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二人単貧民の消費枚数に関する勝利条件の一般化とその解析
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Katsuki Ohto
November 14, 2020
Research
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二人単貧民の消費枚数に関する勝利条件の一般化とその解析
大富豪を最も簡略化したゲームである二人単貧民において、勝ちを決める条件を「一定枚数出したら勝ち」に変更してもゲームの構造が変わらないことを証明した。
Katsuki Ohto
November 14, 2020
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Transcript
GPW2020 Poster-1 二人単貧民の消費枚数に関する 勝利条件の一般化とその解析 ◦ 大渡勝己 (フリーエンジニア) 木谷裕紀 (名古屋大学)
大富豪と単貧民 ・大富豪 ( Daifugo ) … 日本各地で広く遊ばれているトランプゲーム 多種多様なローカルルール ・単貧民( Tanhinmin
) … 大富豪を「一枚出し」「特殊ルールなし」に限定
単貧民のルール 札の強さは 1以上の整数 場にカードを 出していく 3 1 5 2 4
単貧民のルール 札の強さは 1以上の整数 場にカードを 出していく 3 1 5 2 4
単貧民のルール 3 1 5 2 4 場より強い札を 出せる 出せる最弱札を 出す必要はない
単貧民のルール 場より強い札を 出せる 出せる最弱札を 出す必要はない 3 1 5 2 4
単貧民のルール いつでも パスができる パスをすると 場が流れて 相手から 3 1 5 2
4
単貧民のルール いつでも パスができる パスをすると 場が流れて 相手から 3 1 5 2
4 pass
単貧民のルール 3 1 5 2 4 pass ただし パスをせずに 5
を出せば この初期配置は 先手必勝
単貧民のルール ただし パスをせずに 5 を出せば この初期配置は 先手必勝 3 1 2
4 5
単貧民のルール ただし パスをせずに 5 を出せば この初期配置は 先手必勝 3 1 2
4 5 pass
単貧民のルール ただし パスをせずに 5 を出せば この初期配置は 先手必勝 3 2
単貧民のルール ただし パスをせずに 5 を出せば この初期配置は 先手必勝 3 2 WIN
LOSE
単貧民の数理(先行研究) 手札枚数に対して線形時間で 二人単貧民の「勝敗」を判定できる ( 木谷 & 小野, 2018) Coq (定理証明支援系)でも証明済み!
本研究成果① 二人単貧民の勝利のための条件を 「 n 枚出せば勝ち」 と一般化しても線形時間で解ける ※実際には,先手と後手それぞれに 「この枚数にしたら」勝ちという勝利条件を設定する定式化を行う (同じこと)
本研究成果① 根拠: ・自分は残り c 枚になれば勝ち ・相手は残り d 枚になれば勝ち のとき 手札の下からそれぞれ
c, d 枚を抜いて 戦うのと同じ結果になるから (弱い札を残して不利になることはない)
勝敗の計算アルゴリズム お互いに自分の札より弱い相手の札(相手の最小札は除く)に 一対一のマッチングを引いていき、先手 > 後手 ⇄ 先手必勝 3 2 1
1 2 5 4 6 0 2 マッチング数 3 負 勝 ここには引 けない ここには引 けない
勝利条件を一般化した場合 自分も相手も「残り 1 枚にすれば勝ち」ならば, 最弱札一枚ずつを無視した上で通常の勝敗の計算アルゴリズムを適用 3 2 1 1 2
5 4 6 0 2 マッチング数 2 勝 負 ここには引 けない ここには引 けない
本研究成果② 二人単貧民の任意の局面で 最適な手の必要十分な範囲を 線形時間で解ける
本研究成果② この「最善な手の範囲」は (パス以外) 切れ目のない一つの区間になる
最善な手の区間 この局面の最善手はどれでしょうか?? 3 1 1 5 4 0 1 マッチング数
2 負 勝
最善な手の区間 1, 3, 5 で必勝。(例えば) 1 と 5 が勝ちなのに 3
が勝ちでない,というような配 置は存在しない. 3 5 4 1 マッチング数 2 負 勝 1 1 0
本研究成果③ 二人単貧民のいろんな性質を証明 ・出せる札があれば,出せる中で最弱か, 全体の弱い方から二番目のいずれかは最善 ・勝利条件は片方のプレイヤだけ決めれば最適な手を選べる ・最善な手を選べる数種類のアルゴリズムも発見
で、何か嬉しいの? ・単貧民が簡単なゲームであることの強い根拠 終局時の勝ち負けでなく途中の枚数についても説明が 可能になった ・手札残り枚数のミニマックス値に関する議論 (同時投稿)における証明の補題として使う Thank you!