卒論構想発表

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1. 卒論テーマ（仮） 20 卒論構想発表 “中国語の部屋”の再構築について ぺーぽん 2015年 7月27日 ****研究会合宿発表 61 pages
2. 発表プログラム 1 はじめに 研究の背景 先行研究の状況 概要 卒論テーマ 研究手法・文献 詳細 AIのパラダイムシフト 実験哲学からの検討
3. 発表プログラム 2 はじめに 研究の背景 先行研究の状況 概要 卒論テーマ 研究手法・文献 詳細 AIのパラダイムシフト 実験哲学からの検討
4. 研究の背景 3 「技術的特異点」 “Technological Singularity”
5. 研究の背景 4 「技術的特異点」 科学技術史から予測できる 未来モデル の「限界点」 by Ray Kurzweil (2006)
6. 「特異点」までの流れ 5
7. 特異点の前提 6 ?
8. 特異点の前提 7 「強いAI」は そもそも 可能 か
9. 発表プログラム 8 はじめに 研究の背景 先行研究の状況 概要 卒論テーマ 研究手法・文献 詳細 AIのパラダイムシフト 実験哲学からの検討
10. 先行研究の状況 9 哲学的人工知能批判 H.Dreyfus J.Searle 身体性 中国語の部屋
11. Searle の人工知能批判 10 中国語の部屋 人間の 内的な意識経験 の存在 統語論・意味論 のギャップ
12. Searle の人工知能批判 11 ‘Minds, brains, and programs’ (1980)
13. Searle への反論 12 理解は個人ではなくシステムに帰されるのだ！ 身体を備えたロボットなら？ 脳の自然言語処理を真似ればいいのでは？ システム説（カルフォルニア大学） ロボット説（エール大学） 脳シミュレーター説（マサチューセッツ工科大学）
14. 別の角度から 13 哲学的議論
15. 分野横断的視点（１） 14 Dennett (2013) の批判 「ルール」と「紙切れ」という表現 どのレイヤでシミュレートするかが隠蔽
16. 分野横断的視点（２） 15 人工知能側 の パラダイムシフト 古典的計算主義 コネクショニズム
17. 分野横断的視点（３） 16 ‘Minds, brains, and programs’(1980) ‘The milk of human intentionality’(1980) 中国語の部屋 直観ポンプ J. Searle D. Dennett
18. 分野横断的視点（３） 17 直観ポンプ 直観を引き出すための小さな物語 「上等なポンプ」から「詐欺的なポンプ」まで 「ポンプ」の良し悪し → 哲学的に検討 21世紀 直観を引き出す心理的プロセスの研究 例：J. Knobe(2008) らの「実験哲学」 Dennett, ‘Intuition Pumps and Other Tools for Thinking’ (2013)
19. つまり 18 中国語の部屋 分野横断的に議論を再構築する余地 卒論
20. 発表プログラム 19 はじめに 研究の背景 先行研究の状況 概要 卒論テーマ 研究手法・文献 詳細 AIのパラダイムシフト 実験哲学からの検討
21. 卒論テーマ（仮） 20 「中国語の部屋」の 学際的な再構築に関する検討 ― ◯◯を中心に ―
22. 学際的な？ 21 コネクショニズムからの再検討 実験哲学的再構築の “可能性”
23. 発表プログラム 22 はじめに 研究の背景 先行研究の状況 概要 卒論テーマ 研究手法・文献 詳細 AIのパラダイムシフト 実験哲学からの検討
24. 文献（Searleの一次文献） 23 Turing, A. , Computing machinery and intelligence , (1950) Searle, J. , Minds, brains, and programs, (1980) Searle, J. , ‘Minds, Brains, and Science’ , (1984) Searle, J. , Is the brain’s mind a computer program , (1990) Searle, J. , ‘Mind: A Brief Introduction’ , (2004)
25. 文献（CRAの二次文献） 24 Churchland, P. , Could a Machine Think?, (1990) Chalmers, D. , ‘The Conscious Mind’, (2004) Dennett, D. , ‘Intuition Pumps and Other Tools for Thinking’, (2013) 服部裕幸, 「中国語の部屋」とその後, (2003) 水本正晴, 『ウィトゲンシュタイン VS. チューリング』, (2012)
26. 文献（CRAの二次文献） 25 Churchland, P. , Could a Machine Think?, (1990)
27. 発表プログラム 26 はじめに 研究の背景 先行研究の状況 概要 卒論テーマ 研究手法・文献 詳細 AIのパラダイムシフト 実験哲学からの検討
28. パラダイムシフト？ 27 認知観・AI設計思想の変化 古典的計算主義 コネクショニズム
29. 中国語の部屋の”前提” 28 初期の「中国語の部屋」 「古典的計算主義」が前提 （服部裕幸 2000） Ex. Winograd の SHRDLU, Weizenbaum の ELIZA
30. Searle の “標的” 29 Searle (1980) 古典的計算主義、チューリングマシンを前提とした 機能主義的なアプローチを批判 他のアプローチ については むしろ認めていた（水本 2012）
31. Searle の “標的” 30 中国語の部屋 「コネクショニズム」を 射程内に捉えていたか
32. コネクショニズムとは 31 「脳の神経ネットワーク」を モデルにした認知観
33. 古典主義との比較 32 古典的計算主義 コネクショニズム 表象主義 構文論的構造 分散表象
34. 構文論的構造 33 語 … 様々な文脈で共通（文脈独立性） 文脈独立性のある語が文法に従って構文される 社会 つらい 院試 つらい 来週 院試
35. 分散表象 34 ユニットの興奮パターン全体で表象される 院試 は つらい
36. Searle VS. コネクショニズム 35 Churchland, P. , Could a Machine Think?, (1990) Searle, J. , Is the brain’s mind a computer program , (1990) 中国語のジム（Chinese Gym）
37. Chinese Gym??? 36
38. 37 中国語のジム 意味論に関する論点は同じ Searle にとって 表象の 実現方法 は関係がない → 「反表象主義」の場合は？ (J.J. Gibson など) Searle VS. コネクショニズム
39. 発表プログラム 38 はじめに 研究の背景 先行研究の状況 概要 卒論テーマ 研究手法・文献 詳細 AIのパラダイムシフト 実験哲学からの検討
40. 実験哲学とは 39 実験哲学（Experimental Philosophy） → J. Knobe, S. Nichols らによる哲学的ムーブメント 哲学的直観のベースとなる 心理学的過程を実験によって明らかにしようとする 目的 ・概念の応用に影響する要因の説明 ・その基盤となる心理学的過程の解明
41. 人気投票？ 40
42. 人気投票？ 41 人気投票ではない ある直観的判断 → 心理学的過程を解明することで その信頼性をテスト
43. 研究事例 42 Moral Responsibility and Determinism Knobe & Nichols (2007)
44. 倫理学における対立 43 Incompatibilism Compatibilism
45. 倫理学における対立 44 Incompatibilism Compatibilism 決定論と自由意志は両立可能 → 決定論が正しくても責任は問える 決定論と自由意志は両立不可能 → 決定論が正しければ責任は問えない
46. 倫理学における対立 45 最近の議論 「直観」に訴える研究が多い （Kane 1998, Vargas 2008）
47. 心理的過程：仮説（１） 46 私たちは あるときは Compatibilist であり あるときは Incompatibilist である
48. Compatibilist Incompatibilist 具体的 抽象的 理論的 心理的過程：仮説（２） 47 感情的 質問形式
49. 決定論的な宇宙A or 非決定論的な宇宙B あなたの世界はどちらか？ 約90% が「宇宙B」と 回答 （被験者はUtah大学の学生） 実験 48
50. 被験者 実験 49 具体条件 抽象条件
51. 実験 50 具体条件 決定論的宇宙に住む Bill 自分の秘書に惹かれている
52. 秘書と結ばれるためには自分の妻と子供3人を殺すしかない 自宅が家事になったときに脱出不可能であることを確認 出張前に地下の発火装置をしかけた Bill に妻・子供を殺した十分な 道徳的責任があるか？（Yes/No） 実験 51 具体条件
53. 決定論的宇宙において、 私たちは自分の行為に十分に 道徳的責任をもつことができるか？ （Yes/No） 実験 52 抽象条件
54. 結果 53 具体条件 抽象条件 72% 86% Compatibilist Incompatibilist
55. 具体条件で「責任アリ」と答えた人々 → 自らの道徳理論を具体的事例に適用し損なっている Compatibilist のように回答しても 実際はそうではない 可能性がある 解釈（1） 54
56. 抽象的な道徳的理論 → 現実世界で果たす役割は小さい 道徳的判断には 感情的直観 が大きな役割をもつ 解釈（2） 55
57. 私たちはCompatibilist, Incompatibilist の 両方の直観をもっている 2つの直観は異なる 心理学的過程によって生み出される こういった問題に答えるために 正確な心理学的過程の知識をもつことが必要 結論 56
58. その他の研究事例 Knobe & Nichols ‘Experimental Philosophy’ 2008 他の事例 57
59. 応用可能性 58 実験哲学 中国語の部屋 直観ポンプを使用 直観ポンプ 実験時に直観を引き出す
60. 思考実験のパラメータを変更して どういった「直観」が現れるかを 哲学的に推測・議論していた (Dennett 1982, 2013 など) 中国語の部屋と実験哲学 59 従来の「中国語の部屋」研究
61. 思考実験のパラメータを変更して どういった「直観」が現れるかを 心理学的に観測・解明できる → 実験哲学的な Debug 可能性 中国語の部屋と実験哲学 60 「中国語の部屋」meets 実験哲学
62. 発表プログラム 61 はじめに 研究の背景 先行研究の状況 概要 卒論テーマ 研究手法・文献 詳細 AIのパラダイムシフト 実験哲学からの検討
63. 参考文献 Churchland, P. , Could a Machine Think?, (1990) Dennett, D. , ‘Intuition Pumps and Other Tools for Thinking’, (2013) Knobe, J. & Nichols, S. , ‘Experimental Philosophy’, (2008) Searle, J. , Minds, brains, and programs, (1980) Searle, J. , Is the brain’s mind a computer program , (1990) 近岡利昌, Experimental Philosophyの紹介 服部裕幸, 「コネクショニズム」とは何か, (2000) 水本正晴, 『ウィトゲンシュタイン VS. チューリング』, (2012)