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第4回鉄スクラップセミナー資料「AIで作る鉄鋼業界のサーキュラーエコノミー」

 第4回鉄スクラップセミナー資料「AIで作る鉄鋼業界のサーキュラーエコノミー」

㈱ 鉄リサイクリング・リサーチ主催の第4回鉄スクラップセミナーにて発表した資料です。

目次:
1.EVERSTEEL AI – Computer Vision(CV)システム
2.AI開発と、データと、鉄鋼業界の専門性と
3.EVERSTEEL AI の将来的な取り組み

Takumi Karasawa

October 10, 2024
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Transcript

  1. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 2 ⾃⼰紹介 唐澤拓⼰(からさわたくみ) / EVERSTEEL

    AI開発部マネージャー 東京⼤学 機械情報⼯学科 n ⾃動運転のためのマルチスペクトル画像認識AIの研究 東京⼤学⼤学院 情報理⼯学系研究科 n ニッチドメインへのAI転移適⽤に関する研究 株式会社DeNA / *GO株式会社(*事業統合により転籍) n ⾞載カメラ向けAI研究開発に4年半従事 n 顔認証AI、信号・歩⾏者などの交通環境認識AI開発 2022年3⽉より、 AI開発エンジニアとして参画。 現在、株式会社EVERSTEEL AI開発部マネージャー RGB NIR MIR FIR https://www.mi.t.u-tokyo.ac.jp/default/domain_adaptation https://drive-chart.com/ https://dl.acm.org/doi/10.1145/3126686.3126727
  2. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 3 ⽬次 1 EVERSTEEL AI

    – Computer Vision(CV)システム 2 AI開発と、データと、鉄鋼業界の専⾨性と 3 EVERSTEEL AI の将来的な取り組み
  3. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 4 1 EVERSTEEL AI –

    Computer Vision(CV)システム
  4. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 5 EVERSTEEL - Computer Vision

    Company for Steel Industry EVERSTEEL プロダクトビジョン リサイクルフロー全体へのサービス展開。プロセス全体のデータ⼀元管理に向けて。 電炉による鉄リサイクルプロセス 原料である鉄スクラップの品質管理が重要 本⽇のお話 ⼈⼿で検収作業を⾏うことからくる課題
  5. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 6 EVERSTEEL -「鉄ナビ検収」 EVERSTEEL 「鉄ナビ検収」

    検収データを⼀元管理。また、従来の検収業務は AI により全て代替。 屋外・クレーン 屋内・クレーン 屋外・重機 屋内・重機 多様な⼯場環境に対して カメラを設置
  6. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 8 EVERSTEEL -「鉄ナビ検収」導⼊実績 おかげさまで、現在業界の多くの企業様に導⼊を進めていただいております。 ⼤和⼯業様

    朝⽇⼯業様 トピー⼯業様 共英製鋼様 東京製鐵様 本⽇はこちらの「鉄ナビ検収」を⽀える Computer Vision 技術についてご紹介。
  7. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 9 そもそも Computer Vision(CV)って…︖ AIといっても分野は様々。

    EVERSTEELが特に専⾨としている領域は、コンピュータビジョン(Computer Vision、 CV)。 CVは、画像・動画のような視覚的なデータを対象としたAI分野。 ⾃然⾔語処理 Natural Language Processing (NLP) コンピュータビジョン Computer Vision (CV) ⾳声信号処理 Audio Signal Processing (ASP) IUUQTWJTPɻBJEFFQMFBSOJOHBQQMJDBUJPOTGPSEFFQMFBSOJOH 近年は領域を超えたマルチモーダルな研究が爆発的に進⾏しつつある…
  8. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 11 EVERSTEEL CVシステム for 鉄ナビ検収

    EVERSTEELでは、それぞれの⽬的に適した複数のAIを開発中…︕ Frame Selection(解析フレーム選定AI) Steel Grade Prediction(等級判定AI) Anomaly Object Detection(異物検出AI) Steel Parts Analysis(パーツ解析AI)
  9. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 12 Frame Selection(解析フレーム選定AI) 荷下ろし作業が⾏われる現場で 解析対象をAIにより⾃動で選定抽出。

    多様な撮影パターンに寄り添い、 最初のAIを構築。 n 現在、全⼯場で精度97%以上 デモ動画 現場の検収作業と両⽴させるために⽣まれる、最初のAI Frame Selection 解析 検収作業中の動画 解析対象の画像 屋外・クレーン 屋内・クレーン 屋外・重機 屋内・重機 (トラックを上から⾒ている向き)
  10. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 13 Anomaly Object Detection(異物検出AI) モーター類(モーター、⿊モーター)や密閉物(消化器、スプレー⽸、etc.)、

    またオーバーサイズの物体など、⼯場ごとに異なる需要に対して、全約40種を取り扱い。 国内の⼯場ごとに需要のある検出対象へ開発。全約40種の異物を取り扱い。 断熱材(insulation) アルミ(aluminum) ⿊モーター (compressor) 異物検出AIの検出結果例 主な取り扱い対象
  11. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 14 Steel Grade Prediction(等級判定AI) 単⼀等級トラックだけでなく、複数等級に分かれたトラック1台全体に対しても、

    検収員との誤差10%程度で査定が可能に。 検収員との誤差10%程度での査定を可能とする、等級判定AI 等級判定AIの予測結果例 (⻘︓実際の検収結果、オレンジ︓AIの予測結果) 各⼯場に合わせたAIチューニング 現場にヒアリングを⾏い、 検収員の皆様の査定のブレや特殊な換算ルールにも対応
  12. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 16 「AI」は「データ」から「学習」することにより構築される ねこ ねこ ねこ

    ねこ いぬ いぬ いぬ いぬ 正解ラベル 学習 予測 ではこれは…︖ なるほど なるほど。 むむ… AI = 学習アルゴリズム + 学習データ この仕組み、「学習データ」において重要なこととは…︖
  13. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 17 学習データにおいて重要なのは「量」と「質」 ねこ いぬ なるほど…?

    データ群から「ねこ」を学習するため、少量のデータ では共通の根拠を適切に捉えることができない ⽩=ねこ…︖ ねこ 量 ねこ ねこ ねこ なるほど なるほど (?) ねこ 誤ったデータが存在すると、 ⾼性能なAIの学習に悪影響がもたらされる 質 ねこ ねこ ⾒かけの「量」ではなく多様性が⼤事。 例えば… • 同じ等級でも鋼種の違い。 • 晴れ/⾬の条件、昼/夜の条件 多様性 メカニズムが理解できれば 他にもデータの重要点は考えやすい… ほぼ同じ2つのデータ → 特に、⾼性能を求めるにあたって、 データ量の重要性は常に語られる…
  14. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 18 学習データの量と質、近年のAI業界の⾵潮 学習に使⽤した検収データ数 正解率 A社の等級判定AIにおける

    学習データ数と正解率(EVERSTEEL) 学習データ数とデータの質に関する ⼀般的な調査 近年急速に発達する視覚⾔語モデルは、 画像とテキストの4億ペアで学習 (ChatGPTを開発するOpenAI社) [A. Radford+, Learning Transferable Visual Models From Natural Language Supervision, ICML2021] Year Dataset Scale Main Task 2009 ImageNet 1400万画像 画像分類 2014 COCO 33万画像 物体検出、 セグメンテーション 2015 Librispeech 1000時間の⾳声 ⾳声認識 2016 Open Images 数百万画像 物体検出、 セグメンテーション 2016 YouTube-8M 800万動画 動画分類 2020 JFT-300M 3億画像 画像分類 2021 CLIP 4億画像テキスト ペア ⾔語⇔画像 2022 Laion-5B 50億画像テキスト ペア ⾔語⇔画像 近年の急速なデータセットの⼤規模化 また、マルチモーダルへの広がり ↑近年発達している⽂章から画像を⽣成する AIの内部でも活⽤されている [A. Ramesh+, Hierarchical Text-Conditional Image Generation with CLIP Latents, arXiv2022]
  15. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 19 学習データセットの作成 = 「アノテーション」作業 アノテーション︓

    各データに付与される正解ラベル (また、そのラベルを付ける作業のこと) *厳密には、各データに注釈をつけること全般を指す なるほど なるほど。 ねこ ねこ ねこ ねこ いぬ いぬ いぬ いぬ 正解ラベル =アノテーション AIの学習イメージ図(再掲) データ収集 (撮影) アノテーション AI学習 ふりかえり AIは、 「データと正解ラベルのセット」から学習する → 正解を教えてあげるラベルが必要 運⽤ 解析 AI構築のライフサイクル
  16. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 20 EVERSTEELのアノテーションと、鉄鋼業界の専⾨性 AIの構築以前に、鉄鋼業界という専⾨性の⾼い領域において ⼤規模データセットの構築を図ることは極めて困難 各⼯場の

    検収情報 等級判定AI 各⼯場の 撮影データ 異物検出AI 紐づけ motor motor 異物アノテーション (位置情報+カテゴリ) アノテーション︓ 各データに付与される正解ラベル (また、そのラベルを付ける作業のこと) *厳密には、各データに注釈をつけること全般を指す データ収集 (撮影) アノテーション AI学習 ふりかえり 運⽤ 解析 AI構築のライフサイクル AIは、 「データと正解ラベルのセット」から学習する → 正解を教えてあげるラベルが必要 EVERSTEELのアノテーション 当然、正解ラベルを付与するには専⾨的な知識が必要
  17. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 21 EVERSTEEL アノテーションチーム 鉄鋼業界の専⾨性に真正⾯から挑むため、EVERSTEELでは専⾨アノテーションチームを構築。 配電盤、分電盤、給湯器…

    産業⽤モーター… ⿊モーター… プロジェクト管理(2名) 専⾨アノテータ(3名) 4年 1年8ヶ⽉ 1年8ヶ⽉ 「アノテーション作業」+「専⾨知識の習得」を継続実施。 n 現場の検収員さんとの交流勉強会の定期実施。 n 鉄スクラップパーツ・異物のEVERSTEELカタログを 構築・継続的なアップデート。 n 深い理解を得るための現地訪問。 EVERSTEEL アノテーションチーム EVERSTEELは、鉄鋼業界専⾨のAIアルゴリズムだけでなく、 鉄鋼業界専⾨のデータ・知⾒を積み上げていき、強みを発揮していきます
  18. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 22 3 EVERSTEEL AI の将来的な取り組み

    さらに⾼性能なAI、さらに便利なアプリケーションを⽬指して。 ⼀部の取り組みをご紹介。
  19. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 23 画像⽣成AIを活⽤した開発データセット⽣成 近年、画像⽣成AIが爆発的に発達。 ⽂章⼊⼒での極めてハイクオリティな画像の⽣成を可能としている。 ただし、特定の環境条件下のための画像を作るのは極めて困難。。。

    ⽣成したい実際の画像データ (トラックの中⾝を上から⾒た状態) “Steel scrap loaded on a truck” 各⼯場ごとでの⼤規模データ収集の難しさの課題感に向けて 綺麗だけど… ⽣成AIにより⽣成された画像
  20. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 26 「鉄ナビ検収」向け独⾃AIアルゴリズムの展開 Steel Grade Prediction(等級判定AI)

    配合プロセス向け鉄スクラップ解析 EVERSTEEL独⾃開発のAIアルゴリズムを 多様なプロセスへ展開・活⽤。 検収業務の代替であった「鉄ナビ検収」から 鉄鋼業界に必要とされるAI解析システムへ。 多様な鉄リサイクルプロセスへの展開、さらなる鉄鋼業界の発展に向けて 適⽤
  21. CONFIDENTIAL © 2024 EVERSTEEL Inc 27 さいごに EVERSTEELは、1社ごとに寄り添った開発を⾏いながら、 国内スクラップのビッグデータを活⽤し、⽇本を起点としてSteel Techの時代を切り拓いてまいります

    n 各現場と密接な関係性で構築するAIアルゴリズム n 国内特化で培う⼤規模鉄スクラップデータ・ドメイン知識 現在、⾮公開企業含め、⼤⼿電炉メーカー様7⼯場へ導⼊中。 更に追加で4拠点導⼊準備中。また来年度すでに10⼯場以上の検討が進⾏中。 エリア 導⼊中 検討中 北海道・東北地⽅ - 2⼯場 関東地⽅ 4⼯場 3⼯場 中部地⽅ 1⼯場 2⼯場 近畿地⽅ 2⼯場 6⼯場 中国・四国地⽅ - 1⼯場 九州地⽅ - 1⼯場