Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

新規事業立ち上げチームをフルリモートでサポートした数ヶ月を振り返る

 新規事業立ち上げチームをフルリモートでサポートした数ヶ月を振り返る

2020年5月31日、Service Design Day 2020 in Japan でのLT資料です。

Hitomi Yamagishi

May 31, 2020
Tweet

More Decks by Hitomi Yamagishi

Other Decks in Design

Transcript

  1. チームA ピュアスタートアップ内の新規サービ ス⽴ち上げチーム メインサービスの関連事業⽴ち上げ プロダクト初期の価値検証期間に リモートへの切り替えが発⽣ • インタビューによる仮説定義 • プロトタイピングによる仮説検証

    • メソッド選定のサポート 混乱期にどんなチームのサポートをしていたのか チームB 企業内の新規事業部(新規事業を作り 検証するための部署) ゼロベースでの新規事業⽴ち上げ 事業のスケール期を⽬前に混乱期に突 ⼊した • チームビルディング⽀援 • 検証・分析のためのプロセス⽀援 • リサーチのメソッド実践⽀援 チームC 企業内企画として結成された即席の新 規事業チーム(かけ持ち) アイディアの検証プロセス⽀援 混乱期のはじめに開始、活動のほとん どを混乱期に実施 • アイディアの初期検証 • インタビュー計画 • 簡単なゲリラリサーチなど 上記を含む 5チーム を今回の混乱期にサポートしていた
  2. • ワークショップやコラボ 活動の計画難易度が上が る • 環境や機材が分散する (⾃宅とオフィス) 複数チームに共通している課題をざっと洗い出した(きっともっとある) • オンラインと対⾯が混

    在して環境が悪化する • 詰め詰めではやりきれ ないことが理解されづ らい • 相⼿ごとに使⽤するツ ールが違う • 相⼿側の環境をコント ロールできない (回線、⾳声) • 連絡が取れなくなると 何もできることがない • プロセスを踏むだけの予 算が出せなくなる • 対象事業そのものが消滅 する • チーム内のコミュニケ ーションができておら ず内部でひっくり返る • リサーチを含めたプロ セスの優先度が下げら れる • 協⼒者がいなくなる • なんの断りもなく場か ら消えることが可能 ⾃チーム パートナー or クライアント ⾃チーム パートナー or クライアント エンドクライアント or ユーザー
  3. アクティビティの難易度が上がる • ワークショップやコラボレーション活動の計画難易度が上がる • 前後の打ち合わせ時間が待機時間なしの場合が多いので、時間設計が⼤事 • 余裕を持ったアクティビティ設計を⼼がけないと、時間内に活動が終わらない • 構造化しきれるワークばかりではない •

    詰め詰めではやりきれないことが理解されづらい • アクティビティごとの⽬的や得たい成果を明⽂化しないと⽬的がブレる • インタビュー項⽬を作る際にも同じ考えかたで取り組んでもらう必要がある
  4. アクティビティの難易度が上がる • ワークショップやコラボレーション活動の計画難易度が上がる • 前後の打ち合わせ時間が待機時間なしの場合が多いので、時間設計が⼤事 • 余裕を持ったアクティビティ設計を⼼がけないと、時間内に活動が終わらない • 構造化しきれるワークばかりではない •

    詰め詰めではやりきれないことが理解されづらい • アクティビティごとの⽬的や得たい成果を明⽂化しないと⽬的がブレる • インタビュー項⽬を作る際にも同じ考えかたで取り組んでもらう必要がある 体感値では 1.5倍くらい 時間を使うと バランスがいい すべて同じ画⾯に 成果物を置いて ⾒失わないように まとめる ワークショップ デザインの 知⾒をフル活⽤ してプログラム を組む 残り時間を 可視化して タイムキープを 徹底する アウトカムの 明⽂化を 今まで以上に ⾏うようにする
  5. 環境に依存したトラブルが起こる • 環境や機材が分散する(⾃宅とオフィス) • ⾃宅環境をチューンナップしすぎると、他の環境での実施がしづらくなる • 機材が必要な拠点すべてに機材を準備すると、コストがかかる • ご家族やペット乱⼊のタイムロスは絶対に出る •

    いつものワークショップ以上にバッファや余裕を残したプログラムを組む • 参加者からネガティブな空気が出ないようにファシリテートする • 相⼿側の環境をコントロールできない(回線、⾳声) • 回線速度が出ないことだけはどうしようもない… • オンラインMTGの相⼿がマスクをしていると⾳声が届かない
  6. • 環境や機材が分散する(⾃宅とオフィス) • ⾃宅環境をチューンナップしすぎると、他の環境での実施がしづらくなる • 機材が必要な拠点すべてに機材を準備すると、コストがかかる • ご家族やペット乱⼊のタイムロスは絶対に出る • いつものワークショップ以上にバッファや余裕を残したプログラムを組む

    • 参加者からネガティブな空気が出ないようにファシリテートする • 相⼿側の環境をコントロールできない(回線、⾳声) • 回線速度が出ないことだけはどうしようもない… • オンラインMTGの相⼿がマスクをしていると⾳声が届かない 環境に依存したトラブルが起こる ⾃宅に 機材を集中して 取り組むことを 決めた スケジュールに 必ずバッファを 作っておく (時間も⽇にちも) 共有する ドキュメントの 形を最適化して リアルタイムに 編集する チーム内では お互いの環境を 把握しておき カバーできる ようにする 完全に 割り切る
  7. コミュニケーションの不安が増⼤する • 連絡が取れなくなると何もできることがない • 場にアクセスしてくれない、既読無視される、などが発⽣する • 受付や待機の概念が希薄になるのでトラブルに気付くのが遅れる • なんの断りもなく場から消えることが可能 •

    嫌になったらネットが落ちたと⾔えばいい • 対⾯ではしないような態度やふるまいも簡単にできる • チーム内のコミュニケーションができておらず内部でひっくり返る • ⽬隠しになる情報が増える場合がある • ⾮同期コミュニケーションに慣れていたチームでさえ調⼦が狂う
  8. コミュニケーションの不安が増⼤する • 連絡が取れなくなると何もできることがない • 場にアクセスしてくれない、既読無視される、などが発⽣する • 受付や待機の概念が希薄になるのでトラブルに気付くのが遅れる • なんの断りもなく場から消えることが可能 •

    嫌になったらネットが落ちたと⾔えばいい • 対⾯ではしないような態度やふるまいも簡単にできる • チーム内のコミュニケーションができておらず内部でひっくり返る • ⽬隠しになる情報が増える場合がある • ⾮同期コミュニケーションに慣れていたチームでさえ調⼦が狂う これまで以上に リマインドを 多くして やり取りする チームの形を 再確認して コミュニケーシ ョンルールを 再構築した とはいえ、 解決の形は チームによって さまざま… もっと いい⽅法が あれば 知りたい… 現時点の 最適解は 「⽴ち⽌まらない」 こと…
  9. チームサポートの際に標準利⽤しているツール(代表的なもの) • G Suite https://gsuite.google.co.jp/ • miro https://miro.com/ • SessionLab

    https://www.sessionlab.com/ • Zoom https://zoom.us/ • Slack https://slack.com/ • Trello https://trello.com/ それぞれのツールに障害が起きてしまったときのために、代替ツールの候補を常に⽤意したうえでアクティビティに 臨んでいます。(インターネット回線がつながらなくなったときだけが本物のトラブル)
  10. サービス デザイン コロナ禍 での実践 オンライン リサーチ 今後何が起きるのか? • 新規事業チームの縮⼩・解散 •

    パートナー同⼠の契約解除 • オフィスの縮⼩・解約によって物理コラボスペースがなくなる • 予算・事業・会社がなくなる • リサーチの必要性に対する意識格差が広がる
  11. サービス デザイン コロナ禍 での実践 オンライン リサーチ 今後何が起きるのか? • 新規事業チームの縮⼩・解散 •

    パートナー同⼠の契約解除 • オフィスの縮⼩・解約によって物理コラボスペースがなくなる • 予算・事業・会社がなくなる • リサーチの必要性に対する意識格差が広がる ふつうに たいへん
  12. サービス デザイン コロナ禍 での実践 オンライン リサーチ 今後何が起きるのか? • 新規事業チームの縮⼩・解散 •

    パートナー同⼠の契約解除 • オフィスの縮⼩・解約によって物理コラボスペースがなくなる • 予算・事業・会社がなくなる • リサーチの必要性に対する意識格差が広がる ふつうに たいへん でもそんなの みんなわかってる
  13. Designing with and for vulnerable populations in the community helps

    not only the vulnerable but also the majority group by making interactions easier for everyone. "Inclusive Co-design Toolkit" bridgeable 「コミュニティ内の弱い⼈々を対象にしたデザイン は、弱い⼈々だけでなく多数派の⼈々にとっても、 すべての⼈がやり取りするための助けになります」
  14. • まずは⾃分たちが⽣き残ること • 社会に還元・貢献していくこと • どちらも⼤事であり真剣に取り組まなくてはいけないこと • どうポジティブに塗り替えていくか • どんな視点や価値を⽣み出していくか

    • いかに会社や社会に実装していくか After/Withコロナの世界で… それらがサービスデザインコミュニティーに 求められていることなのではないか
  15. Thank you! Let’s talk together about it! Hitomi Yamagishi Gaji-Labo

    Inc. http://yamhi.info/ https://blog.gaji.jp/author/yamagishi/ https://twitter.com/yamagishihitomi https://www.linkedin.com/in/yamagishihitomi/