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チームの語彙を育ててコミュニケーションできるチームをつくる / Build Vocabulary, Build Team

チームの語彙を育ててコミュニケーションできるチームをつくる / Build Vocabulary, Build Team

みんなで同じ言葉を使って、同じことを考えようという話。

s-dev talks #2 「チームビルディング」で話しました。
https://s-dev-talks.connpass.com/event/90750/

OSA Shunsuke

July 06, 2018
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Transcript

  1. チームの語彙を育てて
    コミュニケーションできるチームをつくる
    2018-07-06 s-dev talks #2
    OSA Shunsuke

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  2. 自己紹介
    • OSA Shunsuke / 長 俊祐
    • @s_osa_
    • クックパッド料理教室 → 技術部ユーザー・決済基盤グループ
    • Web アプリケーションエンジニア
    • 趣味:読書(主に漫画)、料理など

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  4. 今日話すこと
    • 少し前までいたクックパッド料理教室であったことを話します
    • チームワークを阻害するコミュニケーションの問題
    • 効果的にコミュニケーションできるチームをつくるために
    • 言葉と概念を整理してチームの語彙をつくっていく
    • チームの語彙を育てていく方法とちょっとしたコツ

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  6. 実際にあったこと

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  7. その1

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  8. この教室の空席率なんですけど……
    空席率?
    「まだ空いている席の数/全席数」です
    なるほど?
    私たちは「もう予約が入った席の数/全席数」を
    「埋まり率」って呼んでる
    なるほど?

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  9. 起こっていたこと
    • ほぼ同じ概念に対して2つの名前があった
    • 空席率:まだ空いている席の数/全席数
    • 埋まり率:もう埋まっている席の数/全席数
    • 2つ足すと常に100%になる

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  10. その2

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  11. いつのレッスンですか?
    なるほど、そっちの話なんですね
    このレッスンなんだけど……
    いつの、とかじゃなくて
    レッスン内容の説明文について話したい

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  12. 起こっていたこと
    • 「レッスン」というひとつの言葉に対して2つの意味があった
    • レッスン内容や料金などを含む「そのレッスンはどういうもの
    なのか」というもの
    • そのレッスンが具体的に行われる日時

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  13. 何が問題なのか

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  14. 同じことを話しているのに……
    • 違うことを話しているように聞こえる
    • 読み替えが発生する
    • 検索するときに2通りの単語で検索しないといけない
    • チーム内に壁ができる
    • 「私たち」と「あの人たち」みたいになりがち

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  15. A B

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  16. 違うことを話しているのに……
    • 同じことを話しているつもりになってしまう
    • しばらく話してから「あれ、なんか噛み合ってない……?」
    • 気づけば良いが、もし気づかないと……!

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  17. A

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  18. どうするか

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  19. チーム全員で
    同じものを思い描けるようにしたい

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  21. 頭の中を覗くことはできない

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  22. 喋っていることは聞こえる

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  23. 言葉を大切にする

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  24. 言葉と概念を1:1対応させる

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  25. 言葉 概念

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  26. 具体的に

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  27. 大きく分けると2ステップ
    1. 問題意識をチームで共有する
    2. 個々の言葉と概念を整理する

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  28. 問題意識を共有する

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  29. 協力してもらうために問題意識を共有する
    • チームで使う言葉を変えていくので他の人の協力が必要不可欠
    • 自分の問題意識とやろうと思っていることを共有する
    • 言葉と概念が対応していなくて困るので整理していきたい
    • 穏やかに同意してくれることが多い(気がする)
    • 始めるときには必ずしも全員の意識が高くなくても大丈夫

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  30. 不便では?
    たしかに

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  31. 概念と言葉を整理する

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  32. パターンごとに整理していく
    • 言葉:概念=n:1
    • ひとつの概念を表す言葉が複数ある状態
    • 言葉:概念=1:n
    • ひとつの言葉が複数の概念を表している状態

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  33. 言葉:概念=n:1
    ひとつの概念を表す言葉が複数ある状態

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  34. 使う言葉をひとつに揃える

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  35. A B

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  37. A = B =

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  39. A =

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  40. A

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  41. 言葉:概念=1:n
    ひとつの言葉が複数の概念を表している状態

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  42. 概念を区別して名前をつける

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  43. A

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  45. A = A =

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  47. A1 = A2 =

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  48. A1

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  49. A2

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  50. 語彙を育てる上でのコツ

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  51. 既に使われている言葉を大切にする
    • 複数ある言葉をひとつに絞るパターンでは既に使われている言
    葉の中からひとつ選ぶことが多い
    • 今使われている言葉はそれなりの意味があって使われている
    • みんなが使い慣れているというメリットもある

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  52. 言葉を使う人を大切にする
    • ある言葉をよく使っている人は(たとえ無意識でも)良い言葉を選
    んでいることが結構ある
    • 例:「埋まり率」と「空席率」
    • ほぼ同じ意味の数字だけど「埋まっている」のほうがポジティブ
    • 教室とコミュニケーションするときに無意識にポジティブな表
    現を選んでいた?

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  53. 考えた言葉は試しに使ってみる
    • 頭の中や画面上だけで決めない
    • 実際に使ってみて違和感がないかどうか確かめてみる
    • チームメンバーと声に出して会話してみる
    • メール文面を考えてみる
    • UI に当てはめてみる

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  54. 少しずつ進める
    • やりたいことはスムーズなコミュニケーションのための整理
    • 一気に変えてしまうと逆に混乱する
    • 気になるところが複数ある場合、特に気になるところから少しず
    つ変えていく

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  55. チームの外にも広げていく
    • UI やユーザーサポートなどの場面で、ユーザーに対しても同じ言
    葉を使っていく
    • ユーザーの頭の中にも少しずつ言葉と概念が染み込んでいく
    • チームで使っている言葉と同じ言葉でお問い合わせが来る
    • ユーザーにとってもわかりやすくなる

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  56. まとめ

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  57. まとめ
    • 頭の中にあるものは目に見えないし手に取れない
    • 見えも触れもしないものをチーム全員で同じように思い描くため
    に言葉を大切にする
    • コミュニケーションできるチームをつくるために、自分たちのチー
    ムの語彙を少しずつ育てていこう

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  58. Thank you!!

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