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新卒採用マニュアル②_向き合う学生を知る/新卒採用計画の考え方

 新卒採用マニュアル②_向き合う学生を知る/新卒採用計画の考え方

新卒採用を行うにあたって、対象となる学生の考え方やそれを踏まえて新卒採用の戦略や戦術をどのように設計すべきかをまとめています。

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袴田 優斗

January 17, 2026
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Transcript

  1. Z世代とは また、今の就活生は「Z世代」にあたり、就活に限らず価値観が多様化している。 優秀層は当てはまらないケースも多いが、世代特性として押さえておくのが良い。 Z世代のよく言われる特徴(傾向) 就活・採用で他世代とズレやすいポイント ✓ デジタルネイティブ:物心ついた頃からスマホ・SNSが当たり前 ✓ SNSで情報収集・意思決定:検索エンジンより、TikTok /

    Instagram / YouTube / X などの影響が大きい ✓ コスパ・タイパ志向:ムダな手間や長い手順を避ける、短時間で 要点を掴みたい ✓ 価値観重視:「何をする会社か」「社会にどう役立つか」「自分ら しく働けるか」を気にしやすい ✓ 安定も現実的に見ている:挑戦だけでなく、生活・メンタル・働き やすさも同時に重視 ✓ 多様性・公平性に敏感:ハラスメントや不透明な評価への拒否 感が強め ✓ 志望動機の順番が逆:志望動機を求められる前に、仕事のリア ル・成長の道筋などの“納得材料”が欲しい ✓ 不透明な選考に弱い:選考の目的が見えない/連絡が遅いと「 誠実さがない・タイムパフォーマンスが悪い」と離脱しやすい ✓ 面接の圧がダメージになりやすい:詰め質問は“否定”に見えや すく、辞退が起きやすい ✓ 制度より運用を見る:福利厚生や制度については、有無より「実 際に使えるか・周りが使っているか」を重視する ✓ 承諾の決め手は不安の解消:条件より「配属の見通し・一緒に 働く人・失敗しても大丈夫感」で意思決定する
  2. 優秀層にとっての人気カテゴリ・業界 わかりやすくポータブルスキルを高められる環境 × 採用枠の拡大で、コンサル人気は 圧倒的であるものの、匹敵する業界もいくつかある。 • 投資銀行等、ジョブ型の金融:外資・日系問わず人気 • 外資系メーカーのジョブ型採用:マーケ・ファイナンス職を空けている企業が強い •

    外資系IT:セールス・アーキテクト職が強め • メガベンチャー:ジョブ型でない企業もあるが、成長環境としての評価が高い • 総合商社:メンバーシップ型で成長環境としてもやや上記には劣るが、給与レベルや海外経験 の保証などで他業界を圧倒
  3. 新卒採用市場の時代の移り変わり AI全盛時代がくる? コンサル全盛時代 (現在) JTC全盛時代 新卒就活原始時代 ✓ 学校が採用のハブで、学生 は学校にきた企業の求人 を中心に選定。

    ✓ 結果として、学生主体では なく、学校・企業が主体に。 ✓ リクルート登場後、現在の 新卒採用の形である「自 由応募型」がスタート。 ✓ 終身雇用がスタンダードで、 安定性の高い日系大手企 業が人気の市場に。 ✓ ポータブルスキルの習得やコ ンピテンシーの向上に最適 なコンサルが人気に。 ✓ コンサル業界における人材 拡大のタイミングも一致し、 大コンサル時代に。 ✓ 生成AIの登場が、世界に インパクトを与えている。 ✓ AIを主軸とした企業が、 今後の新卒就活を席巻 するかもしれない。 新卒採用市場にも大きな流れがあり、今はコンサル全盛時代と言える。 生成AIが大きなインパクトを残している現状、近い将来AI全盛時代に移行するかもしれない。
  4. 人気の就活サービスを使ってみる 就活生のUXを考えるなら、優秀層学生が利用している就活サービスを使ってみることがおすすめ。 どのようなコンテンツ、どのような企業が人気があるのか、追体験するのが手っ取り早い。 総合系 スカウト系 口コミ・SNS イベント中心のナビ 口コミを中心とした次世代総合就活サイト 学生・企業ともに大きく拡大中 外資・難関向けの特化就活サイト

    外資系だけでなく日系人気企業も多数掲載 ベンチャー・成長志向向けの特化就活サイト 理系向けの研究系×スカウトサイト 新卒就活の逆求人スカウトの先駆け (やや裾野広め) 優秀層向けの逆求人スカウトサイト 社員口コミサイト 転職層中心だが、就活生の利用も増加 情報交換コミュニティ 就活のコミュニティも活発に 旧レクミー。優秀層向けのイベントが強み エンジニア学生向け就活支援サイト エンジニア系の就活イベントに強み 1 2 3 4
  5. 目標設定の正解はない 01.の「採用すべき人材」の項目にも記載したが、ターゲットや人数目標などは企業によって 様々で正解はない。ただし、アンチパターンはあるので改めて確認する。  5年後・10年後の組織・事業を見越した人材定義ができていない。(≒直近の労働力としてみなす)  ↑に近いが、「現場で欲しい人材」をターゲットにする。  自社に最適な人材ではなく、世間一般的に「優秀」と呼ばれる学生を、ターゲットにする。 

    理想を求めすぎて、世にほとんど存在しないスーパーマン・スーパーウーマンを、ターゲットにする。  逆に、地に足をつけすぎて(採用KPIを意識しすぎて)、コア人材になりえない要件で定義する。  多面的に要件定義ができていない。学歴などの肩書だけ、コンピテンシーだけ、〇〇だけで決めてしまう。
  6. ターゲット設定には採用担当も介入すべき アンチパターンの多くは、新卒採用に知見のある人間が目標設定(特にターゲット設定)に 関与できていないことに起因する。内外部問わず、知見のある人間をアサインすべき。  「現場で欲しい人材」をターゲットにする。 → 新卒採用と中途採用の混同。現場主体すぎると発生する。  理想を求めすぎて、世にほとんど存在しないスーパーマン・スーパーウーマンを、ターゲットにする。 →

    新卒採用市場の知識・知見不足。  多面的に要件定義ができていない。学歴などの肩書だけ、コンピテンシーだけ、〇〇だけで決めてしまう。 → 新卒採用設計の深掘り不足・知識不足。片手間新卒採用担当アサインなどで発生する。 (兼務が問題なのではなく、新卒採用をサブミッション程度と見なすことが問題)
  7. ターゲット設定は、ペルソナ化まで行う 数値目標やKPI設定は完璧だが、ターゲット設定はかなり甘いという企業は多い。 「理由づけ」と「ペルソナ化」を駆使して解像度を上げると、後々の工程に活きてくる。 理系 高学歴 成長意欲高 ✓ ただラベルを貼ってるだけで、人間味がなく、後工程の見極め・アトラクト戦略が曖昧になる。 ✓ ラベルに該当する学生は多く存在する。

    ただし、なぜそのような人材が欲しいか言語化できていない。(アンチパターンに該当) 基本プロフィール 価値観・将来像 行動特性 企業選びの優先順位 重視する情報 不安・離脱トリガー 学年/属性:学部3年冬〜4年春(早期化に適応)/国立・早慶・上位私大が多め 専攻:経済・商・法・理工などがやや多め(ロジック志向) 経験:長期インターン(事業開発/リサーチ/PMO/コンサル補助) or 学生団体幹部 就活の状態:複数社並行、スケジュール管理が上手い。選考は“手堅く分散”する 将来像:20代で「意思決定力・問題解決力」を獲得し、市場価値を最短で上げたい 人生観:遠回りよりショートカット。再現性がある環境を選ぶ 成功定義 短期:難しい課題で鍛えられる/優秀な人に囲まれる 中期:事業責任・経営・投資など“上流”へ接続できる 論点ドリブン:説明会で「結局何をやる?誰が評価する?いつ裁量?」を詰める 比較が早い:良し悪しを2〜3の軸で即整理して、深掘り対象を絞る 人を見て判断:制度より“その制度が機能している人”を探す 時間効率重視:ESはテンプレ化、面接は仮説立てと反証で精度を上げる 見抜きにくい要素を嫌う:配属ガチャ・属人評価・曖昧な育成 成長の再現性(育成・アサイン・フィードバックの仕組みが回っている) 周囲のレベル(上司/同僚/面接官の解像度) アサインの質(難易度・顧客/課題の大きさ・裁量) 評価/昇進の透明性(何をやれば上がるかが明確) 報酬/ブランド(最終局面で効く) 仕事の実態 若手は具体的に何を任される?「資料作り」以上に踏み込める瞬間はいつ? アサインの決まり方(希望はどこまで通る?誰が決める?) 成長の再現性 入社後3〜6か月のオンボーディングの“中身”は? フィードバック頻度(週次?案件ごと?誰から?) “裁量あり”が抽象的(具体例が出ない) 配属や評価がブラックボックス(運・上司次第に見える) 面接官の解像度が低い(質問が浅い、話が噛み合わない) 成長支援が精神論(研修/FBの設計が弱い) 現場と採用の話がズレている(言ってることが一致しない) 加えて、各項目がなぜこの 特徴なのかを言語化する ありがちな ターゲット設定 解像度を上げた 簡易的な例
  8. 費用は何にかかるのか 下記は費用の例。内定~入社フォローも実質的な採用Feeとして捉えている企業もある。 毎年度かかるものがほとんどだが、採用広報・制作物は数年に1回の作成となることが多い。 母集団形成 選考運営 交通・宿泊・飲食 人件費 ツール・システム 採用広報・制作 ✓

    ナビ/媒体掲載 ✓ スカウト・逆求人 ✓ 説明会・セミナー出展 ✓ エージェントFee ✓ 広告(SNS等) …etc ✓ 会場費用 ✓ 印刷物・準備物 ✓ 適性検査・テスト ✓ 当日運営スタッフ …etc ✓ 候補者の交通費/宿泊費 ✓ 面談等での飲食費 ✓ 社員出張費 …etc ✓ 人事・リクルーター稼働 ✓ コンサル/RPO費用 ✓ 面接官・現場稼働費 …etc ✓ ATS(採用管理システム) ✓ 日程調整ツール ✓ 検査・テスト基本料金 ✓ オンライン配信用ツール ✓ CRM・BI …etc ✓ 採用サイト・LP ✓ 会社紹介資料 ✓ 動画・写真 ✓ インタビュー記事 ✓ ノベルティ …etc
  9. 費用予算にも正解はない 目標・計画策定と同様、正解がないため、ロジカルな設定は難しい。 • 前提として、企業ごとに新卒採用への温度感も異なる上に、ROIの考え方も異なる。 • 転職市場は採用する社員の年収のx%というFeeが一般的で、1名あたりの金額が定まりやす いが、新卒採用は1名あたりの金額設定などが難しい。(採用人数が多い場合はなおさら) • 超トップ企業は媒体やスカウトサイト側も特別な費用で掲載を依頼するケースも多いため、 相場がわかりづらい構造となっている。

    • 強い企業をベンチマークとするなら、必然的にブランディングや広報が重要なため、費用を 大きくとらないといけないケースが多い。 • 自社の市場におけるポジショニングを正しく把握し、競合やベンチマーク先がどれくらいの目標を 設定し、広報等にどれくらい資金を投入しているかをリサーチしながら最適化していく必要がある。
  10. ベンダー・コンサル・RPOの違い 採用支援系の企業やサービスは多々あるが、役割が異なることに留意。特に採用コンサルとRPOの 境界が曖昧で、自社の課題にはまらない事業者に依頼してしまうのは避けたい。 採用コンサル RPO(業務代行) ベンダー(ナビサイト等) ミッション 提供価値 依頼タイミング 料金形態

    自社サービスの提供 による採用支援 母集団形成・ 一部ブランディング 母集団形成時期 サービスごとに費用 採用活動の中身の変革 戦略・戦術の設計 採用設計時期~ 振り返り時期中心にいつでも 固定費(人月) 採用活動の オペレーション支援 業務プロセスの 代行・効率化 人員不足の際 固定費(人月)