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一次産業のIoT事例にみる、屋外センシングの可能性【SORACOM Discovery 2022】

一次産業のIoT事例にみる、屋外センシングの可能性【SORACOM Discovery 2022】

スマートフォン等で用いられるLTE/5Gといったセルラー通信が、IoTデバイスでも手軽に利用できるようになったことで、あらゆる現場のデジタル化が進んでいます。その有用性をさらに広げる試みとして「屋外でのセンシング」に注目が集まっています。本セッションは、屋外の中でも厳しい環境である「海上」においてIoTを活用している方をゲストに迎え、屋外センシングの実現ポイントや可能性をお聞きいたします。

ウミトロン株式会社 共同創業者/最高技術責任者 岡本 拓磨
株式会社ソラコム ソリューションアーキテクト 横田 峻

SORACOM

July 06, 2022
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Transcript

  1. 屋外でのIoTデバイス利用 屋内 • 豊富な電源 • 豊富なネットワーク • 安定した環境 • アクセス容易

    屋外 • 限られた電源 • 限られたネットワーク • 不安定な環境 • アクセス困難
  2. 自己紹介 岡本拓磨 • ウミトロン株式会社 ◦ 共同創業者 / 取締役 / CTO

    • 経歴 ◦ 東京理科大学・大学院 ◦ グリー株式会社(2012 - ) ◦ 株式会社メタップス(2014 - ) ◦ ウミトロン株式会社(2016 - )
  3. UMITRON CELLのセンシング • インターネットと接続しデバイスをコントロールする基盤 ◦ Raspberry PiとArduino ◦ インターネット接続は SORACOM

    Air • センシングしているデータ ◦ カメラによる水中の動画像 ◦ タンクの中の餌重量 ◦ GPS ◦ バッテリーの電圧 ◦ モーターの電流 • サーバサイドはAWS ◦ デバイスとAWS IoT MQTTで双方向通信
  4. 電源の課題と対策 • 洋上には電源がない ◦ 現実的に使えるのは太陽光発電のみ ◦ 太陽光で稼働するようにデバイスを設計する必要がある • 季節によって日照時間が変化 ◦

    愛媛県だと夏至と冬至で日照時間に約 4時間半の差がある • 悪天候での発電量の低下 ◦ 14日間連続で日照時間ゼロの経験がある
  5. 電源の課題と対策 • 低電力で動くArduinoを常時起動、Raspberry Piは日中のみ起動 ◦ ArduinoがRaspberry Piの電源を管理する ◦ 養殖は基本的に日中のオペレーション •

    バッテリー電圧を常に監視 ◦ 電力低下にすぐ気づいて、対応できるようにする ◦ 発電量の低下、消費電力の増加の異常に対応 • リモートからデバイスの稼働時間や処理を制御 ◦ 季節や悪天候に応じて稼働時間を調整できるようにする ◦ データのアップロード頻度を調整できるようにする
  6. ネットワークの安定性の課題と対策 • SORACOM Airを創業期から採用 ◦ 沿岸養殖の範囲は携帯回線が利用できる ◦ 日本国内だとLTEがだいたい使える ◦ 海外でも全くの圏外という場所には遭遇していない

    • ネットワークの疎通はデバイス内で常に監視 ◦ AWS IoTが繋がらなくなったらプロセスの再起動をする ◦ それでもつながらなかったら Raspberry Piの再起動をする • ArduinoがRaspberry Piの生存を監視 ◦ ArudinoからRaspberry Piに一定間隔で疎通確認 ◦ Raspberry Piが応答しなかったらハングアップしてると判断して電気的に再起動する
  7. 人がすぐ行けない問題の課題と対策 • デバイスの故障・不調をリモートで早く気づける仕組みを作る ◦ そのデバイスでセンシングしたいデータ以外のメンテナンスのためのデータを送る ◦ バッテリーの電圧・モーターの電流・各種センサーの接続状態 ◦ 異常があればアラートを飛ばす •

    リモートからデバイスの調査ができる仕組みを作る ◦ 必要なデータ・ログをすべて飛ばすことはできない ◦ リモートからSSHでログインして調査する • 新たな問題に柔軟に対応できるような仕組みを用意する ◦ 屋外で起こるすべての問題を事前にテストしておくことは不可能 ◦ 初めて遭遇する問題に対応できるような余地を作る ◦ リモートからソフトウェアのアップデートを簡単にできるようにする
  8. 過酷な自然環境の課題と対策 • なるべくシンプルなセンシングで課題を解決できないか考える ◦ 一つの課題解決のためにいろいろな方法を考える • カメラは洋上でも安定して使える ◦ 防水が簡単 ◦

    壊れにくい、壊れてもすぐわかる ◦ 技術革新と低価格化が速い ◦ 動画像データの応用の幅が広い • センサーやパーツの交換・追加がしやすいハードウェア構成にする ◦ 故障したセンサーだけ交換する ◦ 新しくセンサーを追加するために USBポートを余分に作っておく