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Beyond the Hackathon — How We Built the Backlog...

Beyond the Hackathon — How We Built the Backlog AI Assistant

GDGoC Japan Hackathon 2026 で発表したセッションです。2023年の 社内ハッカソンから始まり、Backlog AIアシスタントを正式リリースするまでに乗り越えた5つのチャレンジ(セキュリティ・信頼性・コスト管理・法務・OSS共創)についてお話ししました。「動くもの」を「使われるもの」にするためのリアルな経験を共有します。

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vvatanabe

March 22, 2026
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Transcript

  1. 自己紹介 渡邉 祐一 / Yuichi Watanabe Nulab: Principal Engineer /

    AI Integration Unit Lead X: @vvvatanabe GitHub: @vvatanabe 業務で使うOSSへの貢献を大切にしています 自己紹介 & ヌーラボ紹介
  2. ハッカソンからAI要約リリースへ チーム内ハッカソン → プロトタイプを複数作成 課題作成アシスタント / 課題コメントまとめ / Chrome拡張 /

    Chat Bot AI要約のコアライブラリにgo-openaiを採用 コントリビュートを通じてLLM APIを深く理解 手応えを感じ、CTO・PDMにボトムアップで提案 → 承認 チームの他プロジェクトを一時停止し、OpenAI連携に集中 社内ベータを経て「AI要約」を一般公開 「動くもの」を作る
  3. ハッカソンから Backlog AIアシスタントへ 年 できごと 2023年 社内ハッカソン → AI要約を本番リリース 2025年

    AIエージェントPoC → 「Backlog AIアシスタント」 としてクローズドベータ 2026年 正式リリース すべては社内ハッカソンから始まった。 でも「動くもの」を 「使われるもの」 にするには、チャレンジがあった。 「動くもの」を作る
  4. 「動くもの」から「使われるもの」へ — 5つのチャレンジ 「動くもの」を「使われるもの」にするには、新しいチャレンジがある。 PoCの世界 プロダクトの世界 ① セキュリティ 後回し 多層防御

    + データ隔離 ② 信頼性 動けばOK スケール + オブザーバビリティ + 障害復旧 ③ コスト管理 気にしない 使った分だけ正確に測る ④ 法務 なし 安心して使える仕組みを法的に整える ⑤ OSS共創 ライブラリを使う ブラックボックスにしない 「使われるもの」にする
  5. ① セキュリティ — AIを安全に使わせる 1つの対策では不十分。城壁を何重にも積む。 Prompt Injection への多層防御 システムプロンプトでツール出力を「信頼できない外部入力」と明示 LLMやツールコールのInput/OutputをスキャンしてLLMで検証

    データ隔離 テナント・ユーザーの軸でリソースを完全分離。エラーは内部情報をマスクして返却。 フレームワークの戻り値もアプリ側でアサーションし、ライブラリを過信しない 「使われるもの」にする — ① セキュリティ
  6. ② 信頼性 — 安定して使い続けられる 防ぐ: Human-in-the-loop 承認フロー 読み取りは自由、書き込みは人間が判断。 AIが書き込み操作を提案したら、ストリーム を一時停止してユーザーの承認を得る

    支える: スケール クローズドベータのトラフィック統計からキャパシティプランニングし、正式リリース 前にインフラを増強 「使われるもの」にする — ② 信頼性
  7. ④ 法務 — 技術だけでは守れない 技術対策と法的整備の両輪で、ユーザーが安心して使える状態を作る。 条項 内容 AI学習の禁止 入出力データをAIモデルの学習に一切使用しない Prompt

    Injection禁止 禁止行為として利用規約にも明記 ハルシネーション免責 AI出力の正確性は非保証、自己責任で確認 出力データの権利 著作権は原則として契約者に帰属、商用利用可 クレジット制の根拠 利用枠の設定・制限・追加購入を明文化 技術と法務、両方揃って初めて「使われるもの」になる 「使われるもの」にする — ④ 法務
  8. ⑤ OSS共創 — ブラックボックスにしない コアフレームワーク Mastra を採用。コンセプトは素晴らしいが、登場したばかりだった。 現実 どう向き合ったか 進化が速く

    破壊的変更が多い リリースノートを追い、影響範囲を先回りで把握 バグや足りない機能がある コードを読んで原因を特定し、PRを送って修正 ドキュメントが追いついていない ソースコードが最も正確なドキュメント フレームワークをブラックボックスにしないこと。 それが「動くもの」を「使われるもの」に昇華させる鍵だった 「使われるもの」にする — ⑤ OSS共創
  9. 5つのチャレンジを越えて 自分たちは社内ハッカソンから始まり、これらを越えて Backlog AIアシスタント を「使われ るもの」にできた。 # チャレンジ 越えたこと ①

    セキュリティ 多層防御とデータ隔離で、AIを安全に使える状態を作った ② 信頼性 承認フロー・スケール・オブザーバビリティ・フォールバックで安定稼働を実現した ③ コスト管理 クレジットシステムでトークン消費を測り、持続可能な運用を作った ④ 法務 利用規約で技術対策を法的に裏付け、ユーザーが安心して使える状態を作った ⑤ OSS共創 フレームワークをブラックボックスにせず、共に育てた まとめ