0点過程によるモデリング2023-03-03 第34回NearMe技術勉強会Futo Ueno
View Slide
11研究内容(学部)テーマ:均衡測度の数値計算均衡測度とは?→ 最適化問題の解となる非負測度のこと.この問題は, 微分方程式で記述される系の定常状態を求める問題において連続極限をとることで導かれる.
22研究内容(学部)この問題は, 測度μに関する最適化問題 →そのまま解くのは難しい密度関数ρを使って dμ(x)=ρ(x)dx と書けると仮定し,ある関数系 を用いてρを展開し, 近似することを考える:supp(ρ)=[a, b]とすると, 実はa, bに関する最適化問題(2変数)に帰着できる(詳細は略)
3研究内容(大学院)テーマ:確率過程の統計解析確率過程とは?・・・確率的に時間発展する対象を記述する数理モデル・連続時間 例:ブラウン運動 ⊂ 拡散過程・離散時間 例:ランダムウォーク ⊂ マルコフ連鎖連続時間の確率過程を考えるメリット:・解析学的手法を適用できる→確率微分方程式など・ のランダム性だけでなく, 観測時刻(例 : イベントの発生時刻)のランダム性も考慮したモデルを作れる
44点過程点過程:空間上にランダムに分布する「点」の集合に関する確率過程→時系列解析の文脈では「点」は「イベントの発生」に対応しているイベントの発生時刻 は確率変数として扱う→ある観測区間[0, T]に得られる は, 試行ごとに異なる→点過程は確率密度関数 によって特徴づけられる
55・ある1日の注文発生履歴
66ポアソン過程ポアソン過程:それぞれのイベントが互いに独立に発生することを仮定したモデル微小な区間[t, t+dt]にイベントが発生する確率を P(event in [t, t+dt])=λ(t)dt で与えるここで, λ(t)は強度関数で, 時刻tにおけるイベントの発生のしやすさを表す.・定常ポアソン過程:λ(t)が一定値λをとる・非定常ポアソン過程:λ(t)が時間変化
77ポアソン過程・1日単位では, λ(t)の変動はそれほど激しくないと想定→定常ポアソン過程で近似 (λ(t)≈λ)・週単位, 月単位, 年単位ではさすがに非定常性を考慮する必要がある→日毎に推定したλからλ(t)を"復元"できるか?(今後の課題)
88定常ポアソン過程の性質・強度λの定常ポアソン過程から観測期間[0, T]に発生するイベント数nの分布は以下のポアソン分布になる→ イベント数がnになる確率がわかる→定常ポアソン性を仮定した期間に対しては, その期間に発生するイベント数の確率モデルをこの形で与えられる
99パラメータλの推定・注文発生時刻(分単位)t_iの実データからλを最尤推定t_iには依存せず, nにのみ依存→(λの最尤推定量)=(nの観測値)/T問題点(?):Tは定数なのでλ∝n → 注文数自体の推移を追っているのと同じになる
1010データとデータから推定されたモデルの比較
1111まとめ・定常ポアソン過程に従うと仮定した観測区間においては, イベント数のみに着目すればよい・強度λはイベント数の観測値から推定可能・イベント数の従う分布がわかるので, P(lower_bound
1212今後の課題・週単位, 月単位, 年単位での非定常的な振る舞いをどのように推定するか-予測するためには未来の強度λを推定する必要がある・定常性を仮定する区間[0, T]をどのように定めるか-今回は「1日」だったが, これを狭めるべき? 広げるべき?-注文がスパースな時間帯(2:00~6:00)の存在→1日を何分割かにするなどの対策を講じる?
1313参考文献・T. S. Gutleb, J. A. Carrillo and S. Olver: Computing equilibrium measures with power lawkernels. Mathematics of Computation, 91, 37(2022), pp. 2247--2281.・近江崇広・野村俊一 : 「点過程の時系列解析」. 共立出版, 2019.
14Thank you