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「自己調整学習」の理論から、よりよい学びのプロセスを考える / Scrum Fest Osaka 2020

「自己調整学習」の理論から、よりよい学びのプロセスを考える / Scrum Fest Osaka 2020

bonbon0605

June 27, 2020
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  1. 3 これまで扱ってきた内容(⼀部) 教育⼼理学関係 勉強会/読書会 https://educational-psychology.connpass.com/ (2020年6⽉16⽇現在) 三宅芳雄、三宅なほみ『教育⼼理学概論』(放送⼤学教育振興会、2014) https://books.rakuten.co.jp/rb/12682339/ (2020年6⽉16⽇現在) ⼭岸俊男『信頼の構造』(東京⼤学出版会、1998)

    https://books.rakuten.co.jp/rb/973576/ (2020年6⽉16⽇現在) キース・E・スタノヴィッチ『現代世界における意思決定と合理性』(太⽥出版、2017) https://books.rakuten.co.jp/rb/15118085/ (2020年6⽉16⽇現在) ⿅⽑雅治(編)『モティベーションをまなぶ12の理論』(⾦剛出版、2012) https://books.rakuten.co.jp/rb/11662190/ (2020年6⽉16⽇現在) ティモシー・ウィルソン『⾃分を知り、⾃分を変える 適応的無意識の⼼理学』(新曜社、2005) https://books.rakuten.co.jp/rb/3564013/ (2020年6⽉16⽇現在)
  2. 6 ⾃⼰調整学習とは Zimmerman(1986,1989)は,「⾃⼰調整」を「学習者が,メタ認知,動機づけ,⾏動にお いて,⾃分⾃⾝の学習過程に能動的に関与していること」と定義している。 (伊藤崇達(2009). ⾃⼰調整学習研究の問題点 伊藤崇達 ⾃⼰調整学習の成⽴過程 北⼤路書房 pp.3)

    ⾃⼰調整学習はここ30年ほどにわたった教育⼼理学研究の多くの関⼼を惹きつける トピックであり続けている。それは⾃⼰調整学習の内容が近年の多くの国々の教育 ⽬標である「児童・⽣徒が学習⽅略を効果的に適切にかつ⾃発的に⽤いること」と 合致しているからだといわれる (塚野州⼀(2012). ⾃⼰調整学習論の外観 ⾃⼰調整学習研究会(編) ⾃⼰調整学習 理論と実践の新たな展開へ pp.3)
  3. 7 ⾃⼰調整学習とは Zimmerman(1986,1989)は,「⾃⼰調整」を「学習者が,メタ認知,動機づけ,⾏動にお いて,⾃分⾃⾝の学習過程に能動的に関与していること」と定義している。 (伊藤崇達(2009). ⾃⼰調整学習研究の問題点 伊藤崇達 ⾃⼰調整学習の成⽴過程 北⼤路書房 pp.3)

    ⾃⼰調整学習はここ30年ほどにわたった教育⼼理学研究の多くの関⼼を惹きつける トピックであり続けている。それは⾃⼰調整学習の内容が近年の多くの国々の教育 ⽬標である「児童・⽣徒が学習⽅略を効果的に適切にかつ⾃発的に⽤いること」と 合致しているからだといわれる (塚野州⼀(2012). ⾃⼰調整学習論の外観 ⾃⼰調整学習研究会(編) ⾃⼰調整学習 理論と実践の新たな展開へ pp.3)
  4. 8 学⼒の分類と構造 学⼒ 学んだ⼒ 学ぶ⼒ 内容に関する 知識・技能 メタ認知 記憶 理解

    メタ認知的知識 (学習観) メタ認知的活動 (⽅略の使⽤) (深⾕達史(2016). 児童⽣徒の学びを⽀える指導 岡⽥ 涼 中⾕素之 伊藤崇達 塚野州⼀(編著)⾃ら学び考える⼦どもを育てる教育の⽅法と技術 pp.9 図1−1 学⼒の分類 を参考に作成)
  5. 9 学んだ⼒ 学ぶ⼒ 学ぶ⼒ メタ認知的知識 (学習観) メタ認知的活動 (⽅略の使⽤) 私は⼈の話を聞いて 整理するのが苦⼿だ

    議論が抽象的だと、 論点が曖昧になる 会議のアジェンダを作る ⾃⼰調整学習 結果をモニタリングする よりよいやり⽅を選ぶ 内容に関する 知識・技能
  6. 18 ⾃⼰調整学習とは(再掲) Zimmerman(1986,1989)は,「⾃⼰調整」を「学習者が,メタ認知,動機づけ,⾏動にお いて,⾃分⾃⾝の学習過程に能動的に関与していること」と定義している。 (伊藤崇達(2009). ⾃⼰調整学習研究の問題点 伊藤崇達 ⾃⼰調整学習の成⽴過程 北⼤路書房 pp.3)

    ⾃⼰調整学習はここ30年ほどにわたった教育⼼理学研究の多くの関⼼を惹きつける トピックであり続けている。それは⾃⼰調整学習の内容が近年の多くの国々の教育 ⽬標である「児童・⽣徒が学習⽅略を効果的に適切にかつ⾃発的に⽤いること」と 合致しているからだといわれる (塚野州⼀(2012). ⾃⼰調整学習論の外観 ⾃⼰調整学習研究会(編) ⾃⼰調整学習 理論と実践の新たな展開へ pp.3)
  7. 20 ⾃⼰決定理論 > 有機的統合理論 (岡⽥涼(2012). ⾃⼰調整学習における他者 ⾃⼰調整学習研究会(編) ⾃⼰調整学習 理論と実践の新たな展開へ pp.77

    図4-1を参考に作成) ⾮動機づけ 外発的動機づけ 内発的動機づけ 無調整 外的調整 取り⼊れ的調整 同⼀化的調整 統合的調整 内発的調整 何もしない やらないと 叱られる やらないと 恥をかく 将来のために 必要だから やりたいと思うから たのしいから 動機づけの⽋如 統制的動機づけ ⾃律的動機づけ ⾃律性が もっとも低い ⾃律性が もっとも⾼い
  8. 29 ⾃⼰調整する⼒の発達 発達のレベル 社会からの影響 ⾃⼰からの影響 観察的レベル モデル ⾔葉による説明 模倣的レベル 社会的ガイダンス

    フィードバック ⾃⼰制御されたレベル 内的基準 ⾃⼰強化 ⾃⼰調整されたレベル ⾃⼰効⼒感 信念 影響の源が、社会的なものから⾃分⾃⾝に移⾏していく (伊藤崇達(2009). ⾃⼰調整学習研究の問題点 伊藤崇達 ⾃⼰調整学習の成⽴過程 北⼤路書房 pp.5 Table1-1 ⾃⼰調整する⼒の発達 を参考に作成)
  9. 34 初歩の学習者と上達した学習者の⽐較 初歩の⾃⼰調整学習者 上達した⾃⼰調整学習者 遂⾏⽬標指向性 習得⽬標指向性 低い⾃⼰効⼒感 ⾼い⾃⼰効⼒観 結果のセルフ・モニタリング 過程のセルフ・モニタリング

    能⼒帰属 ⽅略/練習帰属 不適応的決定 適応的決定 (塚野州⼀(2012). ⾃⼰調整学習論の外観 ⾃⼰調整学習研究会(編) ⾃⼰調整学習 理論と実践の新たな展開へ pp.19 表1-1 初歩と上達した⾃⼰調整学習者の⾃⼰調整の下位過程の⽐較 を参考に作成)
  10. 47 たとえば、こんな感じじゃないかと思います Scrum Festに参加してみたけど、 特に⽬新しい内容もなかったし、 ⾔ってることもだいたい分かったし、 こんなものかな。 Scrum Fest で聞いた話に対して

    疑問に思ったことを 参加者同⼠で話し合って、 もっと理解を深めていきたいな。 ⾃分に合わない⽅法を選んでいるかも ⾃分に合う⽅法を選べているかも 画像︓いらすとや 画像︓いらすとや
  11. 50 参考⽂献 ⾃⼰調整学習研究会(編)『⾃⼰調整学習 理論と実践の新たな展開へ』(北⼤路書房、2012) https://books.rakuten.co.jp/rb/11667157/ (2020年6⽉16⽇現在) 伊藤崇達『⾃⼰調整学習の成⽴過程』(北⼤路書房、2009) https://books.rakuten.co.jp/rb/6203718/ (2020年6⽉16⽇現在) 岡⽥涼、中⾕素之、伊藤崇達、塚野州⼀(編著)『⾃ら学び考える⼦どもを育てる教育の⽅法と技術』(北⼤路書房、2016)

    https://books.rakuten.co.jp/rb/13833616/ (2020年6⽉16⽇現在) ⿅⽑雅治(編)『モティベーションをまなぶ12の理論』(⾦剛出版、2012) https://books.rakuten.co.jp/rb/11662190/ (2020年6⽉16⽇現在) 三宮真智⼦『メタ認知で<学ぶ⼒>を⾼める 認知⼼理学が解き明かす効果的学習法』(北⼤路書房、2018) https://books.rakuten.co.jp/rb/15571924/ (2020年6⽉16⽇現在)