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ゲームクラッキング&チートチャレンジ

 ゲームクラッキング&チートチャレンジ

2017/09/01 CEDEC 2017での、杉山の講演資料になります

Recruit Technologies

September 04, 2017
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Transcript

  1. 4. 代表的なチート方法 • チート手法の代表的な例 – メモリ改ざん • 動作中のアプリの重要な値をメモリ上から特定、直接改ざ んを行い有利な状態にする •

    一般的なツールが利用されるのでネット上でよく見かける – データ改ざん • アプリが利用する重要データの書き換えを行い有利な状態 にする – アプリ改造 • アプリの処理自体を一部書き換えて再パッケージ化、イン ストールして不正な動作をさせる • 自サイト等での配布目的だからか、技術詳細はネット上で あまり見かけない – 不正通信 • アプリ上で生成されたデータをサーバに送信する際に通信 経路上で重要データを書き換える • アプリがサーバのレスポンスから重要データを読み込む際 に通信経路上で重要データを書き換える 4
  2. 4. 代表的なチート方法 - メモリ改ざん • メモリ改ざん – メモリ上の改ざんしたい値を検索して改ざんする – 要root権限

    または デバッグ接続 5 検索&絞り込み 改ざん 反映 条件を変えて有利に進行 E7 8C AB E3 81 8B E3 82 8F E3 81 84 E3 81 84 00 73 6F 20 63 75 74 65 00 40 9C 00 00 63 61 74 73 66 6C 75 66 66 79 00 66 6C 75 66 66 79 00 00 00 敵HP:40000 E7 8C AB E3 81 8B E3 82 8F E3 81 84 E3 81 84 00 73 6F 20 63 75 74 65 00 01 00 00 00 63 61 74 73 66 6C 75 66 66 79 00 66 6C 75 66 66 79 00 00 00 敵HP:1
  3. 4. 代表的なチート方法 - メモリ改ざん • メモリ改ざんで起こること – アプリ上での処理に利用するデータがおかし くなり正常動作とは著しく異なる条件でゲー ムが進行する

    • 敵の弱体化 • プレイヤーの無敵化 • 極端に短時間なクリア時間の実現 • 所持していないアイテム、キャラクターの利用 など – 特にUI上などから値を確認しやすいデータ (メモリ上から探しやすい)が改ざんされる 7
  4. 4. 代表的なチート方法 - データ改ざん • データ改ざん – データ領域のゲーム進行上重要なデータファイルを 改ざん –

    要root権限 または デバッグ接続 8 ローカルにデータ保存 改ざん 読み込み 条件を変えて有利に進行 敵HP:40000 敵HP:1
  5. 4. 代表的なチート方法 - データ改ざん • UserDefaultを使った値の保存 9 UserDefault* userDef =

    UserDefault::getInstance(); userDef->setIntegerForKey("resume_battle_turn", this->battle_turn); userDef->setIntegerForKey("resume_enemy_hp", this->enemy_hp); : 平文で保存されるので 簡単に書き換え可能!
  6. 4. 代表的なチート方法 - データ改ざん • データ改ざんで起こること – アプリ上での処理に利用するデータがおかしく なり正常動作とは著しく異なる条件でゲームが 進行する(メモリ改ざんと似ている)

    • 敵の弱体化 • プレイヤーの無敵化 • 所持していないアイテム、キャラクターの利用 • 非公開のキャラデータの有効化(キャラクターのマス ターデータなどの変更) など – ファイルとして存在しているデータが改ざんさ れる • 端末上のマスターデータ • バトル、パズルゲームなどのリジューム用データ 10
  7. 4. 代表的なチート方法 - アプリ改造 • IDA Proでの解析例 12 勝利条件(敵のHP) の判定

    敗北時の処理 勝利時の処理 分岐をつぶす 何もしていないと、 内部の関数名など(シ ンボル情報)が丸見え BattleでScoreを計算し ている処理、というこ とが一目でわかる
  8. 4. 代表的なチート方法 - アプリ改造 • IDA Proでの解析例(-fvisibility=hidden) 13 「sub_154DB4」と いう処理の内容が分

    からない名前に カジュアルに重 要な処理を解析 できなくなる 検索しても目的の処理 が出てこなくなる
  9. 4. 代表的なチート方法 - アプリ改造 • アプリ改造で起こること – 原理的にはアプリ上で行っている処理の全て を変更が可能 •

    ゲーム進行の条件変更全般 – 影響範囲は改造がどれくらい難しいかにか かっている……。 14
  10. 4. 代表的なチート方法 - 不正通信 • 不正通信 – アプリ、サーバ間でやり取りするデータを改 ざん等し、不正なデータでゲームをプレイ、 不正なデータをサーバに登録する

    15 Proxyツールを利用した改ざん リクエスト チートユーザの環境 改ざん 改ざんされた レスポンス 改ざんされた リクエスト Proxy ツール
  11. 4. 代表的なチート方法 - 不正通信 • 通信内容の書き換え 16 POST /sfx/battle_end.php HTTP/1.1

    User-Agent: Dalvik/2.1.0 (Linux; U; Android 5.1.1; Android SDK built for x86 Build/LMY48X) Host: 10.0.2.2:20080 Connection: close Content-Type: application/x-www-form-urlencoded Content-Length: 128 {"session_id":"9dee02513f8556066e4d68d096c9f7f5","battle_se ssion_id":"358","result":0,"score":0} これは…! バトル終了時の敗戦結果送信リクエスト例
  12. 4. 代表的なチート方法 - 不正通信 • 不正通信で起こること – リクエスト(アプリ→サーバ) • マイナス値、小数値を使ったアイテム等の無限増殖

    • 複数リクエストの同時送信による処理の重複実行でのアイ テム増殖 • バトル、パズルゲーム等のクリア結果の変更による不正な ゲーム進行 • GPSデータなどの不正変更による物理的制約の回避 • Botなどによるリクエスト自動送信での不正なゲーム進行 など – レスポンス(サーバ→アプリ) • バトル、パズルゲーム等の実行条件の不正な変更 – プレイヤーの能力強化 – 敵の能力弱体化 – パズルゲームの配置変更などの難易度変更 – その他クリア条件変更 • アプリ上で制限されている各種フラグの不正な変更 • 正常動作時のレスポンス再送による通常動作の偽装 17