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ARコンテンツの考え方 - クリエイターでなくても「おもしろい」ARコンテンツを制作したい!

drama
September 23, 2022

ARコンテンツの考え方 - クリエイターでなくても「おもしろい」ARコンテンツを制作したい!

クリエイティブに苦手意識があった私ですが、著名なクリエイターがおもしろいコンテンツを再現出来ている以上何らかの法則があるのでは?と考えました。

ARに限らず、さまざまなコンテンツを体験/分析した結果から「"おもしろいコンテンツ"と"おもしろくないコンテンツ"は何が違うのか」「ARコンテンツはどんな時に"おもしろい"と感じるのか」を自分なりに整理した内容です。

※SpeakerDeckではGifが動かないので動きありで見たい方はGoogle Slide (https://bit.ly/3DYszs6) 版をご確認ください。

drama

September 23, 2022
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Transcript

  1. ARコンテンツの考え方
    クリエイターでなくても「おもしろい」
    ARコンテンツを制作したい!
    イラスト:CosaWell ( https://www.cosawell.co.jp/business-cw/digital/design/illustration/ )

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  2. 自己紹介
    2
    氏名
     多田 努来真 (ただ どらま)
    所属
     クラウドサーカス株式会社
     CEGH Tokyo Group
    担当
     COCOAR
      プロダクトマネージャー / 開発ディレクター
     LESSAR
      プロダクトマネージャー(プロダクトオーナー)
    @1901drama

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  3. 自己紹介(エンジニア/クリエイターとしての業務外活動)
    3
    レトロゲームのAR化 思い出のデジタル化 ストーリーの可視化
    AR Invader
    ARKit3 Hackathon 2019 準優勝
    インベーダーゲームをモチーフに、
    2Dゲームの現実化と ARKit3の持ち味であった多人数 参
    加をメインとした最大 5人程で遊べるARゲームを開発し
    ました。
    現実にインベーダーを配置し、相手のインベーダーを倒
    すARゲームです。
    Time Capsule
    Yahoo DigitalHackDay 2022 特別賞受賞
    思い出のデジタル化をテーマに、
    タイムカプセルがモチーフのシステムを開発。
    被写体を撮影すると深度を含めた映像がデータとして記
    録され、以降その場所をスキャンすると
    3Dの被写体と撮影時の天気が AR(≒ホログラム)で復元
    表示されます。
    LOOK BACK -SHINJUKU-
    withAR Hackathon #11 優勝
    最寄駅をコンセプトにするというお題に対し、
    新宿駅付近で呟かれたツイートを AR化することで
    「その場にいた人の気持ちやストーリーから、駅に付随
    する人の気持ち(見えない価値)を表現する」というコンテ
    ンツを制作しました。

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  4. この資料のターゲット層
    4
    質問1 ARコンテンツを作ることがある。
    質問2 ARコンテンツの制作基準や注意点を知りたい。
    質問3 感覚的にARコンテンツを制作することが出来る。
    今回のターゲット層です
    コンテンツ制作の基盤となる考え方を話します
    ▶まずは 80点の面白さを 安定して出せるように

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  5. 5
    1. ARについて
    2. 「おもしろい」 とは
    3. 「おもしろい」ARコンテンツとは
    4. 「おもしろい」 の外側
    5. コンテンツの実装
    目次

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  6. 1.ARについて

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  7. ARとは
    7
    参考リンク
    Pokemon GO 公式サイト
    Augmented Reality = 拡張現実
    ・人間が知覚している現実に電子情報を追加し、
     現実にあるよう錯覚させる技術のこと
    ・現実との関連性が必要
    ・知覚させるのは五感のいずれでも良い
     ※今回は視覚型メインで説明

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  8. ARで出来る表現
    8
    参考リンク
    ハリーポッター 魔法同盟 アプリ紹介ページ
    参考リンク
    IKEA PLACE アプリ紹介ページ
    拡張する / より楽しく / 創造
    世の中に存在しない体験を表現する
    体験価値:高い
    体験時間:やや長い
      制作:難しい(クリエイティブ要素)
    こっちが難しい
    代替する / より便利に / 想像
    世の中に存在するがその場に無いものを表示する
    体験価値:低い
    体験時間:短い
      制作:簡単〜普通

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  9. 構成
    9
    AR的な表現
    合成
    電子情報
    現実情報
    AR技術
    表現
    参考リンク
    Pokemon GO 公式サイト
    いわゆる「AR技術」というのは、現実情報を認識する技術 のこと
    (表現の方ではない)

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  10. ARで出来ること
    10
    拠点の検出/追跡 平面の検出/追跡
    人の検出/追跡 表情の検出/追跡 奥行きの合成 空間共有
    参考リンク
    Apple Developer サイト
    検出 → 合成 → 共有 が可能
    画像の検出/追跡 物体の検出/追跡

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  11. 11
    参考リンク
    ・国内 ビジネス向けxRソリューション市場の現状と展望 2020年度版
    ・2018年 国内AR/VR市場 企業ユーザー調査
    ・TesTee Lab【2020年版】VR/ARに関する調査
    ・Reportocean.com 世界 拡張現実市場調査レポート(2020)
    +41.7% 8.4% 49.7%
    ARの普及率
    ARコンテンツの体験率
    (日本:1217名:10-20代)
    ARのビジネス利用・利用意向率
    (日本:社会人:1000名:20-60代)
    2019-2023年のAR市場成長率 /年
    (日本:主要ベンダー 40社, [約55億円→222億円])
    市場は成長しているが、ビジネス利用は十分に普及出来ていない( 一部企業のみ)
    ▶サービス/コンテンツ への有効活用 が必要

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  12. 2.「おもしろい」 とは

    View Slide

  13. 私が「おもしろい」と感じたもの
    13
    お笑い
    (漫才)
    スポーツの試合 動物 こども
    映画 漫画

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  14. 感情の遷移
    14

    認識 理解 想像
    面白くない
    面白くない
    (恐ろしいなど)
    理解出来る
    面白い
    理解出来ない
    例:ミステリー映画を見てた時の感情遷移
    イベント発生

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  15.          コンテンツ体験
    「おもしろい」 とは
    15
    わかる
    ココ
    わからない

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  16. AR での「おもしろい」
    16
             コンテンツ体験
    現実
    ココ
    非現実
    ・検出する情報
    ・シチュエーション(時期や場所など)
    ・何を出すか(電子コンテンツ)
    ・どのように出すか(時期や場所など)
    現実の延長 かつ 普通に出来ない表現(非現実) が出来ると
    それが ARでの 「おもしろい」 となる

    View Slide

  17. AR が有効な手段か
    17
    面白い?
             コンテンツ体験
    現実
    非現実
    <例>
    ・とある犬の画像を検出すると
    <例>
    ・炎のエフェクトが出てくる
    どのような組み合わせでも 面白くなるわけではない
    ▶どのような組み合わせや要素があると 「おもしろい」 コンテンツになるのか

    View Slide

  18. 3.「おもしろい」ARコンテンツとは

    View Slide

  19. 再現する:Pokemon GO (サービス / アプリ)
    19
    現実世界そのものに紐づいて人気キャラクターが出現
    ・歩くことでポケモンというコンテンツに遭遇する
    ・ポケモンを捕まえて自分のコレクションに加える
    ・捕まえたポケモンを 育成 / 対戦 / 交換など出来る
    現実の要素
     位置(探索時)、平面(表示時)、
     共通の思い出(アニメ/ゲーム)
    非現実の要素
     キャラクターの表示(位置/平面)
    参考リンク
    Pokemon GO 公式サイト
    例:1/7つ目

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  20. 再現する:HADO(サービス / アプリ)
    20
    参考リンク
    meleap HADO 紹介ページ
    仮想のボールやシールドを駆使したドッジボール
    ・頭と腕に専用デバイスを設置
    ・玉の攻撃や盾を可視化
    ・自分や相手の動きに合わせて表示
    現実の要素
     人や手の動き(運動/スポーツ)、画像認識
     共通の思い出(漫画/アニメなど)
    非現実の要素
     ボール(エナジーボール)、シールド、ライフゲージなど
    例:2/7つ目

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  21. モノを拡張する:らくがきAR(アプリ)
    21
    参考リンク
    whatever らくがきAR 紹介ページ
    描いたイラストが生きているように動き出す
    ・イラストやモノを2D 認識
    ・認識されたモノが立体で表示される
    ・立体物が生物のように動き出す
    現実の要素
     画像(イラストなど)
    非現実の要素
     画像の立体化、動き
    例:3/7つ目

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  22. モノを拡張する:LEGO(コンテンツ / アプリ)
    22
    参考リンク
    LEGO 公式ページ
    おもちゃの世界が動き出す
    ・LEGOを組み立てて建物や乗り物を作る
    ・組み立てたモノをアプリでスキャンするとエフェクトが表示される
    ・組み立てたモノをキーとしてキャラクターを表示 /操作出来る
    現実の要素
     画像(もしくは物体)、こどもの想像
    非現実の要素
     おもちゃが動く、キャラクターやエフェクトが表示される
    例:4/7つ目

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  23. モノを拡張する:横断歩道(映像コンテンツ)
    23
    参考リンク
    Twitter きむらえいじゅん[.mov] ( @kuro_40 )
    白線以外の地面が無くなる
    ・白線は現実の映像
    ・白線と人物以外は空中のような映像
    現実の要素(開発した場合)
     画像(白線)、人物、共通の思い出(想像)
    非現実の要素(開発した場合)
     崩れる地面の映像、空中のような空間映像
    例:5/7つ目

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  24. モノを拡張する:車窓の忍者(コンテンツ)
    24
    参考リンク
    Twitter 佐藤蕗(ふき)_おもちゃ作家「ふきさんのアイデアおもちゃ大百科」発売 ( @fuki_fuki )
    窓の奥の風景を忍者が走る
    ・窓上に忍者のキャラクターを配置
    ・窓の奥のモノに乗って動いているように捉える
    現実の要素(開発した場合)
     画像(車窓に映る建物や電車)、深度(奥行き)、
     共通の思い出(想像)
    非現実の要素(開発した場合)
     走る忍者のキャラクター
    ※電子コンテンツではありませんが、
     現実を拡張した例として記載しています。
    例:6/7つ目

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  25. 気持ちを代替する:紙面 + 花火(コンテンツ)
    25
    参考リンク
    信濃毎日新聞「実験 ARおうち花火大会」
    紙面の風景上に花火が上がる
    ・風景が印刷された紙面を認識
    ・認識すると紙面上に花火の動画が再生される
    ・合わせてみることで花火の風景を連携させる
    ・中止で花火を見れなかったというシチュエーションに適している
    現実の要素
     画像(風景が印刷された紙面)、世間の雰囲気(自粛ムード)
    非現実の要素
     花火の動画
    例:7/7つ目

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  26. AR での「おもしろい」
    26
             コンテンツ体験
    現実
    ココ
    非現実
    ・検出する情報
    ・シチュエーション(時期や場所など)
    ・何を出すか(電子コンテンツ)
    ・どのように出すか(時期や場所など)
    現実の延長 かつ 普通に出来ない表現(非現実) が出来ると
    それが ARでの 「おもしろい」 となる

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  27. AR での「おもしろい」
    27
             コンテンツ体験
    現実
    ココ
    非現実
    ・検出する情報
    ・シチュエーション(時期や場所など)
    ・何を出すか(電子コンテンツ)
    ・どのように出すか(時期や場所など)
    人の感情も拡張させる対象
    (例:共通の思い出/世間の雰囲気など)
    現実(検出する情報)から、 非現実(表現)への流れに
    適切なストーリーがあると 「おもしろい」 を感じやすい

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  28. ストーリーの考え方:点→線→点 パターン
    参考リンク
    Pokemon GO 公式サイト
    参考リンク
    Snapchat 事例
    A. 現実にある情報を拡張させていく考え方
    B. 非現実の要素を現実に適応させていく考え方
    ① ② ③
    ③ ② ①
    <例>
    ・表情を変える
    ・モノを動かす
    ・モノに説明を表示
    <例>
    ・キャラクターを特定の地点に表示
    ・自然界に無い演出をその場に適用
    連想する要素を追加
    連想する要素に追加
    28

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  29. この考え方の時は、
    展開を理解出来るようにするストーリー設計や演出が重要
    ストーリーの考え方:点→点→線 パターン
    参考リンク
    たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座
    参考リンク
    ストーリーテリングの練習に...
    C. 現実にある情報と関係ない情報を紐づける考え方
    ① ④ ③
    <例>
    ・眠たい靴
    ・走る机
    ・地球の走馬灯
    ・電動のおばあちゃん
    ・宇宙人の犬
    ・夢を見るパソコン


    眠たい
    29

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  30. 「おもしろい」 とは違うけど 良いパターン
    30
    ・共感させる
       やったことがある体験を彷彿させる、理解を得られやすい問い、
       願った通りやお決まりの展開、感情移入出来る体験の再現 など
       例:子供の頃の思い出、あるある、悪が負ける、結婚式、卒業式
    ・ネガティブな感情の解消に繋がる
       わからないことをわかるようにしてくれる、安心や癒しを得られる、
       ネガティブからフラット/ポジティブへの大きな感情変化を体験出来る など
       例:案内、親しい人からのメッセージ、仮想のホラー体験
    これらの場合でもARとして 現実 から、非現実 への適切なストーリーは必要
    ▶どういった感情に着地させたいのか は定めておきましょう

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  31. 4.「おもしろい」 の外側

    View Slide

  32. ユーザーにアクションさせるには
    32
    動機
    行う理由
    実行能力
    実行しやすい条件
    きっかけ
    やろうと想起する
    瞬間
    参考リンク
    フォッグの消費者行動モデル (B=MAT)
    ・使うと便利になる
    ・課題を解消してくれる
    ・欲求を満たしてくれる
    ・誘惑や生理的欲求
    ・広告や話題
    ・通知
    ・簡単
    ・道具がある
    ・時間がある
    ・コストが低い
    コンテンツの面白さ
    ・興味があるコンテンツか
    ・予想を上回る体験をさせられるか
    ・課題や欲求を解消するものか
    体験させる場面 / 機会
    ・思い出す経路が日常にあるか
    ・外部からの情報流入は多いか
    体験までの障壁
    ・わかりやすい使い方か
    ・すぐに体験出来るか

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  33. 利用するハードルが高くないか
    33
    ユーザーが体験するまでの障壁が高い
    ・体験までに時間がかかる
    ・体験する為の制約が多い
    <例>
    ・ダウンロードサイズが大きい
    ・設定項目が多い
    ・タッチすべき箇所や体験の手順が複雑
    ・デバイスの装備や設定に時間を要する
    ・AR体験をし辛いシチュエーション(他人が多い、場所が狭いなど)
    実行能力
    実行しやすい
    条件
    467.5

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  34. 伝わっているか
    34
    最も伝えたい事が伝わっておらず
    体験のおもしろさ(価値)が不足
    ・ユーザーに触れる部分(デザイン等)が理解しにくい
    ・注目すべき点が定まっていない
    ・要素を詰め込み過ぎている
    <例>
    ・タッチすべき箇所や体験の手順が複雑
    ・使わない機能や表現が多い
    ・終わりが分かり辛く納得して体験を完了出来ない。
    動機
    行う理由
    実行能力
    実行しやすい
    条件

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  35. 体験の長さが適切か
    35
    参考リンク
    moguraVR バーガーキング広告
    参考リンク
    ぺちゃばと
    体験時間が短い・単発
    きっかけが少なかったり、手段として利用されるもの
    <例>
    ・イベント利用
    ・広告
    ・おまけ
    体験時間が長い・継続的
    きっかけが多かったり、ルールにより進行するもの
    <例>
    ・シミュレーションゲーム
    ・対戦ゲーム
    ・ARマップ
    実行能力
    実行しやすい
    条件
    きっかけ
    やろうと
    想起する瞬間

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  36. 利用場面やきっかけがあるか
    36
    体験しようと思う場面が少ない
    ・体験するシチュエーションが限定的である
    ・体験結果が同じ
    <例>
    ・イベント会場や特定の地域でのみ体験出来る
    ・いつ体験しても結果に変化がない
    きっかけ
    やろうと
    想起する瞬間

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  37. 5.コンテンツの実装

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  38. 38
    現実と認識させる表現
    ▼物理法則を適用させる
      自然に用意されている要素
      対象:材質、光源、サイズ、重力、速度、音量、温度 など
    ▼シチュエーションにあわせる
      私達が現実に合わせて変化/対応している要素
      対象:時期、時間帯、地域、服装、習性、流行 など
    ▼応答性を追加する
      私達が他から影響を受けて行うような要素
      対象:タッチアクション、会話、視線、汗 など
    ▼複数人から知覚出来るようにする
      私達が他者との関係で構築している要素
      対象:起点となる共通の情報





























    参考リンク
    ・UE digital human
    ・Apple Siri
    ・Apple ARWorldMap

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  39. ARコンテンツでよく使われている拡張表現
    39
    参考リンク
    ・@cmrr_xxx
    ・Zeppelin ARaddin
    ・8thWall Sample, @asagi_tokyo
    ・Pokemon GO
    ・テクテクライフ, @1901drama
    ・@kiyossy0715, @kitasenjudesign
    ・@1901drama
    ・Apple Developer WWDC 2017 ARKit
    実写化 ポータル
    (別空間に繋がる )
    地域を限定する
    巨大化 / 超人化 材質変化
    (特に 水/ガラス/鏡/金属など)
    リアルタイム変化
    形状変化
    メタフィクション
    (外側を意識 /カメラ,操作概念など )
    動かす

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  40. ARコンテンツでよく使われている拡張表現「枠の定義」
    40
    参考リンク
    クロス新宿ビジョン
    参考リンク
    株式会社北星社 様「AR × SDGs」
    表示する領域の中に枠(マーカーなど)を含めておくと
    拡張表現が強調される

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  41. ARならではの技術的注意点
    41
    検出対象を軸に 日時や場所の制約 向きと位置 アクションまでの
    予備動作
    体験中に起点から
    カメラが外れないか
    ・上に上がる花火
    ・飛んでいく鳥
    ・動き回るキャラクター
    正常に使えるか環境か
    ・通信が安定しているか
    ・光源あるか
    ・体験時間の制約
    無理なく使えるか環境か
    ・目の位置
    ・対象までの距離
    ・視野角
    分かり易く使えるか
    ・動作理解までの時間
    ・開始を見逃さないか

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  42. 素材が質素(2D画像や動画)な場合は
    42
    体験終了
    AR表示
    検出
    ①AR表示までの
     ストーリー設計にこだわる
    ④平面素材ならではの
     表現にこだわる
    ②体験ハードルをなるべく低くする
    ⑤体験頻度(累計体験時間)を多くする
    参考リンク
    ・ペーパーマリオ
    動機付けや伏線
    <例>
    スタンプラリー、謎解き、観光
    ※指示ベースより能動的に動きやすい展開に
    マーカーに見えないものを使うなど
    <例>
    風景、標識、組み合わせ、
    マーカーを作らせる
    体験を諦めさせない
    <例>サイズ容量を大きくしない、段階的に体験させる
    敢えて2Dにしているような表現に
    <例>
    ペラペラ、めくれる、なびく、
    割れる、破れる、吹き飛ぶ、折る
    <例>
    条件により違うパターンを用意する、
    体験を彷彿させるモノに結びつける、
    ①に繋げる
    ③検出マーカーを工夫する
    ⑥再び体験したくなるように

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  43. よくある改善施策
    43
    ● ライト:向き、距離、種類(太陽光 / 白熱灯 / スポット)を似せる。
    ● 質感:材質、光沢、硬さ を似せる。
    ● 重さ:重力、反発力 を似せる。
    ● パーティクルで、コンテンツや空間の雰囲気を演出する。
    ● フィルタ(画像やエフェクト)をカメラに重ねて空気感を演出する。
    ● アクションやアニメーションは、余裕を持って見れるタイミングで発生させる。
    ● 主張したい表現を明示的に誇張する。
    ● インタラクション性を持たせる、アクション後のフィードバックを設定する。
    ● 体験結果にランダム性を持たせ、結果を想定させない。
    現実感
    非現実感
    魅力

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  44. 個人的に良かった改善施策
    44
    演出の結末や主題を適切に伝える。
    UIやアクション時のフィードバックなど、
    ユーザーに届く末端部分は丁寧に作り込んだ方が良いです。
    良いコンテンツでも伝えたいことが届かなければ、内容の評価にさえ至りません。
    逆に コンテンツの魅力が低くても、コンテンツ周りを底上げし、
    適切に伝えることが出来れば、ある程度の体験価値を与えられます。
    コンテンツ体験に人の要素を付与する。
    例:皆で出来る、人により結果が変わる、人に共有出来る
    体験者の背景がコンテンツの魅力に追加されることで、コンテンツ自身ではなくコンテンツを体験したというこ
    と自体に価値が生まれ、体験価値の向上に繋がっていそうです。
    この場合、コンテンツ自体に魅力が少なくても、人との話題に出来ることを面白いと感じてきます。また、面白
    いという他人の意見が多ければ 自ずと 面白いのではないか?という風に見方が変わってきます。(共感性に
    よるものと思います)
    着地
    人の要素

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  45. フリーで始められる3D制作ツール
    45
    ● VRoid (3Dキャラクター)
    ● Mixamo (3Dキャラクターアニメーション)
    ● MetaShape (フォトグラメトリ / 3Dモデリング)
    ● 3d Scanner App (3Dスキャナ / 3Dモデリング / スマホアプリ)
    ● Polycam (3Dスキャナ / 3Dモデリング / スマホアプリ) など
    ● Unity (3Dシーン)
    ● Blender (3Dモデリング)
    ● Maya (3Dモデリング) など
    簡単
    定番

    View Slide

  46. まとめ

    View Slide

  47. ①ARコンテンツの構成
    47
    AR的な表現
    合成
    電子情報
    現実情報
    AR技術
    表現
    参考リンク
    Pokemon GO 公式サイト
    いわゆる「AR技術」というのは、現実情報を認識する技術 のこと
    これからのコンテンツは、電子情報側(非現実の表現) を考えることが重要

    View Slide

  48. ②ARコンテンツでの「おもしろい」 とは
    48
             コンテンツ体験
    現実
    ココ
    非現実
    ・検出する情報
    ・シチュエーション(時期や場所など)
    ・何を出すか(電子コンテンツ)
    ・どのように出すか(時期や場所など)
    現実(検出する情報)から、非現実(表現)への流れに
    適切なストーリーがあると 「おもしろい」 を感じやすい
    人の感情も拡張させる対象
    (例:共通の思い出/世間の雰囲気など)

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  49. ③ユーザーにアクションさせるには
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    動機
    行う理由
    実行能力
    実行しやすい条件
    きっかけ
    やろうと想起する
    瞬間
    ・使うと便利になる
    ・課題を解消してくれる
    ・欲求を満たしてくれる
    ・誘惑や生理的欲求
    ・広告や話題
    ・通知
    ・簡単
    ・道具がある
    ・時間がある
    ・コストが低い
    コンテンツの面白さ
    ・興味があるコンテンツか
    ・予想を上回る体験をさせられるか
    ・課題や欲求を解消するものか
    体験までの障壁
    ・わかりやすい使い方か
    ・すぐに体験出来るか
    体験させる場面 / 機会
    ・思い出す経路が日常にあるか
    ・外部からの情報流入は多いか
    参考リンク
    フォッグの消費者行動モデル (B=MAT)
    「何を伝えるべきか」 →「どう伝えるべきか」までを検討

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  50. ④実装手法
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    ARならではの表現で、体験価値を高める

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  51. この内容が、制作の理解に少しでも貢献出来ていれば幸いです
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    質問1 ARコンテンツを作ることがある。
    質問2 ARコンテンツの制作基準や注意点を知りたい。
    質問3 感覚的にARコンテンツを制作することが出来る。
    コンテンツ制作の基盤となる考え方を話します
    ▶まずは 80点の面白さを 安定して出せるように

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    参考文献
    ● ARの教科書
    ● ハマるしかけ
    ● ARにおけるサービスデザインプロセス完全解説(サービスデザインについて)
    ● 「ついやってしまう」体験のつくりかた
    ● たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座(ストーリーテリング)
    ● AR三兄弟の企画書
    ● 実践ARKit(開発書)
    ● ARKit超入門(開発書)
    ● Apple Developer
    ● Google Developers (ARCore)

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