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ソフトウェアエンジニアの学習方法/meta learning for engineers
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岡本卓也
January 29, 2026
Technology
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23
ソフトウェアエンジニアの学習方法/meta learning for engineers
チーム内勉強会用の資料
岡本卓也
January 29, 2026
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Transcript
ソフトウェアエンジニアの学習方法 ― 知識をメタ化して成長する ― 2026/01/23 永和システムマネジメント 岡本 ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 |
開発チーム 1
最初に この資料について 30年のソフトウェア開発経験から得た個人的な学び 唯一の正解ではなく、一つの参考として聞いてください 皆さんなりのやり方を見つけるヒントになれば ソフトウェアエンジニアの学習方法 N=1の私の体験からのアドバイスです “ “ 2026年1月
| 開発チーム 2
よくある悩み こんなこと、感じていませんか? 「色々経験しているが、成長の実感が薄い」 「具体的な作業はできるが、応用が効かない」 「先輩に教えてもらったことしかできない」 「新しい課題に直面すると、また一から調べ直し」 ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム
3
知識の3層構造 ソフトウェア開発の知識には3つの層がある 層 内容 例 第3層 学習のやり方 「どう学べば成長できるか」 ↑ さらにメタ化
第2層 抽象化されたスキル 「API設計とはこうあるべき」 ↑ メタ化 第1層 具体的なノウハウ 「このAPIはこう使う」 ソフトウェアエンジニアの学習方法 下から上へ、メタ化によって昇華させていく “ “ この資料で伝えたいのは「第3層」の話です “ “ 2026年1月 | 開発チーム 4
「慣れ」と「成長」は違う 慣れ 成長 同じ作業を繰り返して上手くなる 新しい課題にも対応できるようになる 経験を積めば自然に起きる 意識的なメタ化が必要 特定の作業が速くなる 応用力・問題解決力が上がる ソフトウェアエンジニアの学習方法
この資料では「慣れ」ではなく「意識的な成長」を対象にしています “ “ 2026年1月 | 開発チーム 5
第1層だけでは成長が止まる 第1層の知識の特徴 目の前の課題は解決できる 別の課題には応用できない 同じような問題でも「また調べ直し」になる 例 第1層(具体) 第2層(抽象化) 「このSQLでJOINできた」 「JOINの本質と使い分け」
「このエラーはこう直した」 「エラーの原因特定の考え方」 「このコードで動いた」 「なぜこの設計が良いのか」 ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 6
この資料でできるようになること 知識には3層の構造があることを理解する 第1層だけでなく第2層を目指すべきというメタ認知を得る 学習の方向性が見える 「どう学べばいいか」のヒントを得る ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 7
アジェンダ 1. 時代の変化と学習スタイル: 30年前と今の違い 2. なぜ第2層を目指すべきか: メタ化の重要性 3. 学習サイクル: 第1層から第2層への道
4. 私の学習スタイル: N=1の具体例 5. まとめ ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 8
1. 時代の変化と学習スタイル 30年前と今では何が違うか ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 9
私の経験:30年前の学習スタイル ウォーターフォール開発の時代 基礎的な作業から先輩に教えられて育った 5年ほどかけて一人前になるのが普通だった 技術の進歩が緩やかだったので、それで間に合った この経験が今の大きなベースになっている じっくり基礎を固める時間があった 同じ技術を深く学ぶ余裕があった ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月
| 開発チーム 10
今は何が違うか 学習に求められる条件が変わった 30年前 現在 技術変化が緩やか 技術変化が非常に速い 対象領域が限定的 覚えるべき領域が格段に広い 5年かけて一人前 5年後には技術が変わっている
一つの技術を深く学ぶ 複数の技術を素早くキャッチアップ 先輩が全てを教えられた コミュニティ・先輩・AIを活用して自走する 当時の学習スタイルはそのまま使えない ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 11
何を変えるべきか 変わらないもの 本質を理解することの重要性 メタ化して応用する能力の価値 変えるべきもの 学習のスピードと効率 情報を自ら取りに行く姿勢 第2層の知識を意識的に構築する ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月
| 開発チーム 12
2. なぜ第2層を目指すべきか メタ化の重要性 ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 13
ソフト開発の現実 全く同じ作業はほとんどない 日々の開発で「具体的にはこうする」は見せられる しかし、次に来る課題は必ず少し違う 第1層の知識だけでは、毎回「初めて」になる 第1層だけの状態 ソフトウェアエンジニアの学習方法 「あのときはこうやったけど、今回は違うから分からない」 “ “
2026年1月 | 開発チーム 14
メタ化するとどうなるか 第2層の知識がある状態 「この課題の本質は何か」が見える 過去の経験を抽象化して適用できる 初めての課題でも「たぶんこうだろう」と仮説が立つ 例:エラー対応 第1層 第2層 「このエラーはこう直す」 「エラーの原因は入力・処理・出力のどこかにある」
個別の対処法を覚える 原因特定のフレームワークを持つ ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 15
第1層と第2層の違い 観点 第1層(具体的ノウハウ) 第2層(抽象化スキル) 適用範囲 特定の状況のみ 幅広い状況に応用可能 賞味期限 技術変化で陳腐化 本質は長く使える
習得方法 経験・暗記 意識的なメタ化が必要 成長実感 薄い 積み上がる実感がある ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 16
3. 学習サイクル 第1層から第2層への道 ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 17
学習サイクルの3ステップ 第1層 → 第2層への変換プロセス Step 内容 説明 1 トリガを得る 体験する、話に聞く、ネットで見つける
2 メタ化する 考える、調べる、構造化する 3 実践する 試して深い理解を得る ポイント Step 1だけで終わると第1層止まり Step 2が最も重要(意識しないとスキップしがち) ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 18
Step 1: トリガを得る きっかけは何でもいい 体験する: 実際の開発で遭遇する 話に聞く: 先輩や同僚から聞く ネットで見つける: X、ブログ、記事など
本で読む: 技術書、ドキュメント 大事なのは ソフトウェアエンジニアの学習方法 トリガを得た後に**「なぜ?」 「本質は?」**と問うこと “ “ 2026年1月 | 開発チーム 19
Step 2: メタ化する 具体から抽象へ 「なぜこれでうまくいったのか?」を考える 関連情報を調べて背景を理解する 他の事例と比較して共通点を見つける 自分の言葉で構造化・言語化する メタ化の問いかけ 「これは他のどんな場面で使えるか?」
「この知識の本質は何か?」 「なぜこのやり方が良いのか?」 ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 20
Step 3: 実践して深い理解を得る 理解したつもりを本物にする 実際に試してみる うまくいかない部分で理解の浅さに気づく 修正して再度メタ化する 実践の場 日々の開発業務 個人プロジェクト
勉強会での発表(説明すると理解が深まる) ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 21
学習サイクルの図 Step アクション 内容 1 トリガを得る 体験・情報収集 ↓ 2 メタ化する
考える・調べる・構造化 ↓ 3 実践する 試す・失敗・修正 ↓ Step 1へ戻る サイクルを繰り返す ソフトウェアエンジニアの学習方法 このサイクルを回し続けることが成長 “ “ 2026年1月 | 開発チーム 22
体系化された知識も活用する 2つの学び方を並行して進める アプローチ 内容 ボトムアップ 個々の経験や洞察から積み上げる(学習サイクル) トップダウン ソフトウェア工学として体系化された知識を学ぶ 体系化された知識の例 設計原則(SOLID、DRYなど)
デザインパターン アーキテクチャの考え方 テスト技法 ソフトウェアエンジニアの学習方法 両方を組み合わせることで、効率よく第2層の知識が身につく “ “ 2026年1月 | 開発チーム 23
AIを活用する 今の時代の学習環境 昔 今 本を探して読む AIに質問して情報を得られる 詳しい人を探して聞く AIを壁打ち相手に議論できる 一人で考えると限界がある 一人でも深い洞察を得られる
ソフトウェアエンジニアの学習方法 「知りたい」というトリガさえあれば、学習は昔より効率的に行える “ “ 2026年1月 | 開発チーム 24
AI活用の注意点 答えをもらって終わりにしない AIの回答に対して**「なぜ?」を問い返す** AIはStep2(メタ化)の補助ツールとして使う 最終的な理解・判断は自分の頭で行う ソフトウェアエンジニアの学習方法 AIは「学習の加速装置」であって「学習の代替」ではない “ “ 2026年1月
| 開発チーム 25
4. 私の学習スタイル N=1の具体例 ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 26
私の情報収集:トリガの9割はX なぜXか 最新の技術トレンドが流れてくる 実践者の生の声が聞ける 興味のある分野の専門家をフォローできる 短い文章でエッセンスが得られる 注意点 玉石混交なので取捨選択が必要 トリガとして使い、深掘りは別の情報源で ソフトウェアエンジニアの学習方法
2026年1月 | 開発チーム 27
私の学習フロー Xで気になるトピックを見つけたら Step やること 1 関連情報を調べる: 公式ドキュメント、ブログ記事 2 本を買って読む: 体系的な理解のため
3 開発現場で試す: 実際のプロジェクトで使ってみる 4 振り返る: うまくいった点・いかなかった点を言語化 ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 28
本を読む習慣の価値 技術書は最もコスパの良い学習方法の一つ 先人の数年〜数十年の知見が数日で手に入る 体系的に整理されているので第2層の知識が身につきやすい ネット情報より深く、正確なことが多い 人により好き嫌いはあるが 苦手な人は、まず薄い本・入門書から 読み切らなくてもいい、必要な章だけでも価値がある ソフトウェアエンジニアの学習方法 技術書を読む習慣を持っている人は大きなアドバンテージがある
“ “ 2026年1月 | 開発チーム 29
まとめ ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 30
重要なポイント ポイント 内容 知識の3層構造 具体的ノウハウ → 抽象化スキル → 学習のやり方 第2層を目指す
第1層だけでは応用が効かず、成長実感も薄い 学習サイクル トリガ → メタ化 → 実践 を回し続ける メタ化が鍵 「なぜ?」 「本質は?」と問い続ける ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 31
頂きは高く 人間は成長する生き物 量は質に転化する 日々の取り組みは小さく、すぐに成果は見えない しかし積み重ねが、後になって大きな成果に変わる スキルは複利で効いてくる スキルがあると次の学習速度が上がる 特に第3層のスキルを身につけることが大事 ソフトウェアエンジニアの学習方法 焦らず、続けることが大事
“ “ 2026年1月 | 開発チーム 32
最後に 皆さんへのメッセージ 日々の開発経験は貴重なトリガ それを第2層に昇華させるかどうかは自分次第 完璧を目指さなくていい、少しずつ積み上げる 私もまだ学び続けています 30年経っても新しい発見がある 学び方を知っていれば、いくつになっても成長できる ソフトウェアエンジニアの学習方法 「経験」を「スキル」に変えるのは、意識的なメタ化
“ “ 今日お伝えしたかったのは、個々の技術ではなく「経験をどう学びに変換する か」という第3層の視点です “ “ 2026年1月 | 開発チーム 33
ディスカッション 皆さんの学習方法や悩みを ぜひ聞かせてください ソフトウェアエンジニアの学習方法 2026年1月 | 開発チーム 34