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AI時代の戦略的アーキテクチャ 〜Adaptable AI をアーキテクチャで実現する〜 / ...

AI時代の戦略的アーキテクチャ 〜Adaptable AI をアーキテクチャで実現する〜 / Enabling Adaptable AI Through Strategic Architecture

登壇者名:佐藤 拓人
登壇したイベントタイトル:アーキテクチャConference2025
イベントの登壇URL:https://architecture-con.findy-tools.io/2025?m=2025/session/mdl/vtCRq6O9

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Transcript

  1. 2 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 0.

    前提:本発表のスタンス
  2. 3 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. AIをどう使うか

    (How to)  より   どう向き合うか (Why / What) 0. 前提:本発表のスタンス
  3. 4 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 短期的な実利

    (プロンプト)  より   中長期的な備え (アーキテクチャ) 0. 前提:本発表のスタンス
  4. 5 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. [keyword]

    「責任」「信頼」 「分割」「統治」 0. 前提:本発表のスタンス
  5. 6 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 自己紹介

    佐藤 拓人 Sato Takuto 2015.04 2019.05 2020.01 大学(建築学専攻)卒業後、 株式会社ワークスアプリケーションズに入社 会計システムのソフトウェア開発を担当 特に財務会計の仕訳関連 ビットキーへ参画 ECサイトの開発 / 保守、社内システムの開発 TaKuTyの開発 今のhomehub事業の前身となるResidenceチームに配 属。スマートロックを扱う管理画面やバックエンド、 スマホアプリの開発に従事 Now homehub事業のプロダクト責任者 複雑な事象を読み解いて構造化し、抽象化 / 汎用化で きるように設計し、低コストで多くの価値をだせる開 発をすることを好む
  6. 8 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 自己紹介

    佐藤 拓人 Sato Takuto Background 〜どんな環境でAIと向き合っているの?〜 1. サーバーサイドメイン + Webフロント 2. 既存プロダクトの機能拡張メイン 3. 事業ドメインは「カギ」を扱う領域 4. スタートアップでローンチしてから7年程度 5. homehubという事業領域の中のコア部分の開発がメ インのチーム 6. 言語はTypeScript、インフラはGoogle Cloud、IDE はCursor
  7. 9 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 自己紹介

    佐藤 拓人 Sato Takuto Background 〜どんな環境でAIと向き合っているの?〜 1. サーバーサイドメイン + Webフロント 2. 既存プロダクトの機能拡張メイン 3. 事業ドメインは「カギ」を扱う領域 4. スタートアップでローンチしてから7年程度 5. homehubという事業領域の中のコア部分の開発がメ インのチーム 6. 言語はTypeScript、インフラはGoogle Cloud、IDE はCursor
  8. 14 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ・誰がいつどこにアクセスできるかを管理

    ・アクセスするために必要な処理を実施 様々なユースケースに対して 利便性と安全性を向上するための機能拡張を実施
  9. 15 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 目次

    0. 前提:本発表のスタンス 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」 2. 課題:「責任」を脅かすカオス 3. 戦略:戦略的な「検査」 4. 解決:Divide and Conquer 5. 補足:私の現在地 6. 結び:まとめ
  10. 16 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  11. 17 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    構想:AIの進化と人間の新たな「役割」 AI時代の生存戦略 よく見かけるパターン 1. AIが苦手な領域で勝負する 2. AIをうまく活用できるようにする 3. AIを使って自身の能力を高める
  12. 18 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 「Claude

    Code時代のソフトウェアエンジニア生存戦略」by すてぃお さん ポジショニング戦略が鍵 ・「AIディレクター型」 ・「アーキテクト特化型」 ・「ドメインエキスパート型」 ・「AI回避型」 ・「ビジネス統合型」 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  13. 19 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 「AI時代のソフトウェア開発を考える」by

    t_wada さん ・AIで時が加速したが、問題の構造、根本的原因は 同じ。歴史から学んだ知見が今こそ重要 ・AIから引き出せる性能は、個人と組織の能力に比 例する。能力向上への投資が不可欠 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  14. 20 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 「AI時代、“平均値”ではいられない」by

    uhyo さん ・AIを超える技術力が必要 ・創造的になる必要がある 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  15. 21 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. (前提として...)

    AIはいずれ人間を凌駕する ものとして備えておくべき ※ 個人的な意見 / 考え方です 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  16. 22 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 人間にしかできない領域がある?

    ・設計は人間にしかできない? ・提案はAIにできない? ・AIには創造性はない? … 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  17. 23 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 人間にしかできない領域がある?

    ・設計はAIにできない? ・提案はAIにできない? ・AIには創造性はない? … 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」 ほんとうに?
  18. 24 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. AIはいずれ人間を凌駕する

    そしてそれは 段階的に行われる ※ 個人的な意見 / 考え方です 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  19. 25 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 何が残るのか?

    ※ 個人的な意見 / 考え方です 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  20. 26 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 「責任」と「信頼」

    ※ 個人的な意見 / 考え方です 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  21. 27 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 「責任」と「信頼」

    ※ 個人的な意見 / 考え方です 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」 なぜ?
  22. 28 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 根拠1:AIは責任を果たすことが難しい

    ・法的責任 :   AIは契約の当事者になれない、訴訟の対象にならない ・経済的責任:   AIには賠償能力がない、保険の対象にならない ・説明責任 :   AIは「なぜそうしたか」をステークホルダーに説明しきれない ・継続的責任:   AIは長期的なメンテナンスにコミットできない ・社会的責任:   AIは倫理的判断の主体になれない ※ 個人的な意見 / 考え方です 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  23. 29 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 根拠その2:人間はAIを信頼しきれるのか?

    ・利用者側の視点で...   ・プロダクトを安心して利用できるか?   ・トラブルがあった際に適切にサポートを受けることができるか?    and more… ・プロダクト提供側の視点で...   ・ビジネス価値や必要な要件は漏れなく提供できているか?   ・セキュリティやコンプライアンス観点で問題ないか?   ・機能追加や不具合修正でデグレを引き起こさないか?    and more… ※ 個人的な意見 / 考え方です 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  24. 30 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. AIの「責任」「信頼」は

    構造的/技術的には解決可能かもしれない が 社会的/感情的に受け入れ難いのでは? ※ 個人的な意見 / 考え方です 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  25. 31 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  26. 32 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  27. 33 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  28. 34 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  29. 35 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  30. 36 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  31. 37 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  32. 38 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    構想:AIの進化と人間の新たな「役割」 人間の役割は 「責任」と「信頼」
  33. 39 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. (仮説)

    人間が責任を取る ステークホルダーはその人間を介して プロダクトを信頼をする 構造はしばらく維持されるのでは? ※ 個人的な意見 / 考え方です 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  34. 40 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 変遷(予想)

    1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」 人間が操縦 AIがサポート AIが操縦 人間がサポート AIが完全操縦 人間は管理/制御 フルAI 人間は責任をとる
  35. 41 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 2.

    課題:「責任」を脅かすカオス
  36. 42 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 責任は問題なく取ることができるのか?

    ・ちゃんと動くのか? ・不具合はないのか? ・セキュリティ的に問題ないのか? ・倫理的に問題ないのか? など... 2. 課題:「責任」を脅かすカオス
  37. 43 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. AI開発のダークサイド:「Vibe-Driven

    Development」の脅威 Vibe CodingをはじめとするAIを使ったコーディングは非常に強力であるがリスクもある 1. 定量的リスク:  AI生成コードの45%にセキュリティ脆弱性。AIによる自己レビューの正解率は63-68% 2. 保守性の崖:  「ほぼ正しい」コードが微妙なバグを増殖させ、デバッグコストが増大 3. 確率的負債:  従来の技術的負債と異なり、なぜそう動くか説明不可能な「確率的」な負債が蓄積 4. 組織的リスク:  知識がAIに集中し、チームの「バス係数(Truck Factor)」が低下する(=リスク増大) 2. 課題:「責任」を脅かすカオス
  38. 45 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    AI時代に必要なこと リスクあり
  39. 46 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    AI時代に必要なこと リスクあり どう責任とる?
  40. 47 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 1.

    AI時代に必要なこと リスクあり どう責任とる? 検査が重要!
  41. 48 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 人間のミッション

    人間がAIへの盲目的な「信頼」を拒否し 厳格な検査 (「責任」の実行) を行い ステークホルダーからの「信頼」を獲得する ※ 個人的な意見 / 考え方です 2. 課題:「責任」を脅かすカオス
  42. 49 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 補足:責任のインフレ

    ・量的なインフレ:   ・AIが加速するほど、AIでは難しい「倫理的・法的判断」が人間に「凝縮」され責任が増大する。 ・質的なインフレ:   ・AIの成果物を信頼しがたく、求める責任の水準が上昇する   ・AIにより非エンジニアのリテラシーが向上し、定量的な信頼性と適切な説明責任が求められる ※ 個人的な意見 / 考え方です 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」
  43. 50 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 補足:責任のインフレ

    ・量的なインフレ:   ・AIが加速するほど、AIでは難しい「倫理的・法的判断」が人間に「凝縮」され責任が増大する。 ・質的なインフレ:   ・AIの成果物を信頼しがたく、求める責任の水準が上昇する   ・AIにより非エンジニアのリテラシーが向上し、定量的な信頼性と適切な説明責任が求められる ※ 個人的な意見 / 考え方です 1. 構想:AIの進化と人間の新たな「役割」 エンジニアとして どう備えるか? どう検査するか?
  44. 52 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略:戦略的な「検査」 ソフトウェアエンジニアとして 何が求められるか?
  45. 53 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. リスクあり

    どう責任とる? 検査が重要! 3. 戦略:戦略的な「検査」
  46. 54 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. リスクあり

    どう責任とる? 検査が重要! 例: ・レビュー ・Build / Lint チェック ・自動テスト 3. 戦略:戦略的な「検査」
  47. 55 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 専門的な知見を基にした 検査方法の立案や妥当性の説明 が求められるようになる
  48. 56 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 専門的な知見を元にした 検査方法の立案や妥当性の説明 が求められるようになる 「アーキテクチャ」 「QA」 「SRE」 「データサイエンス」
  49. 57 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 専門的な知見を元にした 検査方法の立案や妥当性の説明 が求められるようになる 「アーキテクチャ」 「QA」 「SRE」 「データサイエンス」
  50. 58 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 「検査」を「タイミング」「基準」で構造化する
  51. 59 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 「検査」を「タイミング」「基準」で構造化する
  52. 60 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 「検査」を「タイミング」「基準」で構造化する 客観 x 予防 主観 x 予防 客観 x 回復 客観 x 回復
  53. 61 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 「検査」を「タイミング」「基準」で構造化する 客観 x 予防 主観 x 予防 客観 x 回復 客観 x 回復
  54. 62 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 「検査」を「タイミング」「基準」で構造化する 主観 x 予防 客観 x 予防 客観 x 回復 客観 x 回復
  55. 63 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 「検査」を「タイミング」「基準」で構造化する 客観 x 予防 主観 x 予防 客観 x 回復 客観 x 回復
  56. 64 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 「検査」を「タイミング」「基準」で構造化する 客観 x 予防 主観 x 予防 客観 x 回復 客観 x 回復
  57. 65 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 象限ごとの特性 ・人間の対応が必要で ・ボトルネックとなる → 縮小させたい
  58. 66 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 象限ごとの特性 ・AIや仕組みで解決可能 ・スケールしやすい → 拡大させたい
  59. 67 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 象限ごとの特性 ・リリース前に検査可能 ・市場で問題発生しない → 強化させたい
  60. 68 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 象限ごとの特性 ・リリース後の検査となる ・市場で問題発生するかも → リスクの予防も必要
  61. 69 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 ケーススタディ1:プロトタイピング / 社内ツールなど ◼ 戦略 ・AIに委ねる ・Build / Lintチェックはしつつも、テストもAI に書かせて、AIに自律的に開発させる ◼ 4象限 ・ほぼ「客観 x 予防」のみ ・最後の動作確認だけ人間がチェックする
  62. 70 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ◼

    戦略 ・できるだけAIに委ねて、主観領域の検査削減 ・SLOは監視し閾値を超えたら修正をする ◼ 4象限 ・「客観 x 予防」と「客観 x 回復」がメイン ・問題検知時に人間がサポートして対応 ◼ 補足 ・障害検知 → リカバリもAIでできるように組  めば理論上主観の検査は不要とできる ・市場で問題が発生するリスクがあるので、受  容できるか次第 3. 戦略的な「検査」 ケーススタディ2:ブログサービス / LPなど
  63. 71 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ◼

    戦略 ・実装はAIに委ねる ・事前に最低限のユースケースや、コンポーネ  ントテストの網羅は確認する ◼ 4象限 ・「客観 x 予防」と「客観 x 回復」はあるが、  「主観 x 予防」が防波堤として機能させる ◼ 補足 ・事業特性やプロダクト規模や構造によって、  主観 x 予防領域の検査強度は強める 3. 戦略的な「検査」 ケーススタディ3:領域が限定的なマイクロサービスなど
  64. 72 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. SREという観点も非常に有益です。

    「客観 x 回復」の検査を大幅に拡充できます 今後はAIがメトリクスを計測し、閾値を下回っ たら原因をAIが分析し修正した上でメトリクス を監視することが人間がいなくとも実現可能と なります。 事業によっては、ある程度のリスクを受容して 「主観x予防」の検査を排除して、「客観x予 防」「客観x回復」の検査のみとする選択肢も 検討することとなると思います。 3. 戦略的な「検査」 補足:「SRE」も重要!!
  65. 74 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. リスクあり

    どう責任とる? 検査が重要! 3. 戦略:戦略的な「検査」
  66. 75 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 3.

    戦略的な「検査」 「検査」を「タイミング」「基準」で構造化する
  67. 76 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. Divide

    and Conquer (分割統治) 4. 解決:Divide and Conquer
  68. 77 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 象限ごとの特性

    ・人間の対応が必要で ・ボトルネックとなる → 縮小させたい 4. 解決:Divide and Conquer
  69. 78 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 「主観」領域の検査にかかるコストの本質は認知負荷

    です。(主にレビューなど) 認知負荷を低減する有効な手段がアーキテクチャです 「絡み合った毛糸玉」を「積み木」のような状態に 構造的・強制的に分解する唯一の方法がアーキテク チャだからです。 そしれこれは主観領域の検査負荷低減だけでなく「客 観x予防」「客観x回復」領域の精度向上も期待できま す。 「主観」領域の検査にかかるコストを最小化するには? 4. 解決:Divide and Conquer
  70. 79 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ・観点1:限られた範囲で検査可能とする

      ・AIの自律性を許容する「境界」を定義し、影響範囲を限定することで、AIの「ブラックボック    ス」な振る舞いを検査容易な状態にできる ・観点2:人間が認知しやすい状態を維持する   ・人間が認知しやすい単位で分割することで、全体の調整をしやすくするとともに、認知負荷を低    減することができる なぜ「Divide and Conquer」が重要なのか? 4. 解決:Divide and Conquer
  71. 80 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. なぜ「Divide

    and Conquer」が重要なのか? PRごとの行数が多いと精度が落ちる 4. 解決:Divide and Conquer コードの詳細を知っているからこそ 効果的なAIコーディングができる → 限られた範囲で検査可能とする → 全体の構成を認知しやすい状態を維持する
  72. 81 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 将来的には、人間が行う「検査」は、コードの確認では

    なくなる。 コードではなく「AIの思考」を検査することとなる 最終的に人間は法理や倫理協定を作成し、これに則って AIが活動しているかを監視することとなると予想し ます。 このような世界線になるとしても、プロダクトを構造的 に整理された状態を維持することは有益であり、そのよ うな世界線であってもアーキテクチャは重要であると考 えます。 補足:「検査」 = 「コードレビュー」か? 4. 解決:Divide and Conquer
  73. 82 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 具体的な方法

    1. 境界づけられたコンテキスト (Bounded Context) 2. Event-Driven Architecture 3. CQRS (Command Query Responsibility Segregation) 4. AVDM (Always-Valid Domain Model) 5. Type First 6. Event Sourcing 4. 解決:Divide and Conquer
  74. 83 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 具体的な方法

    1. 境界づけられたコンテキスト (Bounded Context) 2. Event-Driven Architecture 3. CQRS (Command Query Responsibility Segregation) 4. AVDM (Always-Valid Domain Model) 5. Type First アプローチ 6. Event Sourcing 4. 解決:Divide and Conquer 「責任」「信頼」のための 検査しやすいアーキテクチャ
  75. 84 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ◼

    説明: DDDで登場する概念で、システム的に独立して開発・運用するこ とができる単位を定めます。境界づけられたコンテキストを定義 するためにイベントストーミングなどの手法が用いられます。 ◼ 意義: AI特有の「予測不能な振る舞い」や「意図しない副作用」による カオスを遮断します。影響範囲を限定することで人間が「責任」 を「検査可能」なサイズに留めるための、最も重要な「防波堤」 として機能します。またコンテキストごとに異なる検査戦略をと ることを可能とする点でも非常に有益です。 ◼ 具体例 Before: 境界がないモノリシックな実装 After: 「注文」「支払」などのコンテキスト境界の定義 境界づけられたコンテキスト (Bounded Context) 4. 解決:Divide and Conquer
  76. 85 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ◼

    説明: 境界づけられたコンテキスト間のやり取りを、「直接的な命令(同 期呼び出し)」ではなく、「イベント(発生した事実)」の通知に よって非同期で行う設計アプローチです。 ◼ 意義: 「境界づけられたコンテキスト」が「分割(Divide)」という設計 (地図)だとすれば、EDAはその分割を「強制(Conquer)」し、統治 するための「交通ルール」です。境界づけられたコンテキスト間 を疎結合に保つことを促進させることができます。 ◼ 具体例 Before: 境界の定義があるがソースコードは密結合 After: 境界間のやり取りはイベントを介して非同期に実施 Event-Driven Architecture 4. 解決:Divide and Conquer
  77. 86 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ◼

    説明: 「コマンド(Command)」と「クエリ(Query)」の責務を分離する という設計パターンです 。 ◼ 意義: 境界づけられたコンテキスト内をさらにCommand / Queryという 観点で分割し認知負荷を低減します。またCommand / Queryで分 割することで、検査強度のコントロールを実現しやすくします。 Commandの部分を高強度で検査しつつも、Queryの部分か簡易的 な検査で済ませるといった戦略を可能とします。 ◼ 具体例 Before: 登録や更新、取得の処理やDBの構造も混在している After: Command/Queryの観点で処理やDBが分割されている CQRS (Command Query Responsibility Segregation) 4. 解決:Divide and Conquer
  78. 87 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ◼

    説明: Always-Valid Domain Model(常に有効なドメインモデル)と は、ドメインモデル(ビジネスの概念を表現するオブジェクト) が、その生成時から一貫して「常に有効な(=不正な状態を持た ない)」状態であることを保証するDDDの設計原則です。 ◼ 意義: AVDMは、「Vibe(直感)」を排除し、「Spec(仕様)」をコードレ ベルで強制することを可能とします。AIがもたらす確率的な問題 をコードレベルで防ぐことが可能となり、主観でチェックしなけ ればならない絶対量を減少させることができます。 ◼ 具体例 Before: DTOスタイル (レビューコスト:高) After: Always-Valid Domain Model (レビューコスト:低) AVDM (Always-Valid Domain Model) 4. 解決:Divide and Conquer
  79. 88 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ◼

    説明: 状態や制約を「型」で表現することで、不正な操作をコンパイル 時など事前に検出するアプローチです。AVDMをさらに促進し、 単一のドメインモデルの中でも状態や制約による分解を促進させ ることができます。 ◼ 意義: AVDMのメリットをさらに促進させます。実行時エラーではなく Build時のチェックで事前に防ぐことができます。AVDMと比較し てよりソースコードレベルで強い制約を課すことが可能となりま す。型で表現できる制約の幅が広がり、AIの成果物の精度向上が 期待できます。 ◼ 具体例 Before: 1つのクラスに全状態が混在 (レビューコスト:高) After: Type Firstによる状態の分離 (レビューコスト:低) Type First 4. 解決:Divide and Conquer
  80. 89 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ◼

    説明: Event Sourcing(イベントソーシング)は、システムの状態を管 理する方法の一つです。現在の「状態」を保存するのではなく、 「何が起きたか」という全ての「事実(イベント)」を時系列で 記録する手法です。 ◼ 意義: モデルという単位からさらにイベントという単位で細分化するこ とを可能とします。「結果」だけでなく、そこに至る全ての「経 緯」が事実(イベント)として残るため、過去の追跡による厳格な 検査や、SLO等の精緻な計測が可能となり、高度な説明責任を果 たせます。 ◼ 具体例 Before: 状態ベースのモデル(「なぜ」が失われる) After: イベントソーシング(全ての「なぜ」を記録) Event Sourcing 4. 解決:Divide and Conquer
  81. 90 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 具体的な方法

    1. 境界づけられたコンテキスト (Bounded Context) 2. Event-Driven Architecture 3. CQRS (Command Query Responsibility Segregation) 4. AVDM (Always-Valid Domain Model) 5. Type First 6. Event Sourcing 4. 解決:Divide and Conquer
  82. 92 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 5.

    補足:私の現在地 私のチーム / プロダクトでは 実際どうなのか?
  83. 93 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. 5.

    補足:私の現在地 私のチーム / プロダクトでは 実際どうなのか? ぜんぜん完璧ではない まだ試験段階中 ...
  84. 94 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ◼

    概要: 段階的に導入。特にEvent-Driven ArchitectureやCQRSは切り戻 しやすい程度に実施。プロダクト全体に少しずつ導入する方法 と、特定領域でがっつり試してみる2つのアプローチで実行。 ◼ プロダクト全体: AVDMを優先的に実施。境界づけられたコンテキストの整理や CQRSも順次実施するが、無理のない範囲で段階的に実施。Type FirstやEvent Sourcingは親和性の高い領域のみで実施。 ◼ AI特区 既存実装をリファクタリングして実施中。Event Sourcingなどは 既存のデータ構造も配慮しながら実現をする。Event-Driven ArchitectureやCQRSは既存の実装の状況などを加味して無理の ない範囲で実行する。 5. 補足:私の現在地 戦略・方針
  85. 95 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ◼

    境界づけられたコンテキスト イベントストーミングベースで整理をしているが洗練中。戦略/ ルールを明確に分けるには至っておらずでこれから。 ◼ Event-Driven Architecture & CQRS 部分的な適用に留めている。切り戻しやすさなどを考慮してメ リットのある部分を適用。CQRSとしても分割がメインであれば DBを分けずとも実現は可能で、実際にDB分けずに処理のみを分け て管理している範囲がほとんど。 ◼ AVDM 全面的に採用して推進。 ◼ Type First & Event Sourcing ゴリゴリに推進していない。新規性がありイベントとの親和性が 高い領域でのみ採用して進めている 5. 補足:私の現在地 プロダクト全体
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    境界づけられたコンテキスト プロダクト全体の整理と同様。関連箇所のみ実際の実装を通して 理解や境界の整理が進んでいる ◼ Event-Driven Architecture & CQRS 部分的な適用に留めるが、分割を強制しやすい構造をベースにリ ファクタしながら進めている。 ◼ AVDM 全面的に採用して推進。 ◼ Type First & Event Sourcing 全面的に採用して推進。既存のデータとの整合性はとるための配 慮はして推進。 5. 補足:私の現在地 AI特区
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    補足:私の現在地 AI特区の構成概要 Command Query Projector
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    補足:私の現在地 AI特区の構成概要 (要確認箇所) Command Query Projector
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    プロダクト全体 AI関係なく、コンテキストの整理は全体の見通しがたちやすくな るため有意義。チーム全体でメンタルモデルを作り込むために定 期でケーススタディを継続的に実施中。AVDM, CQRSで比較的レ ビューは簡易化されたと感じる。修正されるファイルでレビュー 強度を調整できる。 ◼ AI特区 まだまだ試験的な部分はある (プロダクションリリース未達) が、 AIの生成に任せられる範囲は明確に増えるように感じる。単体テ ストは事前にいくつかお手本を作りこんでおくことで、だいぶ信 頼できるものが生成される。ファイルを分割する分全体のコード 量は増加傾向。またファイルを分割することで実行のステップを ルール化しやすい。 5. 補足:私の現在地 どうなった?どうだった?
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    結び:まとめ 1. 人間の価値は「コードを書く」ことから、「責任を負う」ことへと移行する 2. Vibe Codingはセキュリティ脆弱性、保守性の崖、法的リスクをもたらしうる 3. 責任は遂行するために検査が必要である まとめ
  91. 102 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. リスクあり

    どう責任とる? 検査が重要! まとめ 6. 結び:まとめ
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    結び:まとめ 1. 人間の価値は「コードを書く」ことから、「責任を負う」ことへと移行する 2. Vibe Codingはセキュリティ脆弱性、保守性の崖、法的リスクをもたらしうる 3. 責任は遂行するために検査が必要である 4. 検査を4象限で整理することで、事業特性ごとの戦略を立てることができる まとめ
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    人間の価値は「コードを書く」ことから、「責任を負う」ことへと移行する 2. Vibe Codingはセキュリティ脆弱性、保守性の崖、法的リスクをもたらしうる 3. 責任は遂行するために検査が必要である 4. 検査を4象限で整理することで、事業特性ごとの戦略を立てることができる 5. 中でもアーキテクチャによって、「主観 x 予防」の領域を中心に大きく改善できる 6. 結び:まとめ まとめ
  94. 106 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. ・人間の対応が必要で

    ・ボトルネックとなる → 縮小させたい 6. 結び:まとめ まとめ
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    境界づけられたコンテキスト 2. Event-Driven Architecture 3. CQRS 4. AVDM 5. Type First 6. Event Sourcing 6. 結び:まとめ まとめ
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    人間の価値は「コードを書く」ことから、「責任を負う」ことへと移行する 2. Vibe Codingはセキュリティ脆弱性、保守性の崖、法的リスクをもたらしうる 3. 責任は遂行するために検査が必要である 4. 検査を4象限で整理することで、事業特性ごとの戦略を立てることができる 5. 中でもアーキテクチャによって、「主観 x 予防」の領域を中心に大きく改善できる 6. AIを恐れるのではなく、AIを「適応(Adapt)」させるアーキテクチャを設計し、  未来の「信頼」を構築することこそが、我々のミッションである 6. 結び:まとめ まとめ
  97. 110 Copyright © 2025 Bitkey Inc. All right reserved. AI

    Friendly Architecture ↓ Adaptable AI Architecture 1. AI時代に必要なこと
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    人間がAIを適用しやすいアーキテクチャ 1. AI時代に必要なこと