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機械語の観点から見るCPUの違い

 機械語の観点から見るCPUの違い

以下動画のテキストです。
https://youtu.be/-mlle9FgNyI

Satoru Takeuchi

July 15, 2020
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Transcript

  1. CPUの違い • CPUはものによって様々な違いがある • 機械語という観点に絞って違いを説明 ◦ 機械語: CPUが命令として解釈できるバイナリ • 大きく分けて、次の点によって機械語レベルの違いが出る

    ◦ アーキテクチャ: x86_64, ARM… ◦ メーカー: x86アーキテクチャにおける IntelとAMDなど ◦ モデル: 「第<n>世代Coreアーキテクチャ」の<n>による違いなど
  2. アーキテクチャの違い • 演習 ◦ X86_64 CPUとARM CPUで機械語レベルの違いを見る • 必要なパッケージ(Ubuntu 18.04)

    ◦ golang ◦ Binutils ◦ Binutils-arm-linux-gnueabi • やること ◦ Goでx86_64とarmの実行ファイルを作る ▪ X86_64: go build -o test-x86_64 test.go ▪ Arm: GOARCH=arm go build -o test-arm test.go ◦ それぞれのアセンブリ言語と機械語を出力して違いを見る • 互換性があるアーキテクチャもある: x86_64はx86の命令もサポート
  3. メーカーによる違い • CPUのメーカーによってサポートする命令セットは異なりうる • 例) 仮想化機能 ◦ IntelはVT-x、AMDはSVM ◦ /proc/cpuinfoのflagsフィールドを見ればわかる

    ◦ 互換性は無い • 仮想マシンを起動する命令 ◦ Intel VT-x: vmlaunch: バイナリ列は”0F 01 C2” ◦ AMD SVM: vmrun: バイナリ列は”0f 01 d8” • カーネル内でも使い分けている ◦ コード: arch/x86/kvm/{vmx,svm} ◦ モジュール: /lib/modules/<カーネルバージョン>/kernel/arch/x86/kvm/kvm-{amd,intel}.ko
  4. モデルによる違い • 同じメーカーでもモデルによってサポートする命令セットは異なる • 例) AVX2: 一度に複数の浮動小数点演算をする命令セットの一つ ◦ いわゆるSIMD ◦

    第三世代Coreプロセッサ(ivybridge): サポートしない ◦ 第四世代Coreプロセッサ(haswell): サポートする • Gccではオプションによって命令セットを使うかどうかを分けられる ◦ -mavx2: AVX2命令セットを使う ◦ -march=haswell: haswellでサポートされている命令セット (AVX2を含む)を使う • Linuxディストリビューションによって対応方法は様々 ◦ なるべく多くの環境で動くバイナリを標準パッケージとする ◦ ユーザがCPUモデルを選択してビルドできるようにする