題目:“因果推論駅”の奥の方を探訪しながら考える — われわれの諸研究は内的に/外的にどのような繋がりを持っているのか
概要:現実の問題自体に興味関心がある(issue-drivenな研究の)場合、統計的因果推論は様々にありうる研究アプローチのうちの一つとなる。その際、統計的因果推論がその他の研究アプローチとどのような関係にありうるのかは必ずしも明瞭ではないように思われる。また、統計的因果推論のアプローチの内でも、因果グラフを用いる方法論と潜在反応モデルを用いる方法論の関係が明瞭に議論されることも少ない。本発表ではまず、因果グラフを用いた方法の基礎となるバックドア基準の解説を行った後、潜在反応モデルについての解説を行う。そこから、両者のどちらも構造的因果モデルにより記述できることを解説し、諸研究アプローチの間の内的/外的な繋がりをどのようなものとして捉えうるかについて議論したい。