$30 off During Our Annual Pro Sale. View details »

一次産業のIoT事例にみる、屋外センシングの可能性【SORACOM Discovery 2022】

一次産業のIoT事例にみる、屋外センシングの可能性【SORACOM Discovery 2022】

スマートフォン等で用いられるLTE/5Gといったセルラー通信が、IoTデバイスでも手軽に利用できるようになったことで、あらゆる現場のデジタル化が進んでいます。その有用性をさらに広げる試みとして「屋外でのセンシング」に注目が集まっています。本セッションは、屋外の中でも厳しい環境である「海上」においてIoTを活用している方をゲストに迎え、屋外センシングの実現ポイントや可能性をお聞きいたします。

ウミトロン株式会社 共同創業者/最高技術責任者 岡本 拓磨
株式会社ソラコム ソリューションアーキテクト 横田 峻

SORACOM
PRO

July 06, 2022
Tweet

More Decks by SORACOM

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 一次産業のIoT事例にみる、 屋外センシングの可能性 ウミトロン株式会社 CTO 岡本 拓磨 様 株式会社ソラコム ソリューションアーキテクト 横田

  2. IoT(Internet of Things) インターネット クラウド モノ 小型化 低コスト化 迅速な データ処理

    多様なネッ トワーク
  3. 屋外でのIoTデバイス利用 屋内 • 豊富な電源 • 豊富なネットワーク • 安定した環境 • アクセス容易

    屋外 • 限られた電源 • 限られたネットワーク • 不安定な環境 • アクセス困難
  4. ウミトロン株式会社 CTO 岡本 拓磨 様

  5. install Sustainable Aquaculture on Earth

  6. 自己紹介 岡本拓磨 • ウミトロン株式会社 ◦ 共同創業者 / 取締役 / CTO

    • 経歴 ◦ 東京理科大学・大学院 ◦ グリー株式会社(2012 - ) ◦ 株式会社メタップス(2014 - ) ◦ ウミトロン株式会社(2016 - )
  7. UMITRONのmissionは 「install Sustainable Aquaculture on Earth」 地球に持続可能な水産養殖を実装し 養殖を次世代の食糧生産方法に移行させることです

  8. 水産養殖はアジアを中心としたタンパク需要と 中間所得層増加により急成長を続けている Aquaculture Capture fisheries • 人口増加と中間所得層増加により動物性タンパクの需要が急増 • 世界の漁業・養殖業事業者の 85%がアジア地域に存在

    • 近年は養殖業での雇用の伸びが顕著でアジア地域で 1100万人が 養殖業に従事 million
  9. 水産養殖は最も将来性の高い食糧生産方法の一つであり、沿岸海域を活 用することで現在の世界の水産物消費量の100倍を生産可能 Rebecca R. Gentry, et. al., Mapping the global

    potential for marine aquaculture, Nature Ecology & Evolutionvolume 1, pages1317–1324 (2017)
  10. 飼の原料である魚粉の価格は15年で3倍に高騰し 飼料コストは総生産コストの50%を占める

  11. 給餌効率をテクノロジーで最適化する • 魚の摂餌行動から無駄餌の検知と削減 ◦ 機械学習で魚の摂餌行動を定量化 • 人手の制約を受けない魚の生育に最適な給餌 ◦ 日々変わる魚の食欲に対して最適な量・タイミングでの給餌を実現 無駄餌削減による飼料コストの削減

    魚の早期育成による給餌効率の向上
  12. IoTと機械学習を用いた自動給餌器

  13. None
  14. 遠隔からの給餌制御とデータの蓄積 モニタリング 遠隔給餌制御 生育管理 データ蓄積

  15. 魚の食欲解析による給餌の最適化

  16. UMITRON CELLのセンシング • インターネットと接続しデバイスをコントロールする基盤 ◦ Raspberry PiとArduino ◦ インターネット接続は SORACOM

    Air • センシングしているデータ ◦ カメラによる水中の動画像 ◦ タンクの中の餌重量 ◦ GPS ◦ バッテリーの電圧 ◦ モーターの電流 • サーバサイドはAWS ◦ デバイスとAWS IoT MQTTで双方向通信
  17. 屋外でのセンシング

  18. 屋外でのセンシング

  19. 屋外でのセンシング

  20. None
  21. 洋上のセンシングの課題 • 電源がない • 有線ネットワークがない、WiFiが届かない • 人がデバイスの近くにいない、すぐにデバイスの所へ行けない • デバイスが設置される自然環境が過酷

  22. 電源の課題と対策 • 洋上には電源がない ◦ 現実的に使えるのは太陽光発電のみ ◦ 太陽光で稼働するようにデバイスを設計する必要がある • 季節によって日照時間が変化 ◦

    愛媛県だと夏至と冬至で日照時間に約 4時間半の差がある • 悪天候での発電量の低下 ◦ 14日間連続で日照時間ゼロの経験がある
  23. 電源の課題と対策 • 低電力で動くArduinoを常時起動、Raspberry Piは日中のみ起動 ◦ ArduinoがRaspberry Piの電源を管理する ◦ 養殖は基本的に日中のオペレーション •

    バッテリー電圧を常に監視 ◦ 電力低下にすぐ気づいて、対応できるようにする ◦ 発電量の低下、消費電力の増加の異常に対応 • リモートからデバイスの稼働時間や処理を制御 ◦ 季節や悪天候に応じて稼働時間を調整できるようにする ◦ データのアップロード頻度を調整できるようにする
  24. ネットワークの安定性の課題と対策 • 洋上は有線のネットワークはない、陸からのWiFiも届かない ◦ 沿岸養殖といえども陸地からは遠い場合もある • ネットワーク接続を安定させる必要がある ◦ ネットワークが不通になった場合の対応 •

    Raspberry Piを安定して動作させる必要がある ◦ 突然のハングアップへの対応
  25. ネットワークの安定性の課題と対策 • SORACOM Airを創業期から採用 ◦ 沿岸養殖の範囲は携帯回線が利用できる ◦ 日本国内だとLTEがだいたい使える ◦ 海外でも全くの圏外という場所には遭遇していない

    • ネットワークの疎通はデバイス内で常に監視 ◦ AWS IoTが繋がらなくなったらプロセスの再起動をする ◦ それでもつながらなかったら Raspberry Piの再起動をする • ArduinoがRaspberry Piの生存を監視 ◦ ArudinoからRaspberry Piに一定間隔で疎通確認 ◦ Raspberry Piが応答しなかったらハングアップしてると判断して電気的に再起動する
  26. 人がすぐ行けない問題の課題と対策 • 常にデバイスの近くに人がいるわけではない ◦ 養殖事業者は生簀上以外の作業もたくさんある ◦ デバイスに問題が起きたときにユーザが気づきにくい • 洋上は人がすぐ行けない ◦

    船で行く必要がある ◦ 天候が悪いと船は出せない ◦ 遠い生簀は港から30分くらい船でかかったりする ◦ 物理的な対応は減らしたい
  27. 人がすぐ行けない問題の課題と対策 • デバイスの故障・不調をリモートで早く気づける仕組みを作る ◦ そのデバイスでセンシングしたいデータ以外のメンテナンスのためのデータを送る ◦ バッテリーの電圧・モーターの電流・各種センサーの接続状態 ◦ 異常があればアラートを飛ばす •

    リモートからデバイスの調査ができる仕組みを作る ◦ 必要なデータ・ログをすべて飛ばすことはできない ◦ リモートからSSHでログインして調査する • 新たな問題に柔軟に対応できるような仕組みを用意する ◦ 屋外で起こるすべての問題を事前にテストしておくことは不可能 ◦ 初めて遭遇する問題に対応できるような余地を作る ◦ リモートからソフトウェアのアップデートを簡単にできるようにする
  28. 過酷な自然環境の課題と対策 • 洋上・屋外は防水が必須、天候の影響を受ける ◦ 陸上・屋内では使えるセンサーが使えなかったりする ◦ 実際の環境でないとテストが難しい • 長期間の稼働でハードウェアが劣化する ◦

    実際の環境で長期間稼働させてみないと発見できない
  29. 過酷な自然環境の課題と対策 • なるべくシンプルなセンシングで課題を解決できないか考える ◦ 一つの課題解決のためにいろいろな方法を考える • カメラは洋上でも安定して使える ◦ 防水が簡単 ◦

    壊れにくい、壊れてもすぐわかる ◦ 技術革新と低価格化が速い ◦ 動画像データの応用の幅が広い • センサーやパーツの交換・追加がしやすいハードウェア構成にする ◦ 故障したセンサーだけ交換する ◦ 新しくセンサーを追加するために USBポートを余分に作っておく
  30. まとめ • 屋外のセンシングでは後から柔軟に対応できるように備えておく ◦ すべてのテストを事前にしておくのは不可能 ◦ リモートから暫定対応できる仕組みを作る ◦ 継続してソフトウェアをリモートからアップデートすることは必須 ◦

    ハードウェアも漸近的に改善できるような余地を残しておく ◦ 故障したとしてもそれを次に生かせるようにデータは取れるようにしておく
  31. Thank you! 岡本 拓磨 CTO ウミトロン株式会社