s-dev talks 〜サービス開発勉強会〜「大忘年 LT 大会 2019」 https://s-dev-talks.connpass.com/event/155489/
「粗利を計算する」のむずかしさ2019-12-19 OSA Shunsuke
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誰?•OSA Shunsuke•@s_osa_•s-dev talks organizer•株式会社アグリゲート a.k.a. 旬八青果店•なんでもやる人になりつつある
八百屋•小売業•究極的には「仕入れて、売る」
粗利(売上総利益)•仕入れたものを売ったらいくら儲かったか•粗利 = 売上 − 原価• 100円で仕入れたを150円で売ると粗利50円•超重要 KPI
やりたいこと•リアルワールドにおいて•実行可能なオペレーションかつ許容可能なコストで•売上・原価・粗利などの重要な数字を•精緻(店舗別・商品別)かつタイムリーに取得して•次のアクションに繋げていく
粗利の計算
粗利 = 売上 − 原価
原価とは•100円のを10個仕入れた(仕入1,000円)•150円で6個売れた(売上900円)• この6個分に対応する仕入の金額が原価(原価600円)• 残りの4個は在庫として持ち越し
在庫を考慮した原価•原価を計算するためには在庫を考慮する必要がある• 理由:繰越・仕入価格の変動など•ある時点の在庫の量を調べて在庫金額を算出するのが棚卸•原価(総額) = 前回在庫金額 + 仕入金額 − 今回在庫金額• 「今回在庫 = 前回在庫 + 増加量 − 減少量」より
粗利を計算するために必要なもの粗利 売上原価 仕入在庫
必要なデータ ✕ 見たい軸店舗別 商品別 即時性売上 レジによって半自動生成すべての段階で同じ商品マスタを使うほぼリアルタイム仕入 仕入情報と一緒に店舗も入力数時間以内に入力在庫 店舗ごとに棚卸
商品マスタ
何をもって同じ商品とするか•青果にはJANコード(バーコード)も型番もついていない•「同じ」とは???• 品種:「いちご(とちおとめ)」と「いちご(あまおう)」• 産地:「群馬県産のキャベツ」と「愛知県産のキャベツ」• 単位:「個」「パック」「束」•最終的には「どういう風に見たいか」という決めの問題
商品マスタの粒度•理想 vs. 現実• 細かく取れたほうが嬉しいが、細かくしすぎるとオペレーションが回らないという現実的な問題がある• 仕入・レジ・棚卸などすべての段階で識別・入力できないといけない• 青果にはバーコードがついていない(再)• 自社でつけることは可能だが、コスト面・鮮度面などから•適切な落とし所を見つけた上で、オペレーションに落としていく必要がある
タイムリーな在庫の把握
実在庫の確定•棚卸をするしかない•棚卸は大変• 取り扱い品目それぞれについて数量を数える必要がある
在庫の推定(理想)•在庫は仕入によって増えて、販売によって減る•仕入と販売の数量を記録すれば現在の在庫量を計算できる• 廃棄・盗難などで誤差は出るが、全体に占める割合は大きくないはずなので速報値としては充分
在庫の推定(現実)•「みかん 5kg」の在庫が2ケースあった•「みかん 5kg」を追加で4ケース仕入れた•「みかん」が100個売れた•10kg + 20kg − 100個 =
まとめ
まとめ•超重要な KPI を正確かつタイムリーに取得するだけでも既に難しい•オペレーションまで含めてつくっていく必要がある•リアルワールドには強敵がゴロゴロいる• 「俺より強い奴に会いに行く」
Thank You!