Android16 Migration Stories ~Building a Pattern for Android OS upgrades~

DroidKaigi 2025 後夜祭にて発表したスライドです。
https://docs.google.com/presentation/d/19D3GaDVV8MnB7PKVSVa7J0WgkzI5Ahl1JJ_kH_gC6Nk/edit?slide=id.p#slide=id.p

Transcript

1. Android16 Migration Stories ~Building a Pattern for Android OS upgrades~ Harada Reo special thanks: @osa_osa_datt16
2. About Me Harada Reo CyberAgent.inc Ameba 📣 Speaker at DroidKaigi 2023 ✍ Article from DroidKaigi 2023
3. ゴール Android16対応の実例を見ながら OSアップデート対応の 「型」をつくる
4. きっかけ 意外とOSのアップデート対応の方法論って 世の中に共有されてないのでは？？ ▶ これを契機に共有されるようになったら嬉しい
5. アジェンダ 1 キャッチアップ 2 OSのリリースに備える 3 targetSdkの更新に備える 4 将来のOSアップデート対応に備える
6. アジェンダ 1 キャッチアップ 2 OSのリリースに備える 3 targetSdkの更新に備える 4 将来のOSアップデート対応に備える
7. リリーススケジュールの確認 AndroidDagashiなどを通じて できる限り早くリリーススケジュールをキャッチアップ ▶ チームメンバーに浸透させる
8. Android16の特徴 MAJORアップデートとMINORアップデートに分かれてお り MAJORリリースのタイミングが早まる
9. Android16の主な変更点 ・アダプティブレイアウト対応 ・Edge to edgeのオプトアウト廃止 ・予測型「戻る」ジェスチャーのサポート ・インテントリダイレクト攻撃に対するセキュリティ強化 ・ARTの内部変更 ・16KBの互換性モード 　etc..
10. [CM] DroidKaigi2025では・・ 基礎から学ぶ大画面対応 〜「Larege Screen Defferenctiated」認定アプリの開発知見〜」 において大画面対応について詳細に解説されているのでおすすめです！
11. [CM] DroidKaigi2025では・・ Android 16 × Jetpack Composeで縦書きテキストエディタを作ろう においてCanvasの追加仕様である「VERTICAL_TEXT_FLAG」を用いて Composeで縦書きのテキストエディタを作るという興味深い話もありました
12. 気をつけるべきポイント ”OS”の更新と”targetSdk” の更新による影響を仕分ける 期限内にやること多いな・・と焦ってしまう （実体験）
13. キャッチアップの理想状態 ・OSアップデート対応のスケジュールの把握 ・OSのリリースとtargetSdkの更新による影響の把握 ・その中で 時間がかかりそうな対応をピックアップ ・属人化せずに チームメンバーに浸透 させる
14. アジェンダ 1 キャッチアップ 2 OSのリリースに備える 3 targetSdkの更新に備える 4 将来のOSアップデート対応に備える
15. Android16の主な変更点 ・アダプティブレイアウト対応 ・Edge to edgeのオプトアウト廃止 ・予測型「戻る」ジェスチャーのサポート ・インテントリダイレクト攻撃に対するセキュリティ強化 ・ARTの内部変更 ・16KBの互換性モード 　etc..
16. Android16の主な変更点 ・アダプティブレイアウト対応 ・Edge to edgeのオプトアウト廃止 ・予測型「戻る」ジェスチャーのサポート ・インテントリダイレクト攻撃に対するセキュリティ強化 ・ARTの内部変更 ・16KBの互換性モード 　etc.. そもそもビルドできるのか・・ 変更点多すぎる・・ Edge to edge対応大変そう・・ 大画面対応あんまりできてないから心配・・ Predictive back gestureちゃんと動作するのか な インテントリダイレクトのセキュリティ強化って どう影響するんだろう・・・ 🤔
17. targetSdkを上げてチーム内でお触り会 betaプログラムで最新OS落とすのが理想だが エミュレーターでの確認でも十分可能 betaプログラム お触り会で使ったFigma抜粋
18. targetSdkを上げてチーム内でお触り会開催 わかったこと ・ビルド失敗などのシステム上致命的な問題は起きなかった ・Edge to edge対応しないといけない画面がかなり多い ・大画面表示だと一部ボタンが押せないといったユーザー体験上の問題がある ・Predictive back gestureは意外と動作する ▶ アダプティブレイアウト対応とEdge to edge対応≒Android16対応 　 という認識になり、 取り越し苦労がなくなる
19. Android16の主な変更点 ・アダプティブレイアウト対応 ・Edge to edgeのオプトアウト廃止 ・予測型「戻る」ジェスチャーのサポート ・インテントリダイレクト攻撃に対するセキュリティ強化 ・ARTの内部変更 ・16KBの互換性モード 　etc.. ビルドはできる！！ 対応すべきポイントは意外と少なかった！！ Edge to edge対応頑張るぞ！！ 大画面対応は一部画面に限られている！！ ☺
20. QAテストによる確認 ・確認端末にAndroid16端末と大画面対応目的で Fold端末を追加 ・確認端末増加によりテスト工数が増加してしまうので 　FirebaseのAnalyticsや過去の不具合事例を加味して 　一部OS端末を確認対象から外す (Android12と13は共通した問題が起きやすい等) ・インテントリダイレクトのセキュリティ強化による影響が 　キャッチアップ時やお触り会時には把握しきれなかった（悪魔の証明） 　ので画面遷移周りを要確認 してもらう
21. OSのリリースに備える上での理想状態 ・ビルドできる状態 ・変更点の中で自分たちのアプリに影響している変更点をお触り会などを通じ て 　洗い出してある状態 ・お触り会では確認しきれなかった変更点などをまとめて依頼できている状態 　（QA体制がある場合） ▶ targetSdk更新すると起きるもの以外でクリティカルな問題がなくなれば 　 OSのリリースに関しては安心して待つことができる ▶ targetSdk更新による問題点≒Android16対応という認識を持たせる
22. アジェンダ 1 キャッチアップ 2 OSのリリースに備える 3 targetSdkの更新に備える 4 将来のOSアップデート対応に備える
23. targetSdkを上げてチーム内でお触り会開催 わかったこと ・ビルド失敗などのクリティカルな問題は起きなかった ・Edge to edge対応しないといけない画面がかなり多い ・大画面表示だと一部ボタンが押せないといったユーザー体験上の問題がある ・Predictive back gestureは意外と動作する ▶ アダプティブレイアウト対応とEdge to edge対応≒Android16対応 　 という認識になり、取り越し苦労がなくなる
24. targetSdkを上げてチーム内でお触り会開催 わかったこと ・ビルド失敗などのクリティカルな問題は起きなかった ・Edge to edge対応しないといけない画面がかなり多い ・大画面表示だと一部ボタンが押せないといったユーザー体験上の問題がある ・Predictive back gestureは意外と動作する ▶ アダプティブレイアウト対応とEdge to edge対応≒Android16対応 　 という認識になり、取り越し苦労がなくなる 🥵
25. Edge to edge対応 ・Edge to edgeの取り組みは2022年のDroidKaigiの発表であるくらい 　知見は世の中に共有されている（ありがたい話ではある） 　▶ 画面構成に応じた対応方法があるので迷う 　▶ 実際のプロダクトで検証しながらベストプラクティスを掴む ・ベストプラクティブを元にclaudeで大雑把に対応してもらう 　▶ AndroidViewとComposeが入り混じってるので完璧にはいかなかった 　▶ 既にInsets処理されているせいで余計に上部のpaddingがつくことも 　▶ rootのviewに背景色をつけないとInsets調整が上手くいかないことも 　▶ 古のres/layout-v21/が残っていると対応が漏れすることも
26. AndroidViewにおいては以下の調整がおおよその対応 ViewCompat.setOnApplyWindowInsetsListener(targetView) { view, insets -> view.setPadding( insets.getInsets(WindowInsetsCompat.Type.systemBars()).left, insets.getInsets(WindowInsetsCompat.Type.systemBars()).top, insets.getInsets(WindowInsetsCompat.Type.systemBars()).right, insets.getInsets(WindowInsetsCompat.Type.systemBars()).bottom ) return@setOnApplyWindowInsetsListener insets }
27. Composeにおいては以下の調整がおおよその対応 // とりあえずInsets調整 Modifier#safeDrawingPadding // その他の書き方 Modifier#windowInsetsPadding // 部分的にInsets調整したい Modifier#safeDrawingPadding.only(WindowInsets. TOP) // その他の書き方 Modifier#windowInsets TopHeight (WindowInsets.safeDrawing)
28. Edge to edge対応 ・Edge to edgeの取り組みは2022年のDroidKaigiの発表であるくらい 　知見は世の中に共有されている（ありがたい話） 　▶ 画面構成に応じた対応方法があるので迷う 　▶ 実際のプロダクトで検証しながらベストプラクティスを掴む ・ベストプラクティブを元にclaudeで大雑把に対応してもらう 　▶ AndroidViewとComposeが入り混じってるので完璧にはいかなかった 　▶ ツールバーがInsetsを回避して余計に上部のpaddingがつく事例もあり 　▶ rootのviewに背景色をつけないとInsets調整が上手くいかない事例も あり 　▶ 古のres/layout-v21/が残っていると対応が漏れする事例あり 約80画面対応 SingleActivityしか勝たん 🤮
29. アダプティブレイアウト対応で問題に上がるケース ・画像のアスペクト比起因の表示崩れ ・ダイアログやボトムシートの高さ調整ミス ・スナックバーのpadding調整 ▶ 正規レイアウトを対応するわけではないので 　 実装ミスを修正する文脈が強い
30. アジェンダ 1 キャッチアップ 2 OSのリリースに備える 3 targetSdkの更新に備える 4 将来のOSアップデート対応に備える
31. ゴール Android16対応の実例を見ながら OSアップデート対応の 「型」をつくる
32. 要約 ・リリーススケジュールの確認しチームに浸透 ・OSリリースとtargetSdk更新を切り分ける ・チームのお触り会やQAにより取り越し苦労をなくす ・チームの温度感を上げながら対応する
33. 今後のために ・Viewベースの画面よりもComposeベースの方が 　UI周りの修正がシンプル 　▶ Compose移行は地道に 進める 　▶ @PreviewScreenSizesで多様な端末の表記を確認 ・古いライブラリは ビルドが通らない要因 になる 　▶ 古いサードパーティ製のライブラリは徐々に剥がす ▶ renovateなどを通じてバージョン更新も都度対応
34. 余談 最近ambient agents という概念を知りました ▶ イベントを監視してユーザーからの明示的な入力なしにアクションを起こ す
35. 我々はOSのアップデートのために 働いているわけではないので・・
36. 一連の流れを アンビエントエージェント 的に できたら理想・・！（出来たらまた登壇します）
37. \ 懇親会でみなさんのOSアップデート話聞かせてください /