「聴衆の多くは発表に興味がない」という場面で,いかにして要点を伝えると良いか.個人的に意識していることをまとめました. 改善点,修正すべき点,不明点があれば@7a7hiまでお願いします.
要点を聞いてもらえるプレゼン資料を作ろう平岡 達也@7a7hi東京⼯業⼤学 D32022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 1※このスライド⾃体は「読み物」として作成しているため,本資料で紹介する⼯夫が反映されていない内容を含みます
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この資料の対象:研究発表をする学生• 本資料が役⽴ちそうな場合• 数⼗⼈以上を対象にプレゼンをする場合• たくさんの発表者のうちの⼀⼈としてプレゼンをする場合• 学会,発表会,講演など• 本資料を参考にすべきではない(かもしれない)場合• 聴衆のほとんどが,確実にあなたのプレゼンを集中して聞いてくれることがわかっている場合• 院試や論⽂の⼝頭試問,ゼミや勉強会での発表など• 聴衆のほとんどが,確実にあなたの資料を読み込んでくれる場合• 授業やミーティングなど• ※ただし,プレゼンの⼼構えとして本資料を参考にするとよい2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 2
この資料で伝えたいこと2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 3プレゼンの基本戦略プレゼンの⼼構えプレゼンを聞いてもらうために1. 集中しなくてもよいスライド2. 覚えなくてもよいスライド3. 考えなくてもよいスライド聴衆が嫌がらないスライドを作る1. 聴衆はあなたのプレゼンやあなた⾃⾝に興味がない2. 聴衆の理解能⼒に期待しない3. ⾃分の説明能⼒を過信しない⼀部の熱⼼な聴衆に細部まで理解してもらう⼤多数の無関⼼な聴衆に重要なメッセージだけ覚えてもらう🆖✅
基本戦略:あなたの聴衆の構成2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 4少数の熱⼼な聴衆⼤多数の無関⼼な聴衆あなたのプレゼンの聴衆ここの割合は前評判の⾼さに依存1. あなた⾃⾝の有名度合い2. あなたの研究の有名度合い(学会などを想定)などなど…
基本戦略:聴衆のうちどちらを狙うか?2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 5少数の熱⼼な聴衆⼤多数の無関⼼な聴衆あなたのプレゼンの聴衆少数に詳細を理解してもらう多数に重要な点だけ覚えてもらうここの割合は前評判の⾼さに依存1. あなた⾃⾝の有名度合い2. あなたの研究の有名度合いなどなど…
基本戦略:大多数の無関心な聴衆を狙う2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 6少数の熱⼼な聴衆⼤多数の無関⼼な聴衆あなたのプレゼンの聴衆ここの割合は前評判の⾼さに依存1. あなた⾃⾝の有名度合い2. あなたの研究の有名度合い少数に詳細を理解してもらう多数に重要な点だけ覚えてもらうあなたが余程有名な⼈でない限り,⼤多数に重要な点だけを伝えることに注⼒したほうが良い※それでも少数の熱⼼な聴衆はきっと質問してくれるので,詳細な説明もできるようにしておこう
いかにして要点を伝えるか?2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 7⼤多数の無関⼼な聴衆興味ないけどなんか発表してるし聞いてみるか…⾯⽩そうならちゃんと聞くか無関⼼な聴衆に要点を伝えたい聴衆の気持ちを考えて「聞いてもらえる」スライドを作ろう
無関心な聴衆の気持ち2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 8※興味も必要も全く無い商品の説明を聞かされてるときの気持ちを想像しよう集中したくない覚えたくない考えたくないずっと集中しなくても要点が伝わるスライドを作ろう細部を覚えなくても要点が伝わるスライドを作ろう深く考えなくても要点が伝わるスライドを作ろう
プレゼン作成の心構え(大前提)• 多くの聴衆はあなたのプレゼンやあなた⾃⾝に興味がない• あなたは⼈気アイドルでも⼈気Youtuberでもない• 聴衆の理解能⼒に期待してはいけない• 「これは当たり前の知識だろう」 → 知りません!• 「これは⾔わなくても分かるだろう」 → 分かりません!• 「さっき説明したから覚えてるだろう」 → 覚えてません!• ⾃分の説明能⼒を過信してはいけない• 思考や事実を100%と伝えられると思ってはいけない• 常に理想の半分くらいの情報しか伝わってないと思ったほうがよい2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 9
2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 10プレゼンを聞いている聴衆の気持ちを考えてみよう
集中して聞いてもらえるのは稀2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 11最初くらい真⾯⽬に聞くかわからなくなってきたな…最後のスライドだ!発表時間zzz…頑張って話すあなただんだん眠くなる聴衆
問題:一度脱落した聴衆は(簡単には)戻らない2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 12最初くらい真⾯⽬に聞くかわからなくなってきたな…最後のスライドだ!発表時間脱落ポイントzzz…脱落→聞いてくれる時間が減る→伝えられる情報が減る!どうやって要点を伝えたらよいだろうか?
対策1: 「聞いてくれる時間」を活用2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 13最初くらい真⾯⽬に聞くかわからなくなってきたな…最後のスライドだ!発表時間脱落ポイントzzz…最初の60秒で発表内容の要点を伝える!(あとは寝ててもOKという気持ちで作る)最後の1枚でも発表内容の要点を⾒せる!(ヤバい,聞いてなかった!という聴衆の後ろめたさを活⽤する)Thank youスライドはもったいない!問題:⼀度脱落した聴衆は簡単には戻らない=集中してくれている貴重な時間常に集中し続ける必要がないので聴衆は嬉しい
対策2: 復帰ポイントを作る2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 14最初くらい真⾯⽬に聞くか最後のスライドだ!発表時間脱落ポイントzzz…問題:⼀度脱落した聴衆は簡単には戻らない• ちょっとした物⾳• スライド切り替えミス• ⾔い間違い• Slackの通知そもそも,ずっと集中し続けることは難しい些細な要因で聴衆の集中は切れる復帰点が明確→集中する必要がなくて嬉しいここからなら聞けそうだ!復帰ポイントどのスライドからでも復帰できるのが理想
対策3: 脱落ポイントを減らす2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 15最初くらい真⾯⽬に聞くかわからなくなってきたな…最後のスライドだ!発表時間脱落ポイントzzz…問題:⼀度脱落した聴衆は簡単には戻らないなぜなら疲れるから1. 集中したくない2. 覚えたくない3. 考えたくない聴衆の気持ち聴衆が嫌がるスライドを避けよう
集中しなくてよいスライド (1/2)1. 復帰ポイントを作る• 話題の切り替わりは復帰ポイントにしやすい• 例:本資料のp10• 「ここから聞いても理解できる」と思ってもらう• 前の話を後ろのスライドから参照しない(ちゃんと聞いてないとわからないタイプのスライドか…と脱落してしまう)• 良くない例:「本資料のp10」みたいに書く2. どこからでも復帰できるスライドを作る• 1スライド1情報を徹底する=スライド間の依存を極⼒弱める• 前のスライドの内容を聞いてないと理解できないスライドは作らない• パッと⾒てメッセージが伝わるスライドを作る• フォントによる強調・視線誘導でわかりやすくする• 重要な概念を説明した図は徹底して使い回す• 「いま何の話?」がひと⽬で分かるようにする• 「うわ⼤事そうな絵を⾒逃した!もうダメだ!」を極⼒へらす• 例: 本資料では,pp11-15で時系列の絵を使いまわしている2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 16
集中しなくてよいスライド (2/2)3. 集中⼒が途切れるようなプレゼンをしない• 発表原稿をしっかり⽤意する• 同じ話を繰り返さない• 脱線しない• 発表時間を守る• できるだけ⾔い間違えを減らす• フィラーを減らす• (フィラーが全く無いとロボット感があるので適度に使う)• レーザーポインターをわちゃわちゃ動かさない• むしろ,ハイライトはポインターではなくスライドに書き込む• 前のスライドには絶対に戻らない• 発表者が思っている以上に流れの途絶を感じる2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 17
覚えなくてよいスライド1. 「覚えておく」は負荷が⼤きい• 聴衆は「読む,聞く,覚える,考える」を同時に⾏っている• 「覚える」は極⼒要求しないほうが良い2. 聴衆は同時に3つまでしか覚えられない• 聴衆にとって,何かを覚えておくこと⾃体が負荷• 変数や⼿法名を覚えようとすると,イントロで導⼊した前提を忘れたりする• 「覚えてもらう」必要が最低限になるようなスライドを作る• 複数スライドにまたがって情報を配置しない3. 造語・⼀般的でない⽤語は使わない• 未知語は聴衆に強い負荷をかける4. トップダウンな説明を徹底する• ボトムアップだと,詳細を最後まで覚えてないといけない2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 18
考えなくてよいスライド1. 「考える」は負荷が⼤きい• 聴衆は「読む,聞く,覚える,考える」を同時に⾏っている• 「考える」は極⼒要求しないほうが良い2. 「考えれば分かる」ことを考えさせない• 聴衆にスライドの内容⾃体について考えさせない• どうせなら内容を踏まえた発展的内容に思考リソースを使ってほしい• このスライドで伝えたいメッセージを強調する• 聴衆に「だから何?」と思わせてはいけない• なぜそのメッセージを⾔えるのかを明確に記載する• 聴衆に「どこを⾒ればいいのか」を考えさせてはいけない3. 不必要な数式は省く(※度合いは分野・研究対象による)• 正確性を犠牲にできる箇所なら,数式よりも絵で説明すると良い• 数式の理解は聴衆の負荷が⾮常に⾼く,脱落ポイントになりがち• やむを得ず数式を使うときは,時間を割いて説明する覚悟を持つ2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 19
実例集2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 20アンチパターン改善例※内容は今後増えたり修正されたりする可能性があります
復帰ポイントを示す例①2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 21淡々とした説明より切り替えが明確なスライドだと復帰しやすい提案⼿法BAinputoutput実験1Dataset A Dataset BEXA 75.8 77.9EXB 76.4 80.6EXAB 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.5提案⼿法BAinputoutput実験1Dataset A Dataset BEXA 75.8 77.9EXB 76.4 80.6EXAB 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.522パートごとに⾊を付けておくと復帰ポイントがわかりやすい
復帰ポイントを示す例②2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 22淡々とした説明より切り替えが明確なスライドだと復帰しやすい提案⼿法BAinputoutput1 2提案⼿法BAinputoutput実験1Dataset A Dataset BEXA 75.8 77.9EXB 76.4 80.6EXAB 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.5実験3Dataset A Dataset BEXA 75.8 77.9EXB 76.4 80.6EXAB 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.5実験パート⼀枚絵などで注意を引くと復帰しやすい(飽きられるので1発表に1回くらいの必殺技として,ここぞという時に使う)2
実験Dataset A Dataset BEXA 75.8 77.9EXB 76.4 80.6EXAB 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.5提案⼿法BAinputoutput復帰ポイントを示す例③2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 23淡々とした説明より切り替えが明確なスライドだと復帰しやすい提案⼿法BAinputoutput実験1Dataset A Dataset BEXA 75.8 77.9EXB 76.4 80.6EXAB 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.522話術と顔芸でどうにかする⼿もある(技術と経験が必要)お待ちかねの実験パートです1⼿を叩く・5秒の沈黙を作るなどのテクニックもある
ボトムアップをトップダウンに替える例2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 24モジュールAの説明 モジュールBの説明 全体の説明AhogehogehogehogehogeBfugafugafugafugafugafugaBAinputoutput全体の説明BAinputoutputモジュールAの説明AinputモジュールBの説明Boutputhogehogehogehogehogefugafugafugafugafugafuga部分を説明してから全体を説明するのではなく全体を説明してから部分を説明する 全体絵の配置を保ったまま部分の説明ができるとかっこいい1 2 31 2 3先の展開を⾒通せる→内容の展開を考えなくてよい全体の図と同じ場所に図がある→対応付けを考えなくて良い
同じ図の位置を揃える例2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 25同じ図の位置は変えずに同じ位置のまま使い続けられるように⼯夫する提案⼿法 1/2 提案⼿法 2/21 2図の位置が変わらなければ前の図との差分を考えなくていいinputsoutputhogehogehogehogeinputsoutputhogehogehogehoge場所が変わると,さっきの図と同じかどうか考えないといけない提案⼿法 1/2inputsoutputhogehogehogehoge提案⼿法 2/22inputsoutputhogehogehogehoge1
図の矢印の向きを揃える例2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 26図ごとに異なる⽮印の向きを使わず処理の流れはすべての図で⼀定にする先⾏研究 提案⼿法1 2他の図と同じ気分で⾒れるので余計なことを考えなくていいinput outputinputsoutputhogehogehogehoge向きが変わって⼀瞬混乱する複数スライドをマージした時に頻発先⾏研究inputsoutput提案⼿法2inputsoutputhogehogehogehogeこのスライドでは左から右に処理が流れると期待するが…1
提案⼿法inputsoutputBA既存⼿法に以下を追加• モジュールA(統語構造のエンコード)• モジュールB(意味関係のエンコード)図とテキストで色を合わせる例2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 27図とテキストが対応しているのであれば⾊付けなどで図とテキストの対応付けを明確にする提案⼿法inputsoutputBA既存⼿法に以下を追加• モジュールA(統語構造のエンコード)• モジュールB(意味関係のエンコード)「モジュールA」「モジュールB」が図のどれに対応するのかを考えないといけない同じ⾊をたどればいいので対応付けで考えることが少ない※⾊覚バリアフリーを考えると不⼗分なので次のスライドを必ず⾒ること
提案⼿法inputsoutputBA既存⼿法に以下を追加• モジュールA(統語構造のエンコード)• モジュールB(意味関係のエンコード)説明を図で完結させる例2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 28図の内容をテキストで説明せずに図に直接書き込む提案⼿法による追加モジュール• 図とテキストの情報が⼀部重複している• 左の図と右のテキストを同時に⾒ないといけない• ⾊覚バリアフリーを考慮していない(重要な箇所で⾊に意味をもたせてはいけない)inputsoutputBA 意味関係をエンコード統語情報をエンコード図とテキストの対応を取る必要がなく考えることが少ない⾊の判別が苦⼿でもテキストが指す先が明確これらの理由で平岡は吹き出しを好んで使っている
造語を言い換える例2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 29造語・⼀般的ではない⽤語を使わずに平易な⾔葉で⾔い換える本研究の概要NER問題をMed辞書で解決※そんなわけない本研究の概要問題: NERが失敗する解決⽅策:医療⽤語を収録した辞書の活⽤- 「NERが失敗する問題」なんだからNER問題で伝わるだろう- 「医療⽤語を収録した辞書」なんだからMed辞書で伝わるだろう• 造語などから発表者の意図を考えなくてよい• 発表者独⾃のネーミングを覚えなくてよい• ⼀般的な⽤語の対応付けを考えなくてよい
数式を図に置き換える例2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 30数式をできる限り図にするBERTによるエンコード𝒚 = 𝑓 𝑔 𝒙!… 𝒙"; 𝜽#𝒚: ⽂ベクトル𝑓 : Max-pooling𝑔 : BERT𝜽 : パラメータ𝒙 : 単語ベクトル𝑁 : ⽂の単語数聴衆は以下の処理で頭が⼀杯になる1. 変数の対応付け2. 数式の理解BERTによるエンコードThis is a pen .Max-poolingBERT⽂ベクトル 変数が出てこない→覚えなくてよい⼊⼒例があってわかりやすい→考えなくてよい
実験設定スライドを消す例2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 31実験設定 実験結果実験設定スライドと結果スライドは分離せずできる限りまとめる1 2EXA : 先⾏研究 (Satoh, 2013)EXB : 先⾏研究 (Liang, 2019)EXAB: EXAとEXBの組み合わせDataset A Dataset BEXA 75.8 77.9EXB 76.4 80.6EXAB 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.5実験結果Dataset A Dataset BSatoh, 2013…① 75.8 77.9Liang, 2019…② 76.4 80.6①と②の組み合わせ 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.5直前の内容でも覚えておくのは厳しい覚えないといけないのか…と萎えるスライド⼿法名とその内容を覚えなくてよい
05010025% 50% 75% 100%Satoh, 2013Liang, 2019提案⼿法使用する学習データの割合TEST F1-macro (%)05010025% 50% 75% 100%Satoh, 2013Liang, 2019提案⼿法使用する学習データの割合TEST F1-macro (%)実験結果の解釈を足す例2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 32図表の解釈を聴衆に委ねるのではなくスライドに明記する実験結果Dataset A Dataset BSatoh, 2013…① 75.8 77.9Liang, 2019…② 76.4 80.6①と②の組み合わせ 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.5• 提案⼿法で性能向上実験結果Dataset A Dataset BSatoh, 2013…① 75.8 77.9Liang, 2019…② 76.4 80.6①と②の組み合わせ 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.5• 提案⼿法で性能向上どこをどう⾒れば,その解釈ができるのかを明記する→考えなくてよい実験結果• 提案⼿法は少源設定に強い実験結果 提案⼿法は少資源設定に強い
タイトルの情報量を増やす例2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 33スライドの主張を内容から読み取ってもらうのではなくタイトルを⾒れば主張がひと⽬で分かるようにする実験結果Dataset A Dataset BSatoh, 2013…① 75.8 77.9Liang, 2019…② 76.4 80.6①と②の組み合わせ 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.5• 提案⼿法で性能向上実験結果:提案⼿法で性能向上Dataset A Dataset BSatoh, 2013…① 75.8 77.9Liang, 2019…② 76.4 80.6①と②の組み合わせ 79.0 81.1提案⼿法 83.3 82.5• 複数データセットで有効性を確認パッと⾒で主張が理解できる→考えなくてよい&集中しなくて良い
この資料で伝えたいこと(再掲)2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 34プレゼンの基本戦略プレゼンの⼼構えプレゼンの⼯夫1. 集中しなくてもよいスライド2. 覚えなくてもよいスライド3. 考えなくてもよいスライド聴衆が嫌がらないスライドを作る1. 聴衆はあなたのプレゼンやあなた⾃⾝に興味がない2. 聴衆の理解能⼒に期待しない3. ⾃分の説明能⼒を過信しない⼀部の熱⼼な聴衆に細部まで理解してもらう⼤多数の無関⼼な聴衆に重要なメッセージだけ覚えてもらう🆖✅
発表原稿の書き方 Tips• 図や表があるスライドでは,早めに図や表の説明をする• 聴衆はまず図を⾒るので,図の説明を⼼待ちにしている• 図や表は必ず⼝頭で説明する• 「書くなら話す,話さないなら書かない」を徹底する→これによって,⾃ずとスライドの情報量が減って簡潔になる• 原稿は実際に⾳読して,スライドごとにかかる時間を秒単位で記録しておく• 発表中の⾃分の振る舞いも原稿に書いておく• 強調して発⾳する場所は太字で書く• ポインター操作を括弧書きする• 原稿を読みすぎてしまう⼈は原稿に「⼀度聴衆を⾒る」と書いておく2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 35おまけ
謝辞• 本資料の作成にあたり,丹⽻彩奈さん(東⼯⼤)に助⾔をいただきました.• 使⽤イラストの出典• https://www.irasutoya.com/2022/2/17 要点を聞いてもらえるプレゼンを作ろう 36