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製造業が強い愛知から始まったチーム作り8年の旅路とその現場から見えたこと

nk-tamago
September 17, 2023

 製造業が強い愛知から始まったチーム作り8年の旅路とその現場から見えたこと

スクラムフェス三河2023の登壇資料です
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-mikawa-2023/proposal/18727/8

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September 17, 2023
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Transcript

  1. アジェンダ 1. 自己紹介 2. kitagawa (tamago) の 社会人年表 3. アジャイルへの道のり

     製造業の子会社時代  名古屋の小さなベンダー時代  現在 4. まとめ
  2. 自己紹介 名前 : 北河 直樹 出身地 : 愛知県豊川市 X :

    @nk_tamago 現職 : 株式会社インターネットイニシアティブ 名古屋支社 IIJ名古屋支社でのアジャイルへの取り組みに共感して2020年8月に入社 組織運営・スクラムマスター・技術営業をしながらIIJでの取り組みを社外へ情報発信中 スクラムフェス三河実行委員会 1998 カーナビ向け地図エンジニアとして地図製作システムの開発・運用に従事 2018 チーム開発に専念するため、ユーザ―企業からベンダー企業へフィールドを移す 2020 IIJ名古屋支社でのアジャイルに共感し現職に至る 2014 アジャイルに出会い可能性を感じる PdM 兼 PO として自動運転を見据えた次世代地図プラットフォームを推進 国内2拠点 + オフショア1拠点 の 3チームで成功体験し、チームのポテンシャルを知る 1997 デジタルカメラの組み込みエンジニアとしてキャリアスタート
  3. 情報発信  IIJ Engineers Blog で情報発信しています IIJ Technical NIGHT vol.11

    https://eng-blog.iij.ad.jp/archives/10716 名古屋開発チームのアジャイルな日々 https://eng-blog.iij.ad.jp/ngy-agile
  4. Kitagawa(tamago) 社会人年表 モチベーション 97年 98年 23年 22年 21年 20年 19年

    18年 17年 16年 15年 14年 デジカメの組み込み デザインパターンの衝撃 SQLチューニング楽しい 将来への漠然とした不安 成長していない不安 10年前と何も変わっていない アジャイル…だと? 技術カンファレンスで外を知る 新しいモノ作りが新鮮 社内活動の限界 一緒に仕事したい人達が 会社を去ることを知る SFO2021 SFM2021 とにかくアウトプット SFO2022 SFMO2023 変わらない日々 全てがうまくいく チーム開発楽しい 会社の方針を知る WFの仕事に戻る チーム作りで四苦八苦 + - SFO2023 ・・・ 製造業の子会社時代 ITベンダー時代 現在 社会人! 地図業界へ 技術本を読み漁る PdM 兼 POでチーム開発 ITベンダーへ 転職を決意 現職へ 転職を決意 日々学び 内製チーム作りたい 最強のチームと仕事 迷い 会社への展開の難しさ マイクロサービス…だと? PofEAA・DDD本の衝撃 データ触るの楽しい 開発楽しい 10年 ・・・ RSGT初参加! アジャイル知る 初のチーム開発
  5. 製造業の子会社 時代  会社の特徴  名古屋でカーナビ向けの地図を作っている製造業の子会社  出資会社は愛知の製造業オールスターが絡んでいる  大企業の子会社あるある

     振る舞いは大企業、数年毎に発生する役員ガチャ  社員の特徴  おとなしく真面目な社員が多い  余計なことは言わない、やらない、首を突っ込まない  在籍しているエンジニアは職業エンジニア  オブジェクト指向、デザインパターン など本をいっぱい買ったが誰も読んでくれない  開発の特徴  ゴリゴリのウォーターフォール開発  自工程完結の考えが浸透している  大きい開発はベンダー、小さな開発は内製  大量データを扱うことに重点に置いている
  6. 製造業の子会社 時代  1998~2010年頃  ロール  若手、社内SE  業務内容

     地図データの検査、編集するためのツール開発  データ、ツール保守  出来事  データ仕様・開発を覚える → 楽しい  ある時期から単調の日々に飽きてくる  日々の開発に工夫を入れるがモチベは上がらず  実行速度を上げたい!  コンパイラにとって最適な書き方は?  PCリソースを限界まで使う  メンテナンス性に優れたソースコードとは?  等々…
  7. 製造業の子会社 時代  2010~2013年頃  ロール  新地図編集システム開発 チームリーダー 

    業務内容  地図データのモデリング  フレームワーク設計  ベンダーコントロール  出来事  先輩に薦められて技術本を読みだす  デザインパターンを知る  工夫してたことが言語化されてて感動  PoEAA, DDD 等 読んでモヤモヤがクリア  影響されすぎてベンダー困惑
  8. 製造業の子会社 時代  2014~2015年頃  ロール  次世代地図編集システム開発 PdM 

    業務内容  ビジョン、ゴール、コンセプトの策定  全体アーキテクチャ設計、PoC  出来事  カンファレンスに初参加  QConTokyo 2014  自分が小さな世界で満足していたこと気付く  クラウドを始めて触って興奮  スケールアウトを前提にしたアーキに衝撃  後輩からアジャイルを一押しされる  共感し “これだ!”  新しい技術・思考が1年で全身に注ぎ込まれる
  9. 製造業の子会社 時代  2015~2018年頃  ロール  次世代地図編集システム開発 PdM兼PO 

    業務内容  プロダクトオーナー業務  ゴール設定  プロダクトバックログ作成  役員の説得、資金調達  出来事  初のアジャイルチームで開発  とにかく毎日が学びがあって楽しい日々  内製チームを増やす行動に出る  会社の回答 … ”そういう会社ではない”  転職を決意  チーム開発を求めてユーザー企業からベンダー へフィールドチェンジ
  10. 製造業の子会社 時代  出会ったアジャイルチームの特徴  チームの特徴  ベンター中心 の 3社

    3拠点 3チーム  全員アジャイル初心者  DAD(Disciplined Agile Delivery)を参考にチーム編成  苦労した点  ベンダーがアジャイルに消極的  拒絶反応を示す  絶対成功出来る!という熱い想いで説得  コミュニケーション問題  (異なる空間、受発注の関係、文化の違い)  3社共通環境を用意  チャット、Git、PBI管理、開発環境 など  開発イベント(デイリー等)にも積極参加  Q単位でチーム全員へ方向付けイベントを実施  年1で全員集まって顔合わせ チームA A社オフショア チームB B社 + 当社メンバー アーキチーム A社 + 自分
  11. 製造業の子会社 時代  アジャイルの始め方  新規プロジェクトで始める  既存業務に混ぜると反発が起きる  しがらみのないところから始めるのが良い

     社内で敵を作らない  既存業務へ強要しない、煽らない  「まだそこで消耗しているの?」とは厳禁  既存が頑張って稼いでいるから新しいことが出来ることを忘れずに  仲間を作る  同僚、先輩、後輩、上司、ベンダー、共感してくれる仲間を作る  1人では何も出来ない  内部から “あそこ面白いことやってる” と思わせるのが大切  繰り返し声に出していく  反発されても、無理だと言われても、言い続けることで流れが変わっていく  流れは作るもの
  12. 製造業の子会社 時代  ここでの学び  外を知って自分の実力を知れたことが最大の学び  自分の知識・技術は地図の扱いに特化していた  1人では戦えない。同じ志を持つ仲間を作る大切さ

     先輩 … 技術書を読みきっかけ  後輩 … アジャイルを知るきっかけ  上司 … きっかけをチャレンジする場を作ってくれた ソフトウェア工学・技術トレンド 地図に特化した技術・知識 外の世界 地図業界 閉じた世界にいると 外の世界が見えない 自分の知識・技術 うわっ… 私の技術、低すぎ…?
  13. 名古屋の小さなベンダー 時代  会社の特徴  30人ほどの名古屋の小さなITベンダー  社内のライトウィング(右翼)とレフトウィング(左翼)のギャップが激しい  ライトウィング

    … ゴリゴリの受託ウォーターフォール  レフトウィング … 15分スプリント  社員の特徴  個性豊かな社員  極端にスキルの高い社員が在籍  学習意欲の高い社員が多い  定期的に社外も呼んで勉強会を開いている  開発の特徴  受託開発が中心  名古屋の案件が多いため基本的にウォーターフォール開発  一部アジャイルで工夫をしている所もある
  14. 名古屋の小さなベンダー 時代  2019~2020年頃  ロール  プロジェクトマネージャー  業務内容

     顧客折衝、案件管理  出来事  入社して数日でRSGT2019へ初参加  熱量にやられる  この参加がターニングポイントとなる  マネージャーとして最強のチームと一緒に仕事  衝撃を受ける  レフトウィングが崩壊していく  一緒に仕事をしたい人が去っていく  そしてウォーターフォール案件が中心に…  転職を決意
  15. 名古屋の小さなベンダー 時代  出会ったアジャイルチームの特徴  チームの特徴  チーム自ら仕事を取ってくることが出来る  圧倒的自律

     何かとスキルが高い  様々な出来事を自分事として捉えて問題解決出来る  苦労した点  マネージャーとして何でも自律して出来てしまうチームとどう関与すれば良いか悩む  信頼して任せる  責任だけはこちらで巻き取るので好きなようにやってもらう  自分とのスキル差・文化の違いなど余りにもかけ離れており、付いていくのに精いっぱい  チームイベントに参加させてもらい少しでも近づく努力
  16. 現職  会社の特徴  日本で最初の商用インターネット接続サービスを提供  コンシューマ向けの格安SIMの印象が強いが、法人ではSIが強い  名古屋支社はSI 

    エンジニアを大切にした自由な風土  アイコンや発言はかなり自由  スクフェスやRSGT2024のスポンサーをチャットで相談してOKを貰う  社員の特徴  職人、(良い意味で)技術オタクが多い  SI部門と自社サービス発部門ではスキルセットは異なるが仕事出来る人が多い  開発の特徴  部門、案件によるが、ウォーターフォールもあればアジャイルもある  名古屋支社の場合  私たちはアジャイル、基本はウォーターフォール
  17. 現職  2020~現在  ロール  組織管理  プロジェクトマネージャー 

    業務内容  案件管理、プリセールス、チーム運営、スクラムマスター  出来事  スクラムフェス大阪2021で人生登壇  三河は2021から登壇  運営は2022から参加  スクラムチームの維持する難しさを知る  案件あってのチーム  製造業が強い土地でのメンバー集め  最近いろいろ迷い中  やっぱり自社サービスをやりたい…
  18. 現職  出会ったアジャイルチームの特徴  チームの特徴  ビジネスパートナー中心で構成  様々な経歴・スキルを持つメンバーで構成 

    業務経験無しの若手から、業務システムを開発してきたベテランなどバラエティ豊か  案件に依存するが、3年以上存続し文化が形成されているチームもある  苦労した点  製造業が強い土地でメンバーを集める難しさ  スキルセットがゴリゴリの業務システムに特化している人が多い  クラウド … 「なんか聞いたことあります!」  アジャイル・スクラム … 「なんか聞いたことあります!」 or 「???」  業務経歴・スキルがアンマッチでもモブ・ペアで覚えてもらう  業務システムをやってた人は基礎があるのですぐ覚えてくれる  案件にチーム状況が左右されるためメンバーのケアが大切  小さな愚痴・悩みを聞く、変化したタイミングや定期的に1on1を実施  怠るとチームが崩壊
  19. まとめ  外の世界は広い。内だけではなく外にも目を向けてみよう  忙しい日々かもしれないが、ちょっとだけでも時間を作ろう  外には刺激がいっぱい!  “何か” を始めるには仲間を作ることをオススメ

     社内・社外、先輩・後輩・上司 とにかく仲間は大切  きっかけは、仲間から生まれることがある  新しいことを学ぶのに年齢は関係ない  年齢を言い訳にしてはダメ  40才を超えてもまだまだいける! 今日が “何か” を始めるきっかけになりますように…