Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

Audio Experience is greatly improved in VR: A W...

cannorin
November 19, 2019

Audio Experience is greatly improved in VR: A Worked Example

cannorin

November 19, 2019
Tweet

More Decks by cannorin

Other Decks in Technology

Transcript

  1. だれ • Twitter: @cannorin_vrc • Study: 数理論理学 プログラム言語の理論 • Job:

    F# プログラマ • in VRC: VOLT Enthusiast VRC-LT (#2~) Club: The Underground
  2. だれ • Twitter: @cannorin_vrc • Study: 数理論理学 プログラム言語の理論 • Job:

    F# プログラマ • in VRC: VOLT Enthusiast VRC-LT (#2~) Club: The Underground
  3. VRChat 世界のクラブ ワールド型 ユーザー運営 / イベント型 • VOLT Dance Club

    • VOID Club • Club VGL • Club Rogue • MOGRA (再現ワールド) • etc • Silent Club • Club Ruins/RE:Builds/ARTRIUM • GHOST CLUB • アルテマ音楽祭 • Club: The Underground • etc (順不同)
  4. 人はなぜ VR のハコを求めるのか 参加者目線では 主催者目線では • 入場料がかからない • 終電を気にしなくてよい •

    配信よりも臨場感がある • 知り合いと集まりやすい • 好きな音楽をかけられる (ワールド型) • ハコ代がかからない • 風営法を気にしなくてよい • イベント開催のコストが低い • あまり人が来なくても気にならない • (配信と異なり)フロアのほぼリア ルタイムの反応が得られる
  5. それでもハコでしか味わいにくいもの • DJ パフォーマンスとフロアの熱狂 ( VR 入力デバイスの技術的限界) • 凝った VJ・エフェクト

    ( VRChat の技術的限界) • 身体に響く低音の振動 ( VR 出力デバイスの技術的限界) • 前から飛んでくる音とその反響 (物理的限界)
  6. それでもハコでしか味わいにくいもの • DJ パフォーマンスとフロアの熱狂 ( VR 入力デバイスの技術的限界) → 高度なモーキャプソフト・ハードの導入 •

    凝った VJ・エフェクト ( VRChat の技術的限界) → シェーダー技術の応用 • 身体に響く低音の振動 ( VR 出力デバイスの技術的限界) → 新しい出力デバイスの普及 (e.g. Hapbeat) • 前から飛んでくる音とその反響 (物理的限界) → VRChat SDK のみで改善可能 (今日はこれの話)
  7. VRChat の立体音響 VRChat は ONSP(Oculus Audio Spatializer Plugin) という 3D

    音響システム SDK を使っている. モノラル音声 + 頭や音源の位置・動きの情報 + 環境データ ↓ONSP で再現 バイノーラル音声 ※ バイノーラル音声 …… 鼓膜に届く状態で録音された音声
  8. 3D 音響のしくみ (1) 3D 音響 … Spatialization + Environmental Modeling

    ・ Spatialization = 音源の方向・距離の再現 - 左右方向 : 左右での音量差 (ILD) と時間差 (ITD) - 上下前後方向 : 身体や耳介の形状による反射・減衰 → まとめて 頭部伝達関数 (HRTF) でエンコード (+頭の動きに応じて音を変化させて補完) - 距離 : 音量の変化や ITD, 高周波減衰など
  9. 3D 音響のしくみ (2) 3D 音響 … Spatialization + Environmental Modeling

    ・ Env. Modeling = 音の反響(・遮蔽)の再現 - 環境情報から適切なエコー・リバーブを導出 - エコー : 壁などでの音の反射 (early reflections) → 部屋の形状を表現 - リバーブ : 部屋全体での音の残響 (late reverb. tail) → 部屋の大きさを表現
  10. 頭部伝達関数 (HRTF) についてちょっと詳しく δ(t) ( インパルス信号 ) h(t) ( インパルス応答

    ) HRTF は θ (= 15°,30°,etc) 刻みの角度・平均的体型で事前計算 → なめらかな方向変化は難しい・合う人と合わない人がいる H(f) (→ HRTF) フーリエ変換 任意の入力(スピーカー) x(t) → X(f) 欲しい出力(耳のマイク) y(t) → Y(f) Y(f) = H(f)X(f) 逆フーリエ変換で y(t) を得られる