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高齢者UIへの取り組みと自発的改善チームの作り方 / Elderly UI and Scrum Team

高齢者UIへの取り組みと自発的改善チームの作り方 / Elderly UI and Scrum Team

twitterはこちら。 https://twitter.com/shikichee

Takuya Shikichi

July 11, 2019
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Transcript

  1. 高齢者UIへの取り組みと
    自発的改善チームの作り方
    Ubie, Inc. 敷地 琢也
    @shikichee
    2019/07/11 HealthTech0.5#3 HealthTech各社サービスの技術的要件

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  2. 敷地 琢也
    @shikichee
    エンジニア 兼 スクラムマスター
    2年前に社員一人目としてUbieにジョイン
    自己紹介

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  3. 今日お話しすること
    1. AI問診Ubieについて
    2. 高齢者UIへの取り組み
    3. 自発的改善チームの作り方

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  4. Ubieは、医師とエンジニアが創業した
    AI医療スタートアップです。
     代表:阿部吉倫(医師)・久保恒太(エンジニア)
     設立:2017年5月
    従業員:24名 (2019年6月現在)
    資本金:5.7億円(資本準備金含む )
    ユビー
    Ubieとは

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  5. © 2019 Ubie, Inc. 5
    主な事業
    医療機関向け 業務効率化
    AI問診Ubie
    患者向け 病気推測
    Dr.Ubie

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  6. © 2019 Ubie, Inc. 6
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    病院で、
    患者が診察を待つ間に
    起きていること

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  7. © 2019 Ubie, Inc. 7
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  8. © 2019 Ubie, Inc. 8
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    外来診療が増えると...
    医師は、医師本来の診療業務以外で忙殺されている
    それ以上に
    電子カルテ記載など事務作業が増える
    * Annals of Internal Medicine(2016年9月)
    +1時間
    +2時間
    +1時間

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  9. © 2019 Ubie, Inc. 9
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    * 過労死ラインは厚生労働省基準、勤務医残業量は厚生労働省調査より
    80
    時間/月
    166
    時間/月
    過労死ライン
    過労死ラインをはるかに超える残業量
    勤務医

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  10. © 2019 Ubie, Inc.
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    0
    取組み1:AIによる、個別化された事前問診
    患者一人ひとりの症状に合わせて、 AIが質問を自動生成。
    医師の診断に必要な事前情報を、従来の紙問診より「深く」「広く」聴取できるように。

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  11. © 2019 Ubie, Inc.
    1
    1
    取組み2:自然言語処理による「翻訳」
    医師監修のもと、患者の事前問診結果に自然言語処理を施し、医師の専門語に翻訳して出力。
    患者が事前に答える画面
    (約十数問)
    医師が診察時に見る画面

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  12. © 2019 Ubie, Inc.
    1
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    実績
    * 目々澤醫院 頭痛外来の事例。導入前
    10.26±1.63分(n=48)、導入後3.54±1.46分(n=164)(2018年11月 頭痛学会)
    ** 2017年7月〜2019年6月。導入数はのべ。
    外来の問診時間
    90件以上
    導入医療機関
    (大病院10件含む)
    1/3に短縮

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  13. 全てが順調ではなかった


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  14. 今日お話しすること
    1. AI問診Ubieについて
    2. 高齢者UIへの取り組み
    3. 自発的改善チームの作り方

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  15. 時は遡ること2年前

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  16. 構想から2ヶ月で
    プロダクトをリリース

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  17. 次々とクリニックに導入するも。。

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  18. ほぼすべて8件のクリニックで離脱

    導入して、3日で使われなくなることも...

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  19. 導入病院では想定と違うことが
    患者
    受付
    患者
    使い方が全然わからないんだけど...(怒)
    スミマセン。。いつもの用紙をお使いください
    (全然効率化できてない。次から使うのやめよう
    )
    これ、何したらいいんですか...?(困)

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  20. なぜ使えないのか???


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  21. 実は病院に来る初診患者

    40%が70代以上だった


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  22. 公園にいる高齢者にインタビュー

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  23. 社員の親戚にインタビュー
    一人が現地でインタビュー
    もう一人がリモートでビデオチャット。気づいたことを観察&メモ

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  24. Webやアプリで使われるUIが
    伝わらない!?

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  25. ドロップダウン
    「何をしたらいいで
    すか・・?」

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  26. キーボード & インクリメンタルサーチ
    (なんか出てきた。
    打てない・・・)

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  27. スライドバー
    (何をしたら・・?)

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  28. そのほかにも発見がたくさん
    ● ボタンをグッと押し込んでしまい、反応しない
    ● 画面遷移が早すぎると気づかない
    ● 難しい漢字が読めないことも(痰、咳など)
    ● コントラストが低い&文字が小さいと読めない

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  29. PCやスマホに慣れていないと大変なUI
    高齢者が普段使い慣れてる
    デバイスを参考に新しいUIを開発

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  30. ドロップダウンをやめて数字入力式に
    After

    Before


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  31. 高齢者がよく使うUI、ATMからヒントを得た

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  32. キーボード配列を、あいうえお表配列に

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  33. カラオケのデンモクからヒントを得た

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  34. スライドバーをやめてボタン式に

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  35. ウォシュレットを参考に

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  36. 視覚障害がある方の見え方を
    疑似体験できるゴーグルでテスト
    さらに改善していくために、顧客になりきる

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  37. 細かい改善 & 改善
    ● ボタンを押した時に音を鳴らす
    ● 一定時間操作がないとボタンが点滅
    ● 英語を極力使わない(タップなど)
    ● 色の調整
    ● 質問文を目立たせる
           

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  38. 全てが順調ではなかった


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  39. 今日お話しすること
    1. AI問診Ubieについて
    2. 高齢者UIへの取り組み
    3. 自発的改善チームの作り方

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  40. 全く進捗が出ない日々が続く
    とある週の振り返り
    ボードより

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  41. 当時のプロジェクト体制
    施策決め 開発
    (なんでリリースできないんだろう)
    メンバーアサイン
    (このタスクなんだ?
    今、誰が何やってるんだっけ・・??) (このタスクなんだろ?
    次に何やればいいんだ?)
    デザイナー カスタマー
    サクセス
    医師 エンジニア

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  42. 開発内で起こってたこと
    ● タスクの優先順位が分からない
    ● Doingに残り続けるタスク
    ● 他の人のコードレビュー大変
    ● 何が終わるべきで、何が終わらなかったのかわからない
    ● 開発コスト込で優先順位つけられていない
    施策決め
    開発

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  43. チームの分割 & スクラム導入
    医師 & プロダクトオーナー
    カスタマーサクセス &
    プロダクトオーナー
    エンジニア &
    スクラムマスター
    デザイナー &
    スクラムマスター
    患者画面チーム 医師画面チーム

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  44. POとSMは、全員CSM, CSPO研修に参加
    スクラム何やればいいの? 疑問が続出
    メンバーには、少しずつ理解してもらう
    スクラムマスター
    プロダクトオーナー
    チームメンバー

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  45. スクラムガイドをもとに各ミーティングの意義を説明
    引用: スクラムガイド
    https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2017/2017-Scrum-Guide-Japanese.pdf
    1. 該当するイベントのスクリーンショッ
    トを会議の説明欄に貼る
    2. ミーティング開始時にみんなで読む
    3. スクラムマスターが補足して、
    イベント開始

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  46. 独自ルールを作らずに

    まずは型通りにやることが重要


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  47. 導入初期は当然うまくいかない
    バックログ見ても分からない 見積もりが合わない 他チームからの差し込み
    振り返りボードより

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  48. 導入初期は当然うまくいかない
    バックログ見ても分からない 見積もりが合わない 他チームからの差し込み
    振り返りボードより
    分かりやすく
    書くことを徹底
    見積もり時に
    詳細化
    差し込みタスクを
    毎日共有

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  49. 次第にチームが成長

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  50. 自然と様々な良い現象が
    ● 自然とペアプロが発生
    ● 全員が施策を理解してるため、レビューが爆速
    ● プロトタイプに全員でコメント
    ● デザイナーや医師が分析用のSQLを書いたり、
    Dockerを立ち上げて修正し、プルリク作るように
    ● インタビュー動画を見ながら全員でアイディア出し

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  51. スクラムの導入により

    自発的改善チームへ


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  52. まとめ
    AI問診Ubieについて
    → 医師の業務を効率化するタブレット問診
    高齢者UIへの取り組み
    → 使い慣れたデバイスを参考にUI改善
    自発的改善チームの作り方
    → 型通りのスクラム導入し成長したチームへ

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