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Rubyと研究と私 − 開発助成採択者の10年後

Rubyと研究と私 − 開発助成採択者の10年後

Ruby Association Activity Report (2025-08-28) で発表したLTです。
https://rubyassociation.doorkeeper.jp/events/184561

以下リンク集。

Ruby組み込みライブラリRationalの最適化 (10年前の助成金公募)
大学改革支援・学位授与機構 (学士学位授与機関)
引用したRuby3.4.5のソース (Ruby処理系の「偏り」の例)
Integrating Static Optimization and Dynamic Nature in JavaScript (「偏り」を踏まえた論文)
ふりがな付きHTML文書に対する文字列探索 (ダジャレ駆動? <ruby>ist論文)

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Tadashi Saito

August 28, 2025
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Transcript

  1. 3/17 自己紹介 齋藤 匡 (ただし) • 電気通信大学の大学院・博士課程の学生 • フルタイム大学院生、専門はプログラミング言語・処理系 •

    5年前まではソフトウェアエンジニア (バックエンド) • ⇒ 修士課程のフルタイム学生に • Ruby歴: 四半世紀くらい、CRubyコミッター: 9年前から(inactive)
  2. 5/17 10年前の助成金公募 CRuby組み込みライブラリRationalの最適化 https://www.ruby.or.jp/ja/news/20160414 • CRubyのRational実装を最適化・速度の向上 • ⇒ マージ! •

    CRubyコミッターになるきっかけに • むらけんさん・なかださん・他の皆様、ありがとうございました • 何より、Rubyアソシエーション様に感謝申し上げます
  3. 10/17 役立ったこと 2. 現場での悩み • 本当はこうだったらいいのに (普遍性・一般性) • でも時間がないし、しょうがない…… (即物的)

    • ……という悩みを本分にできる! • 物事の理由・本質を突き詰めたい方にぜひおすすめ • 現場で通じなかった話が通じる人がたくさんいて、楽しい!
  4. 13/17 • JSエンジンで、 1. 新しめの構文を使って、 2. 古い最適化手法を活用する話 • 設計上の判断で「多い方をえこひいき・優先」を多用 •

    役立ったこと 3.1. 修士の学位と査読済み論文一つを得た 修士論文・それを元にした査読済み論文も (よくも悪くも) その「偏り」を踏まえた
  5. 14/17 役立ったこと 4. 研究補助もRubyで • ベンチマークスクリプトの集計もRuby • データをYAMLで吐き出せば、集計はとても楽 • その他のお役立ちスクリプトも、Rubyがたくさん

    • 役立ったこと 4.1. ついでにOSSにコミット! • Enumerable::Statistics、関連ドキュメント、TeX関連、他の ユーティリティ、(QuickJS、...)