフラチーム 山﨑

    奈緒美 ご挨拶と自己紹介 大阪出身。 就職で上京し、ソフトハウスでインフラエンジニア 地図情報システム開発会社でひとり情シス 旅行会社の情シス部門でクラウド担当 2020年9月に東京から札幌へ移住し10月よりコープさっぽろへJOIN。 AWSのことならなんでも担当。 @nao_spon I ♡ Route53 IAM Organizations 夏はロードバイク、冬はスノボしてます。仲間募集中!
  3. Vibe Codingとは Vibe = 雰囲気 ex.バイブス上がるぅ〜 : It has a

    good vibes! • AIに自然言語でアイデアを伝え、ソフトウェア開発を行う手法 • 開発者は技術的な詳細に深く関わる必要がない • 生成AIがプロンプトから実行可能なコードを生成し、開発を加速 • 「コードの存在を忘れて、アイデアや雰囲気に集中する」のが特徴 • プログラミングのハードルを下げることで、より多くの人が アプリケーション開発に参加できる「プログラミングの民主化」を 促進する可能性がある
  4. Vibe Coding三大怪談 • 近視眼になるAI • エラー発生時に、まず実行環境の設定がおかしいと疑う • 自分が作ったコードは完璧だと言い張る • 突っ走って暴走するAI

    • 指示を誤解したままどんどんコードを生成していく • 元に戻してと指示してもデグレしまくり • 暗中模索に走るAI • バグAが出たので直す • バグBが出たので直す • またバグAが出たので直す • またバグBが出たので直す
  5. 日本語で誤解が起きやすい要因 • 曖昧さ・文法構造 ◦ 主語を省略できる言語なので「誰が」「何をしたか」が 不明確になりやすい ◦ 助詞(は/が/を など)の使い分けによって意味が変わるため AIが誤解しやすい

    • 表記ゆれ ◦ 漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字など複数の書き方が存在 ◦ 例:「コンピュータ」「コンピューター」「計算機」「computer」
  6. AIに誤解させないローコンテクストな日本語 • 分解して指示する ◦ NG例:「脳とAIの違いを表にまとめて説明して」 ◦ OK例:ステップを分けて指示すると暴走しにくい  ①「人間の脳の特徴を5つ挙げて」  ②「AIの脳の特徴を5つ挙げて」  ③「それを表形式にまとめて」

    • 専門用語を補足する ◦ 「プロンプト誤解(Prompt misalignment)」のように 英語表現をカッコ書きで添えると安定する ◦ モデルは英語のデータの方が多いので、AIの理解が深まりやすい
  7. AIにコードを作ってもらうときのポイント • 要件定義を先に置く ◦ いきなり「コード書いて」ではなく 「目的」「入力」「出力」「制約条件」「想定される使用例」 を要件定義風にまとめさせる ◦ これがガイドレールになり、誤解や暴走を防ぎやすい •

    小さなステップに分ける ◦ 一度に大きなコードを求めず、関数単位・モジュール単位で依頼 ◦ 「まず関数の骨組み → 次に中身 → 次にテスト」という アジャイル的アプローチが安定する
  8. AIにコードを作ってもらうときのポイント • 具体的な条件を数値で示す ◦ 「短く」ではなく「50行以内」 ◦ 「効率的に」ではなく「計算量はO(n log n)以下」 ◦

    あいまいな日本語を避け、定量的に条件を示す • 曖昧さを補うために英単語をサンプリング ◦ 日本語プロンプトだけだと解釈がブレやすい ◦ 例:「エラーハンドリング(Error handling)」と カッコ書きで英語を添えると誤解が減る