Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

FinOps実践アプローチの紹介(v20241129)

 FinOps実践アプローチの紹介(v20241129)

2024年11月29日のCloudNative Days Winter 2024の講演資料です。
https://event.cloudnativedays.jp/cndw2024

グローバルでは単なるクラウドの活用から先に進み、クラウドへ支払う料金に対して得られる価値を最大化するための取り組みである「FinOps」の実践が当たり前になりつつあります。その一方、国内では知名度も低く、コストを最適化するFinOpsの継続的な活動は、エンジニアから時間を奪うだけの存在だと考える現場もいまだに多い状況です。

本セッションでは、クラウドを扱う全員が取り組むべきFinOpsの概要から、業界標準の導入/実践アプローチ手法である「FinOpsフレームワーク」について実践ノウハウを交えて紹介します。

Satoshi Matsuzawa (Matt)

November 29, 2024
Tweet

More Decks by Satoshi Matsuzawa (Matt)

Other Decks in Technology

Transcript

  1. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 「FinOps」の実践アプローチのご紹介 株式会社 日立製作所

    Hitachi Application Reliability Centers(HARC) Japan 2024年11月29日 松沢 敏志 クラウドコストと使用量を最適化、ビジネス価値の最大化へと導く © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved.
  2. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 自己紹介 1 松沢

    敏志 (まつざわ さとし) シニアクラウドアーキテクト @ 株式会社 日立製作所 / HARC*1 Japan 現在: - クラウドエンジニアリング/SRE/FinOpsチームのテックリード - クラウド技術/SRE/FinOpsの普及啓発 - サードパーティー製ツールも含めたクラウドに関連する技術相談 過去: - Linuxカーネルなどのソフトウェア開発、Linux/KubernetesなどのOSSのL3サポートエンジニア - 国内ハイパーコンバージドインフラ事業などの企画/立ち上げ、クラウドCoE組織の立ち上げ/推進、など その他: - 2021-2023 Japan AWS Top Engineersなどに受賞 - 好きなもの = 真っ赤なスポーツカー x ロック音楽 - 趣味 = 投資 x 仕事 x 子どもたちと遊ぶこと © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 1 *1: Hitachi Application Reliability Centersの略、日本市場ではハルクと読む。 FinOps Foundation Japan Chapterというコミュ ニティーのオーガナイザー的な ことをやってますw
  3. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 本日話すこと © Hitachi,

    Ltd. 2024. All rights reserved. 2 グローバルでは当たり前になりつつある「FinOps」の 業界標準の導入/実践アプローチ手法をご紹介! ✓ FinOps?何それ、おいしいの? ✓ グローバル/日本のFinOps市場は今どういう状況か? ✓ FinOpsの普及や標準化を推進する 非営利団体のFinOps Foundationとは? ✓ その国内コミュニティーであるFinOps Foundation Japan Chapterについて、など
  4. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. いきなりですがここで質問です! © Hitachi,

    Ltd. 2024. All rights reserved. 3 ① 「FinOps」という言葉、はじめて聞いたよ! ② 実際に導入や実践はできていないけど、 「FinOps」という言葉は聞いたことあるよ! ③ もちろん「FinOps」のことをよーく知っているし、 「FinOps」は常日頃からやってるよ! Q. 「FinOps」という言葉を聞いたことがありますか?
  5. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. クラウドコストに関する課題を解決するために出てきた方法論 4 ©

    Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 4 FinOps クラウドのビジネス価値の最大化、データに基づいたタイム リーな意思決定、エンジニアリング、財務、ビジネスチーム間の コラボレーションを通じて財務上の説明責任を生み出すための 運用フレームワークおよび組織文化的なプラクティスです。 ― FinOps Foundation "Finance" + "DevOps" ✓ クラウドを単に使うだけではなく、クラウドに支払う料金に対 してクラウドから得るビジネス価値を最大化していきましょう。 ✓ 一過性の改善で終わらせず、将来的な無駄を生みにくく、 もっと価値を生み出せる組織文化を醸成していきましょう。
  6. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. クラウド活用において組織が直面している最大の課題 © Hitachi,

    Ltd. 2024. All rights reserved. 5 出典: Flexera 2024 State of the Cloud Report by Flexera 84% 81% セキュリティ (2年連続2位、それ以前は11年連続1位) クラウド支出の管理 (2年連続1位)
  7. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. クラウド運用についてこんなことを聞いたことないですか © Hitachi,

    Ltd. 2024. All rights reserved. 6 安くなるからとオンプレミスからクラウドへ移行したのに 結果としてなぜかコストはあまり下がらなかった スモールスタートでコストを抑えて利用を開始したものの 気がついたときにはすでに予算を大きく超えていた クラウドコストを削減したいけど なにからはじめればよいのか分からない いつだれが何のために作ったのか分からない 消していいかも判断できないリソースが乱立している など
  8. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 極論を言えば、エンジニアはあまりコストに興味がない そ れ

    を 言 っ た ら お し ま い よ … © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 7
  9. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. FinOpsはつまらなそうだな、と結論付けるのは早計である 8 いま、かなり熱いジョブのひとつである

    SREエンジニアからの派生が FinOpsエンジニアであるという事実 多くのSREチームの中から FinOpsチームが生まれている SREエンジニア FinOpsエンジニア ※画像はあくまでイメージであり、実際の職種とは一切関係ありません。
  10. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 事実、クラウドの最適化はめちゃくちゃ難易度が高いタスクである FinOpsはめちゃくちゃ面白い (もちろんそうでない部分もある)

    めちゃくちゃテクニカルである (もちろんそうでない部分もある) © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 9 、、、つまり?
  11. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. いざFinOpsをはじめる、と言っても歩みは組織/チームごとにさまざま 11 North

    Star めざすべき先はみんな同じ と比喩されることも 普遍的で明快なゴール 紆余曲折を繰り返しつつ試行錯誤しながらも なんとか最適解へと進んでいくルート だいたい (北極星) うよきょくせつ
  12. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. FinOpsを成功させるために心がけること 12 North

    Star めざすべき先はみんな同じ 普遍的で明快なゴール だいたい (北極星) と比喩されることも Inform Optimize Operate Crawl Walk Run 成熟度(マチュリティ) データドリブン ディシジョンメイキング 先人の知恵 AWS Well-Architected Framework/CFM Template FinOps Framework Azure Well-Architected Framework Google Cloud Architecture Framework Low-hanging fruit =簡単に得られる成果 Sweet fruit 長期的な準備 など データの可視化 改善機会の特定 改善の実装 アジャイル → デファクトスタンダード手法 コミュニティー
  13. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. FinOpsを成功させるために心がけること 13 North

    Star めざすべき先はみんな同じ 普遍的で明快なゴール だいたい (北極星) と比喩されることも Inform Optimize Operate Crawl Walk Run 成熟度(マチュリティ) データドリブン ディシジョンメイキング 先人の知恵 AWS Well-Architected Framework/CFM Template FinOps Framework Azure Well-Architected Framework Google Cloud Architecture Framework Low-hanging fruit =簡単に得られる成果 Sweet fruit 長期的な準備 など データの可視化 改善機会の特定 改善の実装 アジャイル → デファクトスタンダード手法 コミュニティー まずは軽くで良いので おさえておきましょう!!
  14. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. © Hitachi, Ltd.

    2024. All rights reserved. 14 FinOps実践アプローチのご紹介 ザックリな
  15. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 今回ご紹介するFinOps実践アプローチ手法はこちらです! 15 多くの実践者の豊富な経験をもとにクラウドコストやリソース使用量を最適化し、クラウドのビジネス価値を最大化し

    ていくための設計原則やプラクティスなどを網羅的にまとめたもので、一貫したFinOps実践アプローチを提供 出展: FinOps Framework Poster by FinOps Foundation FinOpsフレームワーク クラウドのビジネス 価値の最大化 データに基づいた タイムリーな意思決定 部門間連携を通じて 財務上の説明責任を 生み出す
  16. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 補足、FinOpsフレームワークを提供するFinOps Foundationとは 個人:

    23,000+ 企業: 10,000+ フォーチュン50中 48社 認定: 14,000+ 16 © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 16 プレミアメンバー など • AWS • Microsoft • Google Cloud ※図内の数値は、2024年10月時点の情報です。 出典: Intro to FinOps slides by FinOps Foundation FinOps実践者の支援を目的にFinOps手法としてデファクトの「FinOpsフレームワーク」、クラウドのコストと使用量 データの標準フォーマットである「FOCUS」などの策定、トレーニング/認定資格の提供、FinOpsに関わる人と人と の交流の場などを提供するThe Linux Foundation傘下の非営利団体(2019年設立) FinOps Foundation
  17. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 余談、FOCUSとは 17 17

    最新バージョンはv1.1 (2024年11月リリース) カラムが43項目→50項目へ 拡張されるなど、より詳細な 分析が可能に 主要なクラウドプロバイ ダーはすでに対応済み 主要SaaSプロバイダーも 順次対応されていく見込み 主要なクラウドプロバイダー でもFOCUS形式の可視化 に対応してきている状況 画像引用: What is FOCUS? by FinOps Foundation © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. クラウドプロバイダー各社のクラウド請求書のデータフォーマットを統一規格で扱えるようにする クラウドのコストと使用量の課金データフォーマットに関するオープンソースの技術仕様 FinOps Open Cost and Usage Specification(FOCUS)
  18. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 改めて、今回ご紹介するFinOps実践アプローチ手法はこちらです! 18 多くの実践者の豊富な経験をもとにクラウドコストやリソース使用量を最適化し、クラウドのビジネス価値を最大化し

    ていくための設計原則やプラクティスなどを網羅的にまとめたもので、一貫したFinOps実践アプローチを提供 FinOpsフレームワーク クラウドのビジネス 価値の最大化 データに基づいた タイムリーな意思決定 部門間連携を通じて 財務上の説明責任を 生み出す 出展: FinOps Framework Poster by FinOps Foundation
  19. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 出展: FinOps Framework

    by FinOps Foundation FinOpsフレームワークの構成要素 19 FinOpsの原則 FinOpsの活動を 成功へと導くための 基本的な考え方 FinOpsペルソナ FinOpsの活動に 関わる利害関係者 とそれぞれの役割 FinOpsの目的を達成 するための個々の活動 や実装すべき能力 FinOpsの実践から 達成すべき基本的 なビジネス成果 FinOps成熟度モデル FinOpsの実践レベルを 客観的に把握するための 評価基準 FinOpsフェーズ FinOpsドメイン FinOpsケイパビリティ FinOpsの反復的 な活動を構成する 一連の流れ
  20. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 出展: FinOps Framework

    by FinOps Foundation FinOpsフレームワークの構成要素 20 FinOpsの原則 FinOpsの活動を 成功へと導くための 基本的な考え方 FinOpsペルソナ FinOpsの活動に 関わる利害関係者 とそれぞれの役割 FinOpsの目的を達成 するための個々の活動 や実装すべき能力 FinOpsの実践から 達成すべき基本的 なビジネス成果 FinOps成熟度モデル FinOpsの実践レベルを 客観的に把握するための 評価基準 FinOpsフェーズ FinOpsドメイン FinOpsケイパビリティ FinOpsの反復的 な活動を構成する 一連の流れ 組織内の各部門チームは協力する必要がある Teams need to collaborate 意思決定はクラウドのビジネス価値に基づいて行うこと Decisions are driven by business value of cloud すべての人が自分のクラウド使用量に当事者意識を持つこと Everyone takes ownership for their cloud usage FinOpsデータはアクセスしやすくタイムリーであるべき FinOps data should be accessible are timely 組織横断の専門チームが中心となりFinOpsを推進すること A centralized team drives FinOps クラウドの変動費モデルをうまく利用すること Take advantage of the variable cost model of the cloud 出展: FinOps Principles by FinOps Foundation
  21. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 出展: FinOps Framework

    by FinOps Foundation FinOpsフレームワークの構成要素 21 FinOpsの原則 FinOpsの活動を 成功へと導くための 基本的な考え方 FinOpsペルソナ FinOpsの活動に 関わる利害関係者 とそれぞれの役割 FinOpsの目的を達成 するための個々の活動 や実装すべき能力 FinOpsの実践から 達成すべき基本的 なビジネス成果 FinOps成熟度モデル FinOpsの実践レベルを 客観的に把握するための 評価基準 FinOpsフェーズ FinOpsドメイン FinOpsケイパビリティ FinOpsの反復的 な活動を構成する 一連の流れ コアペルソナ: FinOpsの実践に常に関与するチームまたは担当者 FinOps FinOpsやクラウド CoEメンバーなど 財務 コーポレートファイナンス や財務アナリスト、 予算アナリストなど 調達 クラウドベンダーとの交 渉やベンダー管理など リーダーシップ インフラ責任者、CCoE 責任者、CxOなどの経 営幹部など プロダクト プロダクトマネージャーや プロダクトオーナーなど エンジニアリング クラウドアーキテクト、開 発者、SRE、プラット フォームエンジニアなど 関連ペルソナ: FinOpsの実践に直接関与しないものの推進 するにあたって調整が必要となる可能性のある チームまたは担当者 IT資産管理 (ITAM) IT財務管理 (ITFM) ITSM/ITIL サステナ ビリティ セキュリティ 出展: FinOps Personas by FinOps Foundation
  22. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 出展: FinOps Framework

    by FinOps Foundation FinOpsフレームワークの構成要素 22 FinOpsの原則 FinOpsの活動を 成功へと導くための 基本的な考え方 FinOpsペルソナ FinOpsの活動に 関わる利害関係者 とそれぞれの役割 FinOpsの目的を達成 するための個々の活動 や実装すべき能力 FinOpsの実践から 達成すべき基本的 なビジネス成果 FinOps成熟度モデル FinOpsの実践レベルを 客観的に把握するための 評価基準 FinOpsフェーズ FinOpsドメイン FinOpsケイパビリティ FinOpsの反復的 な活動を構成する 一連の流れ 出展: FinOps Phases by FinOps Foundation FinOpsは、Inform、Optimize、Operateの3つのフェーズを意識し、 反復ループを繰り返すことで成熟度の向上とともに継続的な改善を行う • データソースの特定 • データをタイムリーに収集し、 予算編成、予測、KPI設定、 ビジネス価値算出など実施 • タグ付けによる正確なコスト 配賦、など • Informフェーズのデータを基 に、クラウドの効率を改善す る機会を特定 • リソースの適正化、モダン アーキの活用、未使用リソー スの自動削除などの検討 • コミットメントベース割引など の検討、など • Optimizeフェーズで検討した改善機会の実装 • ガバナンスポリシーの確立、コンプライアンスの監視、 トレーニングプログラムやガイドライン策定、など Informフェーズ コストや使用量の可視性と 各チームへの割り当て Optimizeフェーズ 使用量と料金の最適化の 機会の特定 Operateフェーズ 継続的な改善の実行
  23. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 出展: FinOps Framework

    by FinOps Foundation FinOpsフレームワークの構成要素 23 FinOpsの原則 FinOpsの活動を 成功へと導くための 基本的な考え方 FinOpsペルソナ FinOpsの活動に 関わる利害関係者 とそれぞれの役割 FinOpsの目的を達成 するための個々の活動 や実装すべき能力 FinOpsの実践から 達成すべき基本的 なビジネス成果 FinOps成熟度モデル FinOpsの実践レベルを 客観的に把握するための 評価基準 FinOpsフェーズ FinOpsドメイン FinOpsケイパビリティ FinOpsの反復的 な活動を構成する 一連の流れ 出展: FinOps Maturity Model by FinOps Foundation 「クロール、ウォーク、ラン」の3段階のアプローチにより、小規模からはじめ て、繰り返しによってプラクティスを成熟させつつ、ビジネス規模に応じて規 模や範囲の拡大、そしてより複雑な課題解決へと取り組むことができる クロール ウォーク ラン 補足) FinOpsケイパビリティの項目ごとに成熟度の定義がある 知識: 一部のチームのみ理解 プロセス: 基本的な部分のみ 指標: 基本的なKPIのみ 適用: 環境ごとにまちまち 自動化: 自動化していない 知識: 主要なチームは理解 プロセス: ほぼ全体をカバー 指標: 基本KPIの自動計測 適用: ドキュメントは実装済み 自動化: 一部は自動化 知識: すべてのチームが理解 プロセス: 複雑なケースも対応 指標: 主要KPIを自動計測 適用: 一貫的/普遍的に適用 自動化: 主要部分は自動化
  24. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. FinOpsフレームワークの構成要素 24 FinOpsの原則

    FinOpsの活動を 成功へと導くための 基本的な考え方 FinOpsペルソナ FinOpsの活動に 関わる利害関係者 とそれぞれの役割 FinOpsの目的を達成 するための個々の活動 や実装すべき能力 FinOpsの実践から 達成すべき基本的 なビジネス成果 FinOps成熟度モデル FinOpsの実践レベルを 客観的に把握するための 評価基準 FinOpsフェーズ FinOpsドメイン FinOpsケイパビリティ FinOpsの反復的 な活動を構成する 一連の流れ 出展: FinOps Framework by FinOps Foundation 使用量とコストの理解 ✓ データ取り込み ✓ 割り当て ✓ レポートと分析 ✓ 異常管理 クラウドの使用量やコストについて、利 害関係者含めたすべての人がより深く 理解する 必要なケイパビリティ ビジネス価値の定量化 ✓ 計画と見積り ✓ 予測 ✓ 予算管理 ✓ ベンチマーク ✓ ユニット エコノミクス 必要なケイパビリティ 組織と利害関係者にもたらす価値と クラウドのコストがどう対応しているか 理解を深める 使用量とコストの最適化 ✓ アーキテクチャー設計 ✓ 料金の最適化 ✓ 使用量の最適化 ✓ サステナビリティ ✓ ソフトウェアライセンスと SaaS 必要なケイパビリティ 効果的な設計/構築、定期的な使用 量/料金の見直しや新機能/新サービス の活用などを行い適正化を図る FinOpsプラクティスの管理 ✓ プラクティスの運用 ✓ ポリシーとガバナンス ✓ アセスメント ✓ ツールとサービス ✓ 教育と仕組みづくり ✓ 請求とチャージバック ✓ 関連する専門分野 など 必要なケイパビリティ 人/プロセス/技術へ徐々に変革をもたらし、 継続的な改善促進、無駄を生みにくく、よ り価値を高められる組織文化を醸成する 出展: FinOps Domains by FinOps Foundation
  25. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 出展: FinOps Framework

    by FinOps Foundation FinOpsフレームワークの構成要素 25 FinOpsの原則 FinOpsの活動を 成功へと導くための 基本的な考え方 FinOpsペルソナ FinOpsの活動に 関わる利害関係者 とそれぞれの役割 FinOpsの目的を達成 するための個々の活動 や実装すべき能力 FinOpsの実践から 達成すべき基本的 なビジネス成果 FinOps成熟度モデル FinOpsの実践レベルを 客観的に把握するための 評価基準 FinOpsフェーズ FinOpsドメイン FinOpsケイパビリティ FinOpsの反復的 な活動を構成する 一連の流れ 使用量とコストの理解 データ取り込み 使用量やコストに 関するデータセッ トを作成 レポートと分析 改善機会の特定、 データに基づく意 思決定のサポート 割り当て タグやラベルなどを 使用してコストを 割り当て 異常管理 予測できないクラ ウド支出をタイム リーに検知 ビジネス価値の定量化 計画と見積り 潜在的なコストと価 値を見積り 予算 ビジネス目標に 沿った支出の管理 予測 将来のコストと価値の モデルを作成 ユニットエコノミクス クラウド利用によるビジネ ス価値への影響を把握 するための指標を追跡 ベンチマーク 効率指標を使用して 外部と比較評価 使用量とコストの最適化 アーキテクチャー設計 コストを意識した効率的 なソリューションの設計 ワークロードの最適化 リソースを最適化し、 ビジネス価値を拡大 料金の最適化 交渉割引・コミットメント 割引などによる効率化 ライセンスとSaaS ソフトウェアライセンスと SaaS投資を最適化 サステナビリティ 持続可能性の指標を 最適化に組み込み、 他とのバランスを取る FinOpsプラクティスの管理 プラクティスの運用 戦略とプロセスの継続を通 じてプラクティスを強化する 効率的なチーム運営 アセスメント 成熟度を分析し、活 動の強みと改善すべき 領域の洞察を得る ポリシーとガバナンス 要件に準拠し、リソースを 効率的に最適化するため の仕組みの確立/進化 出展: FinOps Capabilities by FinOps Foundation ツールとサービス ツールやサービスを効 果的に活用し、プラク ティスを強化 教育と仕組みづくり 組織全体がFinOpsを 採用/実践できるように 教育などを実施 請求とチャージバック 財務と協力し、請求書 照合ワークフロー、チャー ジバックモデルを開発 ワークロードの オンボーディング 費用対効果を確立/ 維持したクラウドへの 移行戦略 関連する専門分野 FinOpsと連携してクラ ウド戦略に統合すべき 関連ペルソナとの活動
  26. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 出展: FinOps Framework

    by FinOps Foundation FinOpsフレームワークの構成要素 26 FinOpsの原則 FinOpsの活動を 成功へと導くための 基本的な考え方 FinOpsペルソナ FinOpsの活動に 関わる利害関係者 とそれぞれの役割 FinOpsの目的を達成 するための個々の活動 や実装すべき能力 FinOpsの実践から 達成すべき基本的 なビジネス成果 FinOps成熟度モデル FinOpsの実践レベルを 客観的に把握するための 評価基準 FinOpsフェーズ FinOpsドメイン FinOpsケイパビリティ FinOpsの反復的 な活動を構成する 一連の流れ 使用量とコストの理解 データ取り込み 使用量やコストに 関するデータセッ トを作成 レポートと分析 改善機会の特定、 データに基づく意 思決定のサポート 割り当て タグやラベルなどを 使用してコストを 割り当て 異常管理 予測できないクラ ウド支出をタイム リーに検知 ビジネス価値の定量化 計画と見積り 潜在的なコストと価 値を見積り 予算 ビジネス目標に 沿った支出の管理 予測 将来のコストと価値の モデルを作成 ユニットエコノミクス クラウド利用によるビジネ ス価値への影響を把握 するための指標を追跡 ベンチマーク 効率指標を使用して 外部と比較評価 使用量とコストの最適化 アーキテクチャー設計 コストを意識した効率的 なソリューションの設計 ワークロードの最適化 リソースを最適化し、 ビジネス価値を拡大 料金の最適化 交渉割引・コミットメント 割引などによる効率化 ライセンスとSaaS ソフトウェアライセンスと SaaS投資を最適化 サステナビリティ 持続可能性の指標を 最適化に組み込み、 他とのバランスを取る FinOpsプラクティスの管理 プラクティスの運用 戦略とプロセスの継続を通 じてプラクティスを強化する 効率的なチーム運営 アセスメント 成熟度を分析し、活 動の強みと改善すべき 領域の洞察を得る ポリシーとガバナンス 要件に準拠し、リソースを 効率的に最適化するため の仕組みの確立/進化 出展: FinOps Capabilities by FinOps Foundation ツールとサービス ツールやサービスを効 果的に活用し、プラク ティスを強化 教育と仕組みづくり 組織全体がFinOpsを 採用/実践できるように 教育などを実施 請求とチャージバック 財務と協力し、請求書 照合ワークフロー、チャー ジバックモデルを開発 ワークロードの オンボーディング 費用対効果を確立/ 維持したクラウドへの 移行戦略 関連する専門分野 FinOpsと連携してクラ ウド戦略に統合すべき 関連ペルソナとの活動 それぞれの項目ごとに ✓概要と目的 ✓成熟度評価 ✓各ペルソナの行動 ✓成功の尺度とKPI ✓インプットとアウトプット などが定義
  27. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 11月のFinOps X Europe

    2024で紹介された最新アップデート 27 出展: FinOps Framework by FinOps Foundation FinOpsフレームワークに「スコープ」という新要素が追加されました スコープ 出展: FinOps Scopes by FinOps Foundation パブリッククラウド Software-as-a- Service (SaaS) データセンター
  28. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 改めて、FinOpsを成功させるために心がけること 28 North

    Star めざすべき先はみんな同じ 普遍的で明快なゴール だいたい (北極星) と比喩されることも Inform Optimize Operate Crawl Walk Run 成熟度(マチュリティ) データドリブン ディシジョンメイキング 先人の知恵 AWS Well-Architected Framework/CFM Template FinOps Framework Azure Well-Architected Framework Google Cloud Architecture Framework Low-hanging fruit =簡単に得られる成果 Sweet fruit 長期的な準備 など データの可視化 改善の設計 改善の実装 アジャイル → デファクトスタンダード手法 コミュニティー まずは軽くで良いので おさえておきましょう!!
  29. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. HARCサービスが攻略をサポートできる山は現時点では2種類 31 クラウド運用全般を

    改善するという大きな山 クラウドコストを 最適化するという山 FinOps実践ルート SRE実践ルート
  30. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. HARCサービスカタログとサービス適用の流れ アドバイザリサービスで改善計画の策定、マネジメントサービスで各種施策の継続実行 /

    成熟度向上を実施 HARC – 運用改善 SREアドバイザリサービス SREマネジメントサービス Manage(ラン) Build(デザイン) Plan(アドバイザリ) 導入 コンサルティング 適用サービスの選定と 対象プロジェクトの明確化 運用改善の実行 運用作業の実行 / 改善施策の 適用を通じた継続的な改善 運用改善 ループ 新規運用の設計 要件定義に基づく運用設計 / 実装を通じた、成熟度の確保 新規運用の要件定義 新規運用 / クラウドマイグレーション 後の運用に対する要件の明確化 運用改善の設計 アセスメント結果を踏まえた改善 施策の実装 / 成熟度の向上 マチュリティ・アセスメント 既存運用の成熟度向上に向けた 現状分析 / 実行計画案の策定 HARC – コスト最適化 運用改善 ループ クラウドコスト・ アセスメントサービス クラウドコスト支出状況の現状分析 / 最適化に向けた実行計画案の策定 クラウドコスト・ マネジメントサービス コスト最適化施策の設計 / 実装、および コスト最適化の実行による継続改善 32
  31. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. HARCサービス活用事例 主要施策と その効果

    FinOpsのベストプラクティスとのフィット&ギャップ分析 クラウドコストを最適化し、組織として最適な状態を維持し続ける運用体制や仕掛けづくりが 設計として落とし込めているかを分析し、残存するクラウドコストに関するリスクを顕在化 クラウドコストと使用量の把握と理解に関する教育 クラウドネイティブツールを活用したクラウドコストと使用量の確認/分析方法として、組織全体の 把握からより支出の多い箇所にフォーカスして詳細を確認といった一連の流れを学習 クラウドコスト最適化の機会の特定 本システムでコスト比率の約80%を占めるEC2、RDSを中心に料金最適化に関する提案を 実施するとともに、将来的なリソース最適化/アーキテクチャー最適化についてアドバイスを提供 設計初期段階にアセスメントを実施し、クラウドコストに関する課題を早期に摘出、将来的なコストを回避 状況 従来オンプレミスで運用していたシステムの更改にあわせ、 パブリッククラウド(AWS)上へとクラウドリフト&シフトを推進、 アセスメント実施時のプロジェクト工程は基本設計フェーズ 課題 • チームのクラウドスキル不足に懸念があり、開発チームのアー キテクチャ―設計が妥当なのか漠然とした懸念がある • 現在の開発/運用チームから独立した第三者的な視点で 評価してもらい、今後の施策の参考としたい 33 残存リスク 33件 を摘出 クラウドコスト 16% 削減提案 最適化施策 23件 の提案 エンジニア の育成
  32. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. © Hitachi, Ltd.

    2024. All rights reserved. 34 最後に
  33. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 日本のFinOps業界の状況 35 出典:

    Gartner、「日本におけるクラウド・プラットフォームのハイプ・サイクル:2024年」を発表 ガートナージャパン株式会社の「日本におけるクラウド・プラットフォームのハイプ・サイクル:2024年」 によると、やっと姿を表してきたというレベルでここから2年で普及期へ持ってこれるかどうかという状況 2024年11月時点の状況は、 ✓ 国内SIerでFinOps Foundationに参画している のは株式会社NTTデータと株式会社 日立製作所 のみ (ただし、NTTデータは米国拠点がメイン) ✓ FinOpsを推進する企業は、SREエンジニアを多く保 有する限られた一部の企業のみ ✓ 日本全体のFinOps認定資格保有者はまだ約 225人程度しかいない ✓ FinOps X 2024のような大型カンファレンスへの日 本からの出席者は片手に収まる程度 など グローバル 日本 ≒当たり前 知る人ぞ知る vs
  34. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. おさらい、FinOps導入/実践における重要なポイント © Hitachi,

    Ltd. 2022. All rights reserved. 36 FinOpsで解決したい課題解決に向けて最適なルートをたどれるように FinOpsフレームワークや各種ナレッジなどの先人の知恵を積極的に活用すること 現在のデータをもとにこのサイクルではどこが一番効果的かを見極めながら その時々の最善を小さく繰り返し、組織/チームとしての成熟度を徐々に高めること (ゼロtoヒーローやビックバンリリースのような改善はさけること) とくに導入期などの初期段階、自身でうまくサイクルを回せるようになるまでは コミュニティーなどをぜひ活用して他のFinOps実践者にアドバイスを求めてみよう (時には外部のFinOpsサービスを活用するといった選択肢もありかもしれない) 1 2 3
  35. もっとFinOps/FOCUSについて詳しく知りたい方は 37 © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. FinOps認定/トレーニング

    さまざまなトレーニングと認定資格を通じて FinOpsに関する知識を深めることができます 詳細は、learn.finops.org を参照ください 個人的には、まずは無償の FinOps入門/FOCUS入門を 実施した上で、さらに知りたければ FinOps Certified Practitionerの 取得からめざすことをお勧めします 出典: Intro to FinOps slides by FinOps Foundation
  36. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. FinOpsコミュニティーへのお誘い ユーザー企業 サービスベンダー企業

    ツールベンダー企業 日本では依然としてFinOpsの知名度は低い状況、 ぜひ一緒に日本のFinOps業界を盛り上げていきませんか? © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 38
  37. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 最後に、FinOps Foundation Japan

    Chapterからのお知らせ 39 FinOps Foundation Japan Chapter設立記念としてミートアップを下記の通り開催します。 FinOpsに関するプレゼンテーション、ディスカッションや参加者との交流を予定しておりますので、 ご都合がつきましたらぜひご参加ください。 【イベント】Japan FinOps Meetup#3を開催します! 日時: 2024年12月13日(金)18:20~21:00(開場17:30) 場所: ソニー・インタラクティブエンタテインメント(芝浦クリスタル品川港南 17階) 内容: FinOps Foundationによる基調講演、11月にスペインで開催されたFinOps X Europe 2024カ ンファレンスのイベントレポート、国内FinOps実践者による事例紹介を実施した後、FinOps実践者 同士のネットワーキングの時間を予定しています。 参加登録は次のURLまたはQRコードからお願いします! → https://events.finops.org/event/japan-finops-meetup/
  38. © Hitachi, Ltd. 2024. All rights reserved. 表記に関する注意事項 ▪他社商品名、商標などの引用に関する表示 –

    Amazon Web Services、AWS、Powered by AWS ロゴは、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。 – Microsoft、Azureは、マイクロソフト 企業グループの商標です。 – Google、Google Cloud は,Google LLC の商標または登録商標です。 – その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。 ▪サービス・製品の仕様に対する表示 この資料に記載している製品・サービス仕様は、2024年11月現在のものです。 製品・サービスの改良などにより予告なく記載されている仕様が変更になることがあります。