オープンセミナー広島2019 登壇資料 #OSH2019 https://togetter.com/li/1322013
#OSH2019人生がときめく「学び」の魔法ACROQUEST TECHNOLOGY CO. LTD.谷本 心 (SHIN TANIMOTO)
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#OSH2019なぜ私たちは「学ぶ」のか?• お金持ちになりたいから?• 知識でマウントしたいから?• 誰かに指示されているから?• 学ぶことが好きだから?
#OSH2019より良い人生を送るため
#OSH2019このセッションの内容• 学びのメタな部分を紹介する• 何を学ぶべきか?• どこに向かって学ぶのか?• どのように学び進めるのか?• 学びに対する「考え方の土台」をつくるためのお話
#OSH2019自己紹介• 谷本 心 (Shin Tanimoto)• Acroquest Technology株式会社(新横浜)• ITアーキテクト、テクニカルコンサルタント• Twitter: @cero_t
#OSH2019自己紹介• Javaコミュニティ活動• 日本Javaユーザーグループ(JJUG)幹事• 関西Javaエンジニアの会(関ジャバ)幹事• JavaOne / SpringOneなどで登壇• 日本3人目のJava Champion• Java本格入門(技術評論社)• 趣味は対戦格闘ゲームとBABYMETAL
#OSH2019僕と学び• アーキテクトやコンサル、コミュニティ活動のために、流行の技術に敏感であることが求められる立場• 継続的な努力は苦手、長続きしない• 短期間で一気にスキル習得して、次に行く
#OSH2019第一部 人生がときめく「学び」の魔法私たちは何を学ぶべきか?
#OSH2019NETFLIXでも大人気のこんまり• もともと日本のバラエティ番組から広まった「こんまりメソッド」• 住居事情が異なる海外でも、なぜか大流行• 恐らく「禅」に通じる考え方でもあるのでは?
#OSH2019大きな成功を収めた方の言葉にはメタな真理が含まれている
#OSH2019「片付け」を別の言葉に置き換えてもすべて当てはまる
#OSH20191. 触った時にときめくものだけ残す
#OSH20191. 触った時にときめくものだけ残す• モノを一つひとつ手にとり、ときめくモノは残し、ときめかなかったモノをすべて捨てるのです。そうすると、あなたの持ちモノはすべてときめくモノだけになります(毎日がときめく片付けの魔法 P.93)• “doesn't spark joy”既存のコードを削除する際のコミットコメントとして流行中
#OSH20191. 触った時にときめくものだけ残す• 自分の持っているスキルを棚卸して、ときめくスキルは継続して学び、ときめかなかったスキルをすべて捨てるのです。そうすると、あなたの持っているスキルはすべてときめくスキルだけになります
#OSH20191. 触った時にときめくものだけ残す• スキルは時間を掛ければ掛けるだけ伸びる• 一番できる人 = 一番時間を費やしている人• 好きこそものの上手なれ• ときめくスキル = 自分が時間を掛けることができるスキル• 限られた時間の中で、伸ばすスキルの取捨選択が必要
#OSH20192. 片付けは、一気に、短期に、完璧に
#OSH20192. 片付けは、一気に、短期に、完璧に• 「毎日少しずつ片付ける」を続ければ、いつかは片付くと思っていませんか。断言しますが、それでは一生、片付けられないまま終わります。片付けは、一気に、短期に、完璧に、やるべきものです。(毎日がときめく片付けの魔法 P.90)
#OSH20192. 片付けは、一気に、短期に、完璧に• 「毎日少しずつ勉強する」を続ければ、いつかはスキルが身に着くと思っていませんか。断言しますが、それでは一生、スキルがないまま終わります。勉強は、一気に、短期に、完璧に、やるべきものです。
#OSH20192. 片付けは、一気に、短期に、完璧に• 継続した努力は、人類には難しい• 三日坊主になるなら、三日間でやり抜けば良い• 「10日間頑張る」と新しい習慣になる by こんまり• 学生時代は時間割で各科目を均等に勉強していたがそれで私たちは学び方を間違ったのかも?• ターゲットを決めて、一気に学んだほうが効率が良い
#OSH20193. 正しい順番で「モノ別」に片付ける
#OSH20193. 正しい順番で「モノ別」に片付ける• もしかして、場所別・部屋別に片付けてはいませんか。それがリバウンドする大きな原因の一つです。正しい順番で「モノ別」に片付けることを肝に銘じてください。• 「モノを選び抜く作業」をしていくことで、「ときめき感度」を上げていくことができます。
#OSH20193. 正しい順番で「モノ別」に片付ける• もしかして、プロジェクト別に勉強してはいませんか。それが伸び悩む大きな原因の一つです。「分野別」に学習することを肝に銘じてください。• 「スキルを選び抜く作業」をしていくことで、「ときめき感度」を上げていくことができます。
#OSH20193. 正しい順番で「モノ別」に片付ける• プロジェクト(仕事)で必要になる部分だけ勉強するとどれも「60点」どまりのスキルしか身に着かない• 言語、設計、フレームワーク、ミドルウェア、アプリケーションアーキテクチャ、インフラなど、分野を決めて、一つひとつを深く習得すべき• 一つの分野を習得する際に獲得した「メタスキル(スキルを学ぶためスキル)」が別の分野のスキル習得の際に活きる
#OSH2019いったん整理しましょう
#OSH2019学びは線形的なものだと思っていませんか?
#OSH2019学びはパラメーターの割り振り
#OSH2019学びはパラメーターの割り振り• 最初からゴールを見てると、辛くなるし大変になる• できる範囲で、スキルのパラメーターを +1 する• +1 するだけなら、3日でもできる• 連続して積み上げると効率的• 心がときめくスキルを +1 する
#OSH2019学びはパラメーターの割り振り• 満遍なく割り振るよりも、分野を絞ってパラメーターを一気に伸ばして、それから他の分野を学ぶと効率が良い• 一つの分野で獲得した「メタスキル」を、他の分野で利用できるから• メタスキルとは「視点」「学び方」「発信とフィードバックの得方」など
#OSH2019パラメーターを割り振るのは「自分」• 自分の時間を消費して、パラメーターを上げる• どこにどれだけ積み上げるかは、「自分」の責任• 無駄な積み上げをしても、「自分」の責任• 会社や周囲の指示やアドバイスがあったとしても、それを聞くかどうかは「自分」の責任• ただし一人前を稼げるようになるまでは、会社の指示を聞くべき
#OSH2019パラメーターを割り振るのは「自分」• 正味の話、パラメーターごとに投資価値は異なる• スキルには、価値(コスパ)が高いものも低いものもある• 投資価値の高いスキルを見つける手段はいくつかある• 未来予測• 世間のニーズの把握、自身のニーズの把握• 本質の把握• そのあたりは割愛(参考資料を見てください)
#OSH2019第一部のまとめ
#OSH2019心がときめくスキルのパラメーターを積み重ねる
#OSH2019良い人生を送るために心がときめく分野のスキルを身に着ける
#OSH2019第二部 「学習の高速道路」を行く私たちはどこに向かって学ぶのか?
#OSH2019学習の高速道路• 羽生善治(棋士)が2004年頃に唱えた概念• 「(ITとインターネットの普及により)将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということだと思います。」
#OSH2019学習の高速道路• インターネットがもたらしたもの• 大量の情報、経験知• 個人の発信に対するフィードバックの容易さ、早さ• SNSによる、既存の枠を超えた人脈の広がり• 学校や会社など身近なコミュニティ → 全国、全世界• レベルが高い人たちの「当たり前」に感化される
#OSH2019学習の高速道路• 初学者が、より短時間でプロの一歩手前になれる• プロフェッショナルの優位性がなくなる• 携帯電話ショップ店員より製品に詳しいガジェットクラスタ• 一般的なエンジニアよりもプログラミングに詳しい薬剤師• IoTやAIの分野に詳しい農家
#OSH2019学習の高速道路• 羽生善治(棋士)が2004年頃に唱えた概念• 「(ITとインターネットの普及により)将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということだと思います。
#OSH2019学習の高速道路• 羽生善治(棋士)が2004年頃に唱えた概念• 「(ITとインターネットの普及により)将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということだと思います。でも、その高速道路を走り切ったところで大渋滞が起きています」
#OSH2019学習の高速道路• 誰もが容易にセミプロになれる• しかし、そこからさらに抜きん出ることは困難
#OSH2019そうだとしたら、どのような戦略を取るべきか?
#OSH2019ここで再びパラメーター割り振り
#OSH2019ここで再びパラメーター割り振りここまでは簡単に積み上げることができる
#OSH2019スキルをさらに磨いて突出するか?
#OSH2019他のスキルを磨くか?
#OSH2019誰も得ていないスキルを磨くか?
#OSH2019学習の高速道路の先にある3つの道別の高速道路高速道路のさらに先誰もいない獣道
#OSH2019学習の高速道路の先にある3つの道• 高速道路のさらに先をゆく• 遥かに突出した個人を目指す• 「才能」「好きを極める」「際立った個性」• こんまり: 幼少期からずっと片付けのことを考え続けていた• プログラミング言語界隈: 文法や言語のあり方を論じ続ける
#OSH2019学習の高速道路の先にある3つの道• 誰もいない獣道を開拓する• 進むのは大変だが、その先はブルーオーシャンの可能性が高い• 尋常ならざる熱量で、現状を変え、物事を進める• TJO(六本木で働くデータサイエンティスト)• 研究者を辞めた時のこと、そしてその後のことhttps://tjo.hatenablog.com/entry/2019/01/31/190000
#OSH2019学習の高速道路の先にある3つの道• 別の高速道路に乗る• 複数のスキルのエキスパートとなる• スキルの組み合わせにより、個人をブランド化する• kawaii x METAL x 和 = BABYMETAL• Java x 格闘ゲーム x たこ焼き = @cero_t
#OSH2019そして4つめの道• 高速道路に乗らず、ゆっくり歩く• 走る人もいれば、歩く人もいる• 走る人も、常に走り続けなければいけないわけではない• 余裕から生まれるアイデア、寛容さ、豊かさ
#OSH2019第二部のまとめ
#OSH2019学習の高速道路が敷かれたがそれをどう進むかは個人に委ねられる
#OSH2019自分の個性を理解してそれにあわせた道を歩む
#OSH2019第三部 学習の発展段階を歩む私たちはどのように学び進めるのか?
#OSH2019文明は5つの発展段階を経る1. 体: 肉体的優位者が勝つ、農業の時代2. 物: 物量で勝る者が勝つ、工業の時代3. 知: 情報を駆使する者が勝つ、商の時代4. 心: 人々の心を支配した者が勝つ、芸の時代5. 理: 全ての真理を手にした者が勝つ、学の時代
#OSH2019格闘ゲームも5つの発展段階を経る1. 体: 操作を覚えた者が勝つ2. 物: より強い連携技を使う者が勝つ3. 知: 深い知識を持つ者が勝つ4. 心: メンタルと読みあいで上回った者が勝つ5. 理: ゲームの本質を理解した者が勝つ
#OSH2019IT技術の学習も5つの発展段階を経る1. 体: 書籍やWebを写経をして、使い方を把握する2. 物: 応用的な使い方、テクニックを習得する3. 知: 細かな挙動や、内部の仕組みを習得する4. 心: 開発者のポリシーや、利用者の感情を把握する5. 理: その技術とは何か、という本質を理解する
#OSH2019物事の本質は手を動かし、学び抜き、それに関する想いを把握したさらにその先にある
#OSH2019他人が得た「本質」を受け売りで話すのはあまりにも空虚
#OSH2019こんまり、羽生善治が得た「本質」を受け売りで話すこのセッションは大丈夫か?
#OSH2019先人が得た本質は共有される• 〇〇宣言、〇〇Manifestなど言われるものは、本質が詰まっている• IT系だと、マーチンファウラーの言葉など• ただし素人がしたり顔で語ると、痛い目に遭いやすい• こんまりメソッドや、羽生善治の言葉は特定のジャンルに限らない本質を表している
#OSH2019本質の追求こそが、学びの目的• ある分野について本質を理解するレベルに至ると、別の分野においても、それを応用することができる。• 「これって、〇〇でいうところの、あれだよね」• 応用の仕方を間違えると「老害」になるので注意• それが大事なメタスキルの一つ。
#OSH2019本質の追求こそが、学びの目的• 高速道路の先を目指す → 本質を「探究」する• 獣道を行く → 本質を「発見」する• 複数の高速道路に乗る → 複数の本質を「理解」する
#OSH2019エピローグ今あるモノで、ときめく暮らしをしてみる
#OSH2019今あるモノで、ときめく暮らしをしてみる• 「友達を呼べるようなおうちにしたいんです」Kさんの「理想の暮らし」はこうでした。「でも、片付けが終わるまでは人も呼べません」• おうちの中の「今あるモノ」を活用するだけで、今すぐにでも実現できてしまう「理想の暮らし」はたくさんあるのです。
#OSH2019今あるモノで、ときめく暮らしをしてみる• 片付いたキッチンで素敵な食器をセットで持ってる人だけが「素敵な暮らし」を実現できると思い込んでいませんか。• そんなことはありません。ちょっとした工夫と、ちょっとしたアイデアと、ちょっとした遊び心があれば、今あるモノだけで、誰だっていますぐ「ときめく暮らし」が実現できるのです。
#OSH2019今あるモノで、ときめく暮らしをしてみる• 「登壇できるようなエンジニアになりたいんです」僕の「理想の暮らし」はこうでした。「でも、スキルが身に着くまでは登壇できません」• 自分の中の「今あるスキル」を活用するだけで、今すぐにでも実現できてしまう「理想の暮らし」はたくさんあるのです。
#OSH2019今あるモノで、ときめく暮らしをしてみる• 仕事でJavaのトラブルシュートを経験をした僕は、少し勇気を出し、それを小さな勉強会のLTで話しました。• そして、その4年後、サンフランシスコのJavaOneでトラブルシューティングについて発表するに至りました。
#OSH2019今あるモノで、ときめく暮らしをしてみる• 海外でのカンファレンス登壇、書籍の執筆、Java Championの任命など、ありがたい状況になった最初の小さなきっかけは「今あるスキル」でLTをしたことでした。• このエピソードが、皆さんにとっての小さなきっかけになれば幸いです。
#OSH2019人生がときめく「学び」を楽しみましょう!
#OSH2019(あわせて読みたい)• 技術選定の審美眼 (和田 卓人)• https://speakerdeck.com/twada/understanding-the-spiral-of-technologies• Be a great engineer!(谷本 心)〜フォローすべきトレンド スルーすべきトレンドを どう見抜くのか• https://speakerdeck.com/shintanimoto/ccc2016fall-be-a-great-engineer-number-jjug-ccc-number-ccc-a1