Upgrade to PRO for Only $50/Year—Limited-Time Offer! 🔥

ForestCast: Forecasting Deforestation Risk at S...

ForestCast: Forecasting Deforestation Risk at Scale with Deep Learning

本資料はSatAI.challengeのサーベイメンバーと共に作成したものです。
SatAI.challengeは、リモートセンシング技術にAIを適用した論文の調査や、より俯瞰した技術トレンドの調査や国際学会のメタサーベイを行う研究グループです。speakerdeckではSatAI.challenge内での勉強会で使用した資料をWeb上で共有しています。
https://x.com/sataichallenge
紹介する論文は「ForestCast: Forecasting Deforestation Risk at Scale with Deep Learning」です。
この研究では、森林破壊の事後検出ではなくリスク予測を目的とし、訓練用データセットの作成および公開と深層学習モデルを用いたベンチマークを構築しました。
また、様々な入力データを比較した実験により、過去の変化履歴データが予測性能において重要であることを実証しました。
Matthew Overlan et al.“ForestCast: Forecasting Deforestation Risk at Scale with Deep Learning,” EarthArXiv preprint, 2025. より引用

Avatar for SatAI.challenge

SatAI.challenge

November 29, 2025
Tweet

More Decks by SatAI.challenge

Other Decks in Research

Transcript

  1. ForestCast: Forecasting Deforestation Risk at Scale with Deep Learning 青木

    亮祐 / ぴっかりん(@ra0kley) 1 第22回 SatAI.challenge勉強会
  2. 青木 亮祐(ぴっかりん) ⚫ 株式会社パスコ 研究開発センター 地理空間情報×AIで色々行ったり、その環境整備 ⚫ Project PLATEAU ADVOCATE

    2025 ⚫ 一般社団法人OSGeo日本支部( OSGeo.JP ) 運営委員 自己紹介 4 X(旧Twitter) GitHub 過去に個人で行った衛星データ関連の発表 個人開発したPLATEAU APIのMCPサーバー
  3. ForestCast: Forecasting Deforestation Risk at Scale with Deep Learning 6

    森林破壊が行われた後に衛星画像から検出するのではなく、これまでの変化履歴なども 用いて、森林破壊のリスクを予測する手法を提案 • 森林破壊のリスクを予測する手法を構築するためのデータセットを構築し、世界で初めて公開 • 特定の地域だけで入手可能なデータは使用せず、衛星画像など世界的に入手できるデータを使用 • 高解像度の衛星画像で大きな範囲を判読した場合でも、計算効率が高い手法を提案 • 従来使用されていた統計モデルと比較して深層学習モデルが優れた予測性能を発揮することを実証
  4. 背景: AIによって森林破壊を検出・予測する意義 8 • 森林破壊は、世界の生物多様性や気候の安定にとって重大な脅威 • 2024年の熱帯原生林の総損失面積は670万ヘクタール → サッカー場 18個分が1分間に失われたことに相当

    • 森林の荒廃の多くは、農業の拡大や伐採、インフラ整備などビジネスが多いが 昨今の環境政策の影響もあり、色々な国の関係機関や投資家が監視の目を向け始めている (森林を減少して生産された製品の輸入制限など) • 企業にとっても森林破壊は「リスク」があるので、伐採された「後」を抽出するのではなく 森林破壊のリスクが高い地域を「予測」出来ると良い • 森林破壊のリスクが高い地域を予測できると、効果的にNGOなどが介入可能
  5. 背景: 既存の森林破壊予測手法の課題 9 ⚫ 地域に特化した手法 精度が高い手法の多くは特定の地域に特化した手法であり、地域を超えた汎用性が無い また、異なる地域間での有意義な比較が困難 ⚫ 将来性の欠如 入手が困難であったり、更新がされないようなデータを入力としていることから

    手法が提案されてから数年経った後に更新を行おうとしても困難 ⚫ 広い範囲での適用の困難 一部の手法では、スライディングウィンドウが用いられており、広い範囲での適用が困難 ⚫ 検証可能性や透明性の不足 ほとんどの手法は、学習データや入力データが公開されていないため、再現を行ったり 手法を発展させることが困難
  6. 手法: 時系列の森林破壊データセットの構築 12 ラベル付け 精度が低下する可能性があるが、既存のアルゴリズムによって導出された2つの森林減少のイベントを 正解データのラベルとして使用 1. Global Forest Change

    dataset (GFW-GFC) Landsat 7衛星画像からスペクトル特徴の時系列を抽出し、決定木分類器を用いて ピクセルを変化あり/変化なしに分類 2. Continuous Change Detection and Classification (CCDC) algorithm 1画素の時系列を操作し、時系列の輝度値の急激な変化を識別することにより変化箇所を抽出 2000年~2023年のLandsat衛星画像データに対して、Google Earth Engineに実装されている CCDCアルゴリズムを用いて、正解データを生成 上の2つのアルゴリズムは、量・質ともに異なる変化マスクを生成する → リスク予測の質は、関連した学習データの質によって制約されることを認識することが重要
  7. 手法: 時系列の森林破壊データセットの構築 13 入力データ ⚫ 2つの衛星画像のデータソース ① 予測日から過去1年に撮影されたすべての衛星画像 ② 2014年までの年次の衛星画像

    ⚫ 標高や道路までの距離などの補助的な情報 ⚫ 各ピクセルの過去の森林変化の記録 それぞれのピクセルにて、どの程度前に森林破壊されたを示す 森林破壊を経験したかどうかのバイナリマスクとともに提供 → セグメンテーションの教師データに対応 ⚫ GFW-GFCデータセットにあわせて、すべての画像データを空間解像度30mにリサンプリング ⚫ 256×256ピクセル単位(これを1タイルと呼ぶ)でサンプリングし、約11,000点/年サンプリング
  8. 手法: ベンチマークモデルの構築 17 以下に示す4つのモデルを用いて、実験を行った ① Random Forest 勾配ブースティング決定木を使用 ② UNet3D

    セグメンテーションで使用される深層学習モデルであるU-Netを、時系列データが 扱えるようにしたもの 2次元の畳み込みではなく、3次元の畳み込みを使用することで、「空間」と「時間」の 情報を組み合わせて学習可能
  9. 手法: ベンチマークモデルの構築 18 以下に示す4つのモデルを用いて、実験を行った ③ U-TAE 衛星画像から作物のセグメンテーションを行うために 開発されたモデル 空間処理のための畳み込みと時間処理のための 自己注意を組み合わせたアーキテクチャを提案

    ④ TSViT ViT(Vision Transformer)を時系列の衛星画像に 対応させたモデル 時間的な関係の分析と空間的な関係の分析を分けて 行うことで複雑な時系列変化を学習できる手法を提案 Michail Tarasiou et al. “ViTs for SITS: Vision Transformers for Satellite Image Time Series,” arXiv preprint, 2023. より引用 Vivien Sainte Fare Garnot, Loic Landrieu. “Panoptic Segmentation of Satellite Image Time Series with Convolutional Temporal Attention Networks,” arXiv preprint, 2021. より引用
  10. 実験: 結果 22 以下の2つの評価指標で評価 ⚫ ROC-AUC 森林破壊が起こるピクセルを正確に予測できる能力を評価 → モデルや複数の年で評価を行っても、似通っている傾向が分かった →

    ピクセルレベルで森林破壊を予測するには限界がある ⚫ タイル(256ピクセル四方)での相関係数 タイル全体で、モデルが予測した森林破壊の平均的な確率と実際に森林破壊の割合の相関を評価 → ランダムフォレストに比べ、深層学習モデルのほうが精度が高い → 深層学習モデル(UNet3D、U-TAE、TSViT)の中では、TSViTが一番精度が高い → 衛星画像や補助データを入力せずに、変化履歴データのみでも同等精度を達成 → 先行研究の「将来森林破壊が起こる可能性がある場所は、過去に発生した場所の近く」 ということを裏付けている
  11. 実験: アブレーション分析(入力データの重要性の分析) 24 図の見方 縦軸: 予測精度、横軸: 変化履歴データの有無(左側が有り、右側が無し) 実線: 補助データ有り、破線: 補助データ無し

    横の並び: 衛星画像の入力種類(高頻度、年次、使用しない) Matthew Overlan et al. “ForestCast: Forecasting Deforestation Risk at Scale with Deep Learning,” EarthArXiv preprint, 2025. より引用
  12. 結論 27 • 森林破壊リスクを予測するための深層学習モデルの学習用の最初のデータセットである 「ForestCast Dataset」を作成し、公開 • 従来用いられてきた統計モデルより深層学習モデルのほうが、森林破壊リスクを 正確に予測可能 •

    森林の変化履歴を要約したデータのみでも予測可能なことを実証 • 衛星データなどを用いた森林破壊予測は、非定常的なプロセスであり 政治や規制、社会などの要因を反映した手法を探求する必要がある • 森林破壊リスクモデルを有用にするためには、信頼性と信用性が必要 → 単なるモデルの精度だけでなく、不確実推定と説明可能性を組み込む必要がある