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継続的にアウトカムを生み出し ビジネスにつなげる、 戦略と運営に対するタイミーのQUEST(探求)

継続的にアウトカムを生み出し ビジネスにつなげる、 戦略と運営に対するタイミーのQUEST(探求)

タイミーのビジネスモデルを通じて、2-sided Marketが抱える難しさや不確実性を解き明かし、その中でどのように成果を導いてきたかを共有します。

ノーススターメトリクスやフライホイールの探求を起点に、戦略フレームワークの活用や組織設計の工夫を具体例と共にご紹介。戦略と組織が調和し、成果を最大化するための実践知をお伝えします。

Toru Yamaguchi a.k.a zigorou

December 15, 2024
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  1. タイミーの実績 スキマ バイト No.1 ※1 ※2 [調査方法]インターネット調査 [調査期間]2024 年 2

    月 9 日~11 日 [調査概要]スキマバイトアプリサービスの実態調査 [調査 委託先]株式会社マクロミル ※3 2024年9月時点 ※4 2024年9月時点 利用率 ・リピート率 ※1 ※2 導入事業者数 136,000企業 ワーカー数 900万人 ※4 ※3
  2. 鶏と卵問題: 成熟したマーケットでの課題 ▪ 鶏と卵問題とは? ◦ 2-sided Marketの構築初期において、需要(ワーカー)と供給側(店舗)のどちらを先に増やすべき か、という課題を指します ◦ この問題を解決する事が、ネットワーク効果を引き出し、プラットフォームの成長を促進させる

    上で重要です ▪ タイミーにおける課題 ◦ すでにリーディングカンパニーとして確立している段階のため、一般論で掲げた課題とは異な り、既存の需給バランスをいかに維持・最適化し、成長を促進するかという、鶏と卵問題になっ ている
  3. 鶏と卵問題: エリア・インダストリー開拓 ▪ エリア展開 ◦ タイミーは全国主要エリアに営業拠点を設けているが、まだまだ事業者・店舗の開拓が不十分な エリアが存在する ◦ この開拓が進んだ場合は、ネットワーク効果における間接効果に該当するため、そのエリアで働 くことができるワーカーの需要が増すことが予想される

    ▪ インダストリー開拓 ◦ まだスポットワークの価値を十分に提供できていないインダストリーに属する事業者・店舗を開 拓する際には、特定の資格保有などといった、そのインダストリーの特性にあったワーカーが マッチングされるようにしていかなければならない ◦ そのインダストリーが要求するスキルや経験を持ったワーカーを、どのように獲得・育成してい くかといった、ネットワーク効果における間接効果を効果的にするための課題が出てくる
  4. プロダクトマネジメント視点から見た2-sided Market ▪ 価値提案の設計 ◦ ワーカー/事業者・店舗はそれぞれ異なるニーズでマーケットに参加しているため、両サイドに異 なる価値を提供する必要がある。 ▪ メトリクスの定義 ◦

    両サイドのアウトカムやエンゲージメントを測る指標を設ける必要がある。 ▪ フィードバックループの構築 ◦ 両サイドから得られるデータやフィードバックを収集し、改善を継続していく必要がある。
  5. 価値提案の設計: これまでの価値 ▪ ワーカー ◦ 履歴書不要で自分のペースで自分に合った仕事が探せる。 ◦ 気に入った場所で何回でも働くことができる。 ◦ すぐにお金が手に入る。

    ▪ 事業者・店舗 ◦ 電話不要で即時掲載、直前でも人が来る。 ◦ 困ったときの即戦力をプールできる。 ◦ 気に入ったワーカーさんを引き抜きできる。 ◦ 安心して雇用できる。
  6. 価値提案の設計: これからの価値 ▪ 共通 ◦ 需給のミスマッチが少ない ◦ マーケットの信頼性が高い ▪ ワーカー

    ◦ よりスキルが身につきやすい ◦ 身につけたスキル・経験が活かしやすい ◦ 継続的な評価によって報酬や待遇が向上する ▪ 事業者・店舗 ◦ ワーカーを受け入れやすい ◦ 働く前に事前に学習してもらうことができる ◦ 必要な労働力を確実に確保できる
  7. 1つのノーススターにすることの重要性 ▪ 1つのノーススターを持つことは、チームが一貫した方向性を持ち、全員が同 じ目標に向かうために非常に重要 ◦ ノーススターはチーム内での共通の目標となり、優先順位の設定や意思決定の加速に役立ちま す。 ◦ 特に複雑なプロダクトにおいては、複数の異なる目標が生まれがちですが、それを1つに絞り込む ことで、より強いフォーカスと整合性を確保できます。

    ▪ 1つのノーススターを持たない場合、チーム内での優先順位が曖昧になりがち で、結果として意思決定に時間がかかることが多くなります。 ◦ 例えば、複数のノーススターメトリックを設定した場合、メンバーごとに異なる方向にリソース を割いてしまい、結果として全体の成長が滞ることがあります。 ◦ ノーススターが複数あると、プロダクトの成功指標が曖昧になり、進捗のモニタリングや改善施 策の効果測定が困難になります。
  8. 自分たちが何のゲームに取り組んでいるかを理解する ▪ 自分たちのプロダクトがどのゲームに該当するかを理解することが、ノースス ターメトリックの特定に役立つ。 ◦ それぞれのゲームタイプごとに特徴があり、顧客のニーズに志向性があるため ▪ 2-sided Marketにおけるゲームタイプの特定 ◦

    タイミーでワークショップをやった際には、2-sided Marketである事を意識して、ワーカーと事 業者・店舗という両サイドそれぞれにおいてゲームタイプの診断を行った ◦ 1つのノーススターを持たない方向性ではなく、2-sided Marketにおけるインプットやワークに ついて構造的に捉えることが、事業構造やフライホイールの特定、組織設計やアーキテクチャ選 定などに有用だと考えたため
  9. アテンションゲームの特徴と例 ▪ 特徴 ◦ 顧客が製品により長く時間を費やすことが、ビジネスに直接利益をもた らす。 ◦ 顧客のマインドシェアを求めている。 ◦ 読む、観る、聴く、遊ぶために顧客が製品を使用している。

    ▪ プロダクトの例 ◦ Facebook (ソーシャル・ネットワーキング) ◦ Netflix (動画配信) ◦ Atlanta Journal-Constitution (新聞) 出展: ノーススター・プレイ ブック
  10. トランザクションゲームの特徴と例 ▪ 特徴 ◦ 顧客が製品を使って経済活動に参加することが、ビジネスに直接利益を もたらす。 ◦ 顧客の消費を求めている。 ◦ 支払いと商取引が重要。

    ◦ 顧客は、製品を使って購入、注文、計測、取引、追跡を行う。 ▪ プロダクトの例 ◦ Amazon (小売と流通) ◦ Walmart (ディスカウントショップ) ◦ Progressive Insurance (個人向け保険) 出展: ノーススター・プレイ ブック
  11. プロダクティビティゲームの特徴と例 ▪ 特徴 ◦ 顧客が製品を使用して効率的にタスクを達成することが、ビジネスに直 接利益をもたらす。 ◦ 効率と達成が重要。 ◦ 顧客は、製品を使って作成、作業、完了、構成、および構築を行う。

    ▪ プロダクトの例 ◦ Salesforce (ビジネスおよび顧客管理ソフトウェア) ◦ Adobe (デザイン作成ソフトウェア) ◦ LexisNexis (リーガルデータベース) 出展: ノーススター・プレイ ブック
  12. 改めて、1つのノーススターとするかどうかについて考える ▪ 両サイドで異なるインプットやワークが存在する ◦ それぞれの側面に対するインプットが相互に影響し合うことで、ネットワーク効果を発揮し、全 体としての価値提供が強化されます。 ▪ 鶏と卵問題というライフサイクル ◦ 2-sided

    Marketを構築する初期的なフェーズにおいては、どちらの側を優先してマーケットを作 るか、つまり「何を起点にして成長を図るか」に焦点を当てる必要があります。 ◦ マーケットが成立した後のフェーズでは、需給のバランス維持、新たな価値提案の創出、顧客拡 大を図るためのアプローチが重要となります。
  13. やはり1つのノーススターに収斂させるべき ▪ やはり原則は重たい ◦ スライド 27: 1つのノーススターにすることの重要性 で説明した通り ▪ 価値交換がどのように行われ、循環しているかを捉えることが重要

    ◦ 現在の価値交換がどのように循環しているかをフライホイールとして捉え、何が最初のAha!体験 であるかが明確であれば、1つのノーススターに収斂させていくことが望ましいと考えています。 ◦ タイミーの場合、両サイドの参加者が期待するニーズが異なるものの、それぞれが成功体験を積 むことで全体の成長が促進されるため、その最初のポイントをノーススターに据えることが有効 だと考えています。
  14. ここまでのまとめ ▪ タイミーのような2-sided Marketにおいては、ワーカーと事業者の両方に対して価 値を提供し続けるための明確なノーススターメトリックが必要です。 ▪ ノーススター・フレームワークを活用し、それぞれのサイドに異なるインプットや ワークがどのように相互作用しているかを理解することで、持続可能な成長が可能に なります。 ▪

    初期段階では鶏と卵問題にフォーカスし、どちらのサイドを優先するかを決めること が重要でしたが、成熟した現在では両サイドの需給バランスを維持し、新たな価値を 提供することが焦点となっています。 ▪ 1つのノーススターを設定することにより、チーム全体が一貫した方向性を持ち、迅 速な意思決定と効果的な施策の実行が可能になります。 ▪ ノーススターフレームワークを活用し、顧客体験を最大化しながら、プロダクトの成 長を支えていくことが重要です。
  15. プロダクト組織からみたドラッカーの8つの目標 ▪ マーケティング ◦ 現在の顧客価値を創造する核 ▪ イノベーション ◦ 未来の顧客を創造し、競争優位を築くエ ンジン

    ▪ 人的資源 ◦ チームが成功のカギを握る ▪ 資金 ◦ 戦略の実行を支える燃料 ▪ 物的資源 ◦ プロダクトを支えるインフラ ▪ 生産性 ◦ 投資効率の最大化 ▪ 社会的責任 ◦ 持続可能な企業活動の基盤 ▪ 利益(条件としての利益) ◦ 企業の存続を支える成果
  16. マーケティング: 価値とマーケット ▪ 既存の価値または新たな価値と、既存 マーケットまたは新規マーケットの組 み合わせを4象限で表し、それぞれに戦 略目標を持つのがマーケティングの重 要なポイント ◦ ここで言うマーケットとはターゲットとなるあ

    らゆる物を指すため、タイミーの場合はワー カーのセグメントやインダストリー、エリアな どが該当する ▪ 新たな価値を新規マーケットにぶつけ る動きは一番蓋然性が低いため、優先 度は低い
  17. イノベーション ▪ 新製品や新サービスの開発 ◦ 新たな価値を創造し、顧客に提供すること。 ◦ 例:Appleの新しいデバイスやNetflixの新しいサービス形態。 ▪ 既存プロセスの変革 ◦

    製品やサービスの開発・提供プロセスを効率化。 ◦ 例:製造業における自動化技術の導入。 ▪ 新しいビジネスモデルの創出 ◦ 競争優位を確立するための新たなビジネスモデルの導入 ◦ 例:Netflixのサブスクリプションモデル。 ▪ 新しい顧客ニーズの創造 ◦ 潜在的な顧客ニーズを掘り起こし、新たな市場を開拓。 ◦ 例:Airbnbがホテル業界に対して提供した新たな宿泊オプション。
  18. プロダクト戦略と8つの目標 ▪ プロダクト組織として目標を立てて、目標達成のための筋道を立てるという意 味では、8つの目標それぞれに戦略を検討することが出来ます ◦ これを広義のプロダクト戦略と呼ぶことにします ▪ プロダクト戦略というためには最低でもマーケティングとイノベーションに目 標を立てて、筋道を立てる必要があります ◦

    これを狭義のプロダクト戦略と呼ぶことにします ▪ 実際はどうか? ◦ 多くの場合は、社会的責務に相当するであろうビジョンやプロダクトビジョンに照らし合わせ て、どの程度の定性状態を目指すかといった目標を立てたり、狭義のプロダクト戦略に基づいて 人的資源や物的資源に対する計画を立てて、予算立案することが多い
  19. 戦略のカーネル(核) ▪ 戦略のカーネルとは「良い戦略、悪い 戦略」という名著で説明されている成 功するために必要な戦略の基本的な構 成要素の事を言います ▪ 診断 ◦ 現在の状況や問題を理解し、課題を明確化する

    プロセス。 ▪ 基本方針 ◦ 診断に基づいて設定される方向性や指針。目指 すべきゴールを示す。 ▪ 一貫した行動 ◦ 基本方針に従って具体的に取るべき行動や施策 を計画する。
  20. 戦略的意図とプロダクトイニシアチブ ▪ 戦略的意図とプロダクトイニシアチブとは「プロダクトマネジメント ―ビル ドトラップを避け顧客に価値を届ける」という書籍で説明されている概念です ▪ 戦略的意図 (Strategic Purposes) ◦

    プロダクトやビジネスの長期的な方向性や目的を示す。 ◦ 「なぜそれを行うのか?」を明確にすることで、全体の目標に向かう指針となる。 ◦ 例: 顧客のオンボーディング体験を改善し、リテンション率を向上。 ▪ プロダクトイニシアチブ (Product Initiatives) ◦ 戦略的意図を達成するための具体的な行動計画。 ◦ 「何をどのように行うか?」に焦点を当て、短期的な成果を出すための実行案。 ◦ 例: ユーザーインターフェースの改善、オンボーディング動画の導入。
  21. 診断を行う際のヒント ▪ 現状分析 ◦ 外部環境としてPEST(LE)分析、内部環境としてコンピテンシー分析、競争環境として5 force分 析などを実施すると良いです ◦ これらの分析をSWOT分析のインプットにすると問題の特定がしやすくなります ▪

    問題の特定 ◦ SWOTのアイテムに対して何らかの手法で優先度がつけられるようにしましょう ◦ また得られた表層的なSWOTアイテムだけでなく、そのようなアイテムが生まれた背景をロジッ クツリーを遡るように検討すると良いでしょう ▪ 根本原因の解明 ◦ 問題の特定で得られたアイテムに対して、解決の道筋を検討していきます ◦ 必ずしも沿う必要はありませんが、Cross SWOT分析をしてみると良いです
  22. 診断の流れ PEST分析 コンピテンシー 分析 5force分析 Strength Weakness Opportunity Threat 優先度付け

    ロジック ツリー化 Cross SWOT分析 マーケット 分析 現状分析 問題の特定 根本原因の解明
  23. 診断から基本方針を導く ▪ 診断で得られた根本原因の解明によるソリューションが、マーケティングとイ ノベーションのどこに該当するかをマッピングしてみましょう ▪ マーケティングの場合は原則として、以下の3つにマッピングします ◦ 既存価値 x 既存マーケット

    ◦ 新しい価値 x 既存マーケット ◦ 既存価値 x 新規マーケット ▪ それに加えてイノベーションに対しても該当する物があればマッピングします ◦ 診断の中で新しいプロダクトやプロセスの変革、ビジネスモデルなどが浮かび上がっている場合 に相当する
  24. 戦略的意図の投資配分 ▪ 70-20-10の法則を基本にする ▪ コア事業の強化 ◦ マーケティングそのものか、マーケティングにおけ る既存価値 x 既存マーケットに相当

    ▪ 隣接領域への拡張 ◦ マーケティングにおける既存価値 x 新規マーケッ ト、新しい価値 x 既存マーケットとするか、主力事 業のバリューチェーン上にある隣接領域に対するイ ノベーションに相当 ▪ 革新的・変革的な取り組み ◦ イノベーションに該当
  25. 戦略のカテゴライズ: ビジネス価値フレームワーク ▪ ビジネス価値フレームワークとは? ◦ 戦略的意図やプロダクトイニシアチブがビジネス的にどうい う意味を持つかを分かりやすく分類するためのフレームワー ク ◦ 基本はトップラインとボトムラインでの分類

    ▪ 実際には以下の4象限での分類 ◦ 売上を増やす (Increase Revenues) ◦ 売上を守る (Protect Revenues) ◦ コストを減らす (Reduce Costs) ◦ コストを避ける (Avoid Costs) 出展: Value: a framework for thinking
  26. 戦略のカテゴライズ: トレードオフプライオリティ ▪ トレードオフプライオリティとは? ◦ ラディカルプロダクトシンキングという書籍で紹介されている手法です。 ◦ この手法は、組織が長期的なビジョンを追求しながら、日々の現実的なニーズにも対応すること を可能にします。 ▪

    分解軸 ◦ ビジョンフィット: 組織が達成したい長期的な目的や方向性に合致するかどうか ◦ サバイバル可能性: 組織が直面する最大のリスクを軽減し、明日にも活動を継続できるようにする ための要素かどうか
  27. トレードオフプライオリティによる分類 ▪ 理想 ◦ ビジョンに適合し、組織の生存にも寄与するプロジェクト。これ らは最も優先度が高いとされます。 ▪ ビジョン投資 ◦ ビジョンの実現に向けた長期的な投資であり、リソースを多く必

    要とするが、将来的な価値を生むプロジェクト。 ▪ ビジョン負債 ◦ 収益をもたらすが、ビジョンにはあまり適合しないプロジェク ト。これらは短期的な生存のために必要かもしれませんが、過度 に依存すると組織の方向性を損なう可能性があります。 ▪ 危険 ◦ ビジョンにも生存にも寄与せず、追加のリスクを伴うプロジェク ト。これらは一般的に避けるべきです。 出展: The Visual Art of Prioritization
  28. 戦略に優先順位をつける: Cost of Delayによる定量化 ▪ プライオリタイズ手法は様々です ◦ ICE, RICE, MoSCoW,

    Kano Model, Weighted Scoring… ▪ タイミーではイニシアチブの優先順位づけに、Cost of Delay を定量化して利 用しています ◦ Impact x Urgency をそれぞれ3段階で評価し、かけ合わせた物を定量化する方法です ◦ シンプルであることと、ここまで戦略的意図などの上位概念や、その投資配分、カテゴライズな どによって、十分にプロダクトイニシアチブが絞り込まれているため ▪ Impactに関しては年間売上に対する影響度(%)で敷居を設ける事で、定量化し やすく、年度ごとの事業成長にも追従出来るようにしています ▪ Urgencyに関しては、今すぐ、今クオーター中に、いつでもといった三分類に しています
  29. ここまでのまとめ (1/2) ▪ 戦略的意図とプロダクトイニシアチブの連携 ◦ 戦略的意図はプロダクトの方向性と長期的な目標を示し、プロダクトイニシアチブはそれを実現 するための具体的な行動計画です。この二つの要素が連携することで、組織全体が一致して同じ 目標に向かうことが可能となります。 ▪ 戦略のカーネルの重要性

    ◦ 成功するプロダクト戦略には、診断、基本方針、一貫した行動からなる「戦略のカーネル」が欠 かせません。戦略のカーネルにより、複雑な状況でもシンプルで明確な方向性を持ち、全員が目 標に向けて統一した行動を取ることができます。
  30. ここまでのまとめ (2/2) ▪ イノベーションとマーケティングの役割 ◦ イノベーションは新しい価値を創出し、マーケティングはその価値を効果的に市場に伝える役割 を担います。両者のバランスを取ることで、新規顧客の獲得と既存顧客の維持が実現され、持続 的な成長が可能となります。 ▪ 持続可能な成長のためのアプローチ

    ◦ プロダクト戦略の成功は、持続可能な成長を実現するためのアプローチに依存します。新しい市 場機会を創出し、既存の市場でのポジションを強化するために、イノベーション、マーケティン グ、そして適切な優先順位付けを組み合わせることが重要です。
  31. Tribeの運営とGroup Product Managerのしごと ▪ Spotify Modelの弱点 ◦ Tribeでは大きな価値提案の方向性が共通している一方で、Squadの自律性が高まりすぎて、透明 性を失うといったような課題が既知の問題として知られている ▪

    課題に対する打ち手: Group Product Manager ◦ Squadの自律性は一定担保しつつも、Tribeの方向性を元にSquadのミッションを調整し、Tribe 内のコミュニケーションを活性化させていく必要性があった ◦ そのため、プレイングマネージャーとして Group Product Manager というロールを定義し、そ の役割を担ってもらうようになった ▪ 詳しくは ◦ 弊社DoP大歳のタイミーにおける戦略・戦術・運営の考え方と、それを遂行する Product Manager の Role についてを参照して下さい
  32. まとめ (1/2) ▪ 組織の階層化と目的の明確化 ◦ Spotify Modelの要素(Tribe, Squadなど)を組織に適用することで、柔軟で迅速に動ける組織構造 を形成し、チーム内外の協力体制を強化します。 ◦

    これにより、組織全体が一貫して戦略的目標を共有し、適応力を持ちながらアウトカムを生み出 すことが可能になります。 ▪ Group Product Managerの役割と重要性 ◦ Group Product Manager(GPM)の役割は、複数のプロダクトチーム(Squad)を統括し、戦略の実 行を支援することです。 ◦ GPMは、戦略的な視点から各プロダクトの優先順位を付け、チームが一貫した目標に向かって成 果を最大化するように導きます。このようなリーダーシップが、プロダクトチーム全体のアウト カムを向上させる鍵となります。