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予知保全利用を目指した外観検査AIの開発 〜画像処理AIを用いた外観画像に対する異常検知〜

予知保全利用を目指した外観検査AIの開発 〜画像処理AIを用いた外観画像に対する異常検知〜

生成AIブームの波に乗り、企業活動におけるビジネス課題の解決手段としても、AI・機械学習を用いたソリューションが一般に浸透しつつあります。
産業に対するAI・機械学習課題としては、建物や道路、線路等の損傷や塗装剥げといった異常の検知に関するご相談を多く頂いております。
本セッションでは、前述の課題に対する解決策の一例をご紹介致します。
現場を想定した実験設定や、画像処理の技術を用いた具体的な異常検知手法、システム化する際のアーキテクチャ等について順を追って解説していきます。

[目次]
1. AI/MLを用いた画像処理の基本
2. 外観検査AIの適用領域と導入メリット
3. 一般的な画像中の異常検知手法
4. 外観検査システムの想定アーキテクチャ
5. 現時点の課題と今後の展望
6. まとめ

貞松政史

June 28, 2024
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Transcript

  1. AI/MLによるビジネス課題の解決 3 • 近年AI/MLのビジネス活⽤が⼀般に普及 ◦ 深層学習(Deep Learning)の登場 ◦ ⽣成AIの登場により更に加速 •

    クラスメソッドも様々なAI/ML課題を解決 ◦ 予測、分類、推薦、画像処理、⾳声処理 ▪ https://classmethod.jp/services/machine-learning/ ◦ ⽣成AIを活⽤した業務効率化 など ▪ https://classmethod.jp/services/generative-ai/ai-starter/
  2. • ⼀般的な⼿法(アルゴリズム)を適⽤ ◦ ImageNet、ResNet、VGG、Inception など ▪ ラベリング済みの学習データセットを⽤意してカスタム分類 モデルを作成 • クラウドサービス(SaaS)の利⽤

    ◦ 画像処理に特化したSaaSを利⽤ ▪ Amazon RekognitionやGoogle Cloud Vertex AI Vision など ▪ カスタム分類モデルを作成するだけでなく、有名な⼈物‧場所の 判別、コンテンツモデレーションなどの機能を活⽤することも可能 画像分類 10
  3. • OCRのツールやサービスを使⽤した解決 ◦ 商⽤のOCRソフトやクラウドサービス(SaaS) • ⽣成AIモデルを使⽤した解決 ◦ Anthropic社のClaude3は⽇本語対応の強化を明⾔ ◦ 最新のClaude3.5

    Sonnetはマンガのふきだしから ルビを除外したセリフを抽出するような込み⼊った テキスト抽出まで可能 テキスト抽出 12
  4. • Segment Anything Model (Meta社)を利⽤した異常検知 ◦ https://qiita.com/shinmura0/items/2ebe69c1a31ae1b98de2 ◦ ⼤規模データセットによる学習モデル ◦

    汎⽤性が⾼く、セグメンテーションに特化している ◦ テキストプロンプトを使⽤して特定の異常を検出 ◦ モデルサイズが⼤きく処理コストが ⾼い Segment Any Anomaly (SAA) 20
  5. • 画像向けの異常検知ライブラリで、Intel が提供する OpenVINOツールキット の⼀部 ◦ https://anomalib.readthedocs.io/en/latest/ ◦ 提供されているSegmentationモデル ▪

    PaDiM (2020) ※anomalibのデフォルト ▪ STFPM (2021) ▪ PatchCore (2021) ▪ CFLOW-AD (2021) ▪ FastFlow (2021) Anomalibで利⽤可能な⼿法 21 PaDiMによる出⼒の⼀例
  6. • クラウドサービスで⽤意されている外観検査⽤のSaaSを 利⽤することも可能 ◦ Amazon Lookout for Vision ▪ 数⼗枚程度の画像データでモデルの作成が可能

    ▪ https://aws.amazon.com/jp/lookout-for-vision/ ▪ https://dev.classmethod.jp/articles/lookout-vision-update-segmentation/ ◦ Google Cloud Visual Inspection AI ▪ ネットワークエッジやオンプレミスにデプロイ可能 ▪ https://cloud.google.com/solutions/visual-inspection-ai クラウドサービスによる解決 22
  7. AWS Cloud 想定アーキテクチャ 24 input Amazon ECR output Image Amazon

    S3 Amazon API Gateway Lambda - 学習データ - 学習モデル etc… Model Train Notebook - 独⾃コンテナ利⽤ - ここに異常検知アルゴリズムの 実装を押し込める - 学習ジョブ、推論ジョブ、 推論エンドポイントで利⽤ Amazon SageMaker Amazon SageMaker上で異常検知モデルの学習と推論を実⾏する想定で構成した場合 ユーザークライアント
  8. • 背景など複数要素が混在する複雑な画像への対応 ◦ 独⾃データセットによるファインチューニング ▪ 学習⽤データのアノテーション(ラベル付け)など、⾼コスト • 動画を対象としたリアルタイム異常検知 ◦ リアルタイムに動画内の異常箇所を検出、表⽰

    ◦ 推論の処理速度やアプリケーションの実装など課題あり • エッジ端末による推論処理 ◦ クラウド環境でなくローカルのエッジ端末で推論処理を実⾏ ◦ モデルサイズの最⼩化、処理速度と性能(精度)のトレードオフ 現時点の課題 26
  9. 31