Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

そのAWSコスト、もっと下げられるかも? 150社超のコスト分析で見えた「鉄板」削減Tips

そのAWSコスト、もっと下げられるかも? 150社超のコスト分析で見えた「鉄板」削減Tips

AWS Summit Japan 2025 にて、クラスメソッドブースにおけるミニセッションの担当をしました。その際の資料となります。

Avatar for 松波 花奈

松波 花奈

June 25, 2025
Tweet

More Decks by 松波 花奈

Other Decks in Business

Transcript

  1. AWSのコストに関するよくある相談‧お悩み 3 AWS環境が複雑化 し、どこから⼿をつ ければ良いか分から ない 気づいたら請求額が 予想以上に⾼くなっ ている コスト削減できる箇所

    や⽅法がわからない 他に優先すべきタス クがあり、コスト削 減が後回しになって しまう 既存システムへの影響 が怖くて、環境に⼿を つけられない
  2. AWSのコストに関するよくある相談‧お悩み 4 AWS環境が複雑化 し、どこから⼿をつ ければ良いか分から ない 気づいたら請求額が 予想以上に⾼くなっ ている コスト削減できる箇所

    や⽅法がわからない 他に優先すべきタス クがあり、コスト削 減が後回しになって しまう 既存システムへの影響 が怖くて、環境に⼿を つけられない 今回の主テーマ
  3. 本セッションの⽬的 5 󰞵 想定する視聴者 • 既にアマゾン ウェブ サービス (AWS)を活⽤しており、コスト削 減できる箇所や⽅法を知りたい⽅

    💡持ち帰って欲しいもの • すぐに実践できる具体的なコスト削減⼿法 • 明⽇から社内で展開できる実践的なノウハウ
  4. AWSコストの可視化に利⽤できるサービス 10 AWS Cost Explorer 上級者向け AWS Cost and Usage

    Reports(CUR)を Amazon QuickSightでダッシュボード化 ARN やリソース ID レベルでコスト状況を 分析したい場合 初⼼者向け AWS利⽤コストの基本的な分析と 可視化ができるツール サービスやアカウント単位での ⼤まかなコスト傾向を把握したい場合 Amazon QuickSight
  5. 購⼊オプションの選定(RI/SPの購⼊)が1番⾔及されている 17 アプローチ 割合 インスタンス選定 不要リソース停止 スケジュール調整 ストレージ選定 ライセンス最適化 購入オプション選定

    55.2% 44.8% 20.7% 55.2% 6.9% 69.0% 引用:弊社で実施した全150社のコストアセスメントレポート結果 上位3アプローチのコスト削減Tipsを教えます!
  6. Amazon EC2 の場合は基本Saving Plans(SP)を推奨 19 購⼊オプション選定 Compute SP 3年 EC2

    Instance SP 3年 EC2 Instance SP 1年 Compute SP 1年 厳しい 緩い Compute Saving Plans 3年 EC2 Instance Saving Plans 3年 EC2 Instance Saving Plans 1年 Compute Saving Plans 1年   ※Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)の場合、現時点(2025/1)でRI購⼊を検討する可能性は低いため、選択候補から外しております。 RI特有の機能については、こちらのブログをご参考下さい。 EC2 でリザーブドインスタンス(RI)と Savings Plans (SP)のどちらを選ぶべきか?基準とするための最強の⽐較表を作ってみた 制約 ⾼ (約50%)            割引率        低 (約20%)                        ⾼ (約50%) 低 (約20%) 割引率
  7. EC2 Instance Savings Plans と Compute Savings Plans 20 •

    EC2 Instance Savings Plansの1年分購⼊と Compute Savings Plansの3年分購⼊は割引率がほぼ同じ EC2 Instance Savings Plans 1年 Compute Savings Plans 3年 購⼊オプション選定 37% 42%
  8. EC2 Instance Savings Plans と Compute Savings Plans 21 •

    今後AWSを利⽤し続けるのであれば、Compute Savings Plansを購⼊する⽅が インスタンスファミリーが変更できるため、無駄になる可能性が低い。 • 購⼊アプローチ(例) ◦ Compute Savings Plans(3年)を1年毎に段階的に購⼊(予算が充分でない時) → リスクを抑えつつ、⻑期的な割引メリットを享受可能 1年⽬ 2年⽬ 3年⽬ 4年⽬ 5年⽬ ‧‧‧ SP適⽤期間 SP適⽤期間 SP適⽤期間 SP適⽤期間 可能なら1‧2年⽬は EC2 Instance Savings Plansを 1年契約で購⼊することで、 さらに割引を教授できる 購⼊オプション選定
  9. ▼ AWS Compute Optimizer コンソール画面 インスタンスタイプを推奨事項のまま変更するのは危険‧‧ 25 インスタンス選定 Amazon EC2のAWS

    Graviton 移⾏はハードルが⾼い - アプリケーションのアーキテクチャ変更が必要 (ARM64アーキテクチャへの対応) - 既存アプリケーションの互換性検証 - 開発/テスト環境での⼗分な検証期間の確保
  10. ▼ AWS Compute Optimizer コンソール画面 インスタンスタイプを推奨事項のまま変更するのは危険‧‧ 26 インスタンス選定 ルックバック期間が デフォルトの14⽇間

    - ⽉末⽉初に負荷が上がるような処理をしてい る場合は32 ⽇、もしくは 93 ⽇ (有料) に変更 すべき Amazon EC2のAWS Graviton 移⾏はハードルが⾼い - アプリケーションのアーキテクチャ変更が必要 (ARM64アーキテクチャへの対応) - 既存アプリケーションの互換性検証 - 開発/テスト環境での⼗分な検証期間の確保
  11. ▼ AWS Compute Optimizer コンソール画面 インスタンスタイプを推奨事項のまま変更するのは危険‧‧ 27 インスタンス選定 メモリ使⽤率が考慮漏れ -

    デフォルトだと取得されない - サードパーティ製品でモニタリングしてい る場合はメモリ使⽤率を取得していないこと が多い - Amazon CloudWatch エージェントをイン ストールし、メモリ使⽤率を取得するよう変 更もしくはサードパーティ製品で取得済のメ モリ使⽤率と突き合わせて確認 ルックバック期間が デフォルトの14⽇間 - ⽉末⽉初に負荷が上がるような処理をしてい る場合は32 ⽇、もしくは 93 ⽇ (有料) に変更 すべき Amazon EC2のAWS Graviton 移⾏はハードルが⾼い - アプリケーションのアーキテクチャ変更が必要 (ARM64アーキテクチャへの対応) - 既存アプリケーションの互換性検証 - 開発/テスト環境での⼗分な検証期間の確保
  12. Amazon EBSボリュームのgp2→gp3への移⾏ 29 ストレージ選定 容量 GP2 GP3 割当IOPS 割当スループット (MB/s)

    料金 割当IOPS 割当スループット (MB/s) 料金 100GB 最大3,000 ベースライン300 128 $12 3,000 128 $9.74 500GB 最大3,000 ベースライン1,500 250 ※1 $60 3,000 250 $54 1,000GB 3,000 250 ※1 $120 3,000 250 $102 2,000GB 6,000 250 ※1 $240 6,000 250 $216 8,000GB 16,000 ※1 250 ※1 $960 16,000 250 $852 16,000GB 16,000 ※1 250 ※1 $1,920 16,000 250 $1,620 • gp3 は gp2 よりもベースラインが上昇した Amazon EBS ボリュームで、同 等の性能を確保する場合は gp3 の⽅が安くなる
  13. Amazon EBSボリュームのgp2→gp3への移⾏ 30 ストレージ選定 • Cost Optimization Hub から対象のリソースが把握可能 •

    移⾏は再起動なしでの変更可能 • 旧世代のインスタンスタイプの場合、起動失敗してしまうことがあるため 注意
  14. NAT Gatewayの転送料⾦ インターフェイス型 VPCエンドポイントへ移⾏ Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)の延⻑サポート料⾦

    エンジンバージョンアップの実施 パブリックIPv4の料⾦ Application LoadBalancer(ALB)や NAT Gatewayの集約 (番外編)コストが特に⼤きい項⽬ 32 Amazon RDS NAT Gateway Amazon VPC
  15. NAT Gatewayの転送料⾦ Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)の延⻑サポート料⾦ パブリックIPv4の料⾦ Application

    LoadBalancer(ALB)や NAT Gatewayの集約 (番外編)コストが特に⼤きい項⽬ 33 Amazon RDS Amazon VPC インターフェイス型 VPCエンドポイントへ移⾏ NAT Gateway エンジンバージョンアップの実施 他にもコスト削減できる余地があるかもしれません!
  16. お客様がコスト削減実施に踏み込めない理由は様々 35 ビジネス優先度の競合 リソース‧知識の壁 リスク回避の⼼理 ‧新規機能開発や障害対応が 最優先で、コスト最適化に時 間を割けない ‧短期的な成果が求められる 中、コスト最適化は後回しに

    なりがち コスト削減より新機能開発を優先 ‧⽇々の運⽤業務に追われ、 コスト最適化に割ける時間が ない ‧AWS環境が複雑化し、どこ から⼿をつければ良いか分か らない 専⾨知識と実⾏リソースの不⾜ ‧削減施策を実⾏してシステ ム障害が発⽣したら責任問題 になる ‧⼀度削除したリソースを元 に戻せるか不安 安定運⽤を優先する慎重な判断
  17. 事例紹介(星野リゾート様) 39 • クラスメソッドのコンサルティングを通じてAWS利用費を29%削減 • コストカットできた予算で浴場の混雑状況を可視化するサービスなどの新サー ビスを開発 • 新しい挑戦ができることでまたコストが下げられる良いスパイラルが生まれた •

    新型コロナウイルスの流行と緊急事態宣言により自社運営施設が大幅な稼働 減 • 全社的なコロナ禍対策の一環でシステム部門もコスト最適化を検討 • 自力以上のコロナ禍対策をパートナーに依頼 コスト削減ポイント • 請求代行プラン見直し • インスタンスタイプ・サイズの最適化 • インスタンスの稼働時間の見直し • リザーブドインスタンス購入 お客様の声 「大切なのは内製化です。変化をいかに早く 察知して対応するか、現場や経営陣から出た 意志をいかに実現するか。そのスピード化を 図るには、組織の内製化が必要です。それは 完全に自分たちだけでできるとは思っていま せん。コストダウンなどでクラスメソッドの 力が必要でした」 before after