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AI時代のPdMが担う_創造的責任と再現性のない価値づくり.pdf

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February 11, 2026

 AI時代のPdMが担う_創造的責任と再現性のない価値づくり.pdf

AI時代のPdMが担う創造的責任と再現性のない価値づくり

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  1. 2 ⾃⼰紹介 株式会社ログラス 経営管理プロダクト部 プロダクトマネージャー 佐藤 悠 Yu Sato 新卒で精密機器メーカー子会社にエンジニアとして入社。営業支援システムの開

    発や新規事業の立ち上げに参画する。 その後、動画メディアベンチャーにて開発マネージャーを務める。 2022年ログラス入社。エンジニアからPMへジョブチェンジしクラウド経営管理 システム「Loglass」のプロダクトマネジメントに従事。
  2. 3

  3. 4

  4. 3つの推論 9 演繹 例: 「⼈間は死ぬ」+「ソクラテスは⼈間」 →「ソクラテスは死ぬ」 帰納 例: 「このリンゴは⾚い」 「あのリンゴも⾚い」

    「そのリンゴも⾚い」 →「すべてのリンゴは⾚いだろう」 アブダクション 例: 「地⾯が濡れている」 →「⾬が降ったのかもしれない」 個別事象 ⼀般法則 仮説 具体事象 仮説 具体事象 原因仮説 結果
  5. 3つの推論 10 演繹 帰納 アブダクション アブダクション = 「今⾒えていないもの」を発⾒する推論、創造の源泉 論証 正当化

    発⾒ 「⼈間は死ぬ」という⼀般論に結論があり この推論から新たな発⾒はない 同じような種類が集まり正当性が強化される 違うものが発⾒されることはない 観測したものとは違う、今⾒えていない 何かを新しく発⾒する 個別事象 ⼀般法則 仮説 具体事象 仮説 具体事象 原因仮説 結果
  6. 探究‧創造のサイクル 13 サイクルを回すことで仮説が確からしくなっていく ①帰納(観察) 個別事象① A社「予実突合に2⽇かかる」 個別事象② B社「⽉末は突合で残業」 ⼀般化:予実突合に苦しんでいる ②アブダクション(仮説)

    観察された結果:予実突合に2⽇かかる 仮説(原因):部⾨ごとにExcel形式が バラバラだから? ③演繹(検証) ⼀般知識(仮説): 形式がバラバラだと 突合に時間がかかる 個別事象:この会社は形式がバラバラ 結論:統⼀フォーマットで時間短縮できるはず 検証結果 → 2⽇→2時間に短縮 ④帰納(観察) 個別事象① 「⼊⼒が⾯倒」 個別事象② 「既存Excelを使いたい」 ⼀般化:ユーザーは⼊⼒作業を避けたい ⑤アブダクション(仮説) 観察された結果:⼊⼒作業⾃体がボトル ネック 仮説(原因):新しいフォーマットへの ⼊⼒が障壁では? ⑥演繹(検証) ⼀般知識(仮説): 既存データを⾃動変換でき れば⼊⼒不要 個別事象:ユーザーは既存Excelを持っている 結論:AI変換機能なら⼊⼒負荷が下がるはず 検証結果 → ⼊⼒作業ゼロで激減
  7. AIがアブダクションが苦⼿な理由 選択肢を絞れない=コンテキストが⾜りない ①探索空間が無限 結果:道端で⼈が倒れている→ 原因の推論「病気の発作? 事故? 事件? 映画の撮影? ドッキリ? …」

    ⼈間:周囲の状況から「カメラがないから撮影ではない」と瞬時に切り捨てられる ②常識と⽂脈への依存 結果:部屋が暑い→原因の推論「エアコンが壊れた」 この推論には背景知識が必要: - 「今は夏である」「窓は閉まっている」「エアコンが付いているはず」 明⽂化されていない背景や常識をAIに全てコンテキストとして渡すのは困難
  8. 1. ⾝体性 a. ⽣まれた時から物理的な世界で⽣きているため「コップを落とすと割れる」「⽕は熱い」を感覚として知っている b. 「幽霊が通った」は肌感覚として「ありえない」と切り捨てられる 2. 感情による絞り込み a. 「なんとなく嫌な予感」「こっちの⽅がワクワクする」という感情が選択肢を瞬時に「有⼒な数個」に

    絞り込むことができる 3. 暗黙知と経験 a. 「エアコンが壊れた」を推測するための「今は夏である」という暗黙的な前提や、先⽉もエアコンが壊れたという 経験を⼈間は多く持っている b. AIには「⼀般知識と渡されたコンテキスト」しか情報がない ⼈間はなぜアブダクションができるか 選択肢の省略
  9. 失敗体験 AIへの丸投げ - ユーザーインタビューから実現したいユースケースを観察 - そのユースケースが成⽴するための仮説として機能仕様をAIに検討させた - インタビューの議事録、既存のプロダクト仕様をコンテキストとして投⼊ →アブダクション思考をAIに丸投げした結果 ❌

    選択肢を狭めるためのコンテキスト全てを渡せなかったため、期待するアウトプットは出なかった ❌ そもそもAIのアウトプット量が多すぎて評価が⼤変だった ❌ プロンプト実⾏ → ⼤量のアウトプットを読んで評価→ 修正のプロンプト → 繰り返し...で時間を浪費した アブダクション思考による「発⾒」は⼈間がやるべき
  10. 探究‧創造のサイクル 19 (再掲)このサイクルを⾼速で回すことで、仮説が強化され、創造が⽣まれる ①帰納(観察) 個別事象① A社「予実突合に2⽇かかる」 個別事象② B社「⽉末は突合で残業」 ⼀般化:予実突合に苦しんでいる ②アブダクション(仮説)

    観察された結果:予実突合に2⽇かかる 仮説(原因):部⾨ごとにExcel形式が バラバラだから? ③演繹(検証) ⼀般知識(仮説): 形式がバラバラだと 突合に時間がかかる 個別事象:この会社は形式がバラバラ 結論:統⼀フォーマットで時間短縮できるはず 検証結果 → 2⽇→2時間に短縮 ④帰納(観察) 個別事象① 「⼊⼒が⾯倒」 個別事象② 「既存Excelを使いたい」 ⼀般化:ユーザーは⼊⼒作業を避けたい ⑤アブダクション(仮説) 観察された結果:⼊⼒作業⾃体がボトル ネック 仮説(原因):新しいフォーマットへの ⼊⼒が障壁では? ⑥演繹(検証) ⼀般知識(仮説): 既存データを⾃動変換でき れば⼊⼒不要 個別事象:ユーザーは既存Excelを持っている 結論:AI変換機能なら⼊⼒負荷が下がるはず 検証結果 → ⼊⼒作業ゼロで激減
  11. 実践②:GitHubでストック情報として資産化 ⾮エンジニアも含めて全員ドキュメントはGitHubで集中管理 フォルダ構成 - flow - ⾃由に作業、レビューなし - 今後⾒ないAIとの壁打ちログなど -

    stock - ⼈間レビュー必須で正しい情報のみ⼊る状態を担保する - 仮説、検証結果、仕様など 仮説をチームの所有物にしながら、演繹‧帰納を進める 効果 - 仮説の評価‧強化をチームで進められる - AIに正しいコンテキストを渡せる → 演繹‧帰納の精度が上がる
  12. 実践③:バイブコーディングでプロトタイピング 効率が良かった役割分担 - エンジニアが整える - 環境構築、⾔語選定 - フォルダ構成、リリースの仕組み構築 - PdMがやること

    - コードは⼀切⾒ないバイブコーディング - プロンプトで仕様を書くだけ - PRを出して仕様確認→マージ 効果: - 「これだ」と閃いた仮説を、すぐに形にして検証できる - 検証→修正のサイクルが劇的に速くなる ⾮エンジニアもプロトタイピングで仮説検証する
  13. 閃きの源泉は「違和感」 どうやって閃くのか? - 累積の思考回数が増えていくと、ふとした時に 「ん?おかしいな」「なんか変だな」という感覚が出てきます - その違和感が、アブダクションの前提になります 違和感をそのままにしない - 少しでも違和感を感じたら、⾔語化する

    - チームにも「違和感があれば⾔語化して欲しい」と常に伝え続けている AIと思考実験する - 違和感からの思考は、以前は⼀⼈では時間的にも体⼒的にもきつかった - 今はAIが思考実験に付き合ってくれるため実現が可能になった 役割分担:閃き(違和感)は⼈間が、それが成⽴するかはAIが考える
  14. 「違和感」を育てる活動 26 AIではなく、⼈間が⾏い貯める活動 競合リサーチ → 議論 競合がこうなっている、と調べて終わりじゃなく、 なぜそうなのか?うちはどうする?をチームで議論する 顧客の現場に⾏く →

    伝える お客さんのところに行って体験して、 それを周りに伝えてみる。言語化する過程で気づきが生まれる プロトタイプを作る 実際に手を動かして形にしてみる。 作る過程で「あれ?」という違和感が出てくる いろんな関係性でドメインを⾒る ユーザー視点、業務視点、技術視点 ... 多角的に見ることで、矛盾や違和感に気づける これらは「効率化」の対象ではない。むしろ時間をかけるべき活動
  15. 成功事例:違和感 → AI思考実験 → 設計 今の仕様の⼟台になった考えは、違和感から⽣まれた 違和感 - 競合や既存システムを調べていて 「なんでこの仕様はxxなんだろう?」「もっとシンプルにできないか?」

    ⾔語化 - 違和感を⾔葉にしてみる - 「xxをこう変えたらもっとxxになるのでは?」 AI思考実験 - AIに問いを投げて検証 - 「これで破綻しないか?」 - 「エッジケースは?」
  16. 違和感を育てるサイクル 違和感そのものは⼈間にしか⽣めない いろんなところでAIを活⽤する - 累積の思考回数を増やす - 競合リサーチ、ドメイン探索 - 違和感の⾔語化を助ける -

    こういうことを感じているんだけど‧‧‧を整理 - 思考実験に付き合う - 問いを与えて破綻しないかを検証させる 累積の思考回数 ⼿と頭を動かす 現場に⾏く、作る、議論する 違和感に気がつく 「ん?おかしいな」 「なんか変だな」 ⾔語化する そのままにしない チームにも共有する AI思考実験 まずは机上で仮説を検証する 破綻しないか確認
  17. 結論 仮説を閃き、それを検証し価値として具現化すること =創造的責任を担う そのために 1. 帰納‧演繹はAIでショートカット a. 議事録化、資産化、プロトタイピングを効率化 2. アブダクション(閃き)に集中

    a. 選択を絞り込むのは⼈間の仕事 3. 閃きのために「違和感」を育てる a. 累積の思考回数を増やし、⾔語化し、AI思考実験 AI時代のPdMの役割とは?
  18. 33