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気象予測の不確実性マネジメント(IA戦略デザイン研究会・講演前半)
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Yoshiki Kato
September 07, 2023
Business
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気象予測の不確実性マネジメント(IA戦略デザイン研究会・講演前半)
2021年7月19日、IA戦略デザイン研究会にて『気象データアナリストが提案する、ビジネスにおける気象予測の不確実性マネジメント』というタイトルで講演いたしました。前半のスライドです。
Yoshiki Kato
September 07, 2023
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Transcript
気象データアナリストが提案する、 ビジネスにおける気象予測の 不確実性マネジメント IA戦略デザイン研究会 2021年7⽉19⽇(⽉) 前半
1 © 2020 「気象予報⼠キャリア15年以上の気象予報⼠夫婦で、 気象に左右されるビジネスをサポートしています︕」 加藤 芳樹 かとう よしき 気象予報⼠登録番号
第3687号 (2002年4⽉取得) ❖ウェザーニューズ社で予報業務の実務経験 ⼀般予報(短期・⻑期)をはじめ航空・航海等の交通気象など 様々なコンテンツの予報業務や各種予測アルゴリズム開発 ❖エアラインでの航務業務 ❖DataMix社データサイエンティスト養成講座修了 ❖東京⼤学松尾研究室主催DeepLearning講座修了 共通キャリア • 東京⼤学⼤学院理学系研究科地球惑星科学専攻 • ウェザーニューズ社内選抜でオクラホマ⼤学 National Weather Centerへ留学 • 世界の主要気象予測モデルを活⽤した独⾃の気象予報 ガイダンス開発等、気象技術開発多数 • エネルギーベンチャーで気象に係る業務の主導や電⼒ 需要データ分析の他、太陽光発電アルゴリズム開発や 太陽光発電設備の故障検知アルゴリズムを開発 • 個⼈事業で太陽光発電量予測値を提供するサービスを 開業 加藤 史葉 かとう ふみよ 気象予報⼠登録番号 第4321号 (2003年10⽉取得)
2 © 2020 主な実績 【気象データを活⽤したデータ分析・AI開発】 • テレビ放送事業者へフェージングを予測するAIの開発 • 再エネ関連事業者へ太陽光・⾵⼒の発電量予測AIの開発 •
観測器メーカーの顧問気象予報⼠(気象データの処理等)etc 【気象庁の⼈材育成プロジェクトへ参加】 • 気象データアナリスト育成講座のカリキュラム設計、教材作成 • 試験的に実施した育成講座の講師 ←(出典)気象庁「気象業務はいま 2021」 【『おかえりモネ』気象監修へ参加】 • 気象に関する助⾔・調査、台本考証、体験談・資料提供 etc ←(出典)NHK連続テレビ⼩説『おかえりモネ』公式サイト
3 © 2020 本⽇の内容 1.気象データアナリストについて • 気象業界、気象予報⼠、気象データのビジネス利活⽤の現状 • 気象データアナリスト構想 2.気象予測の不確実性マネジメント
• 不確実性マネジメントの考え⽅ • 具体事例
1. 気象データアナリストについて 前振り
5 © 2020 前振り︓「気象予報⼠です」 私のこれまでの経験で、 「気象予報⼠です」 と⾃⼰紹介すると、どんな反応が返ってきた と思いますか︖
6 © 2020 前振り︓「気象予報⼠です」 • え︖じゃあテレビに出ているんですか︕︖ Ø気象予報⼠ = お天気キャスター •
あの超難関資格を持っているんですね︕ Ø気象予報⼠ = 難関資格保有者(合格率約5%) • あぁ、気象庁で働いているんですね。 Ø気象庁職員は国家公務員、気象予報⼠は⺠間⼈です
7 © 2020 前振り︓「フリーランスの気象予報⼠です」 では次に、 「フリーランスの気象予報⼠です」 と⾃⼰紹介すると、どんな反応が返ってきた と思いますか︖
8 © 2020 前振り︓「フリーランスの気象予報⼠です」 • え︕︖ フリーランスの気象予報⼠って成り⽴つの︖ 仕事あるの︖ Øなぜか職業感を出すと、仕事になるの︖って反応 に変わる。お天気キャスターとは⾔われない
9 © 2020 前振り︓「気象データを使った分析やモデル開発をしています」 それでは、 「気象データを使った分析やモデル 開発をしています」 と⾃⼰紹介すると、どんな反応が返ってきた と思いますか︖
10 © 2020 前振り︓「気象データを使った分析やモデル開発をしています」 • 気象ってあらゆるビジネスに影響ありますもんね。 きっとニーズがたくさんあるんでしょうね︕ Ø気象データ分析という⽂脈にすると、仕事として認識 してもらえる •
珍しいですね︕ Øまだまだやっている⼈が少ないという認識 (その通り)
1. 気象データアナリストについて 気象業界
12 © 2020 気象業界について 【⽇本の気象業界の市場規模】 • 1993年気象業務法改正以来、300億円前後でほぼ横ばい ※2018年の資料で約400億円という数字もあり(微増︖) (出典)気象庁「気象業務はいま 2012」
13 © 2020 気象業界について 【⽇本の気象業界の市場規模】 • 1993年気象業務法改正以来、300〜350億円でほぼ横ばい ※2018年の資料で約400億円という数字もあり(微増︖) (出典)気象庁「気象業務はいま 2012」
ただし300億円前後というのは、 予報業務許可事業者=ガチの気象情報会社 のみの数字です 予報業務許可事業者以外も含め、 広く気象関連事業の売上⾼を総計したら、 市場規模はもっと⼤きく、 かつ上昇トレンドではないか(推測)︖
1. 気象データアナリストについて 気象予報⼠
15 © 2020 気象予報⼠について 【『おかえりモネ』のモネも⽬指す気象予報⼠って︖】 • 独⾃の天気予報を出すために 必要な資格 (厳密にはちょっと違う…) •
現在約10000⼈の有資格者 がいます (出典)気象庁「気象業務はいま 2021」
16 © 2020 気象予報⼠について 【気象予報⼠ってどんな仕事している︖】 実は気象予報⼠は、 難関資格のわりに仕事にならない資格 と⾔われている… 気象予報⼠へのアンケート結果(H25年度) •
天気予報の実務経験者は約21% ※感覚的にはもっと少ないかも… 『(気象予報⼠が⾏う)現象の予想の従事経験』 (出典)気象庁「平成25年度に実施した気象予報⼠現況調査の結果について」
17 © 2020 気象予報⼠について 【気象予報⼠ってどんな仕事している︖】 • ⺠間気象会社で天気予報する(The 気象予報⼠の仕事) • 天気キャスターとして出演(世間のイメージ第1位)
• でも⼤多数は気象に関係ない仕事をしている ←気象会社の予報業務 ←お天気キャスター ←航空・海運など気象情報ユーザー側(︖) (出典)気象庁「平成25年度に実施した気象予報⼠現況調査の結果について」 『気象予報⼠の現在の業務』
18 © 2020 気象予報⼠について 【気象予報⼠ってどんな仕事している︖】 気象予報⼠であることを直接活かした仕事をしている⼈は少ないが、 半数以上の⼈は仕事で活⽤したいと思っている。 → 産業側のキャパシティが不⾜してる︖ 『気象予報⼠の資格や知識の活⽤希望』
(出典)気象庁「平成25年度に実施した気象予報⼠現況調査の結果について」 (複数選択可)
1. 気象データアナリストについて 気象データのビジネス利活⽤の現状
20 © 2020 気象庁とWXBC 気象ビジネス推進コンソーシアム(WXBC) 気象データを活⽤した新たな気象ビジネス市場の創出に向け 2017年に設⽴された産学官連携の組織 事務局︓気象庁 会員数︓約1000(法⼈約500社) (出典)WXBCパンフレット
21 © 2020 ビジネスにおける気象データの利活⽤について 2020年の調査結果によると、 気象データを事業に活⽤する企業は… • 5年前に⽐べたらかなり増えた • それでも1割に届かない程度
【気象データの利活⽤状況】
22 © 2020 ビジネスにおける気象データの利活⽤について 事業活動において気象の影響を受ける企業は約7割 【気象データの利活⽤状況】 (出典)気象庁「産業界における気象データの利活⽤状況に関する調査(令和元年度)」 事業活動に影響する気象
23 © 2020 ビジネスにおける気象データの利活⽤について そのうち気象への対策を⾏なっていない企業は約5割 • 気象情報、気象データの使い⽅がわからない • 気象情報、気象データを使える⼈材がいない 【気象データの利活⽤状況】
なぜ? (出典)気象庁「産業界における気象データの利活⽤状況に関する調査(令和元年度)」 『気象情報・気象データを利活⽤していない理由』
24 © 2020 ビジネスにおける気象データの利活⽤について 気象への対策を⾏なっている約5割の企業のうち、 • 約6割の企業は経験と勘で対処している • 気象データを利活⽤できていない 【気象データの利活⽤状況】
(出典)気象庁「産業界における気象データの利活⽤状況に関する調査(令和元年度)」 気象データを利活用 しない理由
1. 気象データアナリストについて 気象データアナリスト誕⽣へ
26 © 2020 これらの課題を解決するために • 気象予報⼠は活躍の場を求めている • 企業は専⾨的⼈材を求めている 気象データを分析する専⾨スキルを⾝につけ、 気象の影響を受ける企業のビジネス課題を解決できる、
気象データアナリストを育成しよう︕ ※ 気象データアナリストは気象予報⼠だけのためのものではありません ※ 気象予報⼠以外の⽅が⽬指すのもOKです
27 © 2020 気象データアナリストについて (出典)気象庁ウェブサイト 企業におけるビジネス創出 や 課題解決 ができるよう、 「気象データの知識」と「データ分析の知識」を兼ね備え、
気象データとビジネスデータを分析できる⼈材 気象データアナリスト
28 © 2020 気象データアナリスト育成講座の設計(2020年) 国⼟交通省 『⽣産性⾰命プロジェクト』 気象庁 『気象ビジネス市場の創出』 『気象データアナリスト育成講座(仮称)の設計』 気象ビジネス推進コンソーシアム(WXBC)
委託 Ø 講座の設計 Ø 試験講座の運営 Ø データサイエンス教材の制作 Ø 講座の設計補助 Ø 気象データビジネスの助⾔ Ø 気象×データ分析教材の制作 連携
29 © 2020 気象データアナリスト育成講座の開講(2021年) 気象庁はカリキュラムガイドラインに準じて開設された講座を、 『気象データアナリスト育成講座』として認定します (出典)気象庁ウェブサイト 『学習内容(上)と2021/6/22時点での認定講座(下)』
30 © 2020 …本当にそれで解決︖ 気象データアナリストが増えていったら… 本当に気象データの利活⽤が進んで、 ビジネス課題の解決につながるのか︖ 気象ビジネスの発展につながるのか︖ ⼈材不⾜だけが 問題なの︖
31 © 2020 気象の価値 気象データの利活⽤が進まないのは、 ハードルが⾼いわりに効果の⼤きさが不明だから︖ • 今まで使わなくてもやってこれたし • 気象だけで決まるわけでもないし…
そこで、 ← 気象データの利活⽤事例は増えてきたので、 次は 効果の⼤きさ=気象の価値 を定量的に⽰したい︕ 今年の私たち の⽬標です (出典)WXBC「気象データの利活⽤事例集」
32 © 2020 ディスカッション • 気象ビジネスの展望について • 気象予報⼠の社会的役割について • 気象データの活⽤の幅や経済効果について
• 気象データアナリストのポテンシャルについて • その他、何でも… おかえりモネ の話でも…
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