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【6619】ダブルスコープ.pdf

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企業分析:ダブルスコープ(6619)

目次
1. 選定銘柄とその理由
2. 企業概要
3. マクロ経済、業界動向〜リチウムイオン電池とセパレータ市場〜
4. 個別企業分析
カタリスト①EV需要の増加
カタリスト②生産力の強化
利益予想
リスク
5. Appendix

Takeaki Kumagai

January 16, 2020
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Transcript

  1. 目次 1. 選定銘柄とその理由 2. 企業概要 3. マクロ経済、業界動向 4. 個別企業分析 a)

    カタリスト① b) カタリスト② c) カタリスト③ d) 利益予想 e) リスク
  2. 注目銘柄 銘柄(銘柄コード): ダブルスコープ(6619) ▪直近の業績 (単位:百万円) 目標株価: 2000円 レーティング ▪カタリスト ü

    車載用セパレータの需要拡大 ü 生産設備の拡大 ▪リスク ü 地政学リスク ü 低利益率、高原価率 1. 銘柄選定とその理由 8,731 9,517 9,048 7,448 -2,862 -119 1,945 1,830 -4,000 -2,000 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 2018 2017 2016 2015 売上高 営業利益 当期純利益
  3. 市場動向:セパレータ市場 電気自動車ブームに伴う車載用の需要によって、リチウムイオンの需要は大きく上昇します。つれて、セパレータの市場規 模も大きく上昇し、2022年には6000億円を突破する見通しです。 出典:矢野総合研究所、リチウムイオン電池主要4部材世界市場に関する調査(2019)をもとに作成 https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0524478_01.pdf 184,838 235,088 334,538 418,821 496,561

    564,083 618,794 - 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 セパレータ 中国 日本 韓国 ▪セパレータの市場推移・予測、日中韓の出荷量比率 (単位:百万円、%) 2016 2017 2018 中国 45.5% 53.9% 56.7% 日本 39.9% 37.8% 34.8% 韓国 10.6% 8.3% 8.5% ▪主要サプライヤーと世界シェア(推測) 3. 業界動向 旭化成 17% 東レバッテリーセパ レータフィルム 9% 新郷市中科科技 7% Celgard 6% SK Innovation 6% 星源材質 9% ダブルスコープ 7% 宇部興産 6% 住友化学 4% その他 29%
  4. カタリスト① 車載用セパレータ需要 取引先であるLG化学は、米ゼネラルモーターズにリチウム電池の供給を行っています。今後も世界およびGMのEV生産台 数は上昇することが見込まれているため、LGからダブルスコープへのセパレータ発注も増加することが予想されます。また、 電気自動車で使用するセパレータの量は、スマホの8000〜10000台とも言われており、相当数の生産が必要です。 4. 個別企業分析 出典:大和証券・テーマ投資、WSCOPE・有価証券報告書をもとに作成 2014年 1,670

    2015年 3,399 2016年 3,395 2017年 3,935 2018年 3,973 2019年 未発表 LGからの受注実績(百万円) ▪バリューチェーン リチウム電池 セパレータ ▪新車販売におけるEV普及見通し 【参考】 GMがLG化学と2019年にバッテリー製造のJVを設立 出典:デロイトトーマツ、自動車レポートより作成(上) GM、Corporate Newsroomの記事をもとに作成(下)
  5. カタリスト② 生産設備の拡大 “ダブル・スコープはセパレータ生産設備を4ライン増 設すると発表した。新設の第12・13号ラインは平成31 年下期量産移行を予定、第14・15号ラインは平成32 上期量産移行を予定しており、全て稼働すると生産 能力は3.6倍となる。” 4. 個別企業分析 出典:WSCOPE、決算短信・各種公開情報をもとに作成

    来たる車載用の需要に備え、同社は集中的な設備投資に取り組んでいます。新設の4台は、2019年〜2020年にかけて稼 働予定で、生産能力は3.6倍になる見込みです。これまでの最大生産額から推測すると、最小でも350億円規模の生産能 力になります。 ▪稼働中、稼働予定の工場一覧(2019年公表)
  6. 2022年までの利益予想と目標株価 需要ベースと供給ベースから推測される業績および目標株価は以下です。2022年には供給ベースで34,261百万円、株価 が8200円に到達する可能性があります。 4. 個別企業分析 年数 2022 2021 2020 売上

    30,291 27,613 20,111 市場規模 618,794 564,083 496,561 市場シェア率 4.90% 4.90% 4.05% 目標株価 7,250 6,609 4,813 ▪需要シナリオ(市場シェア推移) 年 2022 2021 2020 売上 34,261 26,518 20,524 市場規模 618,794 564,083 496,561 市場シェア率 5.54% 4.70% 4.13% 目標株価 8,200 6,347 4,912 ▪供給シナリオ 20,111 27,613 30,291 20,525 26,518 34,261 4,813 6,609 7,250 4,912 6,347 8,200 3,500 4,000 4,500 5,000 5,500 6,000 6,500 7,000 7,500 8,000 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 2020 2021 2022 売上(需要ベース) 売上(供給ベース) 株価(需要ベース) 株価(供給ベース) 単位:左軸(百万円)、右軸(円)
  7. リスク 以下は同社のリスクです。特に着目したいリスクは以下になります。中国での売上比率が高い同社は、米中貿易摩擦の影 響を大きく受けます。また、そうした不安定な事業環境により、利益率は大きく減少しています。 4. 個別企業分析 原価率 112.05% 83.20% 62.46% 60.48%

    75.01% 売上総利益率 -12.05% 16.80% 37.54% 39.52% 24.99% 項目 2018 2017 2016 2015 2014 売上 8,731 9,517 9,048 7,448 4,522 原価 9,783 7,918 5,652 4,504 3,392 ▪利益率の低さ、原価率の高さ 2017年から原価率が急激に上がり、純利益もマイナス転落 している。2018年に関しては特に中国経済の影響が考えら れるが、詳細の要因に関しては見極められていない。 ü EV用の受注が増加するかが鍵となってくるが、量産が本 格的に始まる今年度は特に注視したい。 ▪地政学リスク 売上の8割が中国・韓国。2018年は貿易摩擦による需要減 から、韓国へのシフトを図った。これは見事に成功したが、事 業環境の不透明性は消えない。 ü 今年は、米中両国の緊張緩和が期待されており、需要 の回復が見込まれている。同社の株価は大きく影響を受 けることから政治動向に注目したい。 出典:WSCOPE、決算短信・各種公開情報をもとに作成 2014年から2018年までの同社の売上と原価、その率(百万円)