CCSE 2020登壇資料 https://ccse.jp/2020/
LIFULL HOMEʼSデータセット提供がもたらす不動産業界のイノベーション株式会社LIFULL AI戦略室 主席研究員清⽥ 陽司C C S E 2 0 2 0 ( c o n f e r e n c e , o n c o m p u t e r s c i e n c e f o r e n t e r p r i s e )2 0 2 0 . 1 2 . 1 1 オ ン ラ イ ン 開 催C o p y r i g h t © L I F U L L A l l R i g h t s R e s e r v e d .
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清⽥ 陽司 博⼠(情報学)株式会社LIFULL AI戦略室 主席研究員兼 東京⼤学空間情報科学研究センター 客員研究員1975年 福岡県⽣まれ2004年 京都⼤学⼤学院情報学研究科 博⼠課程修了2004-2012年 東京⼤学情報基盤センター 助⼿・助教・特任講師2007-2011年 株式会社リッテル 上席研究員・取締役CTO2011年 株式会社LIFULL 主席研究員(バイアウト)関⼼分野: ⾃然⾔語処理応⽤ → 検索・推薦→ 情報リテラシー (図書館) → ⽣活領域 (不動産、介護 etc.)、産学連携主な対外的活動• ⼈⼯知能学会 理事/編集委員⻑ (2020.6〜)• ⼈⼯知能学会 ウェブサイエンス研究会 委員 (2019.4〜)• 情報科学技術協会(INFOSTA)理事 (2020.6〜)• 情報処理学会 ユビキタスコンピューティング研究会 幹事 (2020.4〜)
国内最⼤級の不動産・住宅情報サイト暮らしに密着したさまざまな情報サービス (引越, トランクルーム,介護, etc.)世界約50カ国向けに展開する住宅・中古⾞・求職などのアグリゲーションサイト(本社: スペイン バルセロナ)LIFULLグループのサービス群
株式会社LIFULL AI戦略室• 2018年7⽉、社⻑直轄のAIビジネス実装部⾨として設置• 主なミッション• AIによる住まい探しのUI/UXの⾰新• グローバルな不動産取引プラットフォームの創出• We are hiring!
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朝倉書店「不動産テック」
1. 不動産市場とテクノロジー1.1 AIと不動産業1.2 不動産のマッチング1.3 不動産テックによる社会課題解決1.4 良質なデータ資源の重要性:Garbage in garbage out2. 不動産市場分析の理論2.1 ヘドニックアプローチによる不動産価格分析2.2 ヘドニック価格関数の推定2.3 不動産価格の分解と予測2.4 不動産価格の実際の推計3. 不動産テックにおける機械学習の数理3.1 不動産市場分析と機械学習3.2 勾配降下法3.3 線形回帰3.4 分類(ロジスティック回帰)3.5 ニューラルネットワーク3.6 ノーフリーランチ定理4. 不動産市場分析における統計・機械学習の利⽤4.1 不動産市場分析における統計・機械学習の⼿法4.2 線形回帰モデル4.3 分位点回帰4.4 ニューラルネットワーク4.5 その他の⼿法4.6 ⼿法の適⽤5. 不動産市場への機械学習の応⽤5.1 不動産市場分析の実際5.2 予測モデルのための不動産価格データの⽤意5.3 推計⼿法の選択肢5.4 不動産価格の予測モデル5.5 不動産市場における介⼊効果の測定5.6 傾向スコアを⽤いた実証分析の事例5.7 不動産市場分析における機械学習の応⽤と課題6. 不動産市場分析におけるGISの活⽤6.1 不動産市場分析とGIS6.2 GIS の活⽤6.3 空間集計における基本操作6.4 空間データの相関と補間6.5 空間特性に配慮した不動産価格構造の推定6.6 空間構造の取り扱い6.7 実データを⽤いた推計例6.8 推計結果6.9 不動産市場分析の発展可能性7. GISを⽤いたエリア指標の開発7.1 エリア指標と不動産テック7.2 不動産の価値評価7.3 「Walkability Index」の開発7.4 Walkability Index研究の発展可能性8. 不動産間取り図の認識と応⽤8.1 市場探索⾏動における不動産間取り図8.2 関連研究8.3 間取り画像のグラフ化⼿法8.4 実験8.5 不動産間取り図の認識と応⽤に関するまとめ9. 不動産物件情報の流通と活⽤を⽀えるデータベース・情報アクセス技術9.1 データベース・情報アクセス技術の発展9.2 不動産物件情報へのデータベース・情報アクセス技術の応⽤9.3 RDBMSの仕組み9.4 不動産物件画像への深層学習の適⽤9.5 質の⾼い不動産物件データベースの構築10. 官⺠ビッグデータを⽤いた空き家分布把握⼿法の開発10.1 わが国における空き家の増加とその問題背景10.2 既存の空き家分布把握の⼿法10.3 空き家分布把握に有⽤なデータ10.4 ⿅児島県⿅児島市の事例10.5 群⾺県前橋市の事例10.6 空き家は予測できるのか?11. 不動産⾦融市場における不動産テック11.1 不動産投資信託(REIT)市場におけるデータ資源11.2 REIT市場データとREIT研究の動向11.3 ⻑期的な資産⼊替の分析11.4 REIT情報を⽤いた不動産市場分析の⽅向性
学際分野としての不動産テック• 不動産学• 経済学• 建築学• 都市学• マーケティング学、⾏動⼼理学• コンピュータ科学• 統計学• 機械学習• 画像処理• ⾃然⾔語処理• IoT (ユビキタスコンピューティング)
国⽴情報学研究所情報学研究データリポジトリ (NII-IDR)LIFULL HOME’Sデータセット• 2015年11⽉より提供開始• 国内外50以上の研究組織で利⽤中• データセットの内容• スナップショット• 2015年8⽉現在の全賃貸物件データ• 上記に紐付く画像データ• ⽉次データ• 2015年7⽉〜2017年6⽉の24ヶ⽉分• 緯度・経度が付与2019年10⽉、延べ利⽤申し込み数が100を超えました(⽇本国内のほか、⽶国・カナダ・中国)
データセット提供の意義• 不動産・住まい探し分野の研究活性化• 不動産・住まい探しに関する研究が活発になることで、今までにない住まいの探し⽅など、新たなイノベーションが⽣まれてくることを期待• 産学連携の機会創出• 共通のデータセットを産学間で共有することによって、共同研究の取り組みを加速するとともに、産学の垣根を越えて不動産・住まい探し分野にフォーカスする研究コミュニティの創出を⽬指す• 情報学分野での⼈材育成への貢献• 本データセットを⽤いたハッカソンやインターンシッププログラムを実施することで、学⽣の⽅々が実世界のニーズに触れる機会を提供し、イノベーションに携わる次世代の⼈材育成に貢献
不動産・住まい探し分野の研究活性化
間取り図画像を解析して3Dモデルを⽣成Simon Fraser⼤学古川准教授のグループによるデータセット利⽤研究https://www.cse.wustl.edu/~chenliu/floorplan-transformation.html→ 画像処理のトップレベル国際会議 ICCV 2017に採択
空⾶ぶホームズくん
間取り図のグラフ構造化(東⼤ ⼭崎研究室)
GANによる間取り図の⾃動⽣成(Simon Fraser Univ. 古川研究室)
産学連携の機会創出
オーガナイザ• 清⽥ 陽司(株式会社LIFULL AI戦略室 / 東京⼤学 空間情報科学研究センター)• ⼭崎 俊彦(東京⼤学 ⼤学院情報理⼯学系研究科)• 諏訪 博彦(奈良先端科学技術⼤学院⼤学 / 理化学研究所 ⾰新知能統合研究センター)• 清⽔ 千弘(東京⼤学 空間情報科学研究センター /⽇本⼤学 スポーツ科学部)• 橋本 武彦(株式会社GA technologies AI戦略室 / 電気通信⼤学 産学官連携推進センター)
東京⼤学 空間情報科学研究センター不動産情報科学研究部⾨(寄付講座)
情報学分野での⼈材育成への貢献
統計数理研究所主催データ分析ハッカソンへの協⼒
不動産テック研究のこれから
出典: https://local.lifull.jp/
出典: 総務省平成30年住宅・⼟地統計調査
空き家問題の全貌は誰も知らない• そもそも「空き家」の定義は?• 住⺠票が置かれていれば「空き家」ではない?• 住⺠が介護施設に⼊居中の場合はカウントする?• ⺠泊で貸出している物件は「空き家」なのか?• 地⽅⾃治体でさえ、空き家発⽣状況は把握が困難
空室(売物件)オーナー(売主)指定流通機構(REINS)不動産管理会社(売⼿媒介)不動産仲介会社物件情報コンバーター運営会社不動産ポータル運営会社借主(買主)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)物件情報の棟寄せ・⼾寄せ問題
物件情報精度向上の試み• 情報の誤りの機械学習による検出• 他社と同⼀の物件情報だと思われる場合は、是正を促す• 画像なども棟寄せ・⼾寄せの⼿がかりとなる• 表記揺れなどを吸収したマッチング• 住所表記(○○町3丁⽬2-5 ⇔ ○○町3-2-5)• 物件名(△△APARTMENT 1番館 ⇔ △△アパートメント壱番館)• …
IEEE MIPR 2021不動産特別セッション投稿締切 2021年2⽉12⽇