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気象データアナリストが専門的に使う気象データと位置情報について

Yoshiki Kato
September 07, 2023

 気象データアナリストが専門的に使う気象データと位置情報について

MIERUNE Meetup #6 に登壇させていただきました。気象データが持つ地理空間データとしての側面と、QGISに数値予報GPVデータをGRIB2形式・NetCDF形式でそれぞれ読み込ませるとどうなるか、紹介しました。

Yoshiki Kato

September 07, 2023
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Transcript

  1. 1 © 2020 自己紹介 気象予報士・データサイエンティスト 気象データアナリスト養成講座 講師 Weather Data Science合同会社・共同代表

    👉 気象データを活用した分析やAI開発などを行い、   企業の課題解決を夫婦でサポートしています 【経歴】 • 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 • ウェザーニューズで気象予報・技術開発 • SPRING JAPANで運航管理(見習い) • データミックス社データサイエンティスト育成講座修了 • SIGNATEで雲画像予測コンペ  → 現在に至る 【ウェブサイト (Please click !) 】
  2. 2 © 2020 主な実績 【気象データを活用したデータ分析・AI開発】 • テレビ放送事業者へフェージングを予測するAIの開発 • 再エネ関連事業者へ太陽光・風力の発電量予測AIの開発 •

    コインランドリーの需要予測とダイナミックプライシング etc 【気象庁の人材育成プロジェクトへ参加】 • 気象データアナリスト育成講座のカリキュラム設計、教材作成 • 試験的に実施した育成講座の講師 ←(出典)気象庁「気象業務はいま 2021」 【『おかえりモネ』気象監修へ参加】 • 気象に関する助言・調査、台本考証、体験談・資料提供 etc
  3. 5 © 2020 【日本の気象業界の市場規模】 • 1993年気象業務法改正以来、300億円前後でほぼ横ばいだった • 近年、大手気象会社を中心に2018年頃から増加傾向(帝国データバンク) • 現在は推定約400億円規模

    (出典)気象庁「気象業務はいま 2012」 気象業界の市場規模 👆 ただし上記には気象データ を活用したビジネスを行う 気象会社以外の企業の数値 は含まれない 実際にはもっと規模は大き いはず?(未知数)
  4. 9 © 2020 気象データと位置情報 気象データは位置情報と密接な関わりがある… 【アメダス観測データ】 • 気象庁が日本全国で行っている自動観測 • 「どこで観測されたデータか」は重要な要素

    【数値予報GPVデータ】 • 未来の大気をスパコンで計算した気象予測データ • 空間を格子状に区切ったデータ(緯度経度) • いわゆるラスターデータに相当する (図)気象業務支援センターより引用
  5. 10 © 2020 気象データと位置情報 しかしながら気象ドメインの人は… 地理空間データを扱っているという認識は持っていない なぜ?たぶん… あまりに当たり前に位置情報を使っているから、 殊更に意識してない(かも?) なので気象ドメインの人に、

    『あの数値予報GPVっていうラスターデータって、ゴニョゴニョ…』 と話しかけても通じません。。 逆に言うと、QGISのようなGISソフトウェアに、数値予報GPVデータを 読み込ませてデータ解析しよう、と考える人もあまりいない → やったらニッチな存在になれる??
  6. 11 © 2020 数値予報GPVの中身 数値予報GPVは5次元のデータ(?) • 3次元の空間(東西・南北・高度) • 時間 •

    気象要素(気温とか湿度とか…) 構造としては、特定の高度・特定の時間・特定の気象要素の2次元平面 ラスターデータがレイヤー状に重なっているイメージ (図)気象業務支援センターより引用 GPVデータのイメージ図
  7. 12 © 2020 数値予報GPVの使い方(使われ方) (1)可視化して見る 気象予報士が気象予測をする際に、数値予報GPVを下図のように可視化した Viewerを見ながら業務している (2)特定の緯度経度の値を切り出して分析する 専用ソフトウェア (e.g.

    wgrib2)や、Pythonなどで指定した緯度経度の最寄りの 格子点値を取り出したり、内挿計算したりして使う(e.g. 太陽光発電予報) データ分析の目的ではこうした使い方をすることが多い