$30 off During Our Annual Pro Sale. View Details »

アクセシビリティを高めてみんなに伝わる発表資料のつくりかた / Cybozu Presentation Accessibility

アクセシビリティを高めてみんなに伝わる発表資料のつくりかた / Cybozu Presentation Accessibility

サイボウズ株式会社で開催した「アクセシビリティを高めてみんなに伝わる発表資料のつくりかた」のスライド資料です。

以下のリンクから、PPT形式の資料を閲覧できます:
https://cybozu-my.sharepoint.com/:p:/g/personal/daisuke-kobayashi_cybozu_onmicrosoft_com/EUw8uxvLxodNgXG0jVlv0O4B5LJ0eKa-jmYLrcWnTZkovQ?e=8W0TJm

Daisuke Kobayashi

March 03, 2020
Tweet

More Decks by Daisuke Kobayashi

Other Decks in Design

Transcript

  1. アクセシビリティを⾼めて
    みんなに伝わる発表資料の
    つくりかた
    ⼩林⼤輔
    デザイン&リサーチ アクセシビリティエキスパート

    View Slide

  2. コンセプト
    誰に
    PowerPointを使って発表するサイボウズ社員に
    何を
    障害者・⾼齢者を含めて「すべて」の⼈に伝わる
    発表の仕⽅がわかった︕と⾔ってほしい

    View Slide

  3. アクセシビリティとは︖
    障害者・⾼齢者を含めて「すべて」の⼈が
    製品やサービスに⽀障なくアクセスできること

    View Slide

  4. よくある声
    障害者の⽅は⾃分たちとは全く違うんだな
    ⼀部の⼈に配慮するのはコストが⾼そう

    View Slide

  5. 誰でも「⾒えない」「⾒えづらい」ことがある
    ▌ モニターから遠い位置に座っていたら
    ▌ 古いプロジェクターを使っていたら
    ▌ スマホで資料を⾒ていたら
    ▌ テレビ会議の画質が低下したら
    ...

    View Slide

  6. 「特別な配慮の対象」ではなく「道しるべ」
    「極端」に⽬を向けることで「汎⽤」が獲得できる

    View Slide

  7. よりよい発表をするには︖

    View Slide

  8. よりよい発表のポイント
    1. 参加しやすい場所・時間を設定する
    2. 発表資料を事前に共有する
    3. 視覚だけに依存しない表現を使う

    View Slide

  9. 1. 参加しやすい場所・時間を設定する
    ▌ 会場
    l 会場に到達するまでにサポートが必要か考えましょう
    ▌ 座席
    l 参加者にあわせて座席を設定しましょう
    ▌ 休憩
    l 余裕を持った休憩時間を設定しましょう
    l 参加者が休憩がとりやすいようにサポートしましょう

    View Slide

  10. 2. 発表資料を事前に共有する
    ▌ 参加者が確認したい⽅法で確認できるようになる
    l スクリーンリーダーで読み上げる
    l 拡⼤したりハイコントラストモードで表⽰する
    l 理解できる⾔語に翻訳する
    l Office365 ではなく ファイル添付 で共有しよう
    l PDF ではなく PowerPoint で共有しよう

    View Slide

  11. 3. 視覚だけに依存しない表現を使う
    ▌ スライドに書かれた重要な情報は、すべて⾳声で伝える
    (タイトル・本⽂・画像・図表・グラフ)
    ▌ 挙⼿アンケートしたときは、結果をフィードバックする
    ▌ 指⽰語だけ・⾊だけを使った表現を避ける
    l 例︓「これとこれを⽐べると」
    l 指、ポインタ、マウスカーソルでスライドを指すときは要注意

    View Slide

  12. 4. ⾳声を聞き取りやすくする
    ▌ マイクを使ってはっきりしゃべる
    ▌ ⼝の形が⾒えるようにする
    ▌ シンプルでわかりやすい⽇本語を使う
    ▌ 参加者の質問は復唱する

    View Slide

  13. 発表資料のつくりかた

    View Slide

  14. みんなに伝わる発表資料のガイドライン
    1. 読みやすいフォントを使う
    2. 情報を⾊だけで伝えない
    3. コントラストを⾼める
    4. 画像に代替テキストをつける
    5. ⼀意なタイトルをつける
    6. 読み取り順序を確認する

    View Slide

  15. 1. 読みやすいフォントを使う
    ▌22ポイント以上のゴシック体を使う(UDフォントも有効)
    ▌斜体や⽴体書体は避ける
    ▌⾏の⾼さを⼗分にとる(⽂字の⾼さの1.2〜1.5倍)
    Why︖
    l ロービジョンや読字障害の⼈が読みやすくなる
    l 遠⽅からスライドを⾒ても読みやすくなる

    View Slide

  16. 22ポイント以上の⽂字を推奨する根拠
    ▌Microsoftの資料によると、英数字については18ポイント以上
    が推奨されている
    ▌⽇本語の全⾓⽂字の場合は、拡⼤教科書普及推進会議 第⼀次
    報告「第2章 拡⼤教科書の標準的な規格について」に基づき、
    22ポイント⼜は18ポイントの太字を「同等な」サイズとみな
    すのが妥当である (WCAG2.0より)
    ▌24ポイント以上がよいという意⾒も多数あります。

    View Slide

  17. やめよう こうしよう
    例︓読みやすいフォントを使う
    αΠϘ΢ζגࣜձࣾ
    ୅දऔక໾ࣾ௕
    サイボウズ株式会社
    代表取締役社⻑

    View Slide

  18. 2. ⾊だけで情報を伝えない
    ▌⾊以外に「⽂字」「形」「配置」などで情報を伝える
    Why︖
    l ⼈の⾊覚によらず内容を理解できる(⾊覚多様性)
    l ⽩⿊印刷されても内容を理解できる

    View Slide

  19. やめよう こうしよう
    例︓⾊だけで情報を伝えない(グラフ)
    アプリ スペース ピープル メッセージ
    アプリ
    スペース
    ピープル
    メッセージ

    View Slide

  20. ⽩⿊印刷すると…
    アプリ スペース ピープル メッセージ
    アプリ
    スペース
    ピープル
    メッセージ

    View Slide

  21. やめよう こうしよう
    例︓⾊だけで情報を伝えない(⽂字の強調)
    多様なチームで働くため
    に嘘のない⾵⼟を作る
    多様なチームで働くため
    に嘘のない⾵⼟を作る

    View Slide

  22. 3 . コントラストを⾼める
    ▌⽂字⾊と背景⾊との間に⼗分なコントラストを確保する
    Why︖
    l ⾼齢者やロービジョンの⼈に⾊の違いが⾒やすくなる
    l 照明がついている部屋でも⾊の違いが⾒やすくなる
    l 品質の低いプロジェクターでも⾊の違いが⾒やすくなる

    View Slide

  23. コントラストの⾼い⾊の選び⽅
    ▌ ⽩⾊の⽂字に適切な背景⾊は、パレットのだいたい下2段の⾊
    厳密には、アクセシビリティチェック(後述)で調べる

    View Slide

  24. やめよう こうしよう
    例︓テキストに⼗分なコントラストを確保する
    サイボウズ
    世界中にチームワークを
    サイボウズ
    世界中にチームワークを

    View Slide

  25. 4. 画像に代替テキストをつける
    ▌画像・図表・グループ化したオブジェクトに
    「代替テキスト(代わりになる⽂章)」を⼊れる
    Why︖
    l 全盲の⼈は代替テキストがないと画像を理解できない

    View Slide

  26. 代替テキストをつける⽅法
    ▌ 画像を右クリック →「代替テキストの編集…」

    View Slide

  27. どんな代替テキストをつけますか︖(製品ロゴ)

    View Slide

  28. どんな代替テキストをつけますか︖(顔写真)

    View Slide

  29. どんな代替テキストをつけますか︖(グラフ)

    View Slide

  30. どんな代替テキストをつけますか︖(フローチャート)

    View Slide

  31. 代替テキストが思いつかない&⻑すぎたら…
    ▌ コンセプトを明確に (誰に何を伝えたい画像ですか︖)
    ▌ ⼝頭で詳しく説明する
    ▌ 発表者ノートに説明を書く
    ▌ 別のスライドに説明を書く

    View Slide

  32. 5 . スライドの読み取り順序を確認する
    ▌オリジナルのレイアウトを使う場合は、必ず順序を確認する
    (標準のレイアウトを使えば、読み取り順は問題ない)
    Why︖
    l スクリーンリーダーの読み取り順序が⾒た⽬と異なると
    全盲の⼈には意味が理解できなくなる

    View Slide

  33. 読み取り順序の確認⽅法
    ▌「ホーム」→「整列」→「選択ウィンドウ」
    ▌⾏をドラッグして読み取り順序を調整
    読み取り順序

    View Slide

  34. ワーク︓読み取り順序を確認する
    ▌ 以下の図表の読み取り順序を確認し、正しい順序に修正しよう
    理想を創る 役割分担する モチベーションが
    上がる
    ノウハウを
    蓄積する
    コミュニケーション
    しながらワークする

    View Slide

  35. 6 . ⼀意なタイトルをつける
    ▌タイトルを必ずつける
    ▌タイトルはそれぞれのスライドで⼀意にする
    Why︖
    l タイトルだけを辿って発表の概要を理解できる
    l タイトルをもとにスライドを⾒つけやすくなる

    View Slide

  36. やめよう こうしよう
    例︓⼀意なタイトルをつける
    1. 会社情報
    2. 会社情報
    3. 会社情報
    4. …
    1. 従業員数
    2. グローバル展開
    3. ⼈事制度
    4. …

    View Slide

  37. タイトルを省略したいときは︖
    1. タイトルは削除せず必ず⼊⼒する
    2. 「オブジェクトの選択の表⽰」でタイトルを「⾮表⽰」に
    l 「ホーム」→「整列」→「選択ウィンドウ」

    View Slide

  38. ワーク︓このスライドはタイトルを「⾮表⽰」にしています
    どんなタイトルがついているか確認してみよう
    「表⽰」→「アウトライン表⽰」
    ※元に戻すには「表⽰」→「標準」

    View Slide

  39. みんなに伝わる発表資料のガイドライン(再掲)
    1. 読みやすいフォントを使う
    2. 情報を⾊だけで伝えない
    3. コントラストを⾼める
    4. 画像に代替テキストをつける
    5. ⼀意なタイトルをつける
    6. 読み取り順序を確認する

    View Slide

  40. わからないことがあったら…
    「アクセシビリティの質問・相談」スレッドがあります

    View Slide

  41. 参考
    アクセシビリティチェックツール

    View Slide

  42. アクセシビリティチェックを開く
    ▌ 「校閲」→ アクセシビリティチェック

    View Slide

  43. アクセシビリティの検査結果

    View Slide

  44. 修正が必要な理由と修正⽅法

    View Slide

  45. 参考⽂献
    ▌障碍のあるユーザーが PowerPoint プレゼンテーションにア
    クセスできるようにする
    ▌How to Make Your Presentations Accessible to All

    View Slide