2021.03.05開催のCreators MIX 2021で登壇した際の発表資料です https://creatorzine.jp/news/detail/1791
レシピサービスに買い物体験を組み込むにあたって向き合った課題と解決までの話
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自己紹介● 佐野大河です● 2017新卒でクックパッドアプリのデザインをやっています● 昨年の途中から、クックパッドアプリに買い物機能を組み込む部分のデザインをやっています
プロジェクトにジョインしたときの話● 昨年2月ごろ、「クックパッドアプリ内で、クックパッドマートとの連携をやるから、そこのデザイナーやってくれ」と言われた
クックパッド● レシピの検索・投稿サービス● 毎日の「献立どうしよう」の声に応えています● (外部向け資料を持ってくる)
クックパッドマート● 地域の生産者が販売する食材を、1品から送料無料で、ユーザーの近隣の受け取り場所へお届けするサービス● (外部向け資料持ってくる)
どんなことができそう?● レシピに必要な材料が買える● 買う食材でつくれるレシピが見つかる○ 真っ先に思いつくのはこのあたり?当時の自分もこれをイメージしましたし、実際最初の叩きとして描かれていたものもこういったものでした
作りたい体験は単純ではなく● 悩む時間が減り献立決めと買い物が今までよりも楽になる!● 買ったことない食材や、つくったことないレシピに今まで以上に挑戦しやすくなる!● etc...
ただ必要な食材が買える、必要なレシピが見つかる、じゃなく、レシピと買い物が融合することでより広い範囲でユーザーの毎日の料理体験を良くできる!
昨年10月、買い物機能をリリース● こんなUI
リリースまでに向き合った3つの課題
登場人物● レシピを投稿している人● レシピを探しに来ている人
登場人物● 買い物する人● 買い物したくてもできない人
「買い物をする人」以外の体験を設計する必要がある
買い物機能を使えない人● 買い物機能の対象ユーザーはクックパッドマートの配送エリアのユーザーに限られるという制約への対応をどうするか...
レシピを探しに来ている人● 多くの人は「今日の」献立をどうしようとレシピを探しにきている● 明日以降届く前提の買い物機能をネガティブに捉えられないか...
レシピを投稿している人● 「クックパッドがユーザーのレシピを使って儲けようとしている」と印象がわるくならないか...
どうやってネガティブな印象を避けるか、、?● 現CEO「価値のあるものだと信じてやってるわけだからポジティブに思えるようにしたいよね」○ これによってどんどん最高のデザイン作れたぜ!てわけじゃないけど、考え方として印象に残っています
ネガティブをどう避けるかよりもいかにポジティブに思ってらもえるか
[買い物機能を使えない人]
90%以上のユーザーが機能を使えない● クックパッドマートの配送エリアのユーザーに限られるが故● とはいえクックパッドには全国にユーザーがいる● 人口比率にすると90%以上のユーザーが機能を使えない
この辺りの話はnoteにも書いたのでぜひ● リンク
[レシピを探しに来ている人]レシピ閲覧の邪魔にならない、かつ、レシピ探し→買い物がスムーズになるように(もうちょい端的に)
ほとんどの人がレシピを探しにきている● そこから買い物ができる体験をつくりたい○ それに価値があると信じてるので● 「今日の」献立を決めたい人、レシピを見てつくりたい人の邪魔にならないか...○ 食材が買えることがレシピの付加価値になるには?○ レシピを探す体験と買い物をする体験が共存するには?
レシピのどこから食材が買えるかのが良いか?● レシピを見るのを邪魔せず、かつ「この食材が買える」とわかるように○ 材料欄横のアイコンから変えるように。あくまでレシピが主。ハーフモーダルであくまでレシピ画面の上で探せるように○ 他の没案も紹介?
[レシピを投稿している人]自分の書いたレシピが役に立つと思えるように
レシピ作者さんに適切なコミュニケーションを● レシピから食材が買えるようになることを伝える● 「クックパッドがユーザーのレシピを使って儲けようとしている」と印象がわるくならないか● PdM主導でメッセージを作り具体化
レシピから買い物できる体験をポジティブに伝える● こんなデザイン
リリースまでに向き合った課題まとめ
リリースまでに向き合った課題まとめ● ネガティブをどう解消するか、よりも、どうポジティブに捉えてもらうか○ ユーザーにとって価値があると信じてやっているものなので、その気持ちはストレートに● リアルな反応を見てバランスを決める○ 一方向に向きすぎないように○ 正直、ネガポジの反応は実際に見ないとわからない○ ユーザーインタビューを通じて解決策を決めていった
リリースしてどうだったの?
リリースしてどうだったの?● 懸念していた既存ユーザーのネガティブな反応、炎上のようなわかりやすいトラブルは皆無● 一方で、自然に買い物を使い始める人も全然いない○ 家にあるもので何つくろう、と買い物は文脈が逸れている
まだまだこれから
現在地と未来(イベントのタイトルにあやかってまとめ)● 現在地○ 買い物する以外の人も含めポジティブに感じるユーザーとのコミュニケーションを整え、レシピ×買い物の土台をつくった● 未来○ 「献立決め」と「買い物」が融け合った新しい体験をつくり、毎日の料理がより楽しみになるようにしていく